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2012年11月28日 (水)

感動の40周年記念盤:キング・クリムゾンKing Crimson「太陽と戦慄」

またしてもフリップ翁の術中にはまって・・・・・・サラウンド・リミックスはお見事

 恐ろしやキング・クリムゾン!、アルバム「クリムゾン・キングの宮殿」、「レッド」と40周年記念盤にたっぷりとお世話になって、そして喜んだり、反省したりしてきたが、やっぱりその流れは止められず、ここに来て「Lark's Tongues In Aspic太陽と戦慄」に又々、ロバート・フリップの術中にはまって、40周年記念盤に現(うつつ)を抜かしているのです。

KING CRIMSON 「LARKS' TONGUES IN ASPIC」
(K2HD  HQCD  DVDAudio)
WHD Entertaiment  IEZP-38  ,   2012

Larks40cddvd_3

 私としても、何回と買わされるアルバム「太陽と戦慄」であるが、今回の目玉は・・・・
① K2HD Mastering HQCD の2012年度版ステレオ・ミックス
② 2012年 DTS 5.1 Digital Surround Mix
③ オルタネート・ミックス
④ ライブ映像もの

    ・・・・・・この3点であろう。
 とにかく一方今回は、CD、DVD、BDの15枚のボックス・セットもお目見えである。これは別に入手したいと思っているが、かってはブート漬けで明けても暮れてもキング・クリムゾンに振り回された私としては、ライブものも多くに接してきたので、今回はそこはちょっと別の手段に委ねて、取り敢えずのその中の注目4点を網羅したこの記念版に手を付けたわけだ。

Larkslp 左は、かっての私の持っている1973年のLP。この頃は絶頂期でしたね。
 キング・クリムゾンは、ビートルズを蹴落としての1969年の「クリムゾン・キングの宮殿」以来、試行錯誤を続けメンバーの出入りもあるも、4thアルバム「Ilandアイランド」をリリースした2期はスタジオ盤はそれに終わる。
 そして新メンバーとなっての第3期としてリリースされたのが、この1973年の「太陽と戦慄」だ。
 私は、このように大切に保存しているのであるが、その後CD時代となり、CD盤の購入。そして更にリマスター盤の登場など関わり合いは続いていた。
 
Larks30_2  そして極めつけは”30周年記念24ビット・リマスター盤”だった(左)。何度か買わされてきた訳だが、確かにサウンドの改良はみられたし、こんなところで一段落かとも思っていたが、なんとなんと、ここに来てピンク・フロイドと同様に、2012年ステレオ・リミックス、5.1サラウンド・リミックスを施しての登場で、またまた飛びつかざるを得なかったのである。

 もちろん、クリムゾンのあのデビュー・アルバム「宮殿」は、当時なかなか手に入らなかったし、そして手にして聴いた曲群には圧倒されたわけであるが、・・・・やっぱりその後の再度の大きな衝撃はこの「戦慄」であった。

Larksmembers  この3期は、左のようなロバート・フリップによって、ビル・ブラフォード、ジョン・ウェットン、デヴィット・クロス、ジェイミー・ミューアが集められ(作詞にリチャード・パーマー・ジェイムスもいる)この衝撃的アルバムがリリ-スされたわけだ。
 とにかくロック・ミュージックにあってインプロヴィゼイションというものに挑戦したこのメンバーの技量は優れものだった。
 アグレッシブとも言えるギターに、ミューアのパーカッションの音の瞬間というものへの挑戦、クロスのヴァイオリンの危機感と美の表現など、かってロック界ではあり得なかった世界の構築をした。

 確かに、クリムゾンにとっては歴史的アルバムであるが、ここに来ての5.1サラウンド・ミックスは、このアルバムには非常に効果満点のリミックスだ。これだけの繊細にして大胆な音が凝縮していたのかと、あらためてサラウンド音により感じ取れるのである。特に残響の強調でなく、各楽器を前方後方左右にうまく分離したための効果だ。
 
  もう一つ嬉しいのは映像物として、ビートクラブのLD盤でもっている映像の他に、インプロヴィゼーションの”the rich tapestry of life””Exiles”そして”Lark's tongues in aspic”が良い映像で見れることだ。私が当時も注目していたフリー・ジャズ的センスを持って、このバンドに貢献したミューアの各種パーカッション・プレイが堪能できるところが嬉しい。それもオルタネート・ミックスにても各曲の原点が垣間見れるが、特にやはりミューアのソロ・パーカッションによる”Easy money”が面白い。

 いやはや、40年経っても未だに感動できるアルバムであることは恐ろしいことである。

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=tCed47HdRu8

Pa061812mono2blog2
(ポーランド・クラクフにて  2012.10)

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コメント

私もレコードとCDは持っていますが、リマスター盤からは手が離れてしまいました。でも映像も付いているとなれば、これはもう買いしかないですね。昔ミューアが蓑みたいなものを身にまとい、笛を吹きながら叩いていた映像を思い出します。あの姿を見て、私は見てはいけないものを見たような恐怖に襲われたことを覚えています。まさに“戦慄”でした。

投稿: プロフェサー・ケイ | 2012年11月30日 (金) 21時12分

 プロフェッサー・ケイさん、お早うございます。
 確かに映像ではビル・ブラフォードも、ミューアにあっては圧倒されてます。
 昔、ビートクラブでの映像はLDで持ってますが、今回の記念盤もそれのプラスアルファ物と言って良いでしょう。
 5.1サラウンドが、この曲にはぴったりです。これがなかなか収穫でした。

投稿: 風呂井戸 | 2012年12月 1日 (土) 09時59分

実はアマゾンでアルバムを物色していたところ、何とまあ、クリムゾンの「太陽と旋律」のデジパック版が販売されていました。
 しかも今年の6月で、お値段も3000円少々とかなりお安くなっています。内容的にも全く一緒だと思います。これもフリップ氏の販売戦略の一環なのでしょうか。

 でもこれでは40周年記念ではなくて、41周年記念ではないでしょうかと相変わらず馬鹿なことを言っています。お許し下さい。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2013年6月26日 (水) 22時23分

 突然ですが、USAの40周年記念アルバムが10月に販売されるようですが、何か情報をつかんでいますか。また「Road to Red」という24枚組ボックスセットも販売されるそうですが、当然、風呂井戸氏は購入されるのでしょうね。
 詳細がアップされることを願っています。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2013年8月24日 (土) 22時06分

 プロフェッサー・ケイさん、こちらまでどうもです。
 「USA」は、CDとDVDの二枚で四〇周年記念ですね。CDはフルコンサートのニュー・ステレオ・ミックス。DVDは、ハイレゾ音源24bit/96KHzでのリリースのようです。私は「USA」に関してはいろいろとブートまがいのものがありますので、三〇周年はパスしていましたので、今回の四〇周年は買ってみようかなぁ~~ってところです。
 「赤ハコ」ですが・・・いろいろのところで中身の話が出ていますが、又してもフリップ翁様の術中にはまらないように警戒中ですが、なんとなく一万円札二枚握りしめて考えているところです(笑い)。

投稿: 風呂井戸 | 2013年8月25日 (日) 18時24分

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