究極の耽美の世界:Mira Opalińska & Douglas Whates「リュミエールLumière」
ピアノとベースのデュオで描く美
ミラ・オパリンスカMira Opalińska&ダグラス・ウェイツDouglas Whates
「リュミエールLumière」
Czesc!Records czezc-001 , 2012
これはチェシチ!・レコーズのリリース一枚目、ポーランド・ジャズを愛し続けてのオラシオ氏の起こしたレーベルだ。
アルバムの帯には、”ポーランド人女性ピアニスト「ミラ・オパリンスカ」とイギリス人ベーシスト「ダグラス・ウェイツ」による新進気鋭のデュオが描く、鮮烈な映画音楽の世界!”と書いてある。まさにその通りで、どうも私なんかが何をか言わんやといったところ。
波蘭(ポーランド)ジャズを探っていたら行き当たった今年のアルバム。
デュオということで、両者によるピアノとベースの音が一つ一つ鮮烈に響いてくる。そしてそれが又選曲はポーランドが主体に加え、なんと日本からの2曲が入っていて、まさに耽美という世界を描ききっている。いやはや驚きというか、こんなジャズの世界もあるのかと、取りあえず私としては絶賛した一枚だ。
左のような8曲、スタートは”ローズマリーの赤ちゃん”(ポーランドの巨匠ロマン・ボラスキ監督の同名映画からのこの国を代表するクリシュトフ・コメダの曲)からで、一つ一つ鍵盤を叩く音、そしてアルコ奏法のベースが、絶妙な無音の空間を生かしながら綴ってゆく演奏は、これは単なる映画音楽ものでないことは解る。
3曲目は勅使河原宏監督映画「利休」の音楽武満徹の登場だ。これはウェイツの選曲とか。又、菅野よう子の曲は石川寛監督映画「tokyo.sora」からでラストに登場。
とにかく彼らの演奏には身も心も惹きつけられて、細部の音にも自然に耳を傾けざるを得ない。そして、そうしているうちにあっという間に一枚のアルバムは終了してしまう。その間の自分は何だったのだろうか?と、ふと我に返って・・・・安らぎのある不思議な世界にいたことに気がつくのである。
このアルバムこそ、聴いてみて知ると言う世界であろうから、これ以上私の下手な感想は止めておくことにする。
そうそう、オラシオ氏とは、青森在住でポーランド・ジャズ・マニア。遂にアルバムのリリースに至ったか、と思うところ。このアルバムのライナー・ノーツも書いている。ここまで行けば本物ですね。
参考までに彼のオパリンスカのピアノ評を記しておく ”OPALINSKAのピアノは、美しくクリアな音質の中に一種の鋭さ、厳しさのようなものが感じられる印象が強く、インプロヴィゼイションそのものもあまり旋律性におもねっていないスタイルなので、あえて言うならば現代ポーランドジャズピアノ3大流派の中では「抽象派」に属するプレイヤーと言えるでしょうか”
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コメント
風呂井戸さん、こんにちはmonakaです。
TBありがとうございました。
数日前に貴殿の記事を読ませていただいていたのでTBいただいて驚きました。
今後のことを考えると、もう少し評判になってくれるといいですね。
投稿: monaka | 2012年9月13日 (木) 17時12分
monakaさん、コメント有り難うございます。
このアルバム「Lumière」を取り上げられた方はあまりおられず寂しく思っていましたが、一昨日monakaさんも評価も上々なところでブログに書かれましので、それを拝見して嬉しくなりトラックバックさせて頂きました。
私は"Jazz" only ではありませんが、広く音楽を愛しているところはご理解頂いて、是非ともお相手頂ければ嬉しく思っています。 よろしくお願いします。
投稿: 風呂井戸 | 2012年9月14日 (金) 19時05分