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2011年10月22日 (土)

ピンク・フロイドPink Floyd アルバム「狂気」誕生までの貴重なライブ音源

1972年の「狂気 Dark Side of The Moon」実験ライブは楽しい

72brightonsnap

 このスナップは、1972年1月の「UK TOUR」で初めてステージで「狂気 Dark Side Of The Moon」を披露した(1972.1.20)英国ブライトンBrightonのThe Dome のバック・ステージにおけるピンク・フロイドの4人だ。
 彼らの満足そうな雰囲気が印象的である。
 とにかく世界No1のアルバム「狂気」を生み出した1年前のステージ実験はこの時から始まった訳だ。
 この「UK TOUR」は1月20日のBrightonを皮切りに、1月に6ステージをこなし、2月には10公演を行っている。その最後の17-20日にLondon のRainbow Theatre で4回の公演だった。
 そしてその直後の3月には「JAPANESE TOUR」に入ったわけである。
 そのごく初期のRainbow Theatre のライブ音源がブート界では最も有名である。

Tour72 「PINK FLOYD LIVE ~the best of Tour 72」 THE SWINGIN PIC RECORDS  TSP-CD-049  ,1990

 これは昔LP時代に72年初期の「狂気」演奏もので「IN CELEBRATION OF THE COMET」というタイトルのライブ・ブート盤がその音の良さで有名であったが、そのCD盤である。1980年代後半になってCD時代を迎えイタリアを中心にCD盤でのブートのリリースがブームとなった。そして遅まきながらこのCDが登場したわけである。
 この80年代後半から90年代前半は、LPからCDというメディアの変換期で、ブートもCD化に花盛りで、非常に楽しい時でもあった。

 これは2月のRainbow Theatre でのもので、音質の良さで圧倒的支持を得たもの。(BBC放送音源と推測)

Tour72list 内容は左のように、当時の全曲を網羅しておりアルバム「狂気」とは異なった原曲を楽しませてくれる。ただし締めのの”Eclipse”が最後の直前でフェイド・アウトされているところが残念である。
 もともとアルバム「狂気」は、当時としては新しい手法として電子音響(シンセサイザー、エコー・マシーン)をふんだんに使っている。しかしこの初期のライブを聴いてみると、彼らの演奏が一つ一つ手に取るように解り、私なんかは、本来のアルバムよりは、このライブもの、そしてこの後の3年間のステージものも含めて好きなのである。
 まず”on the run”は、あのアルバムのシンセサイザーものより明らかに楽しい。ギルモアのギター、ウォーターズのベース、メイスンのドラムスがリズムを刻み、そこにライトのキー・ボードがジャズィに絡んでくる。何故このタイプを降ろしてしまったか、非常に残念である。”time”はかなり仕上がっている。それに続いてオルガンが響き、人の様々な話し声、そしてなんとウォーターズ得意のブタの鳴き声が登場する。そして”the great gig in the sky”は勿論クレア・トリィのスキャットはないが、ライトのオルガンが教会音楽の如く荘厳に展開する。”money”の冒頭には、ウォーターズが語っているように女房の陶芸の音からヒントを得たと言うだけあって、それなりの金属製のボウルに多くのコインを無造作に放り込むような音が面白い。
 ”us & them”はやはりブタの鳴き声が冒頭に入り、そしオルガン、ギターと続くが、この時点でかなりアルバム盤に近くなっている。そして”any colour you like ”はギルモアのギターの美しさに尽きる。”brain damage”はウォーターズの締めくくりの歌声が印象的。

Coldfront PINK FLOYD  / COLD FRONT」 APHRODITE STUDIO AS91PF001 ,  1991 

 これは1972年2月のUK TOURのRainbow Theatre の後の3月の「JAPANESE TOUR」ものである。日本では、3月6日の東京都体育館を皮切りに、北海道札幌NAKAJIMA SPORTS CENTER までの6回公演を行っている。実は7回の予定であったが、横浜がキャンセルされたのだった。このCD盤は最後のナカジマ・スポーツ・センターのライブ・オーディエンス録音。それでもかなり良好な音質であり万歳もの。

 基本的にはRainbow Theatre と同じである。しかしこのアルバム「狂気」リリース前の実験段階の音源として楽しむことが出来る。この会場へ集まったファンにとっては46分に及ぶ新曲に度肝を抜かれたのではと想像するに難くない。

Coldfrontlist 収録内容は左のとおり。スタートの”speak to me”はRainbow Theatre ものよりも曲の冒頭のSEからしっかりと入っている。
 ここでの「狂気Dark side of the Moon」の演奏はトータル46分の演奏。最後の”eclipse”も完全収録されていて、曲の終了と同時に鐘の音が響いて印象的な仕上がり。このCD盤はまさに「狂気」の初期完全版でもある。
 この日はその他”one of these days”、”careful with that axe, eugene”、”Echoes”も演奏されている。残念ながらこのCDには”Echoes”のみ収録されていない。CD一枚には全て収まらない為のことと思われる。余談ではあるが”one of these days”は10分に及び充実しているし、”careful with that axe, eugene”の出来は既に長年の演奏が行われているものだけあって完璧な演奏を披露している。

 昔のブート盤を思い出してここに取り上げてみた。久しぶりに聴いてみると、やはり人工的な音作りのアルバム「狂気」よりは、オリジナルな彼らのステージにおける実験的演奏に、生の音の感動が沸いてくるのである。

 

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2011年10月14日 (金)

ピンク・フロイド「狂気The Dark Side Of The Moon」を知る為のもう一つの方法

「狂気」誕生のプロセスを知ることもフロイドの理解に繋がる

4members2_2

 ピンク・フロイドは、過去のアルバムのリマスターでこのところ注目を浴びているわけであるが、先日の「狂気ボックス・セット」の内容に若干の不満足感を持つ私としては、やはり彼ら4人の「狂気」にかけたエネルギーの結集は見事であったことをもう少し検証して欲しい気持ちになっている。このアルバムの成功にはアラン・パーソンズそしてクリス・トーマスを始め技術陣の能力の高さにも評価が必要なのは言うまでもないが、一つにはロジャー・ウォーターズの問題意識と彼の曲作りに於ける普遍的テーマと発想の豊かさ、そしてそれを開花させたデヴィッド・ギルモアとリック・ライトの音楽的技術と探求心の高さの結晶であるし、音楽としての完成度も高かったことがこうした傑作を生み出したと言ってもいいだろう。
 もともと、演奏技術としての評価よりは、彼らの曲の歌詞や展開が聴くものの頭に描かせるファクターの充実度が高いところがピンク・フロイド魅力なのであるから、その誕生プロセスには興味を持たざるを得ないのだ。

Dvdpinkfloyd DVD  classic albums「PINK FLOYD / THE DARK SIDE OF THE MOON」 Eagle Rock Entertaiment  VABG-1115 ,  2003

 このDVDアルバムは、決して音楽を聴くためのものでないことを断っておく。2003年にSACD盤「狂気」(5.1サラウンド)がリリースされた際に、フロイドのメンバーの「狂気」制作エピソード、関係者の証言集といったところである。1971年12月からの曲作り、1972年1月20日Brightonで初めて舞台での演奏を開始し、5月からはスタジオ・レコーディングを開始し、その後もステージでの実験を繰り返し、73年になってようやく完成へ辿り着く過程を当時の映像を交えながら我々に紹介してくれる。いずれにしてもピンク・フロイドはステージでの実験から曲を完成させてゆくバンドであったことから、こうした回顧は興味の持たれるところなのだ。
 その意味に於いては、今回の「狂気ボックス・セット」のDVD盤よりは明らかに内容は濃い。既に何年か前のものとなってしまっているが、今「狂気ボックス・セット」を手にすると、”もっと充実したものがあったぞ”と言いたくなっての紹介である。

Dvdpinkfloydlist  このDVDの内容は左のように(クリック拡大)2つに分かれている。 まず冒頭に、ロジャー・ウォーターズの「”狂気”は政治的哲学的な他者への感情移入への集積なんだ」という言葉から始まり、デヴィッド・ギルモアも「当時のロジャーのアイディアはどの世代にも通用するいつの時代にも意味のあるものだ」と付け加える。
 シド・バレットが抜け、ギルモアを加えてみたが、全く方向が見えなくなっていたとき、ロジャーの言葉によると開き直りに聞こえる”得意なことをやるしかない”といったところからピンク・フロイドはスタートし、その流れから「狂気」に繋がっていくことを確認している。そしてその手法は”Echoes”で開花してこの「狂気」で完結したのである。

 "Chapter Selection"
  ここでは、”Breathe”はリハーサル・レコーディングが聴ける。そしてライトがマイルス・ディビスの”カインド・オブ・ブルー”にヒントを得たと話しているし、”On the run”はギター・ジャムのスタイルから始まってシンセサイザーに変わっていったこと、”The great gig in the sky”では、クレア・トリーにスタジオで即興で唄ってもらったとか、”Money”は、ロジャーのデモが聴け、最初はブルースのつもりで作ったという話。”Us and Them”は映画「砂丘」”用の曲だが、"美しいが悲しすぎる"と没になって、なぜかここで復活した話。”Brain damage”は、シドと関係ある曲とロジャーは言う、"人と違うことは何か?"と問うている。

Rogerwaters  "Bonus Interviews"
 ロジャーのこのアルバムのコンセプトに係わる話が出てくる。"誰もが根源的に直面する問題、他人とどう係わってゆくか"、ロジャーの世界観として"子供の頃人格は決まる。その後の価値観は子供の頃の経験で決まって行く"、"人道的行為が人間に可能なのか"これについては”us and them”がこの問題に直接的に唄われると。などなど、このアルバムでの根源的コンセプトを打ち出し、最も多くの曲を書き、全てのLiricsを書いたロジャー・ウォーターズによりこの「狂気」には”人間”が如何にテーマになっているかが多く語られるのだ。
 そして、一方ギルモアやライトは、音楽的な手法と構築などに関心のテーマが絞られている。こうした違いはこのアルバム回顧に於いてもはっきり浮き堀にされており、既に富をこのアルバムで手中にした彼らには生き方の違いがスタートしたことが解る。
 この後でロジャー・ウォーターズは社会主義か?資本主義か?に悩み、リック・ライトは華々しい生き方に溺れてゆく。そしてピンク・フロイドからロジャー・ウォータースが去るやいなや、ニック・メイスン、デヴィッド・ギルモアは、資本主義社会の典型である”カー・レース”に現(うつつ)をぬかし、そんなアルバム(「道:カレラ・パンアメリカーナ」)までリリースしてしまったのである。

このDVDの締めくくりは・・・・・・・・「月に闇の部分はない、全てが闇だ。明るく見えるのは太陽が照らす部分だけ」

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2011年10月 8日 (土)

ピンク・フロイドPink Floyd 「狂気コレクターズ・ボックス」検証(4)

1972年を回顧できる未リリースの音源は歓迎だ 

Prism2 「PINK FLOYD IMMERSION BOX SET 」を検証中ですが・・・DISC5枚目のBlu-Ray盤は、DVD盤2枚を納めたもので、同じであるので省略する。

DISC6-CD ”Previously Unreleased Tracks”

1. The Dark Side Of The Moon Early Mix (1972)
2. Extra Tracks

以上の内容であるが、このCD盤はなかなか貴重品である。

Boxdisc6_2 まず、1.の「The Dark Side Of The Moon Early Mix」 は、アラン・パーソンズによる「狂気」のアーリー・アルバム・ミックスである。これがなかなか面白い。多分当時このパターンでリリースされる予定であったものとも推定されているもの。
 ”on the run”はまさに息を切らして走り回る。
 ”time”はかなりリリース盤に近い仕上がりをみせているが、”the great gig in the sky”はクレア・トリーのスキャットはない。しかしそのスキャットがない分だけフロイドの4人の演奏はリリース盤近いがしっかりと味わえる。そしてSEが異なっている。
 ”us and them”は、ややゆったりしているがサックス、女性のバッキング・ヴォーカルも入って完成域。
  ”brain damage”はかなりリリース盤に近いが、後半の狂気じみた笑い声が凄い。又”eclipse”に入ってゆく時のギター音が異なる。
 とにかく、このアーリー・ミックスの登場は、このボックス・セットの一つの目玉もの。これだけでも価値はある。

Rogergilmour  さて問題の「EXTRA AUDIO TRACKS」だ。
①”THE HARD WAY”
  この曲こそ我々が待ちに待ったもの。幻のアルバム「Household Objects」からと思われる一曲。彼らが「狂気」成功の後のプレッシャーから、創造活動の麻痺状態に陥っていた。そしてその殻を打ち破るべく考えられた方法論、つまりそれはいっさい楽器を使わずにアルバムを製作することであった。そして家庭内にあるワイン・ボトル、グラス、バケツなどを使って3曲録音したと言われている。結局は発売されなかったものであるだけに、注目度も高いもの。
 多分靴音がリズムを刻み、ベース様の音が旋律を奏でる。非常に単純な中に何か響いてくるものがある。

②”US AND THEM” (Richard Wright demo)
  これは、ライトのピアノのみのデモ録音。映画「砂丘」用であったが使われなかったもの。なかなかピアノ・ソロで聴いても名曲だ。

③”THE TRAVEL SEQUENCE” (Live in Brighton june 1972)
  ”on the run”の初期バージョン。まさにジャズ・ロックの世界で、これもまたアルバムで聴きたくなる出来だ。この72年のBrightonライブは1月にも行われていて、初めて「狂気」をお披露目した。その後3月には日本に来ている。そしてその後北アメリカ、ドイツなどを経て、ここに登場するのは6月のUK・SHOWのもの。

④”THE MORTALITY SEQUENCE” (Live in Brighton june 1972)
  ”the great gig in the sky”の原曲。ライトのオルガンの響きが印象的

⑤”ANY COLOUR YOU LIKE” (Live in Brighton june 1972)
  ギルモアのギターが十分楽しめる。

⑥”THE TRAVEL SEQUENCE” (previously unreleased studio recording)

⑦”MONEY” (Roger Waters demo)
  ロジャー・ウォーターズのギター弾き語りの”マネー”。これからあの色付けが行われるわけだが、曲は完成している

 以上のごとくで、このDISC-6はなかなかアルバム「狂気」の原点を知る思いで聴き応え十分である。この企画はもっともっと深入りしてくれても良かったんではなかろうかと思うところ。

 以上「狂気コレクターズ・ボックス」の6枚のディスクを4回に分けてざっと検証してみたが、まず「狂気」の映像がないのが寂しいというところ。従って、映像DVD、Blu-rayはちょっと中途半端で物足りない。そして2003年のデジタル・リマスター5.1サラウンドSACD盤を持っているものにとっては、2011年リマスターもそれほど大きな意味がない。DISC2のウェンブリーと、DISC3の4チャンネル版、DISC6のアンリリース・トラックが注目度が高いと言っていいだろう。と、すると2CD+1DVD位に収まるし、この高価なボックスでなくてもよかったように思う。
 あまりいろいろと言っても意味がないが、無駄なものを付属して高価なボックスにするのでなく、音源、映像などで充実して欲しかったボックスであった。それでも得るものがあったので”良し”としておこう。

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2011年10月 7日 (金)

ピンク・フロイドPink Floyd 「狂気コレクターズ・ボックス」検証(3)

DVD2枚の注目点は?そしてその価値は?

Prism 「PINK FLOYD IMMERSION BOX SET」
ピンク・フロイド「狂気ボックス・セット」の検証も3回目になった。今回は6枚中の2枚のDVDに焦点を当ててみる。

DISC3-DVD(AUDIO ONLY)

 この内容は以下の通りである。
1. The Dark Side Of The Moon 5.1 Surround Mix (2003) 448kbps
2. The Dark Side Of The Moon 5.1 Surround Mix (2003) 640kbps
3. The Dark Side Of The Moon  LPCM Stereo Mix (1973)
4. The Dark Side Of The Moon  4.0 Quad Mix (1973) 448kbps
5. The Dark Side Of The Moon  4.0 Quad Mix (1973)640kbps

Boxdisc3 これらの注目点は何かというと、1.及び2.は、2003年にSACDでリリースされたジェイムズ・ガスリーによる5.1サラウンド・ミックスのハイブリット盤である。そのDVD仕様による再リリース。

 そして最も私にとっても嬉しいのが、1973年にアラン・パーソンズによるクアド・ミックス(4チャンネル・レコード)の再現だ。それが4.と5.である。
 当時4チャンネル立体音響が一つの流行を見た。日本でもそれが発売されたが、私のオーディオ装置の場合はマトリックス4チャンネルのみの対応であったので、この4チャネル盤までは手を付けてなかった。それが今DVDのサラウンドで再現してくれるのである。これを聴いてみると、やはり4チャンネルを意識してのリアからの音がかなり豊富になっている。しかし2003年の5.1盤とはかなりの違いがある。特に”On The Run”での移動するサウンドが、その移動の仕方に異なりがはっきり解る。なかなかその比較が面白い。これはこのボックス・セットの一つの目玉でもある。是非とも聴き比べて欲しい。

Boxdisc4 DISC4-DVD(AUDIO-VISUAL)

ここには主に3つの企画が収まっている。

① この盤になってようやく映像の登場だ。1972年のUK SHOWS は、6月28,29日の両日に英国East Sussex のBrighton のThe Domeで行われており、その29日の映像。かねてからPeter Clifton の記録映像は有名。ピンク・フロイド好きにはどこかで多分お目にかかっているものである。残念ながら「狂気」の映像はない。
 この日は「狂気」以外に”one of these days”、”echoes”、”Set the controls for the heart of the sun”、”careful with that axe eugene”が演奏され、アンコールに”sauceful of secrets(short version)”をやってみせた。
4members  その”careful with thst axe eugene””set the control for the heart of the sun”の映像がここにオフィシャル・リリースされた訳だ。この時のフロイドのメンバーのエネルギーを見て取れるところがミソ。特に当時のロジャー・ウォーターズの姿が印象深い。それはそうですね、あの”ユージン”の映像ですから。この映像もブートで見慣れたものです。今オフィシャルにリリースされると何か感動がないではない。しかし当時の良い映像というとこれだけなんですね。

② さて、この映像盤には、その他「the dark side of the moon 2003 Documentary」が見れるが、これは2003年のSACD盤の発売時のメンバー四人のインタビューと過去のプロモーション映像。それほど意味があるとも思えないものだ。と、言うのも2003年にDVDでEagle Rock Entertainmentからリリースされた「THE DARK SIDE OF THE MOON」(VABG-1115)の映像盤のほうがよっぽどフロイドの彼らの製作までのインタビューは充実しているし、映像も多岐に渡っている。これを見ているものからすると若干物足りない。

③ そして「Concert Screen Film」が収録されている。1974年、1975年のツアーに使われたステージ・バックに映された映像。内容は過去に諸々登場して見たものが多い。かれらのライブ映像がないための誤魔化しみたいなもの。ちょっと企画倒れと言わざるを得ない。アニメーション、シリアス映像など見られるが、ロジャー・ウォーターズ得意の注目の”世界のリーダー”が登場する。その中に田中角栄が見られる。そんな時代だったんですね。

 どうもこのブライトンのライブ映像以外の2企画(②,③)の映像は、取り敢えず恰好を付けたというもので、残念ながらそれほど意味のあるものでなかった。

 

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2011年10月 6日 (木)

ピンク・フロイドPink Floyd 「狂気コレクターズ・ボックス」検証(2)

「PINK FLOYD IMMERSION BOX SET」検証シリーズ(2)

Pinkfloydontour197274

Boxdisc2 <DISC2-CD>  「The Dark Side Of The Moon  / Live at The Empire Pool, Wembley, London 1974」

 最も本格的ライブであったWembleyものをここにオフィシャルにリリースされた。1974年11月14-17日に行われたロンドン・ウェンブリー・エンパイ・プールでの「狂気」公演もの。この音源は4日間連続公演のその幾日のものかは不明(16日と推測)。
 この時には、既に彼らのアルバム「狂気」は売れに売れた後で、かなり商業的なラインに乗らざるを得ない状態の中でのライブ演奏であった。
 そして、次作「炎」の”Shine on you crazy diamond”が演奏され、更にその後の「アニマルズ」の”Sheep”と”Dogs”の原曲の”Raving and Drooling”と”You've Got To Be Crazy”も演奏されている。そしてその後に「狂気」全曲披露して最後は”Echoes”まで演奏している。ただし、このボックス・セットのDISC2では、その「狂気」部分のみのリリースである。

 そして特にこのウェンブリーでは、16日の演奏はBBCラジオ・ワンで収録され放送もされたため、私どもには多くの音源が過去に届いていた。従って、今回このボックス・セットでオフィシャルに公開された訳だが、少なくとも私と同類のフロイド・フリークのもの達にとっては、そう珍しいものでない。しかし、こうしてオフィシャルCDとして手にすることに若干の感動はある。又音質も改善されており十分聴くには満足されるものである。BBCラジオのマルチトラックのアナログ・テープが残っていて、2011年版としてのリミックスが出来る状態であったことが、今回のボックス・セットで取り上げられたと思われる。

Braindamageswinginpig  過去の私の持っているブートCDも、多分BBC音源からのものと思われ音質はブートと言えども極めて良いものである。
 
「PINK FLOYD / BRAIN DAMAGE」SWINGIN' PIG RECORDS TSP-CD-176

 これは、ピンク・フロイドもののブートでは有名なSWINGIN' PIG RECORDS のもので、1974年11月16日ウェンブリー・ライブの、「狂気」部分のみのもの。聴いてみると解るが、これだけの音質のものが過去に出回っていたわけである。
 当時のピンク・フロイドのライブものでは、かなりインプロビゼーションも多く楽しめ、又SEも凝っていてアルバムよりは明らかに楽しいのである。特にギルモアとウォーターズのギターとベースの掛け合いなどがあって好きなものにとってはたまらない。更にギルモアのギターの余興演奏もしっかり入っている。

Brackholesinthesky 「PINK FLOYD / Black Holes In The Sky」GREAT DANE RECORDS GDR CD 9101

 さて、このウェンブリー・エンパイア・プールのライブを「狂気」以外の「炎」「アニマルズ」の原曲そして”Echoes”全てを聴きたかったら、この2枚組ブートである。やはりこれも11月16日のもの。
 こうしたライブものはミックス操作による曲作りになっていないだけ、楽器そのものが粗っぽくはあるがそのまま聴き取れて、ファンとしてはたまらない。
 今回のボックス・セットに、このウェンブリーものがDISC-2(CD)として登場したため、懐かしのブート音源もここに紹介した。
 過去にこのようなブートに接しなかった人達にとっては、多分このボックス・セットのDISC-2は楽しい一枚であろう。

 

 

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2011年10月 5日 (水)

ピンク・フロイドPink Floyd 「狂気コレクターズ・ボックス」検証(1)

目下、「PINK FLOYD IMMERSION BOX SET」と格闘中

Box1_3 「狂気コレクターズ・ボックス PINK FLOYD / 6 DISC COLLECTER'S BOX SET」 EMI TOCP7165-7 2CD+2DVD+Blu-ray , 2011

 少々出張中であった私ですが、その間に届いていた「ボックス・セット」。とにかくLPサイズの立派なボックスに、これでもかと言いたげにがっさり入っている。まあこれだけ1アルバムのために諸々やってくれた企画は今まであったであろうか?。
 ピンク・フロイドは今でも立派な商品であることが解る。

Box2  とにかく開いてみると、左のごとくの中身である。4枚のDISCが箱のケースに収まっていて、残る2枚は紙ケースに入っている。(この6ディスクの収納法に不満足者が多いところだが)
 豪華特典ということで・・・・・・
 まず、①ブックレットが立派(27cm四方の40ページもの、印刷の質も上等だ)、そしてこれも②LP大の特製写真集(モノクロ写真が非常に美しい20ページ)が素晴らしい、更に③同大のアート・プリント、④コレクターズ・カード、⑤「狂気」ツアー・チケットのレプリカ、⑥「狂気」パック・ステージ・パスのレプリカ、⑦特製スカーフ、⑧あのプリズムのプリントされた黒ビー玉3個、⑨ストーム・トーガソンの初期デザイン・スケッチのプリントされた特製コースター、⑩12ページのクレジット・ブック・レット
・・・・と、いった出で立ち。
 まあ、これだけで如何に気合いが入っているかを示しているところ。しかしちょっとやり過ぎじゃないかと言いたくなる。

Boxcd1 さて、そのまず・・・・
DISC-1(CD)The Dark Side Of The Moon / 2011 Remaster
 
これは、ジェームズ・カズリーによる2011年版のデジタル・リマスタリングによる「狂気」全曲集。つまり本来のアルバムである。
 さて、既に2003年にSACDで5.1チャンネル録音(ハイブリッド版)されたデジタル・リマスタリングものがリリースされ、もう何回と聴いてきた私にとってこれは価値があるのだろうかと思いつつ聴いてみた。
 ステレオ・2チャンネルCDものとしての最高音質を計ったものと思われる。しかし残念ながら2003年ものとの比較で、むしろ音の派手さは押さえられた良質を狙っている感があるが、あえてその違いを追求するには相当のレベルの高いオーディオ装置が必要なようにも思うし、あえてこの2011版が必要かどうかは、その意味に於いて若干疑問を感ぜざるを得なかった。これはあくまでもマニアの満足感の範疇のものであろう。
 ここで又、しばらく聴かなかった「狂気」を聴く良いチャンスとなったというところに価値をおいておこう。

・・・・・・しかし、DISC2からは価値がぐ~~と迫ってくる。(次回に続く)

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2011年10月 1日 (土)

秋の夜長の回顧シリーズ(番外編) : ローズマリー・クルーニーとペレス・プラード

ご機嫌な一枚といったらこのアルバムがNo1!!

Rosemaryperez 「タバスコの香り / ローズマリー・クルーニー&ペレス・プラード A TOUCH OF TABASCO / Rosemary Clooney & Perez Prado」 RCA (BMG) BVCJ 37569 , 2006 (original 1959)

 この秋の夜長を回顧するところで、ローズマリー・クルーニーとペレス・プラードが出て来たところで、このアルバムを取り上げないわけにはゆかない。なにはともあれご機嫌そのものの一枚。最近はどうしてこうしたアルバムがないのかと、むしろ時代を憂うところでもある。

Rosemaryc Perezprado1  とにかく銀幕と歌声で人気絶頂のローズマリー・クルーニー、そして世界にマンボ旋風を起こして音楽革命とでも言っていいペレス・プラードの活躍。その両者が合体したところにこのアルバムが生まれたわけだ。これも基本はペレス・プラード楽団のマンボの流れに、器用な歌回しが出来るローズマリー・クルーニーの技量が乗ったわけである。
 それも1959年のことであった(いやはや50年も前の話である)。これはその当時のLPをデジタル・リマスターしたもので、今においても十分サウンド的には耐えうるCDとなっている。よくぞここまで復活させてくれて有り難うというところ。
Rosemaryperezlist_2
さてその曲は左のとおりである。
 もう既に話題にした”キエン・セラQuen sera(Sway)”がなんと言っても最高!、もともとメキシコの曲であるが、ペレス・プラード楽団はヴォーカルなしで演奏していた。又あのディーン・マーティンも歌ってヒットしていた曲である。英語詩を付けて”sway”というタイトルで世界に愛されていたもの。このリズムの快適さに、クルーニーの情熱的なヴォーカルで最高になった。とにかく無条件に私の好きな仕上がりの曲。
 又、”メロンの心corazo'n de melo'n”も楽しい。この曲を歌ったヴォーカリストも多いが、やっぱりこのコンビが最高だ。一世を風靡したものだ。
 その他”マック・ザ・ナイフmack the knife”、これもなかなかのパンチが効いて盛り上がりがいいし、プラードの演奏も乗っている。
 ”バリ・ハイBali ha'i”がこうゆう化け方をすると、音楽って演奏者しだいだなぁ~~と、つくづく思わせる。

 とにかくご機嫌なアルバムの筆頭株として、取り上げざるを得ないところであった。

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=LlHZ8L-4a28

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