スノーウィ・ホワイトSnowy White の近作 :「REALISTIC」
優しさ溢れるロック・ギター・アルバム~久々のあのトリオが復活
「SNOWY WHITE and The White Flames / REALISTIC」 SWWF 2011 , 2011
この7月にリリースされたスノーウィ・ホワイトSnowy White のニュー・アルバム。彼については何度かこのブログでも取り上げている。それは私にとってはふとある瞬間、なんとなく聴きたくなるギタリストであるからだ。
彼は、このところ三つの活動拠点を持っている。まず一つは、ロジャー・ウォーターズの良きサポート役としてのギタリスト。それはピンク・フロイド時代から続いているわけだ。1990年のベルリンに於ける”ザ・ウォール・ライブ”からロジャーのツアーには常に参加している。最近は2010年、2011年のあの壮大なスケールの北米そしてヨーロッパの”ザ・ウォール・ツアー”にも参加して、来年は南米ツアーを予定している。
彼の二つめの活動は、 ”Snowy White Blues Project”である。(昨年「In Our Time ... Live」をリリース)これはツイン・ギターとベースそしてドラムスという四人構成でブルース・ロックを展開する。
そして三つめが、このアルバムの”Snowy White and The White Flames”の活動だ。
これは、”Blues Project”のメンバーとは別に、1996年に、彼の1983年のソロ1stのアルバム名を付けたトリオを結成して以来のホワイトにとっては大切なバンド。彼のギター、ヴォーカルに、Juan van Emerloot(drums,percussion) と Walter Latupeirissa(bass) によるもの、この二人はオランダ出身である。久し振りの今回は、そこに Max Middleton(keyboards)が加わるという構成である。過去に於いてもこのトリオは、諸々のゲストを加えているが、ここではキー・ボードを加えての普遍的ロックを目指している印象だ。そのニュー・アルバムがこの夏にリリースされたわけだ。
このアルバムには左のような14曲収録されている。全曲彼のオリジナル新曲であり、ただ”whiteflames Blues”のみこのメンバーで以前から演奏する曲のニュー・バージョン。
相変わらずスノーウィのレスポールの暖かいギター・サウンドが満たされている。何か一つの安堵感の持てる音なのである。
スタート曲”on the edge of something”は、キーボード、ベースの音から珍しく軽快なリズムで始まる。そしてスノーウィの楽しそうに軽く弾くギター・サウンドと彼の独特のヴォーカルが語るように入ってくる。
2曲目の”Ongoing...”は、インスト曲だが、ピアノの音がメロディー・ラインを流した後、彼のギターが泣く。
3曲目の”Riding the blues”になると、いよいよこのバンドの私好みの世界が現れる。歌い上げるが如きのギター音が心に浸みてくる。
”careful now”の後半には、泣きギタープレイを楽しませてくれる。
”towards higher ground”はコンガ、ボンゴの軽快なラテンリズムにサンタナ調の世界を感ずるプレイも披露。
やはり最後の”outro peace”では、美しいギターとピアノの音で締めくくっている。
このバント”The White Flames”では、スノーウィ・ホワイト以下4人のメンバーが、結構やりたいことをパターンに拘らずに楽しんで演奏しているという印象だ。
更にあの長いロジャー・ウォーターズの”ザ・ウォール・ツアー”に参加しながらの中で、よくニュー・アルバムが作成出来るものだとも感心してしまう。
私としては、何時もあまり表に現れずに、質の良いギターを奏でる紳士ギタリストのスノーウィー・ホワイトが、こうして楽しみつつインディーズ盤と言えどもアルバムを作成しているかのごとくに感ずることに嬉しく思うのである。
(当ブログ参照記事) ①2010.8.20 ギブソン・レスポールを操るギター職人スノーウィ・ホワイトSnowy White= http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/snowy-white-b16.html ②2010.8.21ギター職人スノーウィ・ホワイト(2): レスポールを愛するギタリストの歩み = http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-8b6c.html
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