ホリー・コールHolly Cole のニュー・アルバム「STEAL THE NIGHT」
なんと、映像付き(CD+DVD)のライブ・アルバムが登場
「HOLLY COLE / STEAL THE NIGHT」 Alert 61528-10449 , 2012 (Recorded Live at Glenn Gould Studio, Toronto, Ontario, CANADA , 8.11.11)
ホリー・コールHolly Coleは昨年来日を記念して日本版ベスト・アルバム(「私の時間」)をリリースしているが、実は彼女も50歳になろうとしているわけで(1963年カナダはノヴァ・スコシア洲、ハリファックス生まれ、しかしあのジャケ写真は若すぎる)、ここにライブ・アルバムのニュー・アルバムが出るとは実は思っていなかった。しかもCD+DVDで、映像ものが主力になっていて驚きである。昨年収録のライブ映像で、5.1サラウンドものと来るから私にはたまらないプレゼントである。
カナダは最近ジャズ界に於ける活動は盛んで、特に女性ヴォーカルものは勢いがある。そんな中でも歴史的には彼女は先陣を切ったほうで、現在の多くのものに影響を及ぼしている。
さてこのアルバムは、彼女としては15枚目になるという。特にニュー・ソングというよりは、過去に評判の良かったもののライブものと考えて良い。なんと言っても”calling you”は、是非又聴いてみたい曲であるが、ここに彼女のキャリアを凝縮して4曲目に登場する。
収録曲は映像ものDVDでは左のように12曲。
スタートは勢いのよい”charade”で登場。この曲順はステージのそのものでなく編集したもの。曲調が急緩の交互配列になっている。諸々のところでの写真を見ると、彼女も相当なオバさんになっていると思っていたが、このステージの姿を見ると年齢相応といえばそうだが、思いの他元気で若いとも言える。声量も十分あるし、例のごとく曲の内容や編曲による唄の表情は、多彩に変化する。それは相変わらずの変幻自在で、低音にはボリューム感たっぷりで高音部の変化もホリー・コール節そのものがここでも観て取れる。
”good time charlie”ではピアノとベース主体のバック演奏で、今度はしっとりと歌い上げる。
彼女はもともとジャズ・ヴォーカリストということになるが、ジャンルはそれに止まらずオルタナティブな感覚も身につけているところがミソ。
”smile”もピアノとベースのリズムの刻みが面白く、それにスローに歌うホリー・コール独特の歌い回しで彼女の唄に仕上げているところが見事。
あの”tea for two”も、こうゆう曲になってしまうのかというほど、編曲と唄の妙が聴ける。
ホリー・コールの曲”you've got secret”は、比較的シンプルなベースとクラリネットの落ち着いたバック演奏ににのっての彼女の語り唄は、やっぱり大人の味が十分に感じられ、私はつい乗ってしまう。
とにかく予期せぬ映像を加味したニュー・アルバムの登場で、昨年日本に来ての活動ががあったとは言え、ここにホリー・コールの健在ぶりを十分感じ取れた。
ただ、欲を言えば彼女のセンスを生かした新曲のニュー・アルバムも欲しいところでもある。
参考:2012.1.8 「不思議な魅力を醸し出す~ホリー・コール」http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/holly-cole-9b3c.html
(members)
Holly Cole : vocals
Aaron Davis : piano
David Piltch : bass
David Direnzo : drums
John Johnson : all horns
Robert Pilth : guitars
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コメント
こんばんわ。
ちょっとスレ違いなんですが、あまりにも素敵だったので…、コレ強烈に素敵なジャケットですよ♪
メロディー・ガルドーの新作
http://www.amazon.co.jp/Absence-Melody-Gardot/dp/B0073PPKNM/ref=pd_sim_m_14
投稿: フレ | 2012年4月20日 (金) 22時56分
フレさん、こんにちわ。
既にメロディー・ガルドー予約しています(笑い)。
しかし、今度の内容は如何に発展したか?期待しているところです。「my one only thrill」は、かなりその後いろいろと実験してきていますのでね(その度に出費がありましたが・・・)。今度の新作は、大分待ちました・・・。
投稿: 風呂井戸 | 2012年4月21日 (土) 11時53分