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2011年9月 2日 (金)

イリアーヌ・イリアス Eliane Elias : ボサノヴァとジャズ・ピアノとヴォーカルと(4)

ジャズ・ピアニストとしての憧れのビル・エヴァンスにアプローチ

 イリアーヌ・イリアスは、1985年から20枚以上のアルバムをリリースしており、又それにはジャズ・ピアニストであり又ヴォーカルものにも多くの作品を残していることなど、拾い上げると多彩で、ここに4回目の登場ということになった。

Somethingforyou 「Eliane Elias sings & plays Bill Evans / Something for You」 BLUE NOTE Records  50999 5 11795 6 , 2007

 先日も取り上げた2006年の前作「Around The City」 がポップ・ヴォーカルに近い作品で、ジャズ・ファンには若干の疑問が持たれたところであった。しかし、この翌年の作品は、見事にジャズ・ピアニスト、ジャズ・ヴォーカリストとして、しかもビル・エヴァンスのトリビュート・アルバムとして、ファンの期待に応えたものであった。
 主力はトリオ演奏で、彼女のアレンジによるピアノ・トリオものである(Eliane Elias: piano, vocals , Marc Johnson: bass ,  Joey Baron: drums)。このメンバー構成は2002年の「Play Live」と変わっていない。ベースの夫マーク・ジョンソンは、ビル・エヴァンス・トリオのメンバーでもあったこともあり、更にこの企画に貢献しているのであろう。

Somethingforyoulist 曲目は、左のようである。(クリック拡大)
 彼女自身のオリジナル曲は1曲登場するが、ビル・エヴァンスが好んで演奏したもの、又は彼の作品を網羅している。特にビルの作品でもオフィシャルには未発表の2曲も含めたこと、更になんと17曲目の最後の曲は2曲目に取り上げて演奏した曲”here is something for you”を、ビル・エヴァンスの演奏のカセット・テープ録音(最悪の音であるが)を流して、それに最後彼女が色を付けて終わらせるという手法を取っていこと、このあたりは洒落た企画だ。

Eliane1  さて、彼女のピアノ・プレイであるが、さすがビル・エヴァンスの特徴をしっかり掴んでの音に挑戦している。私なんかはあの非常にポピュラーな”my foolish heart”などを聴かされると、昔の気持ちにいつの間にか戻ってしまっているところだ。マイルスの”solar”も登場するが、彼女のピアノ・プレイの見事さを感じ取れる。
 聴き方によっては、あくまでもエヴァンス風ではあるが、ちょっと異議を述べたくなるという人もいるようだが、私の感覚では昔のエヴァンスものより録音も良くて、十分楽しめる。
 一方、ヴォーカルであるが、約半分の曲で登場するが、どうもこのビル・エヴァンスものには、私の印象としてはあまりマッチングしていない。やはり彼女のヴォーカルは、ちょつとこの世界とは違うのではなかろうか?、9曲目の”minha”あたりはそれなりに納得はしましたけど。
 いずれにしても、あのボサノヴァ・ヴォーカルの世界に印象が強くてのことかも知れないが、私にはそのように感じられた。

 彼女のアルバムを取り上げていくと切りがないのであるが、1989年の「Plays Jobin」、1998年の「Sings Jobin」というジャズ・ピアノ・プレイとヴォーカルものの対比が出来る2アルバムもある。これからの秋の夜長には、ゆっくりと楽しむによいと思っている。

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