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2011年12月31日 (土)

今年のお別れは・・・キャメル Camel 「The Opening Farewell」(DVD)で・・・

アンディ・ラティマーを登場させたデビッド・ミナシアンに感謝しつつ・・・・

 これは昨年の話になるが、あのキャメルがリーダーのアンディ・ラティマーの病気で2003年以降活動を休止してしまって、私には寂しいかぎりであったが、そこに微かな期待を抱かせてくれたのが、キャメルのプロデューサーのデビッド・ミナシアンDvid Minasianであった。それは彼のマルチ・プレイヤーの技能をフルに使って、彼自身の名前でリリースしたアルバム「Random Acts of Beauty」に、一曲(”Masquerade”)にアンディー・ラティマーのギターとヴォーカルをフューチャリングしてくれたことだ。
 そして期待に胸をふくらませて今年のキャメルの復活を望んでいたが、残念ながらそれは実現しなかった。
 しかし、昨年末にミナシアンは、キャメルの2003年の「Farewll Live」の模様を映像盤として作り上げてくれた。それを実は遅まきながら今年私は手に入れて何度か視聴してきたのである。

Openingfarewell 「CAMEL / The Opening Farewell -camel live in concert」 Camel Productions CP811DVD  ,  (Recorded at the Catalyst, Santa Cruze, California ) ,    2010

 これは、あのキャメルの2002年の最終アルバム「a nod and wink」をリリース後に行われた2003年の”Farewell tour”を収録したもの。
 私はかってこのツアー・ライブもののブートCD盤を紹介しているが(「CAMEL / for today in Virginia」=当ブログ 2011.4.2)、ここに見るは、2003年6月26日カルフォルニア州のサンタクルーズにあるキャタリストThe Catalystというナイトクラブにおけるライブの映像盤。この会場はこじんまりとしていて、聴衆とバンドの一体感が素晴らしい感動のライブ。これをデビット・ミナシアンがプロデュースしている。
 もちろんこれを企画したのはスーザン・フーヴァーSusan Hoover(ラティマーの妻)の努力が実っての結果であろう。これが目下キャメルの最後の映像である。

Openingfarewelllist

収録曲は左のような、最終アルバムの演奏というのでなく、”lady fantesy”から始まって過去のヒット・パレード的選曲である。私としてはキャメルの復活劇であり又区切りでもあり更にラティマー主導型の誕生でもあった”statinary travellar”が嬉しかった。”luna sea”、”another night”などの他、うまく各アルバムから選曲されている。”ice”ではラティマーの泣きギターを十二分に堪能できる。そして”spirit of the water”も見事。又”mother road”のスタートのブルース・ギターも聴きどころ。最後はまさに9.11に捧げた涙涙の曲”for today”をじっくりと演奏して締めくくっているのである。オーディエンスの涙も私には色々な意味でよく解る。
Andrewlatimer3  多分当時既にラタィマーはこの致命的な病気の多血症は発病していたのかも知れないし、そうした目で見ているとベースとヴォーカルを担当するお付き合いが長い Colin Bass への感謝の表情も見て取れる。
 その他、バンド・メンバーは、イエスのサポートで我々にも知られているキー・ボードの Tom Brislin が、なかなかの味を出しての奮戦をしているし、ドラムスは Denis Clement が担当し、見事なバチさばきを披露している。

 このDVDは、Camel Production のオフィシャルなものだけあって、映像は落ち着いた丁寧な撮影で、サウンドも標準をクリアーしている。私にとって、現在はなくてはならない映像ものとなっている。

 とにかく妻のスーザンが公開しているアンディー・ラティマーの多血症という病気、そして骨髄移植術後の骨髄線維症、そして全身の関節痛などと闘っている彼の病気の様子が報じられている。しかし何時かはギターを手にしたラティマーのステージでの微笑みに繋がっていくことを信じつつ、(今年は彼の復活を見れなかったが・・・・・)ほんとに来年こそはと、祈りに似た期待でこの多難であった2011年を送ろうとしているのだ。

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2011年12月30日 (金)

不思議な世界を持った女性シンガー・ソングライター=ダイド Dido

ポップからどちらかと言えば癒し系までの流れは聴きどころ

Dido2  つい最近、私に3枚のCDのが届いた。それは英国の女性歌手ダイド Dido Armstrong の2001年から2008年の既発の3枚のアルバムだ。
  1st「no angel」, Arista B000056ULS , 2001
  2nd「life for rent」,Arista B0000AJ595 , 2003
  3rd「Safe Trip Home」,Arista B001EO2UKO , 2008


 実はこの歌手は私にとっては名前のみであまり関心もなく全く聴いてなかった。ここで今聴いてみると、ちょっと異質な感をもったし、又不思議な世界を持ったシンガー・ソングライターとして興味を持った。
 ポップからアンビエントなヒーリング・ミュージックまでの流れが、妙に気になったのである。
 そこでこれはライブものを観てみようとDVDを仕入れることになった。

Live_2 DVD 「Dido / Live」 Arista 82876-65809-9-RE1 ,  2006

 このダイドDidoという名前は如何にも変わっているが本名で、両親が文学的世界の人で、私はよく知らないが「VIRGIL'S AENEID」という物語に登場する悲劇の女王に由来するとか。まあそれはそれとして彼女は1971年生まれで、既に円熟期の女性である。
 目下のところ3枚のCDアルバムをリリースしているが、このDVDは2001年の1stと、2003年の2ndアルバムからの17曲を演じたステージを収録している。(これは既に7年も前の2004年、英国ロンドンのライブ・ハウスであるブリクストン・アカデミーBrixton Academy にてのもの。当時は彼女は33歳)
 全曲彼女によって書かれた曲群であり、殆どはミドル・テンポで流れる。非常に聴きやすいロックでもあり、ソウルっぽくもあり、ヒーリング・ミュージックを思わせる流れもある。印象は決して華々しい明るさはない。しかし暗いというわけでもなく、癒し系にも聴こえ、これは彼女の世界といった方がいいのかも知れない。

Livelist  収録曲の詳細は左の17曲である。”here with me(1st)”のナンバー1ヒット曲はやはり抜群に魅力がある。その他”thankyou(1st)”もヒット曲だけあり会場から歌声が上がる。それだけ受け入れやすい曲なのだ。”white flag(2nd)”、”don't leave home(2nd)”、”hunter(1st)”、”sand in my shoes(2nd)”とオーディエンスを沸かせる。2ndのアルバム・タイトル曲”life for rent”も静かに説得力のある歌である。
 彼女の声の質は、エヴァ・キャシディのような美しさではなく、若干ハスキーがかった、そしてソフトで聴く者を包むようなタイプ。そんなに声量があるとは思えないが、高音に移るところで、サラ・マクラクランのように裏返るヴォーカルでちょっとハッとするが、これはご愛敬だ。一方ではシネイド・オコナーと比較されるようであるが、若干ニュアンスは異なる。
 ステージでの彼女の仕草は堂に入っていて、既に百戦錬磨を想わせる。
 バック・バンドは、Guitar、Bass、Percussion、Drums、Keyboard という構成で、意外にストレートな音で支える。しかし唄と彼女のヴォイスで、なんとなく神秘的になるところが不思議である。

 彼女自身は音楽学校に入ったり、クラシック派でヴァイオリン、ピアノなどを習得したが、1995年の24歳の時に兄のグループであるダンス・メタル・バンド”フェイスレス”に所属。ポップ、ロック畑での活動を身につけ、ソロとなったという。

Safetriphome そして左は彼女の2008年の3rdアルバム「Safe Trip Home」 Arista B001EO2UKO 

 このアルバムになると、1st「no angel」とは異なって、もともとその因子はあったのだが、ポップ感覚は薄れ、印象は更にヒーリング・ミュージックぽくなってくるし、ケルト的ニュアンスも醸し出してくる大人のミュージックと化している。
 なにせ、かって私はファンであったあのアンビエント・ミュージックの鬼才ブライアン・イーノが絡んでくるので、うなずける。イーノは多くのミュージシャンに影響を及ぼしてきた。プログレッシブ・ロック界あのキング・クリムゾンのロバート・フリップや、グラム・ロックの世界をこなしてきたデビット・ボウイなとどとの関係は歴史的に面白かった(私はその時のボウイは好きだ)。そうそうクラスター&イーノの線もあったなぁ。そのイーノとの関係を持つと言うだけで、おおよそこのダイドのパターンも見えてくる。

 ダイドというのは知る人ぞ知るというシンガー・ソングライターだが、遅まきながらここにきて聴きこんでみた。アルバムとしては私にとっては1stが最も魅力的ではあったが、既に40歳になる。これからはどう出てくるか?。既にパターンは出来てしまってはいる感はあるが、今後に若干興味がある。

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2011年12月28日 (水)

今年の遊び(2) : ソニー・ウォークマンにアンドロイドAndroidが乗った(NW-Z1000シリーズ)

  デジタル・メディア・プレイヤーも進化中

 近年のデジタル化には我々生活の全てに影響を及ぼしている。そうした中での一つに、最も長い歴史を持つソニーSONYのウォークマンWALKMANシリーズは、ここに来て見事な進化をして見せた。
 近年の携帯電話のスマートフォン化には、なんと私は見て見ぬふりをしてきた。片手に持っての電車中や歩行中のスタイルがどうも古い人間の私にはなじめない。しかし昔からのソニー・ウォークマンはテープ時代、MD時代にはそれなりに愛好していたわけであるが、デジタル化されてからはなんと全く使わない生活であった。
 私は音楽は長距離車中はパソコンによるイヤー・フォーン仕様により対応し、時にDVDによる映像鑑賞もしてきたからである。しかしWiFiによるネット利用や、その他諸々の機能にはやはり小型機も欲しい。そこでここに登場したデジタル・メディア・プレイヤーのウォークマンに注目したわけである。

Walkmantr_3  左はそのアンドロイドAndrroid搭載のソニー・ウォークマンNW-Z1000シリーズ)である。(右はポケットWiFi GP02)
 アンドロイドに関してはもう語るところは省略するが、確かにこのウォークマンは、スマートフォンよりは画面が大きく見やすいし、ワイシャツの胸ポケットには十分収まるし便利。そして映像ビデオものも楽しめるし、GPS機能を持ちそれによるナビゲ-ション・システム利用も可能。FM受信はもちろんだが、音楽のサウンドに関してもかなりそれなりに専用機としての機能は備えている。特にノイズ・キャンセラー機能が使い物になる。
 これはヒット商品なのかどうかは目下私は知らないが、この発売前から遊び心で予約注文して購入。そしてこの12月には諸々の機能を楽しんでいる。そしていつの間にか、既に生活のための機器になりつつあるのである。

(参考)http://magazine.kakaku.com/mag/pc/id=514/

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2011年12月27日 (火)

今年の遊び(1):ミラーレス・カメラ=オリンパス・ペン

ミラーレスのオリンパス・ペン・シリーズの充実は面白かった

 私のカメラ歴の中では、かなり重要な位置にあると言っていいものにオリンパス・ペン OLYMPUS PEN がある。このカメラの私との接点は1963年のハーフ・サイズ・カメラの「オリンパス・ペンF」の出現にさかのぼる。なにがなんでも欲しかったカメラで、親に泣きついて買ってもらったことから始まるわけである。現在の若い諸君には、”ハーフ・カメラって何?”ってことになろうが、従来の35mmフィルム・カメラの1カット36mm×24mmの半分の18mm×24mmが1カットであったでことから、そのタイプをハーフ・カメラと呼んだのである。つまり36枚撮りフィルムでは72枚撮影出来た。

 そのハーフ・カメラで画期的な初の小型ではあるがレンズ交換出来る一眼レフ・カメラとしてオリンパスが1963年に開発して発売した。それがオリンパス・ペンFである。そしてそのデザインの素晴らしさも、50年経った現在でも評価があり愛好家がいる。そして現在のカメラのデジタル時代を迎え、当時のペンのイメージを引き継いで、デジタル機に変身して、ミラー・レス、マイクロ・フォー・サーズの「オリンパス・ペンE-P 1」が何十年ぶりに一昨年発売され話題になったが、その改良型といえるシリーズが今年3機発売された。

Photo_3  なんとなく昔を思い出させるカメラ心をくすぐるために、このニュー・ペンを購入して遊んでみることになった。

 左のように、今年は「E-P3」、「E-PL3」の2機を発売と同時にレンズ4本と共に購入。
 ここ数年、モノクロ・フィルム撮影に加えて、デジタル一眼機もフルサイズ機(NIKON D700)の出現で、それなりに面白く撮影活動中の私ではあったが、この小型サイズはこれはこれなかなか魅力的で、電子ビュー・ファインダーもかなり有効である為、最近は遊び感覚と同時に日常も使う頻度が最も高いカメラになってしまっている。

 このペン2機を持って歩いても小型のバックに収まって軽くそんな点は有り難い。更にAF機能も改良されシャッター・チャンスに敏捷であって、それが為予想外に撮影活動に大きな役割を演じてくれている。
Lens 更にそれに加え、過去の各種レンズがマウント・アダプターで装着でき、手軽に使えるところだ。この場合には、フォーカスはオートにならないため、この電子ビュー・ファインダー(上の写真の左のE-P3に装着)が大きな役割を果たす。ここは電子技術の恐ろしさで、ワンタッチで拡大像が見れ、ファインダーも明るいため、ピントを探りやすい。
 特にに写真のように、ライカ・レンズ、フォクトレンダー・レンズ、コンタックスGレンズなど、レンジ・ファインダー機のレンズが比較的小型のため使いやすく、とっかえひっかえして遊んでいるのである。
 遊び心によって、カメラにジャケットを着せ、レンズ・フードを付けたりしてみると、それなりに恰好も良い。なんとなくいじっている内に、レンズ・ベビー(上の写真の右奥のE-PL1に装着)や、コンバーター・レンズ(同写真の中央E-PL3に装着)にも手を出して、これまたそれなりに使えるところがニクイのである。
 
 今年は私自身、撮影活動に刺激の少なかった年で、それでも趣味と道楽の道はなんとなく何もないと言うことはなく、時代の流行にも興味があって、それなりにこのミラーレス機のオリンパス・ペンで遊ばせて頂いた年でもあった。さてさて、来年はどの方向に向かうのやらと・・・・ふとこの年末に想うのである。

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2011年12月22日 (木)

ヘイリー・ロレン Halie Loren (4) : ニュー・アルバム「ハート・ファースト Heart first」

Hlorenheart_first_5

 ここで、ヘイリー・ロレンについて書くのも4回目になってしまった。今回も一年の間隔でのニュー・アルバムの登場でさっそく聴いてみての感想だ。

「Halie Loren / Heart First ハート・ファースト 」Victor VICJ-61660  ,  2011

 前作(3rdアルバム「After Dark」)の野暮ったいジャケに比べると、今回は良くなっていますね・・・・と、ジャケ話から入るのもちょっと何ですが、彼女の日本デビュー・アルバムである2nd「青い影」から期待した3rdがいまいちであったことから、期待は50%の気分でこのニュー・アルバムに臨んだ事の結果である。

 さて、その結論からゆくと、またまた”中途半端なアルバムになっていた”というところだ。もともと彼女の1stアルバムを聴いてみると、彼女自身の曲で詰め込まれたかなり独創性のあるオルタナティブ・ミュージックととれて、なかなかジャズ畑と違った興味もたれるシンガーソングライターと思われた。
 しかし、日本デビューの2nd「青い影」はむしろジャズよりのアルバムに変身して、そのジャズ・ヴォーカリストとしての魅力が大きく開花したと聴き取れ、更にそのジャズよりの線で進化していくのかと思いきや3rd「After Dark」は、どっちとも言えない中途半端な線で収まってしまった。
 そこで、今回は・・・・と、まずそうした興味からアプローチしてしまった訳であるが、前作の線からどうも変わってはいない。ということは、どうもこのパターンが彼女の売りのポイントであるようだ。

Heartfirstlist  さてこのCDの収録曲は左の通りである。実はスタート曲の”taking a chance on love”を聴いたときには、おお、今度はなかなかJazzyにゆけそうなアルバムだと期待を持った。しかしそれに続く2,3曲ではなんとなくやはりシャンソンっぽくなってくるが、それはそれなりきに悪くはないのだが、私の期待とはちょっと方向が異なってくる。それでも”C'est Si Bon”なんかは、ヘイリー節と言っていいのだろう。
 ”Sway”が登場してびっくりするが、やっぱりこれはローズマリー・クルーニーに圧倒された私にとっては、ちよっと味気ない。
 6曲目の”heart first”は彼女とラリー・ウェイン・クラークの共作曲でこのアルバムのアルバム・タイトル曲だけあってちょっとした世界を聴かせてくれる。
 そしてそれに続く”my one and only love”は、このアルバムでも出色の出来だ。バックのピアノも生きている。このパターンで彼女は押していって欲しいと私は思う。その後の”feeling good”も彼女のヴォーカルのみでスタートしてムーディーな結構な出来。このアルバムの中盤に来てこの2曲で盛り上がる。
Halieloren3b  ポヒュラーな”fly me to the moon”は、まあ並と言ったところでしょう。
 ”lotta love”もこれといった味には欠けるし、ジャズ・アレンジとしても中途半端。
 ”in time”は彼女のピアノが聴ける唯一の曲。彼女の曲でもあるが、やはりこれを聴くとジャズの世界とは異なっている。しかし美しさは感じられる良い曲でもある。
 ”smile”これも歴史的ヒット・ナンバーだが、スローにじっくりとした味で彼女なりきの唄に仕上げようとしている努力は解る曲。

 このアルバムには、最初に書いたように本格的ジャズ世界を期待してはいけないのかも知れない。特に2曲のボーナス曲のうちの”ellie, my love”は余分であるし、私の偏見からはどうも中途半端。しかしこれが近年の流行のJazzy not Jazzというパターンと言えばそうなのかも知れない。そんなつもりで最初から聴けば良いのかも知れない。

 まあ、「青い影」以来の彼女は期待株であるのは事実である。ただ、高音部で声がひっくり返るところは、魅力と感ずる人には魅力であろうし、ちょっとねちっこくて耳障りと言えば又そのようにも聴ける。ここのあたりは聴く人の好みであろうと思っている。

(参照)
① 2010.10.28 ヘイリー・ロレン ニユー・アルバム「After dark」 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/halie-loren-3-a.html
② 2010.9.3    ヘイリー・ロレン 1st「Full Circle」 
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/halie-lorenstfu.html
③ 2010.5.25  期待のヘイリー・ロレン  http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/halie-loren-a9e.html 

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2011年12月19日 (月)

ダイアナ・パントン Diana Panton : 癒しのボサノヴァ・アルバム「私の愛したブラジル」

ダイアナ・パントンの4thアルバムはボサノヴァで迫る!

 私がこのブログでカナダのシュガー・ヴォイスと言われるダイアナ・パントンの2つのアルバム「ピンク~シークレット・ハート」、「ムーンライト・セレナーデ~月と星のうた」を取りあげたのは今年の3月だった。それは友人からの紹介で聴いたことによるが、今回のアルバムは今年の秋のリリースで、同様にその友人からのプレゼントである。
 いずれにしてもその唄はクセがなく素朴で純粋な印象のあるところは聴きやすく、その癒し系の世界は魅力があり、私自身も熱烈なファンという訳ではないが、ニュー・アルバムとなれば聴きたくなるというところ。感謝をしつつ聴いてみた。

Dianapantonbrazil_2 「diana panton / to Brazil with love わたしが愛したブラジル」 MUZAK/Fab  MZCF-1238 , 2011

 このアルバムはバラード曲もあるが全編ボサノヴァの世界である。そしてその特徴は、一言で言うとダイアナ・パントンのヴォーカルそしてそのバックの演奏の流れに”美しさと品の良さ”を強く感ずる点である。このあたりはボサノヴァ・アルバムとしては珍しい部類にはいるのではないか。

(members)
  diana panton : vocals
  maninho costa : vocals, drums, percussion
  bill McBirnie : flute
  kiki musumi : cello
  reg schwager : guitar
  silas silva : drums, percussion
  don thompson : bass, piano, viblaphone

 ところで世界での彼女の評価はどうなっているのであろうか?、ただこうしたタイプは多分支持者としては日本は筆頭株にあるのであろうと想像する。つまり日本人好みのタイプは間違いない。力みがなく、そして美しく自然に流して愛らしく唄う響きはおそらくそうだろうなぁと思うのである。
 そしてもう一つの特徴は、このアルバムの何曲かはフランス語で唄われていることだ。それがなんと見事にマッチングしているのに驚く。カナダはもともと歴史的にフランス語が大きな位置を占めている。多分そうした中で彼女も育ったのであろう、身についた言葉によるその唄は見事にボサノヴァに生かしているのである。いやはや驚きだ。

Diana_long_dress2  このアルバムに登場する曲は、それなりに聴かれてきた曲も多い。”サンバ・サラヴァ~映画「男と女」より”、”黒いオルフェ”、”小鳥のように”、”私の島で”など登場する。アルバム全体を通してその出来は非常に丁寧に歌われ、見事に美しく仕上げている。バックではピアノの美しさが印象的で、又チェロの演奏やビブラフォンなど、単なるジャズ演奏といってしまうにはおしいその味付けにも心が惹かれる。

 1. サンバ・サラヴァ 〜『男と女』より (Vinicius de Moraes / Baden Powell)
  2. ディス・ハッピー・マッドネス (Vinicius de Moraes/ Gene Lees / Antonio Carlos Jobim)
 3. ザ・テレフォン・ソング (Menescal / Boscoli / Gimbel)
 4. 黒いオルフェ (Maria Toledo / Louiz Bonfa)
 5. ソー・ナイス (Paolo Valle / Marcos Valle)
 6. イズ・イット・リアリー・ユー? (Diana Panton / Don Thompson)
 7. 夜は千の目を持つ (Buddy Bernier / Jerry Brainin)
 8. 私の島で (Henri Salvador)
 9. フェリシダージ (Vinicius de Moraes / Antonio Carlos Jobim)
10. あなたを愛してしまう (Henri Salvador)
11. ドリーマー (Gene Lees / Antonio Carlos Jobim)
12. アンド・アイ・ラヴ・ヒム (Lennon / McCartney)
13. 小鳥のように (Michel Fugain /Antonio Carlos & Jocafi )
14. 残されし恋には (Albert Beach / Charles Trenet &Leo Chauliac)

 なかなか特徴のある魅力的なアルバムの登場となったが、ただボサノヴァとなると、本場ブラジル出身の私のお薦めのイリアーヌ・イリアスなとどと比較してしまうところだが、音楽的完成度に於いてはイリアーヌのピアノ演奏を取り巻くジャズ演奏陣から見ると、まだまだこのアルバムはその洗練された演奏には一歩及んでいない。又イリアーヌのような熟年女性の奥深いアンニュイと言うかややけだるさのあるそして人間の影の部分にまで迫るヴォーカルの味にもやはり一歩及んでいない。こちらはあくまでもポピュラーな美しいジャズ・アルバムの範疇で爽やかなソフトにしかもメロウな意味での出色なのであって、ブラジルのさらっと流す中のボサノヴァの奥深さとその味にはこれから更に迫って欲しいと期待し願うのである。

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2011年12月18日 (日)

伊・仏の絵になる街めぐり(13): フランス(9) パリ-4-

パリ Paris (France) -4-  モンマルトルMontmartreの人気は想像以上

 パリの中でも画家の愛した街の代表は北部の丘の上の街モンマルトルだ。そしてそのイメージの代表格はサクレ・クール大聖堂。モンマルトルを描く絵画のどこかにこの聖堂のドームが必ず見えるのも一興か。又坂の街でもあり絵としても恰好の対象が得られるわけである。
 この大聖堂の横にあるテルトル広場は、とにかく賑やかの一言に尽きる。多分この周辺の画家であろが、ここに集まり絵を描きながら売っている。この様はまさにパリの華でもある。
 もともとこの丘からはパリの中心街が一望されるので、多くの観光客も集まるので、その雑多な賑やかさは尋常ではない。

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2011年12月16日 (金)

伊・仏の絵になる街めぐり(12):フランス(8) パリ-3-

パリ Paris (France)  -3- ルーヴル美術館と7月革命

 パリの代表的美術館のルーヴル美術館、オルセー美術館は、誰でもパりを訪れると必ずや訪れるところである。 特にルーヴルでは、あの広大な宮内の作品をくまなく見るというのは、それこそ大変なことだ。そして多くは必ず見ようとするのが、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」、そして「ミロのヴィーナス」が筆頭に挙げられ、何時も多くの人でそれらの周りはごった返している。

 しかし、私にとっては手が届く位置に掲げられている歴史的絵画に圧倒される。特に1789-1799年のフランス革命から1815年の王政復古、そして再び民衆が立ち上がった1830年の”7月革命”を描いたドラクロワの「民衆を導く自由の女神」は、子供の頃の教科書にも載っていて非常に印象深かった絵画だ。
 パリの学生、労働者を中心としてのパリ民衆の蜂起。”栄光の三日間”と言われるルーヴル宮殿の民衆の襲撃による陥落、この市民革命を描いたもの。
 この革命は、フランスのみに止まらず、ベルギーのブリュッセル暴動を誘発させベルギー独立革命に導き、ポーランドにおいてもワルシャワ革命(11月蜂起)に影響した。
 こんなパリの7月革命を描いたドラクロワの自由の女神は素晴らしい。左手に銃を持ち、”自由・平等・博愛”の三色旗を右手にもっての姿は魅力的だ。その横にいるピストルを持った少年はビクトル・ユーゴー著の「レ・ミゼラブル」の登場人物のモデルにもなっている。

 何時もそれを見るのが私の楽しみでもある。そして幸いにも、この絵画の前では意外にゆっくりと鑑賞できる余裕があって嬉しい。更に、最近のデジタル・カメラはISO感度もかなりに上げられ、更に手ぶれ防止機能もあり、フラシュなしでもかなり良好に撮れる。そんな訳で今年は取り敢えず納得した撮影が出来た。

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2011年12月15日 (木)

伊・仏の絵になる街めぐり(11):フランス(7)パリ-2-

パリParis(France) -2-  セーヌ河畔

☆ いつもパリを訪れると思うのですが、この街を歩いているどれだけの人がこのパリに生活している人なのだろうか・・・。ほんとに多種人種の入り乱れている人の流れがパリである。ましてやパリの観光地に集まる多くの人々は、パリの人々でなく多分観光旅行客であろうことは間違いない。そうした人々が世界中から集まっていると思うと、そこに見る人々の背景に興味が湧いてくるのだが・・・・・・。パリは、人々が愛する街であると同時に世界の人々の姿といっていいのだろう。

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2011年12月10日 (土)

キース・ジャレット Keith Jarrett の世界(10): ニュー・ソロ・アルバム「RIO」

既に、人生への感謝さえ感じられる演奏は逸品

Rio 「Keith Jarrett / RIO」 ECM Records ECM-2198/99 ,  2011
Recorded live April 9,2011 at Theatro Municipal.Rio de Janeuro

 久々というか、おやもう出たというのか、キース・ジャレットのニュー・ソロ・ライブ・アルバムが登場している。
 前アルバム「Testament(2009)以来、2年ぶりであるが、あのアルバムのキースの本格的復活劇は感動であった。その内容は今考えてみると彼の人生の大きな転機での世界観であったと想像される。つまり彼の難病からの立ち上がりと同時に、妻との別れという哀しい事件との両方が交錯するバック・グラウンドを背にしての作品であったことから、何故か彼の人生の総括と言った優しさの中にも重きの感じられるアルバムであった。
 そんな流れの中で、今回決して暗さのイメージのないブラジルのリオデジャネイロにおけるソロ・ライブのリリースだ。

 やはりここに聴ける世界は、キースの感覚から生まれる即興の味わいと、彼の完全復活と共に彼の音楽に対しての挑戦から完成期に入っている姿が想像できる。考えてみれば、キースのソロの歴史も40年になる。
Riojarrett  そして今回のアルバムは何とCD2枚組の全15曲という、彼にしてみれば小品集である。そして全体的にみると、聴衆に答える演奏の姿が感じられる。それは実はかってのキースの姿とは異なる。つまり昔の彼は聴衆よりは自分の世界にピアノ演奏を介して没頭し、そして訴えるパターンであったが、ここにみるキースの演奏は聴かせることの意義に包まれている。
 なんといってもまずは聴きやすい、そして美しいに尽きる。又、聴いてゆく中では、何故か不安感、危機意識といよりは自然に包まれた安堵感が広く漂っている。
 何時も賛否両論のあるキースのうなり声もいつもよりは少ないが、そこには苦しそうな印象はない。むしろ後半においては楽しそうにも聴ける。
 全体の流れからは、前半はやや前衛的な難曲のイメージと重さが若干顔を出すが、後半は彼の今の達観した世界なのか、むしろ明るい世界に導いてくれる。即興のなすわざとして、今のキースがこの曲のイメージであるのだろう。

Photo2011  どうも今回のこのアルバムのリリースは予定よりは早く出されたようだ。それはキース自身が非常に気に入ったと言うことからの結果らしい。かってその年の演奏が即アルバムとしてリリースされるということは殆どない。そもそもは来年リリース予定のGary Peacock と De Johnetteとのトリオが目下熟成されているようだが、予定と反してそれよりも先になったらしい。
 いずれにしてもこのようなキース・ジャレットのソロが聴けることは、長年聴いてきた私のような者にとっては、非常に嬉しいことである。
 

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2011年12月 6日 (火)

ナイトウィッシュNightwishのニュー・アルバム「IMAGINAERUM」~今年最後に最強アルバム登場~

お見事!、壮大なオペラテックでメタリックな世界が圧倒的スピード感と美しい旋律を伴って展開!!

Imaginaeruma 「NIGHTWISH / イマジナエラムImaginaerum」 Nuclear Blast 27361 273890 ,   2011

 既にシングル”Storytime”で期待は膨らんでいたナイトウイッシュの待ちに待ったニュー・アルバム登場。
 なんと、前作から4年の熟成を経てここにリリースされた。あのリード・ヴォーカルのターヤの後釜に座ったアネッテの出産の為に制作が遅れていたが・・・、それだけ時間があっただけに今作の出来は素晴らしい。
 既にこの11月末に彼らの国フィンランドではリリースしたと同時に数時間で50,000枚が売り上げられ、タブル・プラチナムとして認定されたとか。

Imaginaerumlist 収録曲は左のように全13曲、しかし聴いてみると、完全にトータル・アルバムとして完成している。最終曲”Imaginaerum”のインスト曲により、オーケストラによる曲の纏めが見事で、なにか夢の世界にいたかの如くの気分で終息する。もうここまで来ると彼らはと言うかバンド・リーダーのトォーマスは、一大絵巻を作り上げる作曲者でありそれと同時に演出家でもあると言って過言でない。
 日本盤は来年になりそうだが、これはこの2011年のベスト1に挙げてもおかしくない出来だ。しばらくこのアルバム漬けになりそうである。
 
Tuomas1  オープニング曲”taikatalvi”は、静かにキーボードをバックにマルコであろうヴォーカルで大絵巻のスタートのように始まり、2曲目にあの”storytime”が、アネッテの歌声が登場して一緒に歌いたくなる気分に軽快に展開。ああ、久し振りに聴くナイトウィッシシュと実感させる。バックのコーラスも美しく、オーケストラも登場。確かにヒット性十分の解りやすい曲。
 第3曲”ghost river”もリズムカルにスタートし、マルコのヴォーカルが入ってから次第にメタリックな演奏に変調しナイトウィッシュらしい展開。後半には児童コーラスかのような響きが入ってアネッテの声がそれに包まれていく。
 4曲目は”slow,love,slow”はゆったりと、そして異様な世界に導くが如くアネッテのヴォーカルだ。エンプのギターも久々に泣きを聴かせる。静かに終わり時計の秒を刻む音が次の曲に導く。

 こんな調子でとにかく飽きる事なく進行する。特に6曲目”scaretale”には、ナイトウィッシュの多彩な面を全てつぎ込んで、オペラティックにこのアルバムの中盤を次のインスト曲”arabesque”と共に盛り上げる。いやはや恐れ入る。
 
Anette ”turn loose the mermaids”では、アネッテの民族的な雰囲気のある唄が聴ける。
 ”rest calm”は一転してヘビーな演奏と化す。ここにはマルコのヴォーカルは必需品の如く顔を出すが、やはりナイトウィッシュらしく中盤からのアネッテの唄の部分は聴かせに変調。特にバックにコーラスを登場させると美しく変身。
 ”the crow,the owl and the dove”で取り敢えず中休み。
 ”song of myself”は、三つのパートに分かれるが、ナイトウィッシュ節の展開とこのアルバムの姿を凝縮している曲とみた。ドラムスとコーラスの掛け合いが面白く、最後は語りで纏め上げる。しかし実に美しい。
 
 とにかく、この年末に来て恐ろしいとも言える絶賛のアルバムが登場したものだ。"さすがナイトウィッシュ"というところで、諸手を挙げて大歓迎してしまった。
 本日手にしたところの初聴きで感想を書いた。これから聴き込んでゆくと、又いろいろと評価が出てくると思うが、それはそれ耳を傾けて私は大いに彼らを来年にかけて話題にしたいと思うところである。
 (尚、今回のアルバムは二枚組で、もう一枚はヴォーカル抜きの同曲のインストゥメンタル曲集である)

 Nightwish   Anette Olzon : vocals
                  Marco Hietala : bass & vocals
                  Emppu Vuorinen : guitars
                  Jukka Nevalainen : drums & percussion
                  Tuomas Holopainen : keys & piano 

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2011年12月 4日 (日)

ピンク・フロイドPink Floyd = スタジオ・アルバム14枚 人気投票

EMI最新リマスター・シリーズ記念「ピンク・フロイド・人気投票」中間発表

 SoundTown(EMI Misic Japan)では、今年EMIのピンク・フロイド全スタジオ・アルバム14枚のリマスター発売を記念して、そのアルバム・ベスト順位を投票によって決めようという企画を進行中である。これは今年の9月から来年2月までの期間で行うものだが、ここに中間発表がなされた。
 誰でも投票できるので、興味のある方々は参加してみてはどうか。(http://www.emimusic.jp/intl/pinkfloyd/ranking.htm

 さて、その中間発表の結果は以下のとおりである。

① 「狂気」            1973
② 「炎」             1975
③ 「原子心母」        1970
④ 「おせっかい」       1971
⑤ 「ザ・ウォール」       1979
⑥ 「アニマルズ」        1977
⑦ 「対」            1994
⑧ 「夜明けの口笛吹き」 1967
⑨ 「鬱」            1987
⑩ 「ウマグマ」        1969
⑪ 「神秘」            1968
⑫ 「ファイナル・カット」  1983
⑬ 「モア」          1969
⑭ 「雲の影」        1972  

 この中間発表を見て、なるほど面白いことに、現在のピンク・フロイドの於かれている位置が極めて良く解る。結論的に端的に言うと、やっぱり我々のような1960年代からのリアル・タイムにピンク・フロイドの歩んだ歴史とともに聴いてきた人間との大きなギャップがあると言うことだ。それはそうでしょうね、ロックという世界に首をつっこむのは、やはり若い世代であることは事実で、その現代の眼から見たロックの姿は、やっぱり極端に言うと反論があるかも知れないが、過去の時代反映の因子による価値観というより、今楽しく聴けるかどうかと言うところにあると言っていいのだろう。

Photo_2  1位:「狂気The Dark Side Of The Moon」

 これはやっぱり妥当なところなんでしょうね。アイディアはロジャー・ウォーターズ世界の幕開けであり、そしてメンバー4人による共同作業の結集、しかもアラン・パーソンズ、クリス・トーマスなどを筆頭としての技術陣との作業も充実していたものである。
 はっきり曲も難しくなくポップであり、そこに絡むウォーターズの人間に迫る謎めいた歌詞。得意のSEも効果的で、多くの人の心を捉えた。
 取り敢えずは、プログレッシブといっても、彼らの聴きやすい楽曲が基礎にあっての作品で、なんと「ビルボード」誌のベスト200に724週というロング期間にチャート・インしていたもの、名盤と言わなかったら何と言えば良いのか。

Photo_3

 2位:「炎~あなたがここにいてほしい Wish You Were Here」

 現在に於いてもそうであるが、ロジャー・ウォーターズは長い歴史の中で、決して同じようなアルバムは作らない。つまり二番煎じによる稼ぎを目的としたような作品作りは彼の心情に合わないのであろう。
 実は、このアルバム誕生にはかなりの紆余曲折があった。もともとは売れに売れたアルバム「狂気」の後とあって、今度は楽器を使わないアルバム造りに着手した。つまり近頃その一部がボックス・セットで公開された「Household Objects」である。しかし完成に至らず、この1974年ツアーでの新曲”Shine on you crazy diamond”を中心として、ウォーターズの社会機構への皮肉である”Welcome to the machine”をはさんで、彼らの原点回顧でシド・バレットを頭に描いての”wish you were here”を作り上げ、アルバムを完成した。このアルバムをやはり好むものも多い、ここには何故か哀愁の漂っている。ギルモアのギターも完成している。
 このアルバムも好まれるのはフロイド・ファンとしては妥当なところなのかも知れない。

Photo_4  3位:「原子心母Atom Heart Mother」

 さて、この3位が難しいところ。目下はこの「原子心母」が選ばれているが、最終ではどうなるか?。
 ただし、この1970年のアルバムは、所謂プログレッシブ・ロックという言葉の範疇を作り上げた元祖である。面白いことにこれは日本で作られた世界であり、逆に英国でもあるところでは使われたと言うから意義深い。
 アルバム・タイトル曲の”Atom heart mother”は、ギルモアに湧いた基本旋律をメンバーそれぞれが、個性を発揮してさまざまなバリエーションを加え味付けして作り上げた。そして当初”the amazing pudding”という曲名であったが、ウォーターズがペース・メーカーを付けた出産母体をみて思いついて付けたこのタイトル名に変更した。この当時ウォーターズ得意の難解なタイトルとアルバムの牛のジャケットとは強烈なインパクトがあったもの。多くのファンが、このアルバムを選んだには、やはりこの25分に及ぶ曲の壮大な世界に感銘したといったところか。
 しかし、この組曲作りの曲は、ライブでの演奏を聴き込むと、3位争いをするであろうアルバム「おせっかいMeddle」の人気曲の”Echoes”の曲の原点を垣間見ることが出来、やはり重要な彼らのアルバムとなることが解る。
 一方、このアルバムのその他の小品集ではウォーターズの”if”が、その後のピンク・フロイドの人間注視の世界への入り口であったし、”fat old sun”はギルモアのギターの歩む道の開始であったと言うことも、実は重要なアルバムでもある。

 私自身も決めがたいが、この3位候補は2位も含めて、「おせっかい」「ザ・ウォール」「アニマルズ」といったところは、最終に締め切ってみなければ解らないところであろう。特にアメリカでは時代にそった懐疑や主張のある「ザ・ウォール」「アニマルズ」あたりは人気は高い。特に「アニマルズ」のパンクと一線を画した作品は、あの時代に於いて意義深い。しかし日本では、ピンク・フロイドへの期待はむしろサウンド嗜好が強いと言えそうで「おせっかい」に偏るのかもしれない。

Photo_5  こうしたベスト10に投票する多くは、例えば40年以上前の「神秘」と最終アルバム「対」を、ほぼ一緒に聴いて投票している層が多いわけで、過去のアルバムの作られてきた順番は解っていても、その時代に生きてのリアル・タイムな感覚からの感動というものは知らないわけである。従ってこうした順位というのはそのような層の評価に準じていて、早い話が、実は現在に於いて何が聴きやすく解りやすいかと言ったところが拠りどころになっていると言ってしまってもよいのだろう。
 しかし、我々のように、あの時代に出現した「神秘」の感動とロック音楽における重要性と比較して、「対」のようなかってのフロイド・サウンドの焼き直しであり、しかも時代に問題意識などと言う世界と違ったAORに近いアルバムの評価は全く価値観が違うのである。
 どっちが正しいとか、よいとかの問題を言っているのでなく、そうした違いがあると言うことだけは認識しておかないと、このベスト・アルバムの順位と価値観を見誤ってしまうと言いたくなるのである。

 とにかく私にとってはそれぞれ価値のあるしかも感動を伴った重要なアルバムで、この企画のように3枚のアルバムを選べと言われても、それは至難の業だ。「モア」もピンク・フロイドが生きてゆく上での重要な位置にあり、しかもその中身は素晴らしい。
Photo_6  又「ザ・ファイナル・カット」は、ピンク・フロイドの1stアルバムからの16年の歴史の最終章として行き着いた重苦しさと悲痛な叫びと緊張感は群を抜いている。サウンド嗜好のAORの世界を越えて、特にロジャー・ウォーターズのロックに身を投じた人間の姿を最もリアルに描いた傑作だと思うのである。かってのエコーを効かしたサウンドを単に継承するのでなく、ロックの原点に戻ってのストレートな音に包んだ世界はこれ又一歩ある意味では進んだ形として見れるわけで、その中でのギルモアのギターも美しい。過去の模倣からの脱却もむしろ見事な一枚だと私は評価している。

 その他、人によって取り敢えずピンク・フロイドと初めて接して感動したアルバムがこれだったとか、かって聴いたことのない世界に包まれたアルバムであったとか、それぞれの経験からも推薦アルバムは異なってくるであろう。
 今回のEMIのベスト・アルバムの人気投票も、はっきり言えば結果は現在の反映であろうと思っている。実は私も投票しようと思ったが、過去のそれぞれの感動から結局選べきらなかった。つまり私には3枚と言われても選べないのである。
 しかし、来年の2月にはこの人気投票の結果がでるわけで、なんとなく結果は分かってはいるものの、それはそれ面白いと見つめることにしているのである。

                      *******************************

(追記)2012.3.1

2011.9~2012.2 「ピンク・フロイド=アルバム人気投票最終結果」

  1. 「狂気」
  2. 「炎」
  3. 「おせっかい」
  4. 「原子心母」
  5. 「ザ・ウォール」
  6. 「アニマルズ」
  7. 「対」
  8. 「夜明けの口笛吹き」
  9. 「鬱」 
 10. 「ウマグマ」
 11. 「神秘」 
 12. 「ザ・ファイナル・カット」 
 13. 「モア」
 14. 「雲の影」


 
 
 

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2011年12月 3日 (土)

伊・仏の絵になる街めぐり(10) : フランス(6) パリ-1- (music : ATOLL)

パリ Paris (France)-1-   (2011.11)

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<Music 今日の一枚>

Atoll2 「ATOLL / L'ARAIGNE'E-MAL 組曲”夢魔”」 1975年 (France)

 ユーロ・ロックの最高峰、フランス・プログレ界の頂点とも言えるアトールの最高傑作。スーパー・プログレッシブ・バンドとも言われるテクニシャン集団の演奏から生まれる世界は、この一枚に凝縮している。
 キング・クリムゾンも取った手法のヴァイオリンを加えたことにより、そのスリリングな世界に磨きがかかった名盤と言っていいだろう。

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2011年12月 2日 (金)

伊・仏の絵になる街めぐり(9) : フランス(5)=オンフルール-2-

オンフルール Honfleur  (France) -2- (2011.11)

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Photo_3   <追加 : 2011.12.6 >

 左は、上のカット撮影時の小生の姿。
 同行した友人が、送ってくれましたのでここに載せさせていただきました。どうも有り難うございました。

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2011年12月 1日 (木)

伊・仏の絵になる街めぐり(8) : フランス(4) =オンフルール (music : ATOLL)

オンフルール Honfleur (France) ~多くの画家が愛してきた街~

 昔(16-17世紀)はセーヌ河口の貿易の拠点であったというオンフルール。そうした商業発展の面影はないが、今では日本人画家もフランスを訪れると、風情ある町並みと白いヨットのマストに魅力を感じて、必ず絵にするという街として我々にも知られているところだ。
 ここの中心部にある旧ドックは外国からのヨットで特に夏には賑わうところ。

 この11月に訪れた時の、このオンフルールのスナップ ↓

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<music 今日の一枚>

Atoll 「ATOLL / musicians - magiciens」
(1974 France)

 フランスのイエスと言ったか言わぬかは別として、なかなかテクニシャン集団の1stアルバム。メロディアスでありながら、緊張感のあるサウンドを構築する。彼らはこの後の2ndアルバム「組曲”夢魔”」で頂点に!。

 



 

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