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2011年8月 1日 (月)

韓流女性ジャズ・ヴォーカル(1): ウンサンWoong San 「Once I Loved」

呟(ささや)き、囁(つぶや)きヴォーカル

 今年の始めに、「ジャズ批評」で発表のあった”ジャズオーディオ・ディスク大賞2010-ヴォーカル部門-”で金賞に輝いたウンサンWoong San、そんな訳で当時取り敢えず手にしたアルバムがこれだ。既に数ヶ月経過したが、ここで韓国ものにちょっと焦点を当てることとして取り上げてみる。

Onceilove 「Woong San / Once I Loved」 FORWARD FW2081W , 2010

 もう韓国では10年以上のキャリアがあるウンサン、日本メジャー・デビューを果たしたのは2008年のアルバム「Feel like making Love」であった。そしてこのアルバムはその後の3rdアルバムだ。
 もともと1998年より日本でも活動するようになっていて既にベテランであり、韓国ではトップ・クラスのヴォーカリスト。私は若干知っていたが、アルバムを手にして聴いたことはなかったのである。
 このアルバムは日本盤と言っていい内容で、ポニーキャニオンにより製作され、バック・バンドは日本人演奏陣で固められていて、日野皓正(ts)が一曲ゲスト参加している。録音は東京の一口坂スタジオで行われていて、かなり好録音。(鈴木央紹(sax)、秋田慎治(p)、若井優也(p)、金子雄太(org)、天野清継(g)、荻原亮(g)、松島啓之(flh)、安カ川大樹(b)、大月”カルタ”英宣(ds))
 かってのメジャー・デビュー前の2005年のアルバム「Call Me」では、Bluesにチャレンジしたもので、大半がオリジナル曲という内容で、日韓でかなり好評だった由。しかし今回のこのアルバムは多くがスタンダート・ナンバーで占められている。

Woongsan2    1. she's not there
   2. you don't know what love is
   3. the lady wants to know
   4. no moon at all
   5. never let me go
   6. teach me tonight
   7. the water is wide
   8. once i loved
   9. the man i love
  10. as time goes by
  11. the lady is a tramp
  12. what the world needs now

 さてその中身だが、冒頭の”she's not there”は軽快なリズムに乗っての洒落たHisatsugu Suzuki のアレンジが冴えて面白い。
 2曲目”you don't know what love is”には日野皓正のトランペットが登場してがらっとムードは夜の世界。そしてウンサン得意の囁き呟きヴォーカルが登場する。その流れは”never let me go”、”once i loved” といったバラード曲にも同様で、ゆったりと低音を効かしたスロー・ヴォーカルが彼女の得意技。やや暗く哀愁のムードはなかなか見事と言って良い。
 このアルバムはかなり技術力の高い好録音で、再生されるピアノなどの音も見事である。そして実は彼女のヴォーカルの表現にもかなり貢献しているのが解る。ヴォーカルものの声の艶には録音の善し悪しが相当関与している。そんな意味ではバック・バンドの演奏力もそうだが、ウンサンは恵まれていると言ってもいいだろう。
 ただ、11曲目の”the lady is tramp” のような歌い込みの必要な曲では、若干甘さが出てしまうところはいたしかたのないところか。

 現在、彼女の活動は広く、特にミュージカルなどにも活動が及んでいる。日本でも人気の韓国の代表選手であって、今後の健闘に期待しておこう。

 

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