デュオを楽しむ~ラーシュ・ダニエルソンLars Danielsson 「PASODOBLE」
Lars Danielsson & Leszek Możdżer 「PASODOBLE」
ACT Music ACT99458-2 2007
Recorded at Nilento Studios in December 2006 and January 2007
このジャケのシンプルさの中から与えられるイメージは、何にも勝る強い印象をもたらす名アートと思う。
Lars Danielsson : bass, cello
Leszek Możdżer : piano, celesta, harmonium
収録曲
1.Praying (Danielsson, Lars)
2.Fellow (Danielsson, Lars)
3.Entrance (Danielsson, Lars)
4.Prado (Danielsson, Lars)
5.Pasodoble (Danielsson, Lars)
6.Daughter's Joy (Danielsson, Lars)
7.It's Easy With You (Możdżer, Leszek)
8.Hydrospeed (Możdżer, Leszek)
9.Reminder (Danielsson, Lars)
10.Innocence 91 (Możdżer, Leszek)
11.Follow My Backlights (MMożdżer, Leszek)
12.Eja Mitt Hjärta (traditional)
13.Berlin (Danielsson, Lars)
14.Distances (Możdżer, Leszek)
知る人ぞ知る叙情性豊かで人気のスウェーデンのベーシストのラーシュ・ダニエルソンLars Danielsson(左) が、Leszek Możdżer(ポーランド) のピアノと組んでのオリジナル曲のデュオ・アルバム。
北欧独特の叙情性のある曲が両者の見事なコンビネーションとそれぞれの個性とで展開するアルバムで私好みである。
アルバム・タイトルの曲”pasodoble”はこのアルバムの中でも両者が単なる叙情性の追求でないアクティブな演奏でうねりのある展開の曲。彼らも楽しんでいる様が目に見えるようなところ。それに続く”dauter's joy”は、ピアノが美しく流れ、そしてベースがゆったり語り心が安まる曲。
デュオというシンプルな組み合わせが、一つ一つの音に神経が使われていて、その響きは叙情性たっぷりで極上。
ラーシュ・ダニエルソンはスウェーデンで1958年生まれている。ヨーテポリというところの音楽院でチェロを学び、その後にジャズに転向してベースを演奏する。ラーシュ・ヤンソン・トリオ、そしてカルテットなどをこなし、米国ミュージシャンとの共演してその名も世界的になった。
ここで、ついでと言うか是非ともラーシュ・ダニエルソンの2004年の様々のミュージシャンとの共演による素晴らしいSACD-Multichannel盤があるので紹介しておこう。私の一押し盤。
LARS DANIELSSON 「Libera Me」
Guests Nils Petter Molvaer Jon Christensen Caecilie Norby
ACT Music ACT9800-2 , 2004
Recorded between January 2003 and May 2004 at Rainbow Studio Oslo
このアルバムはデュオ「PASODOBLE」とは全くの手法が異なって、オーケストラの導入、多くのミュージシャンとの編成バンドで、一曲では女性ヴォーカルも入る。
しかし、やはり叙情的で哀愁感たっぷり。曲によってダニエルソンのベースが、Nilsのトランペットが、サックスが、ピアノがと、歌うがごとくの響きは聴き応え十分。
Lars Danielsson - acoustic bass, cello, piano, guitar
Jon Christensen - drums, percussion
Nils Petter Molvaer – trumpet
Xavier Desandre Navarre – percussion
David Liebman – soprano saxophone
Anders Kjellberg – cymbals
Jan Bang – samples
Carsten Dahl – piano
Tobias Sjörgren - guitar
DR Danish Radio Concert Orchestra conducted by Frans Rasmussen
Special Guest:
Cæcilie Norby – vocals on “Newborn Broken”
曲目は左の12曲。1曲目は、娘に捧げたという優しい愛情の曲。そして続くいずれの曲も北欧というどこか哀愁に満ちたムードを持っていて、ダニエルソンのベースの響きにマッチしたトランペットをはじめそれぞれの楽器が、代わる代わる映画の場面を想像させるがごとく演奏される。
いやはや、こうしたジャズのスタイルは、北欧独特な世界として感じ取って良いのであろう。
そして一つ一つの楽器の音が非常に大切に生かされた演奏スタイルで、そのあたりの味わいは格別のもの。
メロディーの哀愁あるそして甘味のある世界が好きであるならお勧めである。
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コメント
風呂井戸さん,こんばんは。TBありがとうございました。
このアルバムの凛とした美しさは本当に素晴らしいですねぇ。とにかく曲がいいです。私の得意の「膝を抱えて聞きたい」アルバムだと言ってもいいかもしれません。とにかく今の季節には最適ですね。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年2月15日 (土) 18時00分