ケイティ・メルア Katie Melua オーケストラとの共演ライブDVD
オーケストラとの共演のもたらすもの・・・・・
私がこのケイティ・メルアの唄を知ったのは2009年の夏なのでまだ2年前だ。にもかかわらず、ずいぶん前から聴いてきたような錯覚に陥っている。それは何故なんだろう?と・・・・・・。多分2003年の1stアルバムから昨年の4thアルバムの「the house」まで、結構何度となく良く聴いた為かも知れない。
そして今年になって、2009年のライブDVDが登場していた。最近私はそれを手に入れて視聴した訳だが、なんか結構懐かしい気持ちで観ていたのである。
「Katie Melua with the Stuttgart Philharmonic Orchestra」 DRAMATICO DRAMDVD0006 , 2011
これはドイツのシュツットガルドで、1994年以来毎年行われている”JAZZ OPEN Stuttgart”という音楽の祭典に、2009年ケイティ・メルアの出演した時のライブ・映像盤だ。それが今年になってリリースされた(輸入盤だがリュージョン・フリーで日本でも観れる)。
この音楽行事は、”JAZZ OPEN”と名付けられているように、毎年話題のミュージシャンを、音楽ジャンルはジャズに主軸を於きながらも、ジャズばかりには固執せず、そして広く各国から招待公演させているものだ。
彼女に関してはこのブログで何度か取り上げたので省略するが、1984年旧ソ連のグルジア生まれであり、このライブではまだ25歳という若さである。
ピアノ、ギターを弾きながら歌うシンガー・ソングライターで、かなりの音楽の積み重ねもあると思うが、その曲はJazzyであるが(ブルースも)、ロック、ポップスの範疇にも入るし、時にアイリッシュ・フォークの色合いも見せる。
その歌声もなんとなくあどけないところがあって、それも又魅力である。
収録されている曲は左のようで、どちらかというと彼女のヒット・パレードだ。
なんと言っても、このライブの特徴はオーケストラとの共演である。彼女自身も初めての試みで、感動したようである。もちろんジャズ畑のピアノに加えてギター、ベース、ドラムスの参加もある。
しかも、このシュツットガルド・フィルファーモニー・オーケストラを指揮するは、彼女をここまで育ててきた師マイク・バットである。
もう一つ驚かされるのは、この会場の9千人と言われるオーディエンスは25歳のジャズぽいと言えどもポピュラー系の女性のステージというのに年齢層の高いのに驚かされる。彼女の主たる活動の国イギリスに於いてもライブ映像を見ると年齢層はかなり広く中年以上が結構多い。
こうした広い年齢層に愛されている歌手だと言うことが解るのだ。しかし、不思議に日本ではそうネーム・バリューは高くない。従ってこのDVDも日本版はないのだ。
この彼女のライブを観て思うのだが・・・・、彼女はグルジアでの内戦の悲惨さの中で育った為なのか?、このあたりは全く私の想像の域を出ていないのだが・・・・、演ずる会場の雰囲気はそれほど明るくはない。彼女の歌う表情も笑顔ではないのがそうさせるのか?。ましてフル・オーケストラをバックにするとなお更静かな会場と化している。
曲の内容でも、リズムでも、決して全てが暗いわけでもないが・・・、なんかこのDVDをみてそんな雰囲気を感ずるところだ。このあたりが、日本でも若者にあまり注目されないところであるのかもしれない。それでも若い連中に彼女のCDを聴かせると評判はすこぶる良いのだ。
ライブでも、もうちょっと、会場を楽しくさせるパフォーマンスも必要なのかも知れない("on the road again"などでは頑張ってはいるのだが・・・・)。
しかしいずれにしても、若いにもかかわらず一つの世界を持ったミュージシャンであることは間違いない。私にとっては2年前から注目し、応援している女性シンガー・ソングライターの一人なのである。
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