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2011年9月 7日 (水)

新作「LP1」のジョス・ストーンJoss Stone は感動ものだった

ソウルフルな熱唱に好感

 ジェフ・ベックの2007年11月27-12月1日の5日間のライブ・パフォーマンスの記録「LIVE AT Ronnie Scott's」は、2008年に映像ものでリリースされ、当時バンドのベースには可愛いタル・ウェルケンフェルドで話題になった。しかもエリック・クラプトンがゲスト参加して更に注目を浴びたのであったが、私はそれに加えての二人の女性ミュージシャンの共演にも非常に興味をそそられた。そしてその一人のオルタナティブ・ロックのシンガー・ソングライターのイモージェン・ヒープにはこれをきっかけに彼女のアルバム全てにアプローチしたわけであるが、もう一人のこのジョス・ストーンには未着手であった。彼女は確かサンタナのアルバムにも参加していたことがあって(アルバム「all that i am」、時に接する機会はあったのだが)・・・・・・しかしこのアルバムは女性ではミッシェル・ブランチの方が印象が強かった。
 ところが、精力的ロック・ブログを書くフレさん(「ロック好きの行き着く先は・・・」)が、かってより彼女に注目していて今回もこのニュー・アルバム「LP1」を強く勧めている雰囲気であるので、いよいよ私も右習えでこの新作を聴いてみたわけである。

Lp1 「JOSS STONE / LP1」 STONE'D RECORDS/SURFDOG RECORDS  2-527769  , 2011

 これはジョスの5thアルバムになるようだが、私はこれで初めて彼女のアルバムを手にした。ジェフ・ベックとの共演では”peaple get ready” を歌い上げていて、なるほどジャニス・ジョプリンの世界への雰囲気は感じていた。しかしこのアルバムは全て彼女のオリジナル曲で埋め尽くされていて、それぞれデイブ・スチュアートの色づけにより出来上がっている曲群である。そこで熱唱する彼女は一般には、ソウル・シンガーと言われているが、そのパターンは如何なるものか興味津々で聴いたのである。
 結論から行こう、まさにソウルフルな熱唱で、ブルース・ロック調の格好良さを持っており、更に全力疾走もありで、なかなか感動ものだった。

Lp1listこのアルバム収録曲は左のとおりで全10曲。彼女のシンガー・ソングライターの面目躍如といったところ。
 バックは、Dave Stewart のギターに、その他のメンバーは、chad cromwell (drums)、 michael rhodes (bass)、 tom bukovac(guitar)、 dan dugmore (steel pedal guitars)、 mike rojas (keys) 、Drea rhenee,wendy moten (background vocals) となっている。

 なんとこのアルバムは6日間で仕上げたという離れ業もののようだ。確かにヴォーカルの色付けに若干荒さがあるが、しかしこのジョスのパターンは、下手な技巧を加えないでのこの造りのほうが良いのかも知れないと私は思う。

Joss1 まず、なんと言っても最近流行のダンサブルか一方ジャズィーな女性ヴォーカルの傾向に反して、ロックの原点回帰を思わせる熱い心の表現のシャウトの連発などによって魂を唄おうするところなど、久々に心が揺さぶられた。
 このアルバムは彼女の自分自身のレーベルであるインディーズ盤での第一号アルバムということで、彼女自身の思うところが十分発揮されたのかも知れない(それでタイトルが「LP1」か?)。
 スタート曲の”newborn”はアコースティックギターでのヴォーカル主導で私にとっては懐かしいパターン。4曲目”last one to know”は、彼女の心からの歌い上げで、私好みの感動の曲、バックも充実していて完成された名曲といっていいところ。8曲目の”landlord”は、再びアコースティク・ギターのみのバックでの熱唱、お見事だ。

 彼女は1987年イギリスはドーバー生まれというから、今年で24歳という若さ。2003年にアルバム「the soul sessions ソウル・セッションズ」で16歳でデビューというから恐ろしくなる。とにかく英国でのチャート一位や多くの賞も受賞しているようだ。

 今回、以前から気になっていたジョス・ストーンのニュー・アルバムに接して、久々に心に響く良いアルバムであった。ここに見る彼女の姿は、是非とも更にロック色を今後も磨きつつジャニス・ジョプリンにこだわらず独自の世界を築いて欲しいと期待する人材である。

(参照) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/live-at-ronnies.html

 

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コメント

良かったです♪
リキ入れて紹介した甲斐があるってなもんですよ、ホントに。ジョス・ストーンのコイツはホントにハダカで勝負の一発で魂です。
こういうの聴いて泣ける人ってやっぱ幸せだと思うし、いつまでもそうありたいしね。
いや〜、気に入ってもらえて嬉しいですよ。最初のアルバムとコレはジョスの傑作です♪その間は…、またいずれ(笑)。

投稿: フレ | 2011年9月 8日 (木) 01時13分

風呂井戸さん、初めまして。

nanmo2と申します。
前々から(ブログタイトルが)気になっていたんですが、これまた気になるジョスさんの記事ということで思い切って初コメントします。
ジョスさん、良いですねぇ。
あのザラッとした歌声が堪りませんな。
まだまだ若いし、このままスクスクと育っていって欲しいです。

ところで、タイトルの「灰とダイアモンド」はあの(映画の)「灰とダイアモンド」なんでしょうかね?
気になる、気になる。 (笑)

また、お邪魔させてくださ~~~い。
挨拶代わりに、足跡ペッタンコ、ペッタンコ。

ではでは。

投稿: nanmo2 | 2011年9月10日 (土) 22時57分

nanmo2さん、コメント有り難うございます。
そして足跡ペッタンコも有り難うございます。^^)
「灰とダイアモンド」アンジェイ・ワイダ監督作品からスタートしています。このブログのトップのアーティクルを見ていただくと、多分なんとなく解っていただけるかも・・・・・。そのアドレスは下記のところです。(2006年)
 ついでにこのブログのカテゴリーの中の”アンジェイ・ワイダ”をクリックして3つほどの既に書いたものを見ていただければと、期待します。
 
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_20ad.html

投稿: 風呂井戸 | 2011年9月10日 (土) 23時33分

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受信: 2011年9月 8日 (木) 01時13分

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