トルド・グスタフセンのピアノで聴く女性ヴォーカル・アルバム(1): アンナ・マリア・ヨペク 「id」
Anna Maria Jopek 「id」
AMJ MUSIC 0602517558366 , 2008
ポーランドのシンガー・ソングライターのアンナ・マリア・ヨペクに関しては、パット・メセニーのギターをバックにしての名盤「Upojejie」(2002年)、そして日本の小曽根真のピアノにより作り上げた傑作アルバム「HAIKU俳句」(2011年)をここで取り上げてきたが、このアルバムは2008年のやはり国際色豊かな彼女の姿勢を十分感じさせる一枚。なんとあの私のお気に入りのジャズ・ピアニスト(ノルウェー)のトルド・グスタフセンが3曲彼女のヴォーカルのバックにピアノ・プレイを披露している。又彼女の国ポーランドのレシェック・モジジェルLeszek Możdżerのピアノも3曲に登場と豪華。
そしてなんとトルド・グスタフセンのピアノが聴ける3曲がこのアルバムでも私好みの哀愁感があって出色の出来であり、レシェック・モジジェルも相変わらずクリアなピアノ打鍵音が響いて快感。 この11曲の洗練された彼女のヴォーカルと、バックの演奏の充実度が凄い。オーケストラの他13名のミュージシャンの名が連なっている。特に下記のメンバーが気になるところ・・・・・・
最も私が気になるノルウェーのTord Gustavsen (piano)、ポーランドのLeszek Możdżer(piano)、そしてアメリカのジャズ・サクソフォン奏者のBranford Marsalis ( soprano saxophone)、更にフランスのドラマーManu Katche (drums)、ブラジルのOscar Castro Nervis (guitar , vocals)、そして彼女のアルバム・プロデュサーの Marcin Kydryński ( guitar) などである。
このアルバムでは、彼女の妖艶さの面が充ち満ちている。そしてポーランドから発する国際的音楽探究の道であることは、それ以降のアルバムを見てもうなずけるところである。ヴォーカルの質もレベル・アップした彼女を聴くことが出来る。
そして私の注目点であるトルド・グスタフセンは、3曲のみの登場であるが、まさに彼であることがすぐに解る美しいジャズ・ピアノを聴かせてくれる(曲3.9.11)。
実に充実したアルバムだ。もっともっと日本でも注目されて良かったアルバムのように思う。
(参照)
1.アンナ・マリア・ヨペクhttp://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/anna-maria-jope.html
2.トルド・グスタフセンhttp://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/tord-gustavsen-.html
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