映像でのアデルAdele・・・・「Live at The Royal Albert Hall」
多弁とエネルギッシュなステージはやっぱり若いのだ
私は何となく避けていたアデルAdele、しかし昨年友人より同時にアルバム「19」と「21」を聴かされた。そしてなるほど当時カーペンターズを彷彿とさせるルーマー Rummerを聴いたりしていた時で、英国の底力に圧倒されたのだ。なにせ高音部の変化は、じゃじゃ馬(はねっかえりで扱いにくい女)を想像させるアデルの歌声には賛否両論が私の中で入り乱れていて、このブログでも書くことがなく経過していた。そして面白いことに勧めた友人は「19」のほうが良いと言い、私は結構スタート1曲目の”rolling in the deep”や2曲目”rumour has it”のようにパワー・アップした感のある「21」のほうも面白いと思ったのだ。
それはそれとして、そんな流れの中で、ライブ好みの私は昨年末に登場したライブ映像盤(Blu-ray+CD)を何回と視聴しているという結果になってしまい、ここに書くことになったという始末である(笑)。
「ADELE / LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL」 (Blu-ray + CD) XL Recordings XLBLU559 , 2011
しかし恐れ入るアデル、このステージの姿はもはや堂々。10年以上の選手そのもの。なにせあの太さの体格が良いから尚更である。実際には1988年生まれであるので、このライブはまだ若干23歳なのである。そして曲間でのお話はやたら多いし、聴衆に語りかけるし、水はラッパ飲みはまずいのかコップを右手に持って飲みながら(蜂蜜のお湯割りと言っているが)のお話。そして又大口開けてワッハッハとくるから、いやはや脱帽。まあこれだけおしゃべりの多いライブもあまりみない。
このROYAL ALBERT HALL いっぱいのオーディエンスに歌いまくるといった感じ。バックもキーボード、ツイン・ギター、ベース、ドラムスに約十数人のヴァイオリン、ビオラ、チェロなどのストリングス群と2人の女性バック・コーラスと大がかり。 ”rumour has it”などのようなリズムの曲以外は脚の長い椅子に座ってのおしゃべりと唄だ。
いずこの国も20歳前後の女性軍の強さを象徴しているライブ。まあこのような姿であるが、歌はやはり一生懸命歌っているところはそれなりにプロなんですね。
収録曲は左のようで、2011年9月22日のこの日の全曲を網羅している。2ndアルバムからの曲が多い。
そして聴衆の年齢層が高いことも驚きだ。もっと若い層が集まると思っていたが意外である。又、女性が多いのもこの映像で解る。
そして”smokeone in the deep”でのオーディエンスの合唱に感動しているところ、更に切ない元の彼氏との話をたっぷりとするあたりは、ステージの上での自分を隠さないスタイルを垣間見ることが出来る。やはり2ndアルバムの中心的曲”rolling in the deep”の会場の盛り上がりが凄い。会場の合唱は完全に女声合唱だ。
とにかく全世界でアルバム「21」は売り上げ1200万枚は優に超えているというし、全米、全英始め世界19ケ国にてのヒット・チャート一位は延々と続き、しかもチャートでシングル2枚と「19」と「21」の2アルバムがそれぞれでベスト5入りしたというビートルズ以来47年ぶりの記録を作ってしまっているので、いろいろと言うところでもない。
いずれにしても、全曲自己の曲というシンガー・ソングライターとしての才能と、ハスキーがかった声の質、更に哀しい女心などを訴えて、昨年は世界が彼女の虜になったと言うことであれば、我々も素直に受け入れようではありませんか。
もともとソウルっぽくしかもジャジーなところに、ポップ感覚が入り乱れてのここまでの作品は、現代を代表しているのかも知れない。
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コメント
ん〜、そうなんですか…。
いまいちピンと来なかった部分あったんですよね。ライブ見たら変わるかな。
もちっと精進してみます(笑)。
投稿: フレ | 2012年1月11日 (水) 21時31分
フレさん、今晩わ。
このアデルは、どう評価できるか私自身も自分でよく解らないのです。2ndになってパワー・アップしたことは事実です。そのほうが良かったのかもしれません。しかし、ほんとにこれがビートルズ以来の快挙となると無視は出来ませんね。
"someone like you" を唄い会場の合唱に思わず涙を流してしまうところは、やっぱり・・・女心の歌を唄ってきたんですね。
投稿: 風呂井戸 | 2012年1月11日 (水) 22時11分