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2012年5月30日 (水)

絵画との対峙-私の愛する画家(4) 「三塩清巳」

受けた感動で描いた作品にカラーの独特の世界を築きあげた

 前回”色の詩人”として吉岡耕二に焦点を当てたが、「色」をテーマにしてみると、まさに”カラーリスト”と言われる三塩清巳を取り上げなければならない。私は彼の色彩”赤”を生かした作品に圧倒され、又作品の画面にみなぎるエネルギーに圧倒されたのである。

Photo
三塩清巳「赫(上高地焼岳)」 1994 油彩・キャンバス 130F
(「三塩清巳作品集」 1996 編集:井上哲邦 より)  

 この作品に対して、三塩清巳はこのように記している・・・・・”火山が好きである。北は北海道から九州までよく描きに行くところは火山が多い。 山の形もさることながら火山を見ていると、赫々と燃えさかるマグマ、勢いよく噴出する噴煙、そんなエネルギーの強さに感動する。 このエネルギーを自分のものとしたいという願いがある。”・・・と。

 確かに彼の作品は火山が多いが、その他風景は山が圧倒的に多い。しかもエネルギーの強さを感じてか、”赤”を駆使して描く。そして力強い。

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三塩清巳「桜島晨明」 1991 油彩・キャンバス 80F
(「三塩清巳作品集」 1996 編集:井上哲邦 より)

 多くの画家に愛される”桜島”、三塩清巳に描かせると、やはり”赤”の山の姿が浮かび上がる。
 更にこの三塩独特の”赤”であるが、彼自身このように記している・・・・・”雪景色を描いても赤を使いたくなる私にとって火の山桜島は赤で描く以外色がない。赤に憑かれて久しいがまだ納得のゆく色が出ない。 火の山だから赤で描くのではなく、赤で描く方が自分の気持ちを表現し易いからである”・・・・と。

Photo_2
三塩清巳「上高地霞沢岳」 1993 油彩・キャンバス 130F
(「三塩清巳作品集」 1996 編集:井上哲邦 より)

 彼の愛した上高地。この上高地の霞沢岳を描いても赤がふんだんに使われる。
 ”私は赤の色をよく使うが、季節感とか、自然現象、ある岩者の固有色としてではなく自分の色として残雪の上高地霞沢岳の神々しさ、大きさ、美しさといったものを表現したかった”と彼は記している。
 赤でないものを赤で描く彼の絵画に対しての姿勢は、自分で感じたことをどう表現するかという一つの手法であると言える。そしてその赤が不自然でなくなってくるところが魅力である。

Photo_2三塩清巳「サーカスの人たち」 1980 油彩・キャンバス 100F
(「三塩清巳作品集」1996 編集:井上哲邦 より)

 三塩清巳の作品集をみると、馬、サーカス、ピエロを扱った作品が多い。(1960-80年)
 彼の子供の頃は馬と一緒に育ったという、その体験からくる馬に対する愛情と、そしてサーカスには、その中に人生の縮図を見ていたのであろうか。そのサーカスにはピエロの役割を重要視している。これに関係した一連の作品は、かなり三塩としての他に見ない独特の世界である。
 画風は森田茂に師事し大きな影響を受けていると思われるが、師森田からは、”色に独特のものを持ち・・・・、才能のある作家である。努力の作家である。・・・・”という言葉をもらっている。
 

Photo_3三塩清巳「犬吠灯台」 油彩・キャンバス 20F

 三塩は全国各地の魅力ある風景を殆ど絵にしている。そのうちの一枚であるが、犬吠埼の灯台を描いたもの。なんといっても海の色の深さの魅力と荒々しい躍動感ある様、岬の肌の描き込み、油彩としての長所を十二分に生かしての作品だ。この作品に於いても空の色をはじめ、色は心という心情で描いている。(私の所蔵作品)


三塩清己 みしおきよみKiyomi Mishio 略歴

1929年-佐賀県出身。
1949年 佐賀師範学校数学科卒
1952年 富永秀夫に油絵の指導を受ける
1954年 森田茂に師事。
1955年 日本大学工学部電気工学科卒
      東光展 初入選
      東京都内小学校に勤務
      東光会にて活躍。日展評議員、東光会理事長を務め、画壇の重鎮として活躍。
1974年 日展特選受賞
1978年 日展特選受賞
東光展文部大臣賞受賞、日展審査員3回、個展・グループ展多数開催。
確かな画力とセンスで高い支持を得る。

(三塩清巳画伯は、現在80歳を超えていますが、ご活躍中です。ここでは普遍性を期して失礼ですが敬称は省略いたしました。よろしくお願いします。 又絵画の供覧は、著作権法第32条に準じて行いました。何か問題がありましたらご連絡ください)

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