アガ・ザリヤンAga Zaryanをしっとりと聴ける : 「LIVE AT PALLADIUM」
今回のポーランド旅行では、ポーランドという国を知るが為にも諸々の計画を持って出向いた訳であったが、なかなか思うようにもゆかず、取りあえず日本ではあまり見ないアルバムとして仕入れたうちの一枚がこのライブ盤だ。
AGA ZARYAN 「LIVE AT PALLADIUM」
COSMOPOLIS, Warner Music Poland , COSMOPOLIS 070/071, 2008
ポーランドの歌姫アガ・ザリヤンのライブ・アルバム。2008年ポーランドのワルシャワにあるPALLADIUMクラブにてのライブもの。その年の2008年にリリースされている2枚組アルバム。
父親が、クラシツク・ピアニストで、母親は英語教師で゛ヨーロッパを広く旅しており、そしてイギリスのマンチェスターの小学校にも通ったという人生で、英語には自信のある彼女だけあって英語で地元ポーランドでも唄っている。選曲ではLeonard Cohen、 Herbie Hancock、 Stivie Wonder などの曲も登場する。
CD-1
1. seventh heaven
2. it might as well be spring
3. woman's work
4. throw it away
5. picking up the pieces
6. i hear music
7. answer me
CD-2
1. tender as a rose
2. day dream
3. here's to life
4. suzanne
5. never said / trust me
6. visions
バック・バンド・メンバーは左のようにギター、ベース、パーカッションという比較的落ち着いた静かな演奏で、じっくりと彼女の唄が響き渡る。特にベースのDarek oles Oleszkiewiczは、彼女のデビュー・アルバム「My Lullaby」にも登場し、その後作曲にも貢献している。
とにかくギター、ベースは繊細に、そして彼女のヴォーカルを見事に誘導して曲を纏め上げる。
Jacksonのパーカッションも、”i hear music”ではコンガの響き、マラカスなどを駆使して曲を静かに盛り上げてゆく、そしてギターに繋ぎ、ザリヤンのヴォーカルを誘導する。この曲は彼女の1stアルバムに登場するが、ここでは全く編曲が異なっている。
”answer me”では、ベースと彼女のヴォーカルのデュエットという感じで進行し、どちらかというとこのアルバムはしっとりとした展開で聴かせる曲群である。
”tender as a rose”は、既にベテラン・ジャズ・ヴォーカリストの風格すら聴かれる彼女の唄いっぷりには驚かされる。
以前にも触れた2006年のアルバム「Umiera Piękno」は、ポーランドの最も重要な歴史的事件の1944年の”ワルシャワ蜂起”を歌い上げた傑作で、彼女は国民的歌手に躍り出た。
こんなキャリアを積み上げての彼女のステージは、もはや聴く者に、落ち着いた演奏の中で、ひとつひとつ語り聴かせるようなタイプのライブ・ステージになっていることが良く解るのである。
(参考)
「ワルシャワ蜂起の悲劇とジャズ」 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/umiera-pikno-5f.html
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コメント
風呂井戸さん もしやと思ってYOUTUBE見たら、ライブの動画が3つほどアップされていました。「Abbey Lincoln」作詞作曲という「Throw It Away」がよかったかな。
投稿: 爵士 | 2012年10月27日 (土) 22時40分
爵士さん、ご指摘でYOUTUBE 見てみました。確かに3っこのライブものに関してアップされていますね。雰囲気は解りますね。^^)
ポーランドでは残念ながらjopek関係に掘り出し物に行き当たりませんでした。あのライブ「Farat」のDVDが欲しいと思っているんですが・・・・。
投稿: 風呂井戸 | 2012年10月28日 (日) 12時26分