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2012年6月10日 (日)

ピンク・フロイドの回顧シリーズDVD~「原子心母 Atom Heart Mother」特集

最も4人のピンク・フロイドらしいとき~いまだに出される70年代初期のコレクター・アイテム

Dvdthespacesbetween_2 PINK FLOYD 「ATOM HEART MOTHER-THE SPACES BETWEEN~collecter's edition」 MATERPIECE PREMIUM   MPP-002-1/2/3 (2DVD+1CD) ,  2012

 最近は、ブートBootlegではピンク・フロイドものもあまり手を付けずにいるが、久々に昔の気持ちに返って手にした映像・サウンド盤。(この1970年当初のライブは、アルバム「モア」、「ウマグマ」、「原子心母」のステージ版で、私にとっては最も思い入れのある時であるから)
 ここに取り上げると言うことは、内容の評価が良かったからと思って頂いて良い。
 とにかく第2期ピンク・フロイド(シド・バレット脱退後)の崩壊せずに存続の道を歩ませたターニング・ポイントの作品”原子心母 Atom Heart Mother”を中心にしての貴重映像音源集だ。(DVD2枚CD1枚の3枚組)
 
(ブートによる”原子心母”の考察は当ブログ”2008.1.1Bootlegからみるピンク・フロイドの真髄「原子心母」”参照 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/bootlegpink_flo_7901.html )

<DVD1> (主たる内容)

① ORIGINAL ALBUM TRACKS
    5.1 Surround and Original Quad-Mix


 これが結構頂きもの。なんとオリジナル・アルバム「原子心母」全曲が、貴重なQUAD4チャンネル・マスター音源を5.1サラウンド・サウンドで聴ける。映像はイメージ・ビデオ・プロモ映像が展開。なんといっても今となっては手に入らないQUAD4チャンネルを収録してくれたのである。 オートバイの排気音などSEの効果は抜群だ。

② KQED LIVE FROM SAN FRANCISCO 1970
    (LIVE at KQED  TV Studios San Francisco CA. USA April 30th 1970)
     01. atom heart mother
     02. cymbaline
     03. grantchester meadows
     04. green is the color
     05. careful with that axe, eugene
     06. set the controls for the heart of the sun

Grantcesterm  映像とサウンドの良好で有名な1970年KQEDライブをマスター映像から完全収録。
 1968年アルバム「神秘」リリース後は、とにかくリーダーであったシド・バレット脱退によるピンク・フロイドのメンバーの前には、聴衆のニュー・リードギタリスト・ギルモアに対する抵抗も見られ、ピンク・フロイドは難局に立っていた。
 ロジャー・ウォーターズは、悪戦苦闘の中で曲作りに専念して、ライブでは”太陽賛歌”、”シンバライン”、”グリーン・イズ・ザ・カラー”、”ユージン、斧に気をつけろ”などを作り演奏し、ヴォーカルも上出来のギルモアを前面に出して、必死のピンク・フロイド存続に精を出していた時だ。次第に彼らのシドとは異なったニュー・スタイルも支持を得るようになり、1969年ウォーターズは幻の組曲「The Man」「The Jouney」の制作を試み、ライブでも演奏。”グリーン・イズ・ザ・カラー”、”グランチェスターの牧場”、”ユージン斧に気をつけろ”などがその中の曲。しかしこの組曲のうちのいくつかの曲が、資金のために提供した映画「モア」に取り入れられ、組曲の試みは分解してしまった。
 そしてこの1970年になった頃、ギルモアに一つの旋律が湧いた西部劇のテーマ曲を、4人それぞれの個性を織りまぜて、メンバー達が様々なバリエーションを加えての共同作業で”the amazing pudding ”を作り上げ、ウォーターズのインスピレーションにより”Atom heart mother”に命名して発展させ、ライブに追加し登場さた。丁度その当時のライブ映像がじっくりこれで見れるわけだ。
 更に、今年になって公開されたこの映像のグレード・アップされたものも、このDVDに納められている(上のギルモアとウォーターズのギターは、その”grantchester meadows”の演奏)。

③ OSSIACH FESTIVAL AUSTRIA 1971

 このオシアッハの珍しいドキュメンタリー・フィルム映像が登場。アルバム「Atom Heart Mother」リリース後であって、バックにオーケストラ、合唱団が控えての”原子心母”演奏の模様が見られる。この後、8月には来日して、あの伝説の箱根アフロディーテのライブということになる。

70floydmembers  <DVD2>

① ST.TROPEZ FESTIVAL 1970
    (TVLive at Festival de Musique St.Tropez France Aug. 8 1970)

 これも有名な映像もの。もともとピンク・フロイドのオフィシャル映像は少なく、このカラー映像も貴重となっているが、かってのビデオ・テープ時代のものと違って、ここでのDVD映像はさすがにクオリティーは高い。

 1. soundcheck / 2. atom heart mother / 3. the embryo / 4. green is the color / 5. careful with the axe eugene / 6. set controls for the heart of the sun

 当時の1969-1971年のライブ演奏は、殆どウォーターズの作曲したこの曲群で、”atom heart mother”が、ギルモアからスタートして4人による構成の新曲であった。しかし当時の”KQED Live”ものもそうであつたが、この曲の演奏はブラス・オーケストラやバック・コーラスのない彼らの4人による演奏が、当時の最もピンク・フロイドらしい演奏で私の好むもの。中間部の彼ら独特の世界は美しくしかも深淵で、更に当時の”Embryo”や”cymbaline”がそうであったように、ウォータースのベースが刻む不思議な世界に導くサウンドに乗ってのギルモアとライトの歌声とギターとキーボードにも味があり、メイスンのドラムスも冴え渡る。このあたりはアルバムでは聴けないところ。

70westberlin_2 ② VARIOUS TV BROADCASTS 1970/1971
  (Live from germany 1971,  Hakone Aphrodite Japan 1971 などの映像もの)

③ EXTRA VIDEO. RARE LIVE FILMS
  
(Bath featival 1970,  Live Amsterdam Rock Circus 1972 などの映像もの)

<CD>

BBC IN CONCERT 1970  &  THE AMZING PUDDING

 このBBCもの(1970年7月16日 BBC Paris Cinema, Regent Street, London)も有名な音源。あえてここに登場させただけ、オリジナル・マスターからの完全収録。音質も当時のものとしては見事といえる良質もの。

1. embryo / 2. fat old sun / 3.green is the color / 4. careful with that axe,eugene / 5. if / 6. atom heart mother

 この時(BBC)の”Atom Heart Mother”は、Philip Jones Brass Ensemble のオーケストラとコーラス(the john Aldiss Choir)がバック入っている豪華パターン。
 その他、1970年1月23日のフランスでの”the amazing pudding”と呼ばれた頃の”atom heart mother”も登場する。これはまだまだ荒削りで面白い。

 この”atom heart mother”は、ロン・ギーシンの力によって、オーケストラ、コーラス入りの組曲として完成され、ウォーターズ、ギルモア、ライト、メイスンの4人によるピンク・フロイドをプログレッシブ・ロツクとして一躍世界的バンドに仕上げたのだった。このことがピンク・フロイドが商業的にも次に進むきっかけとなった(この後のあの”Echoes”も、実はこの時代のライブ演奏の”cymbaline”や、この”atom heart mother”の手法が取り入れられている)。このターニング・ポイントをまとめ上げたこのブートDVDには、取りあえず敬意を表するのである。

 

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コメント

こんばんは、突然ですみません。こんないい情報に誰もコメントしないのはどういうことでしょうか。それとも知らなかったのは私だけだったのでしょうか。
 お話をうかがうだけで、思わず涎が落ちてきます。ちなみにお値段的にはいかほどになるのか気になるところでもあります。貴重な情報ありがとうございました。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2012年6月20日 (水) 00時12分

 プロフェッサー・ケイさん、やっぱり好きなんですね~~>私も歳を顧みず好きなんです。(笑)
 なかなか味のあるブートでした。私もかってかなり映像もののブートに手を出していましたので、ビデオ・テープ時代に見たものが、ここまでデジタルDVD時代だと見れるというところに感激がありました。(やっぱり、有名なBATH FESTIVALものはモノクロでひどいですが)
 そうそう、APHRODITEは、例の羽田空港にフロイド・メンバーが到着するところからのものです。それでも見れるというところですが、やはり音声は後から乗せたものです。しかし霧の中の”原子心母”は伝説になった貴重ものです。
 しかし、これでもかこれでもかと”ATOM HEART MOTHER ”が出てきます。
 値段ですか?はっきり言って安いです。(私が買うぐらいですから・・・笑い)もし不明でしたら、ご連絡ください。

投稿: 風呂井戸 | 2012年6月20日 (水) 20時27分

了解しました。私もWorksというタイトルの2枚組DVDを購入してみましたが、箱根は途中の霧の中からの映像でしかも数分で終わりました。残念です。
 原子心母やおせっかい時代の映像は憧れますね。私もネットで探してみます。重ね重ね貴重な情報をありがとうございました。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2012年6月20日 (水) 22時02分

残暑お見舞い申し上げます。いかがお過ごしでしょうか。先ほどロンドン・オリンピックの閉会式で"Wish You Were Here"が歌われていましたが、ドラムは本物のニック・メイスンが叩いていたように見えたのですが、どうだったのでしょうか。もしそうなら、ついでにギルモアとウォーターズも参加してほしかったのですが…

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2012年8月13日 (月) 18時01分

プロフェッサー・ケイさん今晩わ。
 今年はまだまだ暑いですが、何とか頑張っています。ケイさんもお元気の御様子なによりです。
 閉会式のニック・メイスンには私はそこまで気がついていませんでした。何かの機会に確認したいですね。
 ところで開会式の聖火が灯って上昇してゆくときには、ピンク・フロイドの"eclipse"が流れました。これを聴きわけたテレビ等の実況担当者がいなかったのが寂しいですね(多分配布された紹介には載っていなかったのかも知れませんね)。

投稿: 風呂井戸 | 2012年8月13日 (月) 21時50分

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