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2011年9月15日 (木)

秋の夜長の回顧シリーズ(3) : ジュリー・ロンドンJulie London のスモーキー・ヴォイス

スモーキー・ヴォイスのはしり・・・・

 秋の夜長の一時を、昔の回顧に心を休ませている。そんな中で、もともと私はかってのLPそして現在のCDなどをトータルに聴いての感動に期待しているわけで、ベスト・アルバムという寄せ集めの否定者なんですが、しかし、この1950年代活躍したジュリー・ロンドンの場合のように、むしろベスト・アルバムのほうがよいという場合もある。そんな事情から、取り敢えずこのシリーズではベスト盤を中心にアプローチしているところだ。

Julibest 「THE VERY BEST OF JULIE LONDON」 CAPITOL 09463-12129-2-5 ,  2005

 
なんといっても、このベスト盤は、まずCD2枚組であって何と全50曲を納めている。更に重要なポイントはリマスターによる音の改善である。なにせ半世紀前という時代のものを蘇らせているのだ。
 又、当時はトータル・アルバムによるという作風の世界でなく、一曲一曲ベストを狙ったと言っていい時代であるので、ここに多くの曲を網羅してのベスト盤の意味は実は大きいのである。
 ジュリー・ロンドンは1926年生まれで、2000年に74歳で亡くなっている。最も歌手として華々しかったのは1950年代である。あの”cry me a river”の人気は凄かったようだ。いまでもこの曲では、彼女の名前が出てくるところである。

Julielondon1b    ところでこのジュリー・ロンドンというのは、出発は映画女優でありむしろ美貌を売り物にしていたのである。ところが結婚して引退し二児の母親となるも離婚となり、なんとその後は(20歳代後半に)歌手としてスタートしたという経過である。離婚後ジャズピアニストのボビー・トゥループとの関係が深まったことが重要な因子であったと言われている。とにかく世界は映画の最も人気のあった時代であって、この後再び映画の道も歩んで、その人気は絶大であった。アメリカという華やかな中から生まれた一つの夢のある世界であったと言っていいだろう。

Julielist1_2  Disc1の25曲は左の通りである。ざーと見ても最近の女性ジャズ・ヴォーカリストが取り上げている曲群がづらーと並んでいる。彼女がスタンダード・ナンバーを如何にこなしていたがよく解る。
 スタートのヒット曲”fly to the moon”は快調なテンポで歌い上げる。しかしそれにも増してここまで音を改善したリマスター技術陣に脱帽だ。
 彼女の代名詞の”cry me a river”が2曲目に登場する。静かなギターのバックで、ややハスキーな例のスモーキー・ヴォイス(smoky voice)でしっとりと歌い上げたところは、1955年当時には驚きで歓迎されたことは想像に難くない。最近でのダイアナ・クラールなどと比べて聴いてみると面白い。
 このアルバムの曲群では、バックにストリングス・オーケストラが流れたりするが、むしろそのバックの演奏が何となく古くさく感じ、彼女の歌声や節回しはむしろこの今においても決して古くさくないところが不思議である。Jazzyな歌い回しが好まれたのはこの時代の一つの象徴であろうが、そのパターンは実は今も変わっていない。
 ”misty”も私の好きな曲で、涙ものである。秋の夜長には最高だ。
 ”go slow”は今の時代に決して遅れをとっていない。
 ”Basin street blues”、”Blues in the night”の2曲などブルースものもなかなか味のあるヴォーカルだが、バックは如何にも古くさい。これがギターなどのシンプルなバックだったらゾッとするほど素晴らしいと思うのだが。

Julielist2  左は、Disc2の25曲リストである。
 彼女の唄は、しっとり哀愁タイプである。しかし決して暗くないところが支持を広く獲得したのではなかろうか。
 ”love letters”、”i left my heart in sanfrancisco”などは今も変わらずのお手本的ヴォーカルを聴かせる。
 懐かしの”day of wine & roses”は聴きどころ。
 先日話題にしたイリアーヌ・イリスの”light my fire”は、この昔のジュリーの唄もラテン・タッチものでなかなかいい。唄いがいのある曲なんでしょうね。
 ”heres that rainy day ”を聴くと、声の質、バツクのギターと全く現在の曲造りに遜色ない。
 ”i've got a crush on you”はお勧め曲、聴いてのお楽しみと言ったところ。
 最後は”ev'rytime we say goobye”締めくくる。全50曲を一夜に聴くと、ほんとにこの夜を有り難うと安堵に付けるのである。

 秋の夜長のベスト盤でも、実は片手に入るジュリー・ロンドンものを紹介した。彼女が1957年、映画「The Girl can't help (女はそれを我慢できない)」に出演し歌った”cry me a river”を私の好きな曲として挙げさせていただき、ここに書いたところである。

  
 

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コメント

こんばんわ!
最近になってジャズ・ヴォーカルを聴くようになりました。
なんとなく、ジュリー・ロンドンを聞くようになり、このCDもお気に入りのひとつです。
ちなみに最初に買ったCDはオールスルーザナイトでした。
普段はビル・エヴァンスなどのピアノなどをよく聞いています。

投稿: マービー | 2011年12月21日 (水) 18時07分

マービーさん、コメント有り難うございます。
 ジャズ・ヴォーカルは、どうも私は女性に集中しています。このペギー・リー、ジュリー・ロンドンなど現在の女性ヴォーカルの多くを聴くときに、その原点的価値があってやはり味があっていいですね。

投稿: 風呂井戸 | 2011年12月21日 (水) 21時48分

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