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2012年9月28日 (金)

(続々) 映像で迫る:ピンク・フロイド&ロジャー・ウォーターズ「ザ・ウォール THE WALL」

第3回 : ロジャー・ウォーターズの総決算「2010~2012 ウォール・ライブ」
   
~かってない3年間に及ぶロング・ランのロック・ショー~

Rogerwatersa    2010年9月カナダのトロントから始まった「Roger Waters WALL LIVE」は、この2012年にまで延長されようやくの一段落をみた。当初の予定だと、調子によっては2011年にヨーロッパ・ツアーもという事であったが、予想以上の反響でそれが敢行され、そしてその終了後も、三度2012年までもオーストラリア、南アメリカを中心としたツアーを敢行し、更に再びニュー・ヨーク、カナダへと、過去にないロック・ライブのロング・ランとなった。
 70歳に近いロジャー・ウォーターズは、この”ウォール・ライブ”を大がかりなものとしては最後にしたいという意志を示していたが、このライブは彼の意地を示したロック人生の総決算にしたかったのではないかと思われる。もともとステージの構築が大がかりすぎて、経費が大きく実現が困難とも言われていたライブを彼の人生をかけて、彼自身の生き様とピンク・フロイドの元祖リーダーのシド・バレットの哀しき精神障害と、そして社会の壁、人間深層心理の壁を織り交ぜながら、彼の社会と人間関係の不安、反戦思想も描いたショーとして構築した。各地で2万人から十数万人の会場をソウル・アウトさせた大成功のツアーであったが、やはり営業収益は経費に殆ど取られた感があるようだ。

 さて、これらの様子(映像)はやはりBootleg DVD に目下頼らざるを得ない。何枚か仕入れてみたが、それぞれオーディエンスものではあるが、かなり映像も良くなり、サウンドも良好なのに驚く。いまやブートも侮れないところに来ているのだ。これじゃロジャーもまともなオフィシャル版を出さざるを得ないだろう(と、期待しているのだが・・・)。
*取りあえず数枚の”2010-2012ウォール・ライブ”のブートDVDの紹介だ(↓)。

ROGER WATERS THE WALL LIVE

① UNITED CENTER, CICAGO IL  9.20.2010   
② THHE WALL Tour 2010 in Chicago Second Night

Walllive2010

 1990年のベルリン・ライブもスケールの大きさには度肝を抜かれたが、今回(2010年)の彼としては3度目の「ザ・ウォール・ツアー」のステージも、これ又筋書きは同一であってもコンピュター・グラフィックスを駆使してのビュジュアルな完成度の高さは又一つ上を行って驚かされたわけだ。
 今回の「The Wall」は、彼の人生の縮図を描きつつも、又、政治や経済事情、そして宗教、人種問題にて苦しむ人々に一つの焦点を当てたり、本人の意志とは裏腹に、戦場や内乱によって罪のない人々の命が無残にも奪われてきたことへの警告。アイゼンハワーの言葉を取り上げて、一見派手な戦争のもたらす結果の悲惨な状況は何処にもたらされるかも訴えている(”Bring The Boys Back Home”の熱唱は一つの大きなポイントであった)。
 ①は、ほぼ正面からのオーディエンス・ショットで、サウンドは良好。アップは画面に人一人分というところ。
 ②は、ステージに向かって左側からの撮影だが、アップは相当に効く。サウンドは良好。

③ The WALL Tour 2010 in Tampa
④ The WALL Tour 2011 in London


Walllive20102011

 2010年は、「Nth American Tour」9月15日のトロントを皮切りに12月24日メキシコ・シティまで56日(56回)の公演をこなした。
 2011年は、「Europian Tour」 3月21日ポルトガルはリスボンから、7月12日ギリシャのアテネ まで64回のステージだった。

 ③は、ステージ右側からの2カメラによる撮影で、アップはかなり効く。サウンドはリヤル。
 ④は、左からであるがほゞ正面からの安定した撮影。サウンドも良好。アップは画面に人一人分位。

⑤ Sydney Australia 2.14.2012

Rogwall2012sydney_2 
今年は「2012Rest of World Tour」として1月27日オーストラリアから 始まった
  このブートDVDは、シドニーにおけるもの。ほぼ正面からのオーディエンスものだが、あまりアップは効かない。サウンドは良好。最後の壁崩壊後の”Outside The Wall”で幕を閉じたかと思いきや、オースラリアの国民的歌である”Waltzing Matilda”を、メンバー12人と会場との合唱がこれまた印象的。これぞオーストラリアというところであった。
 
 その後このツアーは、再び最後はカナダのケベックにて7月21日に幕を閉じたが、なんと今年だけで70回の公演を敢行し、この3年間で延べ190回の公演を行ったことになった。そしてまさにロック・ライブというよりは、ロジャー得意のショーとしての仕上げであったと言っていいだろう。
 とにかく30年前の「ザ・ウォール」からギターでサポートをしてきたスノーウィ・ホワイトや、今回のギルモアに負けないリード・ギターとして頑張ったデイブ・キルミンスターの功績は大きい。そしてドラムスのグラハム・ブロード、キー・ボードのジョン・カーリンも健闘した。
 いずれにしてもこのウォール・ライブ・グループ12人は3年間誰も変わることなく行われたことも彼らの団結が凄かったのであろう。このことも長期に渡るロック・ライブでは特筆に値する。

 考えてみると、ロジャー・ウォーターズの「The Wall」を頂点としてのピンク・フロイドの歩みは、「原子心母」の”If”に現れた彼の人生の”不安”というものの流れそのものであったように思う。彼が父親を戦争で失い父親の保護が受けられなかった哀しき幼少期の思い出、そして過度な母親の愛。彼が夢見たロック・バンドの骨格であったシド・バレットは月の裏側の世界に失い、英国社会は日本などの工業先進国に足下をすくわれて、経済は不安の底に落ち、又彼自身の結婚の破綻、戦後の夢見た平和な社会は、再び戦争の道に若者は取られる状況が生まれた落胆、そして一時は核戦争の不安すら感じられた世界に脅え。更に自己の周りに戻ってみると、ピンク・フロイドという自分のバンドはパンクの流れによる批判対象となっており、それから一歩先に歩もうとがむしゃらに頑張ることが、今度はバンド内のメンバーから孤立するという事態を生み、常に生きる事に”不安”が増殖していった。自己の結婚生活の不安を描いた「ヒッチハイクの賛否両論」、核戦争の不安をテーマにした「風の吹くとき」そして「RADIO K.A.O.S.」。
 今、彼が「The Wall」を再び三度ステージで演ずるところは、この中に彼の”不安”をベースにした生き様が描かれているからであると思うのである。そしてそれは何時になっても決して無くなるものでないが為に・・・・彼の執念で作り上げた「The Wall」は現在に於いても何ら陳腐にならない人間への啓示を持っている。それは彼の人生においては普遍的にまつわり付いているものと見て取れる。

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2012年9月23日 (日)

(続) 映像で迫るピンク・フロイド&ロジャー・ウォーターズ「ザ・ウォール The Wall」

第2回:ロジャー・ウォーターズの「ベルリン・ザ・ウォール・ライブ1990」~ブートで堪能~

Berlinroger  1990年のベルリンはポツダム広場における「ザ・ウォール・ライブ」の圧倒的なスケールには誰もが度肝を抜かれたわけであるが、これは幸いにもチャリティー・ショウであったため、映像ものもオフィシャルにリリースされた。当時はレーザー・ディスクそして近年はDVDでお目にかかれる訳で、まあ結構なところである。
 しかしなにせベルリンの壁崩壊直後であり、注目度といえばこれ程タイミングよかったものもなく、東も西も参加しての壮大なそのスケールは圧巻だった。
 そしてそれをオフィシャルものでは知ることの出来ないところが詰め込まれているブートDVDがある。私は大切にしているものの一つであるがここで紹介しよう。この内容たるや、なんと5時間以上で今となっても感動深いところである。(なお、このDVD、現在は手に入るかどうかは不明です)

ROGER WATERS 「BERLIN WALL Rehearsal」
Rehearsals at Possdammer Platz, Germany 18th-20th July 1990
HEARVESTED DVD   COLOUR NTSC Approx, 310min

Rogwallberlinrehearsal

 DVD3枚組、310分の代物。たった一日のライブ(1990年8月21日)の前3日の18,19,20日の三日間のドキュメントである。このライブは第二次大戦の元爆撃機操縦士レナード・チェシャーが設立した災害救援基金へのチャリティを主旨としていて、それにロジャー・ウォーターズが賛同して行われた。
 高さ25mの壁を築き、幅168m、奥行き41mのとてつもない巨大ステージ、これは一日のために1ヶ月かかって設営。まさにビルの工事現場だ。登場する巨大人形は半年かかって作り上げたとか。ライブ演奏中もステージ上を大型トラックが往き来する演出をこなすスケールであった。これが設営されたポツダム広場はベルリン東西分離地域の象徴の無人地帯であって、そこになんとこのライブには20万とも30万とも言われる人並みで埋まったのだった。

Wallberlin

このDVD-1「Building The Wall 」には、3日前の舞台設営や舞台裏の機材設置の様子が記録されており、又エキストラの練習シーンなども収録され、ライブ・ショーまでの緊迫と期待のムードが見て取れる。ヘリコプターも当日飛ぶものを用意し、ロジャーが乗っての撮影も行われている様子も見られる。この一枚には、”Extras”としてなんとたった一日の本番21日のライブ・ショー中に起きたパワー・ロス(電源切れ)による中断の様子を記録したものを収録している。呆然としているスタッフ、そこになんとロジャーがステージに出てきてオーディエンスに混乱のないように見事に回復までの間を稼いでいる姿が捕らえられている(これはかってYouTubeか何かで見たことがあるが)。

Photo DVD-2「Band Rehearsals」は、18日の昼間のシーン。なにせこのショーでは、壁を築いていって最後に壊すという設定ですから、前もって作っておくというわけにもいかず、その設営練習とともにロジャーとバンドのリハーサルが行われていて、いやはやむき出しのセットの前での荒作業。このあたりは実感があって面白い。
 19日の夜には全体の流しリハが敢行され、又ゲスト・ミュージシャンが多いのでこれまたドタバタで手に取るようにこのライブの多難さが見て取れる。ウテ・レンパー、シンディー・ローパー、ジョニ・ミッチェルはさすがにプロで、既に自分のパターンが出来上がっていてロジャーも楽しそうに見ている。特にジョニ・ミッチェルの”Goodbye Blue Sky”はライブでも出色の出來だったが、既にこの日もパーフェクトだ。
 しかし、”Run like Hell”、”Waiting for the Worms”あたりのドタバタも大変だ。

Photo_2   翌日(20日)の昼間炎天下ではロジャーは上半身裸でステージを廻って歩く、シンニード・オコナー、ブライアン・アダムスのリハも行われた。更にジョニ・ミッチェルは19日に続いて再び唄う、後ろで見ているロジャーがニンマリ。

DVD-3「Dress Rehearsals」本番前日の20日夜は、ショー全てを衣装もきちんと着けての完全リハーサル。電源切れで本番で見れなかったウテ・レンパーとロジャーのデュエットがいい雰囲気だ。数百人のスタッフが見物して拍手や歓声を上げているのが印象深い。
 ロジャーのブリーディング・ハート・バンドのリック・ディ・フォンゾ、スノーウィ・ホワイトのギターが見事である。バックのオーケストラも壮観。
 オフィシャル版と違ったザ・ウォール・ライブ・イン・ベルリンが堪能できるところ。
”Comfortably Numb”は、前日(19日)同様なかなかスムーズに進行しない、なにせ盛り上げた”Bring the boys back home”の後だから、スタッフも大忙し。
 しかし、前日夜にここまで徹底的にリハしているとは思わなかった光景がみれる。特に壁は完全に構築してそして壊すところも全て試みている。
 やっぱり、この時(ベルリンの壁崩壊)だから・・・最後に全員で唄い演奏する”The Tide Is Turning”(アルバム「RADIO K.A.O.S.」から)は感動的。不安と警告のロジャーが世界に一つの希望を持った時だ。

 しかし、こうしたDVDは、本当に好きな人にしか勧められない。好きな人には堪(たま)らないが、興味が無ければ何やっとるのかというところ。
 久しぶりに夜長のシーズンとなって2日かけて5時間を全て見直したが、やっぱりロジャー・ウォーターズのベルリン版の「THE WALL」も凄かった。

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2012年9月19日 (水)

残暑の夜は・・・・映像で迫る ピンク・フロイド&ロジャー・ウォーターズ「ザ・ウォールThe Wall」

今夜はブート映像で・・・・「ザ・ウォール」 第一回 ピンク・フロイド

Pinkwallrogergilmour  ピンク・フロイドの「ザ・ウォール・ライブ」と言えば、なんと言ってもこのショットに見るシーンでしょうね。これがピンク・フロイドだと言っていい。ウォーターズによるコンセプティブな曲作り、ギルモアの心に響くキター・プレイ、そして両者の力が合体しての無限のパワーが生まれた。
 これは、「ザ・ウォール」の曲”young lust”に於ける"Oooooooh I need a dirty woman  Oooooooh I need a dirty girl"と唄われるシーン。両者が一つのマイクに口を近づけて唄うシーンだ。

 この”ザ・ウォール”のライブは、実のところはピンク・フロイドと言っても、このバンドは完全に分解していて、ロジャー・ウォーターズ一人による企画だった。内容も彼の人生を描き、それにシド・バレットの哀しき精神障害の世界を絡めての人間劇だ。
 デイブ・ギルモアのみは曲に於いても協力はしたが、両者には殆ど会話もなく、ニック・メイスンも実力的に既に相手にされず、リック・ライトは前アルバム「アニマルズ」以来の無気力さで、ウォーターズに首にされていて、サロゲイト・バンドに加わっていたのみだ。
 しかし、プロはプロというもので、このシーンのようにウォーターズとギルモアはぴったり息の合ったライブ・ショーを展開していたのである。


<Bootleg DVD>
Pink Floyd THE WALL "THE WALL IN USA 1980"
Live at Nassau Coliseum, Uniondale, Long Island, New York, USA. February 27th 1980


Wall1980usa27  1980-81年にアメリカとヨーロッパで31公演のみ行われた「THE WALL ツアー」。あまりにも大仕掛けのステージで、莫大な費用がかかり、大ヒットにもかかわらず大赤字となったツアーであった。なにはともあれ企画者のロジャー・ウォーターズにしてみれば31公演のみで終わったことは、悔しい思いをしたに相違ない。

 このDVDは、かっては映像ものとしてはビデオ・テープでロンドン・アールズ・コートのプロショットものが出回っていたが、それとは異なってその半年前のアメリカ、ナッソー・コロシアムのプロ・ショットもの。これは珍しいのであるが、あの”Harvested”がウェブ・サイトに公開して話題になったもの。
 まあ、ナッソー・コロシアムものが見れると言うことで嬉しところ。映像はかなり工夫して改良を図ったようだが、アールズ・コートものには及ばない。ステージ全体映像が多く、アップは人の2/3位までというところ。それでもこの4日目の27日を完璧に捕らえていると言うことでは一応の評価を与えたい。
 
<Bootleg DVD>
Pink Floyd THE WALL PERFORMED LIVE "DEFINITIVE EDITION"
EARLS COURT, LONDON 8-9th Augaust 1980


Wall1980london89_4   
こちらは有名な1980年8月のイギリスのロンドンはEarls Court のEarls Court Exhibition Hall 、4-9日までの6日間行われた公演からの有名映像。かってのビデオ・テープ時代はタビング・ダビングで、相当劣化した映像でそれでも見たくて見ていた代物が、このDVD時代になって結構見れる状態で登場。(8月8-9日と記してありますが、このあたりがブートのいい加減なところ)
 ブートであれなんであれ、見れないものが見れるなら文句はなく飛びつくわけであります。

 ナッソー・コロシアムものやこのアルズ・コートものを見ても解るが、ピンク・フロイドといえども、ロジャー・ウォーターズとデヴィッド・ギルモアの2人のもので、ニック・メイスンそしてリック・ライトは殆どお供え物のようなところ、そしてむしろサロゲイト・バンドとしての Snowy White(Guitars)、Willie Wilson(Drums)、Peter Wood(Keyboards) などの奮闘が目立つ。
 考えてみれば、ここ2010-2012年の3年間のロング・ランとなったロジャー・ウォーターズの”ザ・ウォール・ツアー”においても、ギターではSnowy White は完璧に参加していて、現在までに30年以上”ザ・ウォール”に貢献していることになる。まさに貢献度ナンバー1と言っていいだろう(勿論1990年のベルリン・ライブにも参加)。

<Bootleg DVD>
PINK FLOYD VIDEO THE WALL LIVE 1980
Recorded Live at EARL'S COUT EXHIBITION HALL, EARL'S COURT, LONDON, ENGLAND 06-AUG-1980

Wall1980london  これはアルズ・コートもので、収録8月6日となっている映像もの。そして比較的映像も良いという代物であるが、何を隠そう上のDVDと映像は実は同じものである。
 まあ、ビデオ・テープ時代から良質のものとして話題になったものだが、こうして手を変え品を変えして登場するのである。この両者特に優劣はないと言っていいところ。

 しかし、ここで思うのは、あの”IMMERSION BOX ”として登場した「THE WALL」の7枚目のDVDに登場したロジャー・ウォーターズから提供された「ザ・ウォール・ライブ」のアルズ・コートの映像は素晴らしい。しかもそれはかってから我々にお目にかかったこの映像とは別物であり、”The Happiest Days Of Our Lives”のみのチラリズムであったが、ウォーターズは確実に良好な映像ものを持っていることが解ったわけである。そしてそれがいずれかは公開されるのであるかどうか?、まだまだウォータズの術中にはまっている世界のピンク・フロイド・ファンなのである。

 今回の3年に及ぶライブ映像と共にオフィシャルにリリースされることを願いつつ、残暑の夜をブート映像もので時間を費やしているのであった(笑)。

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2012年9月15日 (土)

残暑の夜は・・・・映像で迫るイリアーヌ・イリアス「Eliane Elias BASEL 2010」

この柔らかい大人のヴォーカルと洗練されたピアノ・プレイは魅力

Eebasel2010  <DVD>  Bootleg 
Eliane Elias
「BASEL 2010」

Live at BASEL, Switzerland 11/14/2010


 残暑厳しい今年のSeptemberですが、それでもやはり夜長の時期になりました。
 もともと、Jazz やRockの分野はアルバムとは違って、ステージ・ライブものはオーディエンスとの対話もあったり、アーティストら自身のその日の意欲も見えたり、又演奏やヴォーカルも手に届くごとくのあまり技巧を凝らした音作りはされておらず私は好むところです。
 と、・・・・・なるとライブ会場に足を運びたいのですが、なかなかそれもままならず、せめてもブートであっても映像もので接してみたいというのが、私のお恥ずかしい習性であります。

 さてそこで、ここでも何回か取り上げた(6回ぐらい取り上げたと思うが)大人のボッサを感じさせてくれるイリアーヌですが、2010年11月ではありますが、スイスのBASELでのスペシャル・ライブもののプロショットで十分納得のDVD盤を紹介しましょう。

(Members)
  Eliane Elias : Piano ,  Vocals
  Rusens de la Corte : Guitar
  Marc Johnson : Bass
  Rafael Barrata : Drums



Eebasel2010list Listは左の7曲。ご覧の通り、ボッサからスタンダードのお馴染みの曲のプレイが堪能できる。
 イリアーヌは、洒落たハイヒールを脱いで、それをピアノの脇に置き、裸足でペダルを踏む演奏スタイル。彼女はピアノは一般的なステージに向かって左に位置して、ギター、ベース、ドラムスの演奏人と顔を合わせながら、やっばり貫禄ですね、リードしつつ演奏し、ヴォーカルを聴かせる。(私は何時も不思議に思うのはダイアナ・クラールの場合で、彼女はバンド仲間に背を向けての演奏で、このあたりは何故なのか解らない)映像はプロショットで非常に綺麗。アップも手頃に取り入れ、比較的落ち着いたカメラ・ワークで納得のところ。

Baselband  バンド・メンバーは、ベースのMarc Johnson は、あのビル・エバンス・トリオの最後のベーシストで実力派、何よりもイリアーヌの旦那様だ。ここでもナイス・プレイを披露。
 ギタリストのRusens De La Corte は、ブラジル・サンパウロ出身の若きエース、2004年からイリアーヌのツアーには同行したりしている。
 ドラムスのRafael Barrata もブラジル(リオデジャネイロ)出身で2008年からイリアーヌとの接触がある。彼女はこうしてブラジル・メンバーを大切にしつつ、ニュー・ヨークで頑張っている姿がこの編成をみても解る。

Eliane5  左のショットは、このライブでのイリアーヌであるが、歳のことを言うと叱られそうだが(こっそり言うと1960年生まれ)、それにひかえ見事に見るに堪えるところが恐ろしい。彼女の眼は、良い意味で猫の目に似ているように思うのだが、この見開いたところは見事だ。これは余談である。
 もともとはヴォーカルよりはピアニストとしてスタートしている彼女であり、最後の”Desafinado”の演奏は見事と言える。又ヴォーカルもソフトで流すところは大人のヴォーカルそのもの。”Bananeira”の楽しそうな演奏とヴォーカルはこの映像盤でも印象的。
 イリアーヌの映像盤は少ないので、ここに相変わらず健闘しているところ(姿)が嬉しいというブートのお話しでした。

(参考)
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/eliane-elias-bo.html
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/eliane-elias-ki.html
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/eliane-elias-99.html

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2012年9月11日 (火)

アンナ・マリア・ヨペクAnna Maria Jopekの近作3部作アルバム検証 : 「SOBREMESA」

締めくくりのポルトガル文化から生まれた世界は

Anna6_2   アンナ・マリア・ヨペクの3部作「POLANNA」「HAIKU」「SOBREMESA」は、作品の意味と音楽的完成度の高さ、そして彼女の魅力はちょっと一言では語れない作品として受け止めている。
 三部作は、波蘭(ポーランド)、日本、葡萄牙(ポルトガル)のそれぞれの国情(その国の背負ってきた民族的歴史)から生まれてきた音楽に迫りつつ、彼女自身の音楽と歩んできた結晶として見ていってよいと思う。そこには彼女の味がそのまま詰まっている。

(参照)
「POLANNA」 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/3-4392.html
「HAIKU(俳句)」 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-2332.html 

ANNA MARIA JOPEK 「SOBREMESA」
AMJ MUSIC ,  UNIVERSAL  278 3521 ,   2011

Sobremesa_2

さて、この3部作の最後はこの「SOBREMESA」だが、彼女のホーム・ページにあるように”「POLANNA」「HAIKU」の非常に洗練されたCDを味わった後のデザートになることを願っています”と紹介されている。しかしこのアルバムも、ポルトガルの魅力を凝縮しつつ単にポルトガル音楽を歌ったというのでなく、彼女のポーランドを基盤としての世界との融合が試みられている。ここにもポーランド、日本とは又異質の民族性がしっかりと浮き彫りにされ、そこに郷愁の薫り高い哀愁と人間的な美しさが混在し、これも又愛すべきアルバムとして作り上げられている。

Sobremesalist_2 収録は左の13曲。バンド・メンバーは下記のとおりである。
Anna Maria Jopek - vocals
Joao Balao - cavaguinho, percussions, kalimba
Ernesto Leite - piano, keyboards
Marito Marques - percussions
Ruca Rebordao - percussions, berimbao
Tiago Santos - guitar
Yami - vocals, bass guitar, guitar


そして、曲によって更に次のメンバーが加わる。
Ze Antonio - cavaquinho
Nelson Canoa - piano
Ivo Costa - percussions
Krzysztof Herdzin - flute
Roberto Majewski - flugekhorn
Henryk Miskiewucz - clarinet, soprano saxophone
Marco Oliveira - guitar
Paulo Paz - double bass
Victor Zamora - piano


このように、まさに総力戦で、更に更にゲストとして次のような男女のヴォーカルが色を添える。
Sara Tavares - vocals
Beto Betuk - vocals
Camane - vocals
Paulo de Carvalho - vocals
Luis Guerreiro - guitar
Ivan Lins - vocals
Tito Paris - vocals


Anna5_2  ヨペクの優しいややハスキーなそして高音になると少し鼻にかかる独特のヴォーカルがスタート。ポルトガル語文化圏のミュージックらしくギター(キターラ、カバキーニョ、ヴィオラ?)がバックを支えるが、そこはそれジャズ色の加味としてか?ソプラノサキソフォンが加わったりする。続いて軽快な曲、哀愁たっぷりの曲などが続く。そして曲によっては男性ヴォーカルが優しく包み込むように曲を盛り上げ、フルート、クラリネットなども登場する。

 そうそうポルトガル音楽と言えばFadoというところですね。Fadoは宿命という意味のようだが、ポルトガルの民族歌謡といっていいのだろうか?、旧くは歴史をたどると諸説があるが、ポルトガルの植民地ブラジルから黒人哀歌の流れの逆輸入の形で首都のリスボンで育ち庶民に広く広がったとか?。 そしてすぐ思い浮かぶのはアマリア・ロドリゲスだ。彼女の歌によって我々は知るところとなるが、決して明るくはなくサウダージと言われるむしろ郷愁、哀愁、思慕のある歌としての印象が強い。

 ロドリゲスとヨペクということになると、ちょっと簡単には共通点は感じないが、しかし、3.”Mae Negra”になるとヨペクの哀愁の歌声がバックのピアノの調べにのって納得のゆくところに誘ってくれる。この曲にはゲスト・ヴォーカルにPauro de Carvakhoが盛り上げ、ポルトガル・ギター(ギターラ?)、ストリングス、ドラムス、マラカスなどのバックが色づけている。 又6.”Noce Nad Rzeką”もCamaneとの哀愁の唄声。更に10.”Smuga Smutku”もヴォーカルIvan Linsの支えの中でのヨペクの郷愁色の強い曲だ。
 一方、5.”Kananga Do Amor”は男性ヴォーカリストYamiとのデュエットでは、なかなか良いムード。
 12.”Spójrz.Przeminęło”ギターラ、ヴィオラ、ヴィオラ・バイジョの響きか?、ポルトガルの世界にヨペクが浸透してゆく。
 
 ここに取り上げた曲群は、ポルトガルは当然として、かっての植民地であったブラジル、そしてアフリカのアンゴラ、カーボ・ヴェルデなどを含めてポルトガル語文化圏の音楽の凝縮集のようだが、ヨペクがこのように違和感なく歌い上げるとは予想外でした。もともと近年のカーネーション革命など複雑な政治情勢をも乗り越えてきたポルトガルは、陰影と陽気の両面を持った音楽の多彩さがあるように思う。
 デザートとしてはえらい豪華なアルバムを作り上げたと十分納得のゆくところであった。

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2012年9月 7日 (金)

究極の耽美の世界:Mira Opalińska & Douglas Whates「リュミエールLumière」

ピアノとベースのデュオで描く美

ミラ・オパリンスカMira Opalińska&ダグラス・ウェイツDouglas Whates 
                      
「リュミエールLumière」
Czesc!Records  czezc-001 ,  2012

Lumiere

 これはチェシチ!・レコーズのリリース一枚目、ポーランド・ジャズを愛し続けてのオラシオ氏の起こしたレーベルだ。
 アルバムの帯には、”ポーランド人女性ピアニスト「ミラ・オパリンスカ」とイギリス人ベーシスト「ダグラス・ウェイツ」による新進気鋭のデュオが描く、鮮烈な映画音楽の世界!”と書いてある。まさにその通りで、どうも私なんかが何をか言わんやといったところ。
 波蘭(ポーランド)ジャズを探っていたら行き当たった今年のアルバム。

Opawhat2_2   デュオということで、両者によるピアノとベースの音が一つ一つ鮮烈に響いてくる。そしてそれが又選曲はポーランドが主体に加え、なんと日本からの2曲が入っていて、まさに耽美という世界を描ききっている。いやはや驚きというか、こんなジャズの世界もあるのかと、取りあえず私としては絶賛した一枚だ。

Lumierelist  左のような8曲、スタートは”ローズマリーの赤ちゃん”(ポーランドの巨匠ロマン・ボラスキ監督の同名映画からのこの国を代表するクリシュトフ・コメダの曲)からで、一つ一つ鍵盤を叩く音、そしてアルコ奏法のベースが、絶妙な無音の空間を生かしながら綴ってゆく演奏は、これは単なる映画音楽ものでないことは解る。
 3曲目は勅使河原宏監督映画「利休」の音楽武満徹の登場だ。これはウェイツの選曲とか。又、菅野よう子の曲は石川寛監督映画「tokyo.sora」からでラストに登場。

 とにかく彼らの演奏には身も心も惹きつけられて、細部の音にも自然に耳を傾けざるを得ない。そして、そうしているうちにあっという間に一枚のアルバムは終了してしまう。その間の自分は何だったのだろうか?と、ふと我に返って・・・・安らぎのある不思議な世界にいたことに気がつくのである。

Opawhat  このアルバムこそ、聴いてみて知ると言う世界であろうから、これ以上私の下手な感想は止めておくことにする。

 そうそう、オラシオ氏とは、青森在住でポーランド・ジャズ・マニア。遂にアルバムのリリースに至ったか、と思うところ。このアルバムのライナー・ノーツも書いている。ここまで行けば本物ですね。
  参考までに彼のオパリンスカのピアノ評を記しておく ”OPALINSKAのピアノは、美しくクリアな音質の中に一種の鋭さ、厳しさのようなものが感じられる印象が強く、インプロヴィゼイションそのものもあまり旋律性におもねっていないスタイルなので、あえて言うならば現代ポーランドジャズピアノ3大流派の中では「抽象派」に属するプレイヤーと言えるでしょうか”

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2012年9月 5日 (水)

ワルシャワ蜂起の悲劇とジャズ : アガ・ザリヤンAga Zaryan「UMIERA PIKĘNO」

Aga3 波蘭(ポーランド)のワルシャワ蜂起を唄う

 さて、再び三度、ポーランドですが、もう少し注目してみましょう。
 この国においては、ようやく1989年になっての国としての自立と民主化によって、それ以来初めて芸術に真の心が表現できる時代となった。そして今や音楽の分野にても、ショパンの国としてと言うだけでなく、ロックやジャズの世界でも注目度は高い。しかしそうは言っても、それからまだ二十数年、あらゆるところに第二次世界大戦、そしてその後のソ連支配の悪夢が見え隠れする。従って民族的文化を愛する彼らの芸術は、国際的な発展を期しているところは哀しくも美しい。
 ジャズ・ヴォーカリストのアザ・ザリヤン(1976年1月ワルシャワ生まれ)もその一人である。
  (参照: http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/looking-walking.html )

AGA ZARYAN 「UMIERA PIĘKNO (死する美)」
Music from EMI  50999 0 94944 2 8  ,  2010


Umeerapiekno_2

 このアルバムが出来上がったのは、2007年に行われた”ワルシャワ蜂起63周年記念”の式典にて、アガ・ザリヤンがあの惨劇下に当面し刻まれた詩人達の心をから生まれた詩作を唄ったことによるらしい。これ以前の2枚のアルバムで既に国民的評価を得ていた彼女であり、その”心の唄”は絶賛を浴びたようだ。

Aga Zaryan : vocals
Michał Tokaj : Piano
Michał Barański : bass
Łukasz Źyta : drums


 基本的には、彼女のヴォーカルにバックはピアノ・トリオのスタイルだが、オーボエ、ハープの調べとオーケストラも加わる。全ての曲はピアニストのミハウ・トカイの手により作曲・編曲され、比較的静かにしっとりと唄われ、演奏する曲群である。このアルバムは勿論ポーランド語の詩であるが、タイトルの「UMIERA PIĘKNO」は、英語で”Beauty is Dying”と訳されている。
 1944年の”ワルシャワ蜂起”こそ、ポーランドの人民のナチス・ドイツに対しての自国の精神と団結をもっての独立への戦いの姿であった。そして 悲惨な結末を迎えたときに、彼らの極限の世界における挫折感を乗り越えて人間としての真実の姿が残された。これは今日ポーランドの魂としてこの国には生きている。

Umeerapieknolist_2  収録曲は9曲。ブックレットには詩人6人の紹介が記されている(残念ながらポーランド語で判読不可)。特に1.3.4.9.の4曲は、Krystyna Krahelskaという1914年生まれで、このワルシャワ蜂起の1944年に30歳で亡くなっているいる女性の戦時下の心の詩のようだ(彼女はガールスカウト参加、戦時下で負傷者の救助活動、自ら負傷しそれが原因で死亡)。

 ミハウ・トカイMichał Tokajは、悲しみと鎮魂と湧き出る民族の心を抱く曲をジャズの心で描ききった。そしてアガ・ザリヤンが哀愁の漂う落ち着いたヴォーカルを披露している。これはジャズを超えてポーランドの人々の心を捕らえ、その美しさにも絶賛が浴びせられたという。
 歌詞は解らなくとも何故か聴く我々にもいつしか敬虔な姿に変えてゆく力を持っている。

 これらの曲は2007年の式典において、ワルシャワ蜂起博物館で演奏され、全国に放映されている。
 この感動的な曲の散りばめられたアルバムのリリースで、翌年にはアガ・ザリヤンにはポーランドレコード業界から最高の栄誉が与えられた。

Ghetto_uprising_warsaw2
Photo
参考)~ワルシャワ蜂起1944年~
 1944年8月旧ソ連軍がナチスドイツに対して攻勢に立ってワルシャワの近く10キロのところに迫ったときポーランド人がナチスドイツに対して蜂起したものである。
 ナチス・ドイツ占領下のポーランドは、ナチスからの自力開放に民族としての結集を試みた。旧ソ連軍がワルシャワのビスツーラ川の対岸に迫った時、旧ソ連軍や他の連合国による支援を期待しながら、ロンドンの地下政府からの命令と、旧ソ連軍からレジスタンスへの指示で、ワルシャワの地下軍組織がナチスに対して攻撃を開始、いわゆる人民蜂起が起こった。しかし、旧ソ連軍は残酷にもそれには答えず、対岸に自軍の補給に終始し待機して動かなかった。結局ナチスに対して人民蜂起軍はほぼ独自で90日間文字通りの死闘を尽くすが10月にはほぼ全滅し、20万人が殺害されたといわれている。ワルシャワはナチスにより完全に破壊され廃墟と化した。そして、旧ソ連軍は1945年1月になって初めてワルシャワに攻め入ることになるのである。その後不幸にもポーランドは今度は実質ソ連の支配下となってしまい、自由の道は閉ざされた。

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2012年9月 3日 (月)

ジョス・ストーンJoss Stone : ソウルに回帰~最新ライブ映像 NY2012

ソウルフルなロック・ヴォーカルがバワー・アップ

Newyork2012 <DVD> JOSS STONE 「New York 2012」
Bootleg  dvds-103  ,  2012

 前作(2011年のアルバム「LP1」)が快調なロック・アルバムで、久々のジョスの魅力が炸裂したわけだが、ここにきて彼女のデビュー・アルバムへの原点回帰というところだろうか?、早くもニュー・アルバム「THE SOUL SESSION VOL2」が登場。これがなかなかソウフルな味をパワー・アップしての快作である(後に触れる)。
 
 そのジョスのニュー・ヨークにおける今年の6月20日のライブ映像がブートで登場。さっそく飛びついてみたが、ニュー・アルバムからなんと9曲収録されていて、しかもプロショット・ライブ映像でサウンド、映像良好で文句なし。さすがにロック・アルバムの前作からは1曲のみであるが、ロック因子の覗くソウル、ブルースのステージだ。

 なにせ、昨年来英国ではアデル旋風吹き荒れて、そこで黙ってはいられない彼女の立場。見事に実力を見せつけて登場している。

Newyork2012list 収録20曲(左:クリック拡大)、90分。ニュー・アルバムは、主としてソウルのカーヴァー集だが、詩は彼女の作となっているようだ。つまり彼女の世界を大いにイメージさせている。
 このアルバムが非常に早いテンポでリリースされたことからみて、多分彼女は日頃ステージで唄いまくっていたソウルの世界から作り上げられた可能性が高い。
 このブートでみるステージでの姿は、新作披露と言うよりは彼女自身の普段姿を見せているといった雰囲気で、余裕綽々のパワー溢れる唄いっぷりが堪能できる。独特のシャウトとしっとり唄うタイミングもうまくなっているようにみえる。ステージ上で髪を束ねて後ろにピンで留める仕草を見せたりして曲によってムードを変えるあたりは、にくいところ。(バックはキーボード2、ギター、ベース、管楽器2、ドラムス、コーラス3)
 
リリースしたばかりのニュー・アルバムをみてみよう(↓)。

JOSS STONE 「 THE SOUL SESSION VOL2」
S-curve Records  WARNER MUSIC GROUP 5053105347957,  2012

Soul1_2   ジョスの2003年の17歳時のヒット・デビュー・アルバム「THE SOUL SESSIONS」から約10年、6枚目のアルバムとして原点回帰してのニュー・アルバム、しかも「VOL 2」としての登場となった。
 曲は1960-70年代のあまり知られていないソール・ナンバーを取り上げているらしく、確かに私にとってはカヴァーと言っても、オリジナル曲の感じだ。しかも歌詞は全て若き彼女の感性で全て書かれているので尚更である。
 ジョスは1987年生まれなので、今年で25歳ということでエネルギュッシュそのもののヴォーカルは相変わらず。
 
Joss Stone : vocals
Ernie Isley : guitar
Raymond Angry : Clavinet
Clayton Ivey : piano
Tony Royster : drums
Pete Iannacone : bass
(他)


 メンバーはこんな感じだが、バックに女性ヴォーカルが入る。
Joss3  もともとジャニス・ジョプリンの再来と期待されたところと、本人自身もジャニスに憧れていると言うから、やはり熱唱型の曲が目白押しである。しかし抑揚のある表現は見事と言いたい。ステージで裸足で唄う姿はいたについている。

(List)
1. I Got The...
2. (For God's Sake) Give More Power To The People
3. While You're Out Looking For Sugar
4. Sideway Shuffle
5. I Don't Want To Be With Nobody But You
6. Teardrops
7. Stoned Out Of My Mind
8. The Love We Had (Stays On My Mind)
9. The High Road
10. Pillow Talk
11. Then You Can Tell Me Goodbye
12. First Taste OF Hurt (Bonus Track)
13. One Love In My Lifetime (Bonus Track)
14. Nothing Takes The Place Of You (Bonus Track)
15. (1-2-3-4-5-6-7) Count The Day (Bonus Track)

 ギターとベースのパンチがインパクトあったり、パーカッションが効果を上げている曲もあり、バック・バンドも健闘。曲によってはオーケストラも入る。
 ソウル系は私はあまり聴く機会が少ない方であるが、ジョス・ストーンによって面白さを知らしめてもらったアルバムであったが、ソウルといっても彼女の場合は、やっぱりロック色がかなり濃いといったほうが良いだろう。

(参照)   http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/lp1joss-stone-f.html         
 

 

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2012年9月 1日 (土)

エヴァネッセンスEvanescenceライブ映像:ROCK AM RING 2012

  あの悲劇3.11の”Never go back” の熱唱に感動

Rockamring2012                                                                                        <DVD> EVANESCENCE 「ROCK AM RING   2012」
Bootleg     dvdhr-535  ,   2012

 2011年の3rdアルバム「EVANESCENCE」で、その存在感をパワー・アップしたエヴァネッセンス。今年2012年のドイツのニュルブルリンク・サーキットで行われた恒例ロック・フェスティバル”ROCK AM RING”に出演。そのライブ映像、これもブートで堪能しているところ。
 今年2月に来日しているが、これは結構盛り上がったという話は聞いていて、是非とも最近のライブ映像でも見たいと思いつつ手に入れたもの。

 エヴァネッセンスと言えば、もう10年のキャリア。6年前、素晴らしいジャケで更に印象づけられた2ndアルバム「The Open door」が懐かしいが。それ以来ライブ・アルバムはあったものの、その後アルバムのリリースがなく、5年も経って、セルフ・タイトルのアルバムが昨年突如出現、全米ビルボード・アルバムチャートNo1を獲得、驚きの大復活だった。

Evanescence2_2  なんといっても米国のゴシック・メタル・バンドということでなんとなく抵抗がある上(こりゃ偏見ですね)に、更にメンバーの入れ替えなどと、あまり好印象はなかったが、そうは言っても何となく気になるバンドで、それなりにマークはしていたが、このライブ映像を観ると、なかなかNo1を取るだけの資質はやっぱりあることが解る。


List_2  当日のSet-Listは左のようで、主としてニュー・アルバムからで、7曲登場する(その他は、1stから3曲、2ndから3曲)なにせ2ndアルバムは殆どエイミー・リーAmy Leeお姫様の作品で、彼女のバンドというイメージそのものであったが、このニュー・アルバムからの曲群は、バンド名義になっていて、彼女のヴォーカルの役割は大きいが、それでも昔のゴシック・メタルというよりは、ヘビー・メタル側によったバンドというイメージが濃くなっている。ツイン・ギターでガンガンやってくれるところはなかなか快感だ。
 ”made of stone”のメリハリもいい、”lithium”の彼女のピアノの弾き語りも見せ場。
 ”your star”もエイミーは汗だくの熱演だ。ナイトウィッシュのアネッテもただバンドを頼りにしているのでなく、このぐらいは自分の発想を持って頑張らなきゃと思うところ。
 もともと曲の仕上げには、私はナイトウィッシュばりのキー・ボードが好きなのだが、エイミーも時に聴かせてくれるので、それで良しとしておこう。

 ドイツのこのフェスの様子もこのDVDで、手に取るように解るが、なかなかの歓迎ぶりが伝わってくる。屋外の大会場だがオーディエンスのまとまりはよい。このバンドの魅力のなせるところか。
 ラスマエにあの3.11大震災に思いを込めて作られた”never go back”が演奏された(日本公演では”頑張れ日本”と声を高々にあげてくれた曲)。
 このブートは、取りあえずプロ・ショット映像であり、サウンドも良好でこれなら文句はない。優良ブートだ。

 エヴァエッセンスというのは、私の場合はのめり込んでゆくというところではなく、時々このタイプを観聴きして生活のリズムを作っているというお話しをさせていただきました。

 

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