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2012年3月 5日 (月)

ピンク・フロイドPink Floyd 「ザ・ウォールTHE WALL ~IMMERSION BOX SET」検証(2)

「ザ・ウォール IMMERSION BOX SET」 の”1979年 DEMO CD”
見えてくる哀愁の世界

Thewallboxxyz

今回の”THE WALL - IMMERSION BOX SET”の目玉は、2枚のCDに納められたDemo音源と言ってもいいのかもしれない。そこには興味ある姿が見えてくる。

WORK IN PROGRESS PART 1, 1979

Thewallboxdemo1_2

 上が1枚目の内容。3群に別れているが、多くがロジャー・ウォーターズのオリジナル・デモが納められ、その後にバンド・デモが聴ける。 (41音源収録、サウンドは期待以上に良好)
 ロジャー・ウォーターズのデモは、かなり初期のもののようで曲はトータルには聴けないが、要所の原点が聴き取れて興味深い。
 2.オープニングのSEはこのほうが、まさにピンク・フロイド的。9.Don't leve me now はこちらの方が更に切ない。 12.Another Bricks in the wall ~13.goodbye cruel world は旋律も異なり、アルバムに慣れきっていると、このようなacギターによるタイプのほうも面白いような?感覚になる。21.the trialは凄い。
 23.preludeはアルバムには登場しないが、映画の導入の曲とが交錯して面白い。24.another B I T Wはこちらの方が、深遠な感じ。このパターンでアルバムを作ると又違ったものになりそうだ。25.The thin ice の冒頭と末尾のギターがいい。
 27.teacher,teacher においても、ウォーターズの切ないヴォーカルが印象的。
 30.Youg lust は、アルバムとはかなり違った旋律のヴォーカル・パート。
  33.Sexual Revolution は、ギターとドラムスのリズム取りが大きく違って興味深い。
 PROGRAMME 3 のバンド・デモはかなりアルバムに近くなっている。

 こうしてみると、このロジャー・ウォーターズのオリジナル・デモは彼の「ザ・ウォール」の発想が手に取るように見えてきて、もともとの作品の目指すところは、全体に完成アルバムとはかなり異なった悲哀と哀愁のあるタイプであったことが解る。

WORK IN PROGRESS PART 2, 1979

Thewallboxdemo2

 ここでは、ロジャー・ウォーターズのデモから1.Is there anyody out there? の重要性を知るし、バンド・デモは、アルバムに近づいた曲の仕上げが聴ける。
 Doctor (comfortably numb)は2曲収録しているが、5. ではウォーターズの出だしのヴォーカルは歌詞も異なっているが、これからアルバムのものへと進めていったのであろう。全体的には完成に近い。15.ではギルモアのヴォーカルが中心。こうしてみると、完成曲の通りに、スタート部分はウォーターズのDoctor の流れで、その後にギルモアのデモを生かして両者を交互に登場させて完成したことが解って興味深い。
 デヴッット・ギルモアのデモは2曲のみであるが最後に聴ける。これでは22.Confortably numb では、完成もののギルモアの歌うパートが彼の係わったところであることが見えてくる。23.のギター・プレイの部分は彼のオリジナルであることは当然だ。

 こうして、全64曲のデモ集を聴くと、確かに当初これだけの曲をウォーターズが作っていたことに驚くし、この後リリースしたアルバム「ザ・ファイナル・カット」に使われた曲も何曲かあったと言われているので(ここでは登場しないが)、如何に当時彼はステージは否定的であった一方、別の意味で意欲が高揚していたかが窺い知れる。さらに当時既にこの後の彼のソロ・アルバムの「ヒッチ・ハイクの賛否両論」のデモも出来ていてメンバーに示していたと言うし、そのエネルギーたるは、やはり若かったんでしょうね。
 そしてメンバーにこの「ザ・ウォール」を選ばせて、これを見方によれば彼の意地で無理矢理完成させたアルバムとしては、その完成度の高さに驚くのである。

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コメント

久しぶりにこのブログを拝見させていただいております。明日と明々後日にThe Wall見に行ってきます。行く前にThe Wall in ProgressをiTuneでダウンロードしたんですが、安いバージョンのやつしかなかったんで、ここでどれが抜けているのか確認させていただきました。(笑)これを聴くと、ギルモア派対ウォーターズ派の言い争いがいかに意味がないものか明確になります。

投稿: Seattle_Pink | 2012年5月24日 (木) 17時03分

Seattle_Pinkさん、"The Wall Live"ですか、羨ましいですね。Vancouverでしょうか?>私は、今回のロジャー・ウォーターズのザ・ウォール・ライブのDVDがいつの間にか山に積み重なってきました。(大げさ・・・笑い)

投稿: 風呂井戸 | 2012年5月24日 (木) 17時46分

今、シアトルのショーから戻ってきました。1年半前のやつも行きましたが、今回はビデオアートが少し変わっていたのと、前半のアレンジが多少変わっていました。ロジャーはノリノリで歳を感じさせない動きでしたね。あさってはバンクーバーのショーへ行ってきます。今度はサッカーフィールドなので大きなセッティングを見れるのが楽しみです。

投稿: Seattle_Pink | 2012年5月25日 (金) 17時25分

 Seattle_Pinkさん、ほんとに羨ましいお話しです。
 今年のショーでは、"Mother"の前に"Another Bricks In The Wall Pt 4"の新曲が挿入されていますね。
 いやはや、ほんとに羨ましい。報告の方又よろしく。

投稿: 風呂井戸 | 2012年5月25日 (金) 20時23分

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