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2012年9月19日 (水)

残暑の夜は・・・・映像で迫る ピンク・フロイド&ロジャー・ウォーターズ「ザ・ウォールThe Wall」

今夜はブート映像で・・・・「ザ・ウォール」 第一回 ピンク・フロイド

Pinkwallrogergilmour  ピンク・フロイドの「ザ・ウォール・ライブ」と言えば、なんと言ってもこのショットに見るシーンでしょうね。これがピンク・フロイドだと言っていい。ウォーターズによるコンセプティブな曲作り、ギルモアの心に響くキター・プレイ、そして両者の力が合体しての無限のパワーが生まれた。
 これは、「ザ・ウォール」の曲”young lust”に於ける"Oooooooh I need a dirty woman  Oooooooh I need a dirty girl"と唄われるシーン。両者が一つのマイクに口を近づけて唄うシーンだ。

 この”ザ・ウォール”のライブは、実のところはピンク・フロイドと言っても、このバンドは完全に分解していて、ロジャー・ウォーターズ一人による企画だった。内容も彼の人生を描き、それにシド・バレットの哀しき精神障害の世界を絡めての人間劇だ。
 デイブ・ギルモアのみは曲に於いても協力はしたが、両者には殆ど会話もなく、ニック・メイスンも実力的に既に相手にされず、リック・ライトは前アルバム「アニマルズ」以来の無気力さで、ウォーターズに首にされていて、サロゲイト・バンドに加わっていたのみだ。
 しかし、プロはプロというもので、このシーンのようにウォーターズとギルモアはぴったり息の合ったライブ・ショーを展開していたのである。


<Bootleg DVD>
Pink Floyd THE WALL "THE WALL IN USA 1980"
Live at Nassau Coliseum, Uniondale, Long Island, New York, USA. February 27th 1980


Wall1980usa27  1980-81年にアメリカとヨーロッパで31公演のみ行われた「THE WALL ツアー」。あまりにも大仕掛けのステージで、莫大な費用がかかり、大ヒットにもかかわらず大赤字となったツアーであった。なにはともあれ企画者のロジャー・ウォーターズにしてみれば31公演のみで終わったことは、悔しい思いをしたに相違ない。

 このDVDは、かっては映像ものとしてはビデオ・テープでロンドン・アールズ・コートのプロショットものが出回っていたが、それとは異なってその半年前のアメリカ、ナッソー・コロシアムのプロ・ショットもの。これは珍しいのであるが、あの”Harvested”がウェブ・サイトに公開して話題になったもの。
 まあ、ナッソー・コロシアムものが見れると言うことで嬉しところ。映像はかなり工夫して改良を図ったようだが、アールズ・コートものには及ばない。ステージ全体映像が多く、アップは人の2/3位までというところ。それでもこの4日目の27日を完璧に捕らえていると言うことでは一応の評価を与えたい。
 
<Bootleg DVD>
Pink Floyd THE WALL PERFORMED LIVE "DEFINITIVE EDITION"
EARLS COURT, LONDON 8-9th Augaust 1980


Wall1980london89_4   
こちらは有名な1980年8月のイギリスのロンドンはEarls Court のEarls Court Exhibition Hall 、4-9日までの6日間行われた公演からの有名映像。かってのビデオ・テープ時代はタビング・ダビングで、相当劣化した映像でそれでも見たくて見ていた代物が、このDVD時代になって結構見れる状態で登場。(8月8-9日と記してありますが、このあたりがブートのいい加減なところ)
 ブートであれなんであれ、見れないものが見れるなら文句はなく飛びつくわけであります。

 ナッソー・コロシアムものやこのアルズ・コートものを見ても解るが、ピンク・フロイドといえども、ロジャー・ウォーターズとデヴィッド・ギルモアの2人のもので、ニック・メイスンそしてリック・ライトは殆どお供え物のようなところ、そしてむしろサロゲイト・バンドとしての Snowy White(Guitars)、Willie Wilson(Drums)、Peter Wood(Keyboards) などの奮闘が目立つ。
 考えてみれば、ここ2010-2012年の3年間のロング・ランとなったロジャー・ウォーターズの”ザ・ウォール・ツアー”においても、ギターではSnowy White は完璧に参加していて、現在までに30年以上”ザ・ウォール”に貢献していることになる。まさに貢献度ナンバー1と言っていいだろう(勿論1990年のベルリン・ライブにも参加)。

<Bootleg DVD>
PINK FLOYD VIDEO THE WALL LIVE 1980
Recorded Live at EARL'S COUT EXHIBITION HALL, EARL'S COURT, LONDON, ENGLAND 06-AUG-1980

Wall1980london  これはアルズ・コートもので、収録8月6日となっている映像もの。そして比較的映像も良いという代物であるが、何を隠そう上のDVDと映像は実は同じものである。
 まあ、ビデオ・テープ時代から良質のものとして話題になったものだが、こうして手を変え品を変えして登場するのである。この両者特に優劣はないと言っていいところ。

 しかし、ここで思うのは、あの”IMMERSION BOX ”として登場した「THE WALL」の7枚目のDVDに登場したロジャー・ウォーターズから提供された「ザ・ウォール・ライブ」のアルズ・コートの映像は素晴らしい。しかもそれはかってから我々にお目にかかったこの映像とは別物であり、”The Happiest Days Of Our Lives”のみのチラリズムであったが、ウォーターズは確実に良好な映像ものを持っていることが解ったわけである。そしてそれがいずれかは公開されるのであるかどうか?、まだまだウォータズの術中にはまっている世界のピンク・フロイド・ファンなのである。

 今回の3年に及ぶライブ映像と共にオフィシャルにリリースされることを願いつつ、残暑の夜をブート映像もので時間を費やしているのであった(笑)。

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コメント

結局ロジャーのThe WallツアーってDVDになってないんですよねぇ…。あんだけ映像も凝って作ってたのになぁ…、勿体無い。

投稿: フレ | 2012年9月19日 (水) 20時58分

 フレさん今晩わ。
 ロジャーの”THE WALLツアー”は、間違いなくプロショット映像は記録されています。この点は報道もありましたので・・・。
 彼はなかなか映像もの出さないですね。既に”the dark side of the moon ツアー”も、ちゃんと映像は納めてあるのですが、これも出ていない。
 ブートは全てオーディエンスものですから、プロショットものの流出がないので、ゆっくり考えているのでしょうかね。私はいずれドカーンと凄い企画ものが出そうな気がするのですが・・・・。

投稿: 風呂井戸 | 2012年9月19日 (水) 21時53分

アメリカの経済雑誌フォーブスによると、今年2012年で最も稼いだミュージシャンの第2位がロジャー・ウォーターズだったそうです。8800万ドルという金額はやはり「ザ・ウォール・ライヴ」で記録したものだということで、意外なところでも彼の名前は売れているようです。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2012年11月30日 (金) 21時28分

 プロフェッサー・ケイさん、そうでしたか。
 私は場合によっては、トップかとも思っていました。トップは誰だったんでしょうか?。
 しかし、「ザ・ウォール」のあれだけの大がかりな装置とその移動、会場の設営・運営などで・・・経費は莫大でしょうね。ロジャー・ウォーターズの実質収入はあまりないのでしょうね。昔のように結果は赤字だったりして・・・・。でも、彼はそのぐらいのつもりでやっているようです。
 さて、来年2013年もまだこのプロジェクト公演はヨーロッパ中心にやるんですね。四年間のロング・ランということになる。

投稿: 風呂井戸 | 2012年12月 1日 (土) 10時12分

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