大人のジャズ・ヴォーカル~リサ・リンズレイ Lisa Lindsley 「Everytime We Say Goodbye」
丁寧な歌い上げは天下一品 「LISA LINDSLEY / Everytime We Say Goodbye」Blondsongstress(U.S.A) , 2011
この女性ジャズ・シンガーのリサ・リンズレイ Lisa Lindsley もなかなか大人の味を聴かせてくれる。映像をみると結構大柄に見えるが、声は意外に可愛らしい発音をする。しかしその歌のこなしは、どの曲もじっくりと歌い上げ大人のムードいっぱいである。
彼女はアメリカ、ユタ州 Ogden の出身。父親の影響でジャズを聴きながら育ったという話。誕生日は彼女の好きなサラ・ヴォーンと同じ3月27日のようだが、生まれた年は不明。まぁ40歳代でしょうね。アメリカ特有のジャズスクールにて学んだ経歴があり、サンフラシスコを中心に活躍している模様。
さて、このアルバムもスタンダード・ナンバーを歌い上げたものである。
1. Nearness of You(5:58)
2. Don't Explain(4:23)
3. Alice in Wonderland(3:47)
4. Inside a Silent Tear(4:54)
5. The Very Thought of You(6:35)
6. It's Only a Paper Moon(3:07)
7. Everytime We Say Goodbye(8:29)
8. Why Don't You Do Right(3:34)
9. Girl from Ipanema(7:28)
何と言っても、アルバム・タイトル曲のコール・ポーターの”Everytime we say goodbye”が聴き応え十分だ。バックのピアノがゆったりと美しく奏でられ、彼女の唄も、言葉一つ一つを丁寧にそして語り終える最後の一呼吸まで大切に歌う。これを聴くとかなり鍛え上げられたヴォーカリストだと解る。
バックは、Geoge Mesterhazy (piano, melodica, keyboards) と Fred Radolf (bass) の2人が務める。そのバックも実に落ち着いた主としてピアノ、ベースのみの演奏で、音を十分に意識して聴かせるところが良い。
”Inside a silent tear”では、バックに Melodica が使われ、支えるが如く彼女のヴォーカルとともに歌い上げ、落ち着いた独特の夜のムードを作り上げる。
”The very thoght of you”は、彼女のヴォーカルのみでスタートして、その後ピアノが流れるパターンで、ジャズ・ヴォーカルの醍醐味を知らしめ、又ピアノ・ソロの流れも満喫できる。
面白いのはジョビンの”Girl from ipanema”だ。ボサノヴァとは又ひと味違ったバラード調のヴォーカル・ジャズになっていてベースの響きも納得の出来、この曲としてはちょっと異質のタイプの仕上げで興味深い。
自主制作盤といってもよいものだが、録音の質も悪くない。このアルバムも、静かに夜の安息を得ようと聴くには良盤だ。
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