Connie Francis(2) コニー・フランシス を聴こう!
手持ちのアルバム評価紹介
懐かしの1950-1960年代に回顧しているところで・・・・・この多芸・百戦錬磨のコニー・フランシスについて、もう少し書いてしまいたい。彼女のアルバムで前回取り上げたベスト盤(http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/connie-francis-.html)以外のもので、目下まだ手に入れる事の出来ると思われる私の所持品を紹介しておこう。
Connie Francis 「The Ultimate Collection」
Spectrum Music 9807582, 9807583, 9811205, 2003
これはCD3枚組でタイトルどおり究極のベスト・コレクション盤。早い話が、例の日本ヒットのポップスのコニーを期待してはいけない。彼女が名曲、スタンダード・ナンバーを彼女の女性ヴォーカリストとしての力を結集して歌い上げたもののコレクション盤なのである。
そして、この曲群は1956-1970年の15年間に唄われたものの総集編。あの日本人がカバーしたようなポップ・ヒット・ナンバーは含まれていない。しかし私はお気に入りのベスト盤である。そしてなんといっても当時のものとしては不思議なくらいに音質は良いのである。そしてコニー・フランシスを知るにはこの世界を知って欲しいのである。
左の収録曲を見て頂くとわかるとおり(クリック拡大)、彼女のポップ・ヒット集ではない。しかし又それほど難しい曲が続くわけでもない。なんとオープニングは”among my souvenirs”で、彼女の得意パターンの二重録音ハモリの美しさの曲からスタートしているあたりはこのベスト盤が彼女の世界を知り尽くして作り上げたことが良くわかる。
”am i blue”の歌唱力の素晴らしさ・・・・、
そして”blue hawaii”、”stardust”、”malaguena”、”danny boy”、”swanee”、”over the rainbow”と名曲がどんどん登場する。
”danny boy”は、彼女の泣き節と歌い上げる力量に圧倒される。
”like someone in love”は、1964年ものだが、1961年の”how long has this been going on”などと、彼女のこうした世界も貴重な世界である。”malaguena”は1960年で、彼女が売り出して絶頂期。私はよくよく聴いた彼女のマラゲーニャだ。
”my foolish heart”は印象深かった曲。”Ritorna a me ”のように美しく唄われるのも決して彼女の特別ものではない。”love me tender”のように、プレスリーものが結構彼女はカバーしている。
”vaya con dios”も私の当時の彼女のお気に入りの曲。こうゆうタイプを実は日本でも聴いて欲しいと当時思ったものだ。これは1966年もの。
”your cheatin' heart”、”bye bye love”は、彼女の初期の人気曲。
”moon river”、”the look of love”、”quando quando quando”、”fly me to the moon”、”strangers in the night”、”the last waltz”等々おなじみの曲が登場。今でもこのbacharachの”the look of love ”あたりは、JAZZYな女性ヴォーカリストにとっては登竜門のような曲だし、ブラジル66がヒットさせた曲とのアレンジの違いを感じとるのも面白い。
とにかく、彼女の中高音部の特徴あるヴォーカルが満載であり、考えてみると懐かしの1950-1960年代、日本が近代化に大きく変化をしてゆく時代のポピュラー・ミュージックであった。バックの演奏陣そしてオーケストラは、時代を感じざるを得ない現代の洗練されたところとは若干異なる古めかしさはあが、それでも奮闘していると言っていいのだろう。
時に日本は60年安保闘争を始め大衆運動が社会を動かしていた激動の時代であったのだが、そんな時代にアメリカから入ってきたポップスに日本人の若き層は大きく影響を受けながらも、日本の将来に思いを馳せていたわけである。
いずれにしても、この3枚組ベスト盤は、コニー・フランシスの総集編としてお勧めである。
<評価> 50年以上前のものを、頑張って制作された点を評価して・・・・・★★★★☆
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