ニッキ・パロットNicki Parrott の新アルバム「君の瞳に恋してる」登場
この新作、ゴージャスと言うけれど??
「Nicki Parrott / 君の瞳に恋してる Can't Take My Eyes Off You」 VENUS VHCD-1057 , 2011
おやおや早いですね、ニュー・アルバムの登場です。前作「LIKE A LOVER」は、ケン・ペプロスキー(テナー・サックス、クラリネット)とのデュオで結構私のお気に入りだった。(まだ半年少々前ですから新作リリースは早いと言えば早い)
今回も当然彼女のベースとヴォーカルが中心ですが、バックは豊富になった。
Nicki Parrott : vocal & bass
Harry Allen : tenner sax
Lisa Parrott : alto sax
Chuck Redd : vibraphone
John Di Martino : piano
Alvin Atkinson : drums
と、言う布陣ですね。やはりこの特徴はビブラフォンが入ったことでしょうかね。彼女の姉のリサも相変わらずアルト・サックスでバックを固めています。
収録は左の13曲、まさに1960年代回顧ですね。そしてどちらかというとポップス・ナンバーが目に付く。
冒頭の”Can't take my eyes off you”からベース、ビブラフォンがなかなか生きた録音で耳に飛び込んでくる。これが今回のアルバム・タイトル曲だからと思って聴いたが、なんか中途半端、中盤で彼女のベースの演奏とそれに切り替わってビブラフォンという演奏スタイルで聴かせてはくれるのだが、しょせん曲の印象がジャズとして期待するとやっぱり少々無理だ。ジャズとしての深みに欠けるし、リズムもただ引きずっているだけで、むしろイージー・リスニングに聴こえるのだ。
そしてなんとこのスタイルが最後まで延々と続く。中でもやっぱりジャズ・ナンバーのほうが、それでもいいかなぁ~と言うところ。3曲目の”detour ahead”になって、ようやくサックスをバックに彼女らしいスタイルが見える。
取り敢えず納得に近いものをその他挙げると”Love dance”と、”skylark”と言ったところか。
”let's face the music and dance”も中盤のジャズ・アレンジには、それなりの楽しさも感ずるが、またまだ完成度は低い。
ジャズ・ベースを演奏し、しかもなかなかキュートな歌声で期待のアーティストであるが、あまりセールスを狙ってポピュラーとの関係を誤ると、少々つまらない作品になる。そんな意味で、今作は前作「LIKE A LOVER」と比較するとやはりワンランク落ちる。
まあ、一休みのお遊びとして今回は聴いておこう。
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コメント
シモーネといい、テッサ・ソーターといい、ヴィーナスの歌手は受けを狙うのか、残念なことにJAZZから離れ、変に企画倒れになっていく傾向がありますね。
投稿: 爵士 | 2011年10月 1日 (土) 18時06分
爵士さん、コメントどうも有り難うございます。
今回のニッキ・パレット、どうもいまいちといったところを書くと叱られそうでしたので、恐る恐る書いたのですが、同じような感覚でおられたようで、ほっとしています。
もっともっと、彼女にはジャズを極めていって欲しいと思いますね。
投稿: 風呂井戸 | 2011年10月 1日 (土) 22時14分