回顧シリーズ(音楽編-8-)そりゃー、なんと言ったって コニー・フランシスConnie Francis
とにもかくにもコニー・フランシスConnie Francisですね。ええ?何の話?って、そりゃー私の若き時代の話です。
先日、ザ・ピーナッツの双子の歌手の姉の伊藤エミが71歳で亡くなられたということで、昔の青春時代を思い起こしていた方々が多かったんですが、私の場合は残念ながらもうちょっと古い、つまり1950年代後半が頂点でした。と、言うことで女性の歌声と言えばコニー・フランシス。まさにモノラル時代からの話になってしまう。
彼女の歌声の私の入り口は”フーズ・ソリー・ナウwho's sorry now?”(モノラル)と”カラーに口紅lipstick on your cllar”(ステレオ)、1958年、1959年の2曲ですね。
ほんとは当時は、もう一人デビー・レイノルズDebbie Raynoldsが良かったですね。歌は1957年の”タミーtammy”が好きでした(これはコニー・フランシスも歌っている)。それはそれとしてコニー・フランシスはとにかく何でも唄う。ロックン・ロールからの所謂ポップス、そしてラテン、シャンソン、ジャズ、民謡系とほんとに何でもコニー節になってしまう。私は当時あまりまだ無かったステレオ盤で、彼女の”ラテンを唄う”をなけなしの小遣いをはたいて買ったのを思い出す(今は残念ながら当時の盤は重なる何回かの引っ越しで私の元から無くなってしまってます。残念!)。
とにかくR&Rの”カラーに口紅”は魅力的。ヤッヤッヤッヤ、ヤーヤのバックで始まって、彼女としてはやや低音で歌い始めて、それから軽快にしかもリズムカルに、そうでいながらややクールにと魅力たっぷりの曲。当時の曲”間抜けなキューピットstupid cupid”も同様な展開で高音部で声をひっくり返して愛嬌たっぷり。しかし、ほんとは彼女の魅力は最初のヒットである”フーズ・ソリー・ナウ?”のタイプにあるんです。特に高音部が切ない歌声に変わるところ(泣き節)が何とも魅力であった。
THE VERY BEST OF CONNIE FRANCIS
NOT NOW MUSIC NOT2CD359 , 2010
・・・・・・と言うところで、現在手に入る彼女のベスト盤の紹介だ。これはCD2枚組で全50曲が網羅されている。ところが、とにかく彼女のアルバムは50枚に及ぶと言われ、この納められた50曲もほんの一部なのである。
DISC1(左)は、どちらかというとヒット曲集。話題にしている1.2.6.の3曲は当然として、実は私のお勧めは3.”among my souvenirs”('59年)と、5.”my happiness”('58年)の2曲のような彼女の2重録音によるハモリ曲。これが彼女の特徴を知るに十分の曲。とくに前者はビルボード2位まで上昇した。
そうこうしているうちに、1960年代になって、日本でも人気が上昇し特にポップな歌手として受け入れられた。
誰でも知っている”ボーイ・ハント”、”ヴァケイション”、”可愛いベイビー”、”大人になりたい”等々、当時の日本の女性ポップ歌手は、彼女の歌をカバーして人気を勝ち取っていったのである。それは伊東ゆかり、ザ・ピーナッツ、弘田三枝子、金井克子、青山ミチ、中尾ミエ、森山加代子、後藤久美子等々これも数え切れないほどだ。
一方、コニー・フランシスの泣き節というのも有名だった。それもそもそも最初のヒット”フーズ・ソリー・ナウ”から始まっている。
なにせ、プレスリーの12.”heartbrak hotel ”からはじまって、13.”tennesie waltz”まで、カバー曲の出来も良くおどかされたものである。特に’50年のパティ・ペイジの”tennesie waltz”を10年後に再び泣き節でヒットさせたのも有名な話。
このベスト・アルバムは日本のポップ・ヒットより、彼女の世界でのヒットを纏めているところが聴きどころ。従って日本だけのヒット曲”可愛いベイビー”、そしてあの”ヴァケイション”などは収まっていない。そこが又味噌のベスト盤である。それだけ当時のコニー・フランシス・ファンにはむしろ涙もののベスト盤なのである。16.”my special angel”などは私にとっては懐かしの曲。
さてDISC2は、彼女のjazzyな歌、そしてじっくり聴いてみたいと思うバラード調の曲など、十分な選曲になっている。特に7.”half as much”は最も好んだ曲の一つ。このDISC2が彼女の多くのベスト盤の中でも歌い込みを中心とした選曲で出色のところである。
<評価>このアルバムも、当時のものをよく頑張って編集したというところを評価して・・・★★★★☆
ところで、コニー・フランシスについてであるが、彼女は1938年アメリカ生まれのイタリア系歌手だ。本名Concetta Rosa Maria Franconeroという。父親が熱心に彼女に音楽を教育して育ったという。
そして子役時代からテレビ番組に出ているし、映画にも出演している。根っからのタレント人生であった。
アメリカのタレントにはよくある話であるが、彼女も4回の結婚、離婚など、又ホテルでの黒人によるレイプ事件、弟の殺害される事件など不幸も多かった。そして躁鬱病のような状態の時も経ているが、その後の立ち直りも立派で、評価は一流のタレントとして現在も活動状態にあるというところ。
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