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2012年1月29日 (日)

オーディオ・ファンに愛される~ジャシンタJacintha

優しくさりげない歌声が包み込む・・・・・・

 先日、高音質CDに焦点を当てて現状を見た時に、やはりオリジナルのマスターテープの重要性を知るわけであるが、それが日本ビクターとしても高音質CDとしての”xrcd24”を作成に当たって、このマスターテープが手に入れられるかどうかで対応が難しくもなる場合がある。
 そんな中で、シンガポールで活躍している女性ジャズ・ヴォーカリストのジャシンタJacintha(ジャシンサと呼んでいる人もいる)の場合は、やはり欧米のアーティストよりはそのオリジナル・アナログ・マスターテープは、多分想像するにCD化の為には使いやすい環境にあるのか、彼女のアルバムは殆ど高音質化(SACD 、xrcd、Gold CD、LP)に配慮されている。従ってオーディオ・マニアの世界では結構聴かれているようだ。彼女の歌に最も接しやすいアルバムをここで紹介しよう。

Thebest 「BEST OF Jacihtha」 Groove Note   GRV1042-3 ,  2008

 このアルバムはジャシンタの過去にリリースされた7枚のアルバムからの所謂ベスト盤である。そして通常のCDでなく、高音質を狙っての最も現在採用されているSACD盤だ。幸いにHYBRID盤であるために、一般のCDプレイヤーにも一応対応している。そして全15曲のうち8曲はマルチチャンネル・トラックで5.1サラウンドとして再生出来る代物。

Thebestlist  彼女のジャズの歌声に接するには、音質も高度化されていて恰好の代物。全15曲は左のとおりである。一見して解るように、ポピュラーなジャズ・スタンダード曲で占められているので、とにかくとっつきやすい。***印がSACDマルチチャンネルもの。

 いずれにしても、とにかく音質が良く、彼女のヴォーカルの位置は聴く我々のまさに眼前にあり囁くが如く唄う。そしてバックのバンドの音が冴え渡り、オーディオ的満足感は高い。そして彼女の唄は、澄んだ優しい声で低音のヴォリュームもあり全曲優しさの中に包み込む。あるところでは、彼女の唄を”elegant”、”romantic”、”sophisticated”、”stylish”と表現されているが、まさにそう言っていいだろう。

 彼女のスタジオ・アルバムは・・・
   Here's To Ben            1998
    Autumn Leaves          1999
    Lush Life                   2002
    Jacintha Is Her Name   2003
    Girl From Bossa Nova   2004
    Live Flows Like A River 2005
    Jacintha Goes To Hollywoog  2007

   このベスト盤に登場する曲は、世界的ベスト・ヒット集といったところで、どこからも取り付ける。その中で”The Look of Love”は、昔はセジオ・メンデスで有名で、近年はダイアナ・クラールが唄ってヒットしているが、このジャシンタ版はバックにピアノ、サックスが入って、それなりの特徴を発揮している。そして”Autumn Leaves”が抜群にいいです。編曲も良いし、バックのトランペットの切ない響きも聴きどころ。”Light My Fire”は私の好きな曲だが、フルートとギター、ボンゴがバックで支え無難に唄ってはいるが、かってここで取り上げたイリアーヌの世界までは至っていない。それは比較が酷なところか。”Danny Boy”は7分以上の曲になっていて非常に情感を込めて唄われている。

Jacintha_3  このジャシンタの世界は、優しさに包まれたいという人にはお勧めであるが、一方ジャズ特有のスウィングする流れそしてやや危険なムードなどを求めると、ちょっと虚しくなるところでもある。まあそのあたりは好みで聴いて欲しいところ。

 ジャシンタは、本名 Jacintha Abisheganaden といい1957年マレーシア生まれ、父はスリランカ人でジャズギタリスト、母は中国人でピアニストという音楽家庭で育っている。シンガポール国立大学で英語の学位を取り、ハーバード大学にても学んでいる。米国での活動もあり、そしてシンガポールではヴォーカリスト、ステージ女優などで国民的スターとか。
 近年は、女性ジャズ・ヴォーカルは、相変わらず白人の世界に圧倒されているが、日本人や韓国人そしてこうした東洋人の活動も注目しておきたいところ。
 ジャシンタは幸い日本でのオーディオ技術によって紹介され、オーディオ・マニアには愛されているが、もう少し広く一般に注目されてもよいアーティストといえよう。

(試聴)

 

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2012年1月26日 (木)

スティーヴ・ハケット Steve Hackett :「幻影の彼方 Beyond the Shrouded Horizon」

とにかく多彩な曲のパターンと展開はドラマティックで、これが彼の世界なんだろう!

Beyondthesh 「Steve Hackett / 幻影の彼方 Byond the Shrouded Horizon」 INSIDEOUT 0563-2  ,  2011

 しかし驚きですね、スティーヴ・ハケット(1950-)にとってはオリジナル・ソロ・アルバムとして何と23枚目になるらしい。これだけの多作のギタリストはそうはいない。
 私のようなプログレッシブ・ロック派にとっては、もう少し彼にも関心を持って来なければいけなかったと反省するのですが、もともとジェネシスにはどちらかというと関心の少ない方であったため、彼のソロ活動は時に耳を傾ける程度で現在に至っている。
 しかし、ここに来てどうもかなり意味ありげなニュー・アルバムの登場と言うことで、早速この2枚組の作品を聴いているわけである。

 メンバーはハケットのギター、ヴォーカルに加えて曲により変動があるが、主として以下のとおり。
   Roger King (Kb)          Nick Beggs (b,stick)
   Gary O'toole (ds,vo)    Amanda Lehmann (g, vo)
   Rob Townsend (sax)
 そして、Dick Driver(b),  Chris Squire(b) などがゲスト参加し、弟の John Hackett(f) の名も見える。

List_3   2枚のディスクのは左のような内容。Disc1が主題であって、Disc2はサービス盤、懐かしの曲が現れる。
 
 さて、そのDisc1に納められた13曲であるが、いやはやこの多彩さには驚きで、ハケットは相変わらずの飽きさせない一大絵巻を展開している。
 オープニングの曲”loch lomond”からして導入の荘厳なオーケストレーション、そして一転してアコースティック・ギターのとっつきやすい調べとヴォーカル、そして又転調してのエレクトリックなギターの激しさと、期待を膨らませるところと前途多難な不安を感じさせるところを交叉させ、このアルバムの行き先を暗示している。
 彼の特徴のハードなエレクトリック・ギターと、むしろ甘い感のあるアコースティック・ギターの両面が迫ってくる抑揚は、実は私は嫌いでないと言うか、むしろ好むところ。
 インスト曲は5曲を占め、ギターにより哀愁のある泣きに近い音と、ヘビーな音を旨く展開するところもみせる。
 一方”between the sunset and the coconut plams”、”looking for fantasy”で聴けるようなヴォーカルもなかなか美しい。
Steve1  このアルバムはかってそうであったように、荘厳、暗黒というところから、一方むしろロマンティックな美しい旋律とギターの調べを加え、更にその上に、異国情緒たっぷりのスパニッシュなものや、東洋的なものまでアコースティック・ギターによって展開してみせるハケットの技量に充ち満ちているのである。
 ”two faces of cairo”のパワーも聴きどころであるし、”summer's breath”のやさしいアコースティックの調べ、そしてそれに続く”catwalk”はヘビー・ロックと聴かせどころは多い。そして圧巻は”12分に及ぶ”turn this island earth”では、プログレの復習版のようなロックの味をふんだんに盛り込んでの展開に惹かれてしまう。

Theroad_2  スティーヴ・ハケットというと、やっぱり私のような古い人間にとっては、昔の彼のデビューした1970年のクワイエット・ワールドThe Quiet World「THE ROAD」(TEICHIKU RECORDS  22DN-71)を思い出してしまう。左のような強烈な印象のジャケットは異様であったし、人間を見つめる感覚に注目しつつ、当時このアルバムのような多彩な展開の音の世界は驚きの世界でもあった。
 そしてこのアルバムが、20年経って初めてCD化されたのが1989年。このCD化こそは、ハケットのジェネシスはもちろん彼自身のロック界に於ける実績が産んだものだった。当時は何でもCD化される時代ではなかったので、このCD化には感激し大いに喜んだものである。

 こんなことも思い出しながら、このニュー・アルバムを聴いていると、この壮大な絵巻は私にとっては、展開に聴き惚れているうちに、ほんの一時のように過ぎ去ってしまうような感覚に陥るのであった。

(このアルバムはプロフェッサー・ケイさんのブログ「ろくろくロック夜話」でリリースされていることを知り、さっそく購入して聴いてみたところだ)

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2012年1月25日 (水)

「xrcd24」にみる高音質CDの世界

CDの高音質化における諸々の方法論~その一つの”xrcd24”

Abc_demo_sacd  アナログLPに変わって、1980年代のCDの登場以来既に30年という歴史が刻まれようとしているわけであるが、その後、CDの高音質化を求める流れも無視できない。そして”SACD”、”DVDオーディオ”などのFormatの異なるものの登場などをみている。中でもSACDは、それなりの音質の高度化が計られクラシックやジャズのジャンルでは結構普及もしてきているとは言え、従来のCDにとって変わるほどの勢いはない。

 しかし一方、近年は従来の普通のCDであっても、更なる高音質を求め諸々の方法論が動いている。それには主として2つの方法に別れていると言っていい。一つは、CD盤そのもの(マテリアル)の改良による高音質化、もう一つの方法は、録音マスタリングからCD製造過程における劣化を極力防ぐという方法だ。

Logo_ecm  最初のマテリアルの改良によるものの代表は、2007年にデビューした「SHM-CD」だ。そしてその後に続いて出現した「HQ CD」、更に「Blu-spec CD」などある。これらは従来のCDと同じプレイヤーで再生して、高音質を得ることが出来る。極めつきはビクターの「K2HD MASTERING + CRYSTAL」というガラス盤まで出現した(一枚十数万円)。



 そしてもう一方の、従来のCDではあるが、その規格内でオリジナルマスターの音質の劣化を極力製造過程で防いでゆく方法。それが既に10年以上の歴史を経た 「xrcd (Extended Resolution Compact Disc)」である。これはオーディオ・マニアにはそれなりの評価を得て、2002年には「xrcd24」 に進化し現在も進行中である。これはマテリアルの改良でなく、音楽などの録音過程とCD盤製造過程の高精度な音質管理プロセスによるもの。そして今それなりにやはりクラシック、ジャズなどの世界で地道に進行中だ。

Toccata 「TOCCATA UND FUGE D-MOLL BWV 565 Orgelwerke von J.S.BACH / ZSIGMOND SZATHMA'RY  」 JVC jM-XR240 ,  2003

 この xrcd24 を聴いてみるには恰好の代物が左のバッハの”トッカータとフーガ”の教会オルガンもの。楽器の中の王様と言われるぐらいのパイプ・オルガンの音はオーディオ・ソースとしては最も適している。とにかく音域が広くその響きの雄大さを何処まで再生できるかというCD製造側では最も神経を使う音源である。
 このCDを聴いてみると、なるほどxrcd24の威力を十分に知ることとなる。低音の広い響きから高音に至る流れが澄んでいてしかも充実している、そしてホール感も見事で圧巻だ。

Jacinthaautumnleaves 「JACINTHA / Autumn Leaves」 Tbm FIMXRCD 028 , 2000

 オーディオ・マニアでは知る人ぞ知るジャシンタ。彼女のジャズ・ヴォーカルは非常に優しく美しく唄われ。そしてバック・バンドの演奏がこれまた美しい。しかし日本では意外に浸透していない。
 彼女はインド人(スリランカ)の父と中国人の母の間に生まれ、シンガポールで活躍しているのだ。
 そしてこのアルバムは音質の良さも一級で、又選曲も最もポピュラーなスタンダード・ナンバーをたっぷり唄い挙げ、いろいろな意味で隠れファンは多い。このアルバムも xrcd24 の音質の良さに惹きつけられる。

Xrcd241019sdas 「Jheena Lodwick / Singing In The Rain」 JVC XRCD24-1019SDA ,  2010

 これはフィリピン人で香港での活躍中のベテラン女性ヴォーカリストのジィナー・ロドウィクのアルバム。これも xrcd24の高音質盤でオーディオ・ファンに人気のあるもの。
 彼女の唄も非常に優しく美しく、そして誰にも解るスタンダード・ナンバーを収録している。しかしあまりにも優等生で若干張り合いがないというところもある。
 こうしたCDを聴いていると、まだまだ一般のCDも制作側の努力によって高音質を追求することが出来ることが実感できる。

 さてこの”xrcd”は、ビクターが、もともとアナログ・マスターテープを如何にCDに生かせるかと言うところ出発したようだ。これは日本ビクターのK2技術が基本にある。
 これには、アナログのオリジナルマスターから24bit K2A/Dコンバーターでダイレクト変換してマスタリングされる ”xrcd24 super analog” が主体であったが、現在はデジタルマスターから制作する”xrcd refined digital” の2種類がある。
 日本で一般にソフト制作は、オリジナルのマスターから作られたセカンド・マスターから行われているが、この xrcd は、オリジナル・マスターから制作することにこだわり、ビクターの誇るデジタル高音質化技術(K2技術など)による高音質デジタル変換技術とディスク高品位製造技術によるところによるという。通常のCD制作は量産のため大幅に処理が簡略されていて音楽的品質が低下しているらしい。それを意識しての高音質化を計ったものである。
 通常のFormatCDでも、ここまで高音質化が出来ることは、今、音源のダウンロード時代となり、しかもその高音質化がそこまで来ている時に、CDは過去のものとなりつつあるとは言え、またまだCDも馬鹿にしたものではないと言うところか。

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2012年1月17日 (火)

ザーズ ZAZ ~ シャンソンからのJazzyな発展形~まさにライブが花

久々に、シャンソンからの流れに魅せられて~ライブなくしてZAZなし
   
ライブ・アルバム「ZAZ ライブ!~聞かせてよ、愛の歌を~」登場

Zaz_03b

 最近は、友人からの紹介アルバムを聴いて結構納得することが多い。自己流で探っていくと、結局は同じ所に辿り着くことになってしまうが、その点は人に耳を傾けるとなかなか掘り出しものに遭遇できる。
 このザーズ ZAZ もその一人だ。久々にフランス人の登場だ。本名イザベル・ジュフロワ Isabel Geffroy 、1980年生まれであるから既に30歳は越えた。ハスキーなヴォイスとソングライター・センスを身につけたシャンソンから発展しての現代センスの曲には魅力がある。

Zaz_2  2010年のアルバム「ZAZ~モンマルトルからのラブレター」(左:RESPECT RECORD  RES180 , 2011 )がフランスでは大ヒットして日本にも伝わってきたわけだ(2010年、フランス・アルバム・チャートにて8週連続1位を記録した)。
 このアルバムの日本タイトルの良し悪しは別として、彼女がブレイクした最も大きな因子は、パリのモンマルトルの路上で鍛えられた音楽らしい。それはシャンソンはもちろん、フォーク、ブルース、アヌーシュ(ジプシー)・スウィングなどが加味して、ジャズ的アプローチが結実しているところにある。

「ZAZ / SANS TSU TSOU - LIVE TOUR  ライブ!~聞かせてよ、愛の歌を~」
                 (2CD+DVD)  RESPECT RECORD RES 201-202/B ,  2011

Live
  2011年末には、日本でもザーズZAZのライブ・アルバムが登場した。
 このアルバムはCD+DVDで、特にDVDでは彼女の姿が浮き彫りになる。なるほど、これは百戦錬磨の路上アーティストのステージだ。
 主として、つい先頃の2011年10月16日のフランスはベテューヌの町におけるライブだが、それに加えてニヨン(スイス)、ラ・ロシェル(フランス)、ハンブルグ(ドイツ)、ウィーン(オーストリア)、ノヴィ・サド(セルビア)などのヨーロッパ各地での模様が挿入されている。

Livelisteng2_2  収録曲はCD、DVDともに左のとおりで、あの1stアルバムにない5曲ほどの新曲も登場する。
 メインのベテューヌでは、バックにツイン・ギター、ベース、キー・ボード、ドラムスが支える。
 彼女のフランス語の歌は、我々の知るシャンソンの味は十分感じられるが、やはりジャズとしての味付けが見事。そのステージ上のパフォーマンスはダンスとともにオーディエンスにアッピールする身振り手振りは曲とのマッチングは華麗で、路上で鍛えられた聴く者に対してのサービス精神が溢れている。額に汗を滲ませての姿には心意気が感じられる。

 このライブ・アルバムのタイトルは、日本語では「上も無く下も無く」という意味とか、そのあたりに意味深なところをくみ取らなければいけないだろう。私が彼女を評価する一つは、かなりの主張を持って唄っているところにある。ここでは中近東を思わせる節回しで始まる1stアルバムの中心的曲の”Je veux 私の欲しいもの”の歌詞にはその姿の基盤がありそうだと思うのだが(ライブでの盛り上げは凄い)。
  ・・・・・・・・ホテル・リッツのスイート・ルーム、そんなのほしくないわ。シャネルの宝石、そんなのいらないわ。・・・・わたしなんて手づかみで食べているような女よ。・・・・偽善を止めて、私はここからずらかるわ!・・・・・

 このライブを見ても、スタートの”Les passants 通行人”からエネルギッシュなハスキー・ヴォイスを投げかけてくる。オーディエンスは思わず合唱を始める。こうした流れはお見事である。
 一方”Port Coton ポール・コトン”、”La Fe'e 妖精”、”J'arrive pas できないわ”のような語り聴かせる歌も心に響いてくる。これぞライブであってその味が一層増すのである。静と動を華麗にこなすアーティストである。
 ”Ma folie 私の狂気” はザーズの作詞作曲であるがスローとアップテンポの切り替えが素晴らしく、バックの演奏にも気合いが入っている私の好きな曲だ。こうした中に、ザーズはバックと一体になって曲を作り上げる姿勢がくみ取れるし、その音楽的レベルの高さが解る。このあたりは彼女特有の世界である。最後はステージにぶっ倒れてしまうところが味噌。
 ライブの締めの曲”Aux de'tenteurs 保有者に”は、ヘビー・ロックの新曲で嬉しくなる。このパターンも進化させて欲しい。そして"アリガトー"と日本語の登場でライブを納めるところはニクイところだ。

 こうしてみてゆくと、彼女はやはりライブにあってその魅力を発揮することが解る。いやはや恐るべき新人が登場したものだ。このライブもの映像ではエレキ・ベースを弾きまねの彼女の姿もみれるし、是非とも彼女はライブで知って欲しいアーティストだ。そこで今年2月には日本にもお目見えすることになっているので、さて日本に於ける評価や如何なるものになるか楽しみでもある。

(視聴) 1  http://www.youtube.com/watch?v=_Q3cF6ai--w

           2 http://www.youtube.com/watch?v=rzAMaFcLGvQ
 
 
 

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2012年1月11日 (水)

映像でのアデルAdele・・・・「Live at The Royal Albert Hall」

多弁とエネルギッシュなステージはやっぱり若いのだ

Adele3  私は何となく避けていたアデルAdele、しかし昨年友人より同時にアルバム「19」と「21」を聴かされた。そしてなるほど当時カーペンターズを彷彿とさせるルーマー Rummerを聴いたりしていた時で、英国の底力に圧倒されたのだ。なにせ高音部の変化は、じゃじゃ馬(はねっかえりで扱いにくい女)を想像させるアデルの歌声には賛否両論が私の中で入り乱れていて、このブログでも書くことがなく経過していた。そして面白いことに勧めた友人は「19」のほうが良いと言い、私は結構スタート1曲目の”rolling in the deep”や2曲目”rumour has it”のようにパワー・アップした感のある「21」のほうも面白いと思ったのだ。
 それはそれとして、そんな流れの中で、ライブ好みの私は昨年末に登場したライブ映像盤(Blu-ray+CD)を何回と視聴しているという結果になってしまい、ここに書くことになったという始末である(笑)。

Livebluray 「ADELE / LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL」 (Blu-ray + CD) XL Recordings XLBLU559 ,  2011

 しかし恐れ入るアデル、このステージの姿はもはや堂々。10年以上の選手そのもの。なにせあの太さの体格が良いから尚更である。実際には1988年生まれであるので、このライブはまだ若干23歳なのである。そして曲間でのお話はやたら多いし、聴衆に語りかけるし、水はラッパ飲みはまずいのかコップを右手に持って飲みながら(蜂蜜のお湯割りと言っているが)のお話。そして又大口開けてワッハッハとくるから、いやはや脱帽。まあこれだけおしゃべりの多いライブもあまりみない。
 このROYAL ALBERT HALL いっぱいのオーディエンスに歌いまくるといった感じ。バックもキーボード、ツイン・ギター、ベース、ドラムスに約十数人のヴァイオリン、ビオラ、チェロなどのストリングス群と2人の女性バック・コーラスと大がかり。

Livelist_2  ”rumour has it”などのようなリズムの曲以外は脚の長い椅子に座ってのおしゃべりと唄だ。
 いずこの国も20歳前後の女性軍の強さを象徴しているライブ。まあこのような姿であるが、歌はやはり一生懸命歌っているところはそれなりにプロなんですね。
  収録曲は左のようで、2011年9月22日のこの日の全曲を網羅している。2ndアルバムからの曲が多い。
 そして聴衆の年齢層が高いことも驚きだ。もっと若い層が集まると思っていたが意外である。又、女性が多いのもこの映像で解る。
 そして”smokeone in the deep”でのオーディエンスの合唱に感動しているところ、更に切ない元の彼氏との話をたっぷりとするあたりは、ステージの上での自分を隠さないスタイルを垣間見ることが出来る。やはり2ndアルバムの中心的曲”rolling in the deep”の会場の盛り上がりが凄い。会場の合唱は完全に女声合唱だ。

Livephoto

 とにかく全世界でアルバム「21」は売り上げ1200万枚は優に超えているというし、全米、全英始め世界19ケ国にてのヒット・チャート一位は延々と続き、しかもチャートでシングル2枚と「19」と「21」の2アルバムがそれぞれでベスト5入りしたというビートルズ以来47年ぶりの記録を作ってしまっているので、いろいろと言うところでもない。
 いずれにしても、全曲自己の曲というシンガー・ソングライターとしての才能と、ハスキーがかった声の質、更に哀しい女心などを訴えて、昨年は世界が彼女の虜になったと言うことであれば、我々も素直に受け入れようではありませんか。
 もともとソウルっぽくしかもジャジーなところに、ポップ感覚が入り乱れてのここまでの作品は、現代を代表しているのかも知れない。

 

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2012年1月 8日 (日)

不思議な魅力を醸し出す~ホリー・コール Holly Cole

聴いていく度に味が増すというのは彼女の唄だ

Hollycole1  なんとなく聴いてきたホリー・コール。病み付きになると言うこともなかったが、ベスト盤以外最近ニュー・アルバムもないままだと、ちょっと寂しくなるというこの頃でである。
  私は全アルバムは持っていないが、2~3のアルバムを今年になってなにとはなしに引っ張り出して聴いていると、やはり聴く度に味が増すというのは彼女の唄だと思う。

Hollycole 「HOLLY COLE」 KOCH Records KOC-4404 , 2007

 多分このアルバムがベスト盤を除くと最近作だと思う。何故か彼女のネームがタイトルで、その意味は?と考えると最終盤と言うことなのか?。日本盤は「シャレード」だった。
 ここには”charade”とか”i will waite for you シェルブールの雨傘”などのポピュラーな曲が登場するが、このアルバムにおいても、彼女の唄は相変わらず異空間に導き入れるようなムードに包まれている。明るくはないが、その影のある世界感がなかなか魅力的なのだ。低音が充実していて、そしてスモーキーな歌声は、高音になると艶やかに伸びる。
 とにかくカナダ出身で、1963年生まれであるので、このアルバムは40歳過ぎてのもの。それだけその大人のムードは隙がない。
Hollycolelist曲目は左のとおりである。そしてこのアルバムのバック・バンドは、Piano、Guitar、 Bass Drums という常識的布陣に加えて管楽器が幾種類か加わる。それはfluto、clarinet、 trombone、 french horn、 alto ,tenor, barritone saxophone などなど曲によって入れ替わっての参戦。
 オープニングの”the house is haunted by the echo of your last goodbye”は、フル・バンドのゴージャスなバックで、ちょっと古くさい感があるところもあり、その上もともとこうしたゴ-ジャス・スタイルは私はあまり好まない。そのあたりは過去のTRIOものの方が好きである。しかし、軽快な”charade”もホリー・コールらしく独特で、その後の3曲目の”シェルブールの雨傘”から、ホリー・コール節がいよいよ始まり、中盤後半はバックの管楽器も単管によるものが多くなり、彼女のヴォーカルが生きてきて、その独特な深い流れの世界に浸れる。”you're my thrill”、”reaching for the moon”などは好きですね。

Trio_3 「HOLLY COLE TRIO / BLAME IT ON MY YOUTH    ホリー・コール/Calling You」 EMI TOCP-54229  ,  1992 
 
 さて、やっぱり私のホリー・コールのアルバムで好きなのはこれですね。このシンプルなトリオ構成がよい、彼女の歌声がじっくりと響いてきてその歌唱力のレベルの高さと同時にその味が実感できる。
 もっとも世に彼女の名を轟かせた曲は”calling you”ですから、その収録アルバムとしても人気がある。この曲は映画「バクダット・カフェ」のJevetta Steeleの歌ったテーマ曲のカバーというが、日本でもかなりインパクトがあって広く聴かれた曲だ。これは彼女の3rdアルバムであるが、日本では彼女のデビュー・アルバム。
 (members)
  Holly Cole : voice
  Aaron Davis : piano
  David Piltch : string bass
Triolist  左のような全10曲が収まっている。スタートの”trust in me”から2曲目の”i'm gonna laugh you right out of my life”がこのアルバムの色づけと方向性を見事に表現した出来で、これも一つのポイント。始めに語ったようにまさに異空間に導くのである。
 チャプリンの”smile”も、静かな中に熱情のある曲にこのように変身させているところが見事。
 ”calling you”は当然だが、続く”good will”もベスト盤にも採用される出来の良い仕上がり。そして”on the street where you live 君住む街角”は、やや前衛的なバックから始まり、おやっと思わせるがここまで変身させるこのトリオの意欲が感じられ、私は結構気に入っている。

 現在は多分50歳を過ぎている彼女であるが、昨年「私の時間~ベスト・オブ・ホリー・コール」(EMI TOCP71060)というベスト盤が日本でお目見えしているとはいえ、やはりこのあたりで新作の便りはないものかと、心待ちしているところである。



 

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2012年1月 4日 (水)

ロジャー・ウォーターズRoger Waters:「サ・イラ Ca Ira~希望あれ」

フランス革命とロジャー・ウォーターズの信条の接点は??

Roger2  年に、2-3回しか聴かないアルバムだが、新年を迎えてなんとなくこのアルバム「Ca Ira サ・イラ」を取り出して約2時間弱を聴き込んでいた私でした。
 考えてみれば、ロジャー・ウォーターズがクラシック・オペラに挑戦していることを知って、あの「ザ・ウォール」の最終章におけるロック・オペラを思い出しつつ、如何なるものかと興味を持ってから、一昔という10年は有に過ぎての最も難産なアルバムだった。彼のスタジオ・アルバムの「死滅遊戯」(1992年リリース)の制作最中にも動いていたものとして情報が入ったわけで、1980年代末から構想は始まって、結局我々のところに届いたのは2005年であった。

Caira 「Roger Waters / CA IRA "THERE IS HOPE" ロジャー・ウォーターズ サ・イラ~希望あれ」 SONY CLASSICAL/COLOMBIA S2H 60867 ,  2005

 ピンク・フロイド時代、そしてソロ時代と彼の作品の変遷の中で、なんと”フランス革命”に正面から音楽で対峙したものとしての注目は世界的に関心が持たれた。しかもロックとは一線を画してクラシック・オペラ作品ということも驚きであった。
 ウォーターズのこのフランス革命(王政、旧体制の崩壊、封建的諸特権の撤廃)のヨーロッパにおける重要性と、彼の生きる信条に接点があったことは想像に難くない。

Cairagil  もともと1989年のフランス革命200年祭に対しての企画であった脚本家・戯曲原作者のエティエンヌ・ロダ=ジルとその妻ナディーンから示された一生に一回と言われるほどの壮大なオペラの原案があった。ウォーターズが必要だという彼らの提案にウォーターズが乗った事によるという。それにはフェリップ・コンスタンチン(EMIのピンク・フロイドの宣伝担当で、ウォーターズとの親交が深い)が係わってのことであったらしい。
 そしてこの「サ・イラ」の当初の3者による企画は1992年9月に200年前のヴァルミーの戦いの勝利の記念としてのバスティーユ広場に於いての演奏だったという。それに合わせ精力的にウォーターズは企画に乗っての9ヶ月後には、2時間以上のデモを完成させていたのだった。しかしそれは二百年祭企画側との折り合いは暗礁に乗り上げ実現できなかった。代わりにウォーターズはまさに時を同じにして、ジェフ・ベックをフューチャリングしてのアルバム「死滅遊戯」を公開したわけだが、これは意図として行われたか、偶然かは定かでない。

 ”サ・イラ”というのはもともと自由、平等、友愛のフランス革命の時に市民に広く唄われた革命歌であり、ウォーターズはロック音楽の中から自由、解放、人間と精神のポイントに焦点を当ててきたところからの接点は確実にあった事が推測される。
 しかし、この企画の中断はウォーターズにとっては相当のショックであったようで、その後2000年まで語ることもなかった。
 しかしこの企画は再び動いたのである。それは2004年の「マルタのEU加盟祝賀式典」にて3曲13分21秒が流れたのである。これは見事なライト・ショーと共に世界に中継され、そしてウォーターズの「サラ・イラ」は世界にフル・オーケストラとオペラ歌手によるクラシック・オペラ・アルバムとして公開され、オペラ・ショーも世界を巡っての公開となったものだ。しかし残念なことに脚本を書いたエティエンヌとナディーンの両人、舞台美術の構成をしたコンスタンチンの妻は、既になくなっていてこの完成をみることが出来なかったのであった。

アルバム「サ・イラ」
condductor: rick wentworth

choirs: london voices, italia conti childrens choir, the london oratory choir
principal characters: bryn terfel, ying huang, paul groves, ismael lo

DISC 1

第1幕
  1. ギャザリング・ストーム
  2. 序曲
  3. 1765年、ウィーンの庭園
  4. 「アントワン嬢、アントワン嬢…」
  5. 王と棒と鳥
  6. 「正直な鳥、どこにでもいる普通の鳥…」
  7. 「私は国王になりたい…」
  8. 「盾という盾を…」
  9. 民衆の不平不満
  10. 無秩序状態のフランス
  11. 「笑うとはどのように生きるかを知ること…」
  12. 「近くにいる奴隷商人や地主や偏見を持った人々…」
  13. バスティーユの陥落
  14. 「真夜中に凍え…」
  15. 「土砂降りの雨が街通りを濡らす…」
第2幕
  1. 踊りと行進
  2. 「ここで発表をいたす!…」
  3. 「ワインで顔を赤くした…」
  4. 手紙
  5. 「スペインにいる親愛なる我が従兄弟のブルボンよ…」
  6. 「国家という船は航海に出ている…」
  7. 銀と砂糖とインディゴ
  8. 「変化の風が…」
  9. 法王の布告
  10. 「パリでは地下で轟音がしている…」

DISC 2

第3幕
  1. 逃亡する国王
  2. 「だがブイエ侯爵には奥の手があった…」
  3. 「帽子を脱ぐというのは…」
  4. 「一斉射撃のこだまは一向に消えない…」
  5. パリ・コミューン
  6. 「パリ・コミューン万歳…」
  7. 「国民議会は混乱している…」
  8. ルイ・カペの処刑
  9. 「さようならルイ、もうこれであなたはおしまい…」
  10. マリー・アントワネット-この世での最後の夜
  11. 「さようなら、私の優しい妹よ…」
  12. 自由
  13. 「大虐殺を生き延びた茂みの中で…」

 私はクラシック音楽も愛好者の末席を汚してはいるが、オペラに関してはほぼ白紙同然である。しかしロジャー・ウォーターズが彼の音楽人生の中でも、このような歴史あるヨーロッパにおいても音楽として重要な位置にあるオペラの作成に着手し、そしてしかも重要な歴史事実をテーマにしたことに彼の生き様が見えてくるのである。
 とにかく音楽を愛するなら、一度は聴いてみても損はない。美しい旋律と、唄、合唱、そしてメリハリのあるフル・オーケストラの演奏に何かを感ずることが出来ることは間違いない。

(参考) リリース 英国2005年9月
           日本2006年1月
     チャート・最高位(クラシックチャート)
           英国 1位
           米国 5位

(視聴)

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2012年1月 2日 (月)

謹賀新年 2012

明けましておめでとう御座います

 Web3                                              (風呂井戸 画)

 昨年は、自然現象の教える人間の驕(おご)りに対する警告の年であったと思う。
 あらゆる結果に対して、自己責任の取れないものを弄(もてあそ)ぶような無責任感覚に麻痺している社会は果たして改革できるのであろうか。
 年と共に課題は増大していく感がぬぐえない。
 今年は・・・・・・?????

 

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