ご機嫌な春~ニッキ・パロットNicki Parrott 「さくらさくら SAKURA SAKURA」
さくら満開の春に・・・・・
「Nicki Parrott / SAKURA SAKURA さくら さくら」 VENUS RECORDS VHCD-1068 , 2012
このアルバム、実は買おうか買うまいか迷った上に結局買ってしまったもの。
オーストラリア出身でニューヨークで活躍中のベーシスト&ヴォーカリストのニッキ・パレットについては、ここでは何度か取り上げているので細かいことは省略するが、このところはヴォーカルがかなり前面に出てきた感もある。
まあ、かってはベーシストとしての出番が主力であったものから、意外にも魅力的なヴォーカルと愛嬌ある顔立ちとでこうした方向に向いてきた。
このニュー・アルバムは自分のジャズへの探求から来たものというよりは、明らかに売りを考えてのシーズンにマッチさせてのアルバムというところはみえみえで、私は若干購入に躊躇したというわけである。
この日本のVENUSレコードの企画で、少々値段も高い。それはまあよいとしても、私の好みはあまり脳天気に明るいジャズは好まないために買い控えていた訳であるが、やっぱり春が訪れて桜も咲くと人間やっぱり気持ちは高揚するのだろう、買ってしまったというわけである。
収録曲は左のとおりスタンダード・ナンバー集。やっぱり最初の注目は5曲目の”さくらさくら”であるが、ブーンブーンとベースが響き、ギターによる伴奏で彼女の歌が始まる。どうもチェロの音も入っているが、それなりに日本のムードはでているのかなぁ~~と思うが、ウグイスの鳴き声まで入ってご愛敬。
なにせ、昔はペレス・プラードの演奏で楽しんだと言うかそれで私は育ったような”チェリー・ピンク・マンボ”の”チェリー・ピンク・アンド・アップル・ブロッサム・ホワイト”まで3曲目に登場するが、このあたりは春の明るさってところでしょうね。
私としてはスローなバラード調が好みであり、6曲目”some other spring”、8曲目”spring can really hang you up the most”、11曲目”there'll be another spring 春はまた来る”あたりがこのアルバムでは良かったと言うところか。こうして聴いてみると立派なスタンダード・ジャズ・ヴォーカル・アルバムであった。
それでも7曲目”i love paris”は、期待以上に思いの外に愛嬌があった。10曲目の”suddenly it's spring”のリズムカルなプレイも楽しんで欲しいところ、春ですから。
とにかく春ですね。というところでこうしたアルバムも悪くはないなぁ~~と言っておくが、そうレベルの高さを期待しないで、取りあえず文句は言わずに、今年の春以降の日本の高揚も期待して受け入れましょう。
(members)
Nicki Parrott : Vocal & bass
John Di Martino : piano
Paul Meyers : guitar
Lisa Parrott : soprano & bariton saxophone
Tim Horner : drums
Dominick Farinacci : trumpet
Martin Wind : cello
(参照:ニッキ・パロットに関する過去のアーテイクル)
2010.5.15 「Black Coffee」http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/nicki-parrott-b.html
2010.5.21 「過去の2アルバム検証」 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-da7d.html
2011.2.19 「Like a Lover」http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/nicki-parrott-l.html
2011.9.30 「君の瞳に恋してる」http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/nicki-parrott-7.html
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コメント
企画モノが出せるほどの人になっているという証明でもありますかね。しかし、これまでのイメージとはガラリと変わった「ピンク」という色合いが、どうにも違和感(笑)。
あ、それはこのブログサイトにも言えるかも(笑)。
ま、それはともかく。さすがにちょいと食指が伸びないってのわかりますねぇ…。
多分聴いたらそんなのどっちでも良いのかなと思いますが、春過ぎたらもう買う機会を失くすというのも良し悪し、ですね。
投稿: フレ | 2012年4月16日 (月) 21時11分
フレさん、今晩わ。確かにおっしゃるとおり・・・違和感いっぱい。(笑)
実は私は先週末から京都に行っていまして、今日夕に帰ってきました。京都から彦根まで桜・桜の春でした。まあ、今年の3月の寒さから突然春になって、なんとなくピンクいっぱいの世界なんですね。
投稿: 風呂井戸 | 2012年4月16日 (月) 23時15分