« 絵画との対峙-私の愛する画家(1) 「相原求一朗」-4- | トップページ | サンタナSANTANAの久々のオリジナル・ニュー・アルバム「SHAPE SHIFTER」 »

2012年5月16日 (水)

意外性で登場したアルバム:トルド・グスタフセンTord Gustavsen Ensemble 「Restored,Returned」

成功作か失敗作か~私は戸惑いで迎えたアルバムだった

Tord Gustavsen Ensemble 「Restored,Returned」
ECM Records  ECM 2107 B0013911-02,  2009
Recorded January 2009  Rainbow Studio,Oslo

Ensemble

 ノルウェーのジャズ・ピアニストのトルド・グスタフセンに焦点を当てて、私のお気に入りを紹介してきたが、既に4枚のアルバムを取り上げたので、ここまできたらこれも紹介して取りあえずの締めくくりをしておこうと言うところである。

 とにかく、彼のピアノ・トリオの詩情豊かな作品は他に類をみない。そんな流れで、2009年に突然出てきたアンサンブルと銘打ったこのアルバムは驚きでもあり戸惑いでもあった。ピアノ・トリオ(bassが変わったが)にサックスが加わった上に、女性ヴォーカルも加わったのであるからいささか別世界の感覚に陥ったのだっだ。

Ensemblemembers *

Tore Brunborg : saxophones
Kristin Asbjornsen : vocals
Tord Gustavsen : piano
Mats Eilertsen : double-bass
Jarle Vespestad : drums

Ensemblelist  左のような全11曲。このアルバムを初めて聴いた時に、スタートの”the child within”の曲から、旋律を静かではあるがソプラノ・サックスが奏で始め驚かされた。
 2曲目”way in”は、いつものピアノ・トリオのパターンで流れる。これも素晴らしい間の取り方で、ピアノの語りの間に、シンバルの音、ベースの音が物語りをするがごとく響き渡る。うーん、このパターンはトルド・グスタフセンだと聴き入ってしまったのだが・・・。
 なんと3曲目”lay your sleeping head,my love”に入るなり、女性ヴォーカルが入ってくる。それも中低音のやや絞るようなハスキーな歌声で、それでも高音部はすんなり伸びるタイプ。これがアンサンブルの実験開始か?、後の5.7.8.11と彼女のヴォーカルが登場する。
 アルバム・タイトル曲”restored,returned”は、まさに異様な世界に導く。彼女のハスキーな声が、なおそれを助長する。又グスタフセンの過去の3枚のトリオ・アルバムにみる哀愁・郷愁が、ここでは暗く闇に入るがごとくに聴こえてくる。彼女の絞り声は、グスタフセンの曲のネガティブの面を前面に出すがごとき役割を果たす。
 ”left over lullaby no.1-3”は、彼女のヴォーカルがアンサンブル(合奏曲)の楽器のごとく位置を占めて曲を構成する。これも一つの試みであったのであろう。しかしそこまでしなければならなかったよってくるところに疑問もある。
 しかし全曲グスタフセンによるものだけあって、アルバムとしてのトータルな哀愁と陰影・憂鬱の表現はバランス取れて出来上がっている。
 10曲目の”your crooked heart”はトリオ演奏での歪みの美しさと行ったところか。やはりこのパターンになるとピアノが美しい。10曲目”the gaze”が、ヴォーカル抜きのカルテットの形を作り上げている。

 このアルバムは初めて聴いたときには、過去のトリオとの発展形なのか亜型なのか、受け入れる私にとっては戸惑いでもあった。現在に於いては、この後のアルバム「The Well」がこのメンバーによるヴォーカル抜きのカルテットによって作られており(参照:2012.5.1”トルド・グスタフセンのカルテット・アルバム「the Well」” http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/tord-gustavsen-.html )、ほっとして聴く事が出来たことを付け加えておく。

|

« 絵画との対峙-私の愛する画家(1) 「相原求一朗」-4- | トップページ | サンタナSANTANAの久々のオリジナル・ニュー・アルバム「SHAPE SHIFTER」 »

トルド・グスタフセン」カテゴリの記事

北欧ジャズ」カテゴリの記事

女性ヴォーカル」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

JAZZ」カテゴリの記事

コメント

Tord Gustavsen のバンドでダブルベースを弾いている Mats Eilertsen が自分のバンドとともに来日します。9月です。詳細はhttp://invs.exblog.jp/18328745/ にあります。ご参考まで。

投稿: Real True | 2012年7月11日 (水) 09時43分

 Real Rtue さん、そうですか・・・情報有り難うございます。彼Mats Eilertsenのバンドはカルテットでしたっけ、私は聴いてないのですが・・・、Tord Gustavsen とは、曲の性質もあろうかと思いますが比較的おとなしく感じてましたが、そちらではどんな風なんでしょうか?>ちょっとアプローチしてみたいと思います。

投稿: 風呂井戸 | 2012年7月11日 (水) 14時25分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/193563/45185841

この記事へのトラックバック一覧です: 意外性で登場したアルバム:トルド・グスタフセンTord Gustavsen Ensemble 「Restored,Returned」:

« 絵画との対峙-私の愛する画家(1) 「相原求一朗」-4- | トップページ | サンタナSANTANAの久々のオリジナル・ニュー・アルバム「SHAPE SHIFTER」 »