大人のジャズ・ヴォーカル~クレア・マーティンClaire Martinのニュー・アルバム「Too Much In Love To Care」
Claire Martin Kenny Barron 「TOO MUCH IN LOVE TO CARE」
Linn Records AKD 390 SACD(multi-ch, hybrid), 2012
Claire Martin : vocals
Kenny Barron : piano
Peter Washington : bass
Kenny Washington : drums
Steve Wilson : saxophone & flute
ここでは過去に何度かクレア・マーティンは取り上げているので紹介は抜きとしても、昨年の大英帝国勲章(OBE)を授かったというのはビックなニュースだった。(英国、1967年産まれ)
そして待望のニュー・アルバム。今回はケニー・バロンのピアノがフィーチャーされた。
内容は1990年代の前半のミュージカル・ナンバーを中心としているだけあって、なにか落ち着いてゆったり聴いてられる。聴きようによっては若干古めかしい感じもあって、あまりスリリングでないというところでもあるが、ケニー・バロンのピアノもよき時代と現代の両面に器用に対応して聴かせてくれる。
収録曲は左のようで、スタートはアルバム・タイトル曲”too much in love to care”で、いやに軽快であるが、2曲目ガーシュウィンの”embraceable you”からクレアのバラードが全開する。”crazy he calls me”はベースの響きもなかなか説得力あり、クレアのヴォーカルとのマッチングもいい。
”how long has this been going on?”ではバックにサックスも加わって演奏陣も充実した音を聴かせる。
”a time for time”ではケニー・バロンのピアノが物語り、クレアが歌い上げるパターンがいい、そこにフルートが登場してなかなかムードたっぷり。
そして”I'm glad there is you”や”too late now”のバラード曲は、大人のムードは更に盛り上がって最も私好みと言ったところかなぁ~~、ピアノも美しい。
彼女の過去のアルバムでは私は2004年の「SECRET LOVE」とか2007年の「He never mentioned love」が好きなのだが(参照1:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/claire-martin-d.html、参照2:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/claire-martin-0.html)、しかしこのアルバムも大人のジャズ・ヴォーカルとして一級品で、安心して聴いてられる。ほんとはこの過去の2アルバムのように、もうちょっと不安を感じさせてくれた方が別の魅力もあるのだが。
この盤はSACDのmuti-channel盤 であるが、あまり後方には音も配置せず、自然な配置で聴けるところがよい。又録音もなかなか秀れている。
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