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2012年2月14日 (火)

イタリアン・ロックの軌跡(1): ジガンティ i GiGanti 「犯罪の唄 TERRA IN BOCCA」

これはまさに衝撃であったジガンティ!!

 イタリアン・プログレッシブ・ロックには、取り付かれた人も多分多いと思う。70年代ロックは英国主流であった中で、イタリアを知ったものにとっては衝撃にも似た感動があったものだ。私もそんな人間の一人であるが、これは1980年代のCDによる再発ブームが大きな役割を果たしていた。
 当時は幻のアルバムといわれるものも、CD化の動きによって手に入ることができるようになったものが幾つかとあり、このジガンティ i GiGanti もCDで手にしてその感動も大きかったものだ。
 そんな昔の時代を思い出しながら、最近なんとなく回顧といった状態でイタリアン・プログレ・アルバムを聴いている。そこで手持ちのコレクションを、少しづつチェックしていってみたい。

Gigantiterrainbocca

「ジガンティ i GiGanti / 犯罪の唄 TERRA IN BOCCA poesia di un delitto」 (1971年作品) ①Vinyl Magic VM013 , ② KING KICP2103  , ③ BELLE ANIQUE   BELLE091627

 このアルバムを聴くと何故か最低1週間は頭から離れないという最強の代物。そして我々の手に入ったものは、3種類ある。最初に私が聴いて驚いたのはLPの71年ものでなく、1980年代になってのイタリアの Vinyl MAGIC のものだった(上)。つまり地方に生息している私には、そう簡単には初期LPは手に入らず上京して手に入れたものがそのCDだった。後にキングが日本盤としてリリース。そして又ベル・アンティークが高音質SHM-CDでリリースするのである。ところが私が当初感激したVinyl MAGIC盤は、後にオリジナルとは別テイク(デモ・テープ)であることが解るのだが、その別テイクにても衝撃的感動を得た。そしてキング盤、ベル・アンティーク盤がオリジナル・マスター音源でリリースしている。

Gigantimembers  このジガンティが何故プログレ・アルバムが作ることになったかは不明だが、全曲作曲している後のIL VOLOのヴィンチェ・テンペラ(Piano)をゲストに迎えての壮大な絵巻を展開したのはまさに衝撃と言っていい。メンバーは下記のとおりで、このアルバムの後には、イタリア・プログレ界の兵(つわもの)として日本にも伝わってきたギターにマルセロ・デラカサ(LATTE E MIELE)、そしてAREAのアレス・タヴォラッツィ(Guitar)、エラーデ・バンディーニ(Drums)名前もある。いやはや豪勢そのもの。

members

Drums: Ellade Bandini, Enrico Maria Papes
Bass: Ares Tavolazzi, Sergio Di Martino
Piano & Organ: Francesco Marsella, Vince Tempera
Guitars: Ares Tavolazzi, Sergio Di Martino, Giacomo Di Martino, Marcello Dellacasa
Mellotron: Francesco Marsella & His Ten Fingers Ten

 曲目は下記のとおりであるが、アルバム一枚の組曲だ。

1. 最初ゆっくりと(Largo Iniziale)
2. 非常のゆっくりと (Molto Largo )
3. 前進 ( Avanti )
4. さらに前進~つきのない時~プリン・プリン(Avanti Tutto-Bruto Momento-Plim Plim)
5. 発作的プリン・プリン~優雅に、歩く速さで(Alim Alim Al Parossismo-Delicato Andante)
6. 暴動~突然の結末 ( Rumori-Fine Incombente )
7. 遠い結末~無へのアレグロ (Fine Incombente-Allegro Per Niente)
8. デブのメス猫が行く~右往左往 (Tanto Va La Gatta Al Largo-Su E Giu)
9. 極端にゆっくりと~全てはこころの内に(Larghissimo-Dentro Tutto)
10. 音の始まり~悲しい水切り遊び(Alba di Note-Rimbalzello)
11. 楽しい水切り遊び ~脅迫的に、しかしはなはだしくなく~結末 (Rimbalzello Compiacente-Ossessivo,ma non troppo-fine)

2terrainbocca_2 (左がVinyl MAGIC盤、右がBELLE ANTIQUE盤)
 このアルバムは語るよりは聴いてみることに尽きるが、イタリアン・ブログレのエッセンスを全て網羅していると言って大げさではない。私自身はイタリアン・プログレの入り口のバンドはPFMであった訳であるが、このようなアルバムが存在していたことを、後に知って驚いたのだった。
 BELLE ANTIQUE盤には歌詞とその訳まであるが、当初聴いたVinyl MAGIC盤のときには内容がよく解らなかった。イタリア語辞書を買ってそのアルバムのタイトルから想像していくという程度。後に解ったことで、このアルバムはイタリアの暗黒の権利を我がものにしていたマフィアを題材にしている。唄い描かれたのは、一人で対抗した純朴な農民である。この主人公の16歳の息子は惨殺されてしまうが、その姿がこのアルバム・ジャケに見れるのだ。

 美しくも激しくそして印象的な哀愁のある曲が展開する。ギター、ピアノの美しさとメロトロン、オルガン、シンセサイザーの圧倒的な響き、イタリア独特のヴォーカルが押し寄せる波の如く迫ってくる。しかしその内容には怒りと悲しみの物語が展開しているのだ。

 確かにBELLE ANTIQUE盤は、オープニングから重厚で、技術陣のミックス作業も緻密であり、フェイド・アウトなどの手法もあって完成されたアルバムの形を呈している。しかしVinyl MAGIC盤も荒削りさがむしろ面白く、サウンドも良好で、これはこれ楽しめることも事実。

 ここにイタリア・プログレの最強盤を紹介した。

 

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コメント

ふ〜む…
聴いてみます。
イタリアもの、まだまだ知らないのたくさんあります…。

投稿: フレ | 2012年2月14日 (火) 19時53分

 フレさん、今晩わ。
 プログレもイタリアものには以前、彼らの作り上げる音楽の世界に泣かされましたが、再発CDが欲しくて懐(ふところ)も泣かされたものです。その両方が私には忘れられない熱い思い出です。
 このジガンティは、アルバムとしての仕上がりは、当然キングやベル・アンティークのオリジナル・マスターからのものが完成度は高いのですが、Vinyl MAGIC のアウト・テイクものは、むしろライブのような身近な感じがあって肌に感じてきます。そのあたりはイタリアものとしての独特の味が結構イケるところであって、面白いところでもあります。

投稿: 風呂井戸 | 2012年2月14日 (火) 21時14分

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受信: 2012年2月29日 (水) 22時36分

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