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2012年11月 8日 (木)

賛否両論のダイアナ・クラールの新譜 「GLAD RAG DOLL」

まあ、そう売れるアルバムではないでしょうね

 遅まきながら ダイアナ・クラールDiana Krall のニュー・アルバム考察だ。遅れたのは内容の解らないときから、珍しく私としては日本盤のデラックス・エディションを注文し、DVD付き、ボーナス・トラック付きを狙ったためである。既にもう最近は評価が2分していて、一般に不評な声を多く耳にしていた事や、ちょっと耳に入る曲を聴いたところでは、どうも飛びつくほどの世界ではなさそうだと思っていたので、今回は全く期待しないでこのニュー・アルバムに接したという次第。

DIANA KRALL 「GLAD RAG DOLL」
UNIVERSAL MUSIC  ,   UCCY-9445  ,   2012

Gladragdoll

 しかし今回は大胆なポーズのジャケですね。近年のDVDで見た映像はかなり太ったかなぁ~と思いきや、なんとこのジャケ写真を見ると立派なプロポーション。・・・・と、そんなことはよいとして、彼女としては久々のアルバムのリリースで、実は大いに期待していたというのが偽らざるところ。しかし、既に感想はいろいろなところに聞こえてきたが、ひどいのは”こんなアルバム買わなきゃよかった”なんてのもある。

 プロデューサーにT・ボーン・バネットと聞いたところで、若干不安になったのですが、やっぱりと言うか案の定と言うか、我々ダイアナ・クラール・ファンの好む世界と歴然と違っていたことは事実であろう。

Gladragdolllist  全13曲、それもアメリカン・ルーツ・ミュージックの世界とくるから始末が悪い。つまり彼女には都会的な洗練されたジャズをファンは多分期待していると思うから、そのギャップはなかなか埋まらない。

 そして彼女にはピアノ・プレイの醍醐味が付いているが、どうもそれも今回は棚上げ、どちらかというとヴォーカリストにウェイトがある(このあたりは、先日取り上げたイリアーヌ・イリアスは、今回はヴォーカル抜きのピアノ・プレイで勝負し好評というのとは全くの逆)。
 もともと”親父声”とまで言われる低音の太めの男っぽい声は魅力と言えば魅力だが、そううまい唄というほどでなく、むしろその当たりが逆に魅力になっていた彼女であり、ここでそれをどう生かしたか?というのも焦点であろう。

  案の定、中身は多彩と言えば多彩。そしてアメリカのルーツに泥臭く迫ってゆくというダイアナ・クラール自身の希望はかなり達成されたのではないか?。とにかくブルース、カントリー、R&B、ロカビリーなどなどのオンパレード。それだけ統一感がないが、古き良き時代の雰囲気は伝わってくる。
 特に”you know-i know ev'rything's made for love”は、まさにギターそしてピアノのサウンド更に曲の展開は、西部劇に出てくる酒場ですね。
 なんとかアルバム・タイトルの曲”grad rag doll”はダイアナらしいバラードが聴ける。他にこれはと思ったのは”Lonely avenue”かなぁ、これは面白く仕上がっていて、ちょっと注目。

Diana1_2  しかし、近年確かにマンネリ感のあった彼女のアルバムも、ここに来てこれは転機の傑作なのか?、それともブーイングで、この次には又元に復帰してゆくのか?と・・・興味は尽きないと言えばそんなところでもある。
 ただ、多分このアルバムは売れないでしょう、それは彼女のファンは、このタイプを求めてはいないというのは歴然とした事実だと思うからである。しかしこうゆうアルバムをリリース出来る彼女の人気は恐ろしいとも言える。

 更に、このデラックス・エディションのDVDは、中身はお話しであまり意味が無い。T・ボーンが”これは、オールド・ファッションな音楽をやったのでなく、新たなファッション”と言っているが・・・・果たしてそうであろうか?。皮肉にも、ボーナス・トラックの方が、ダイアナ・クラールを聴いたという感じになった。

(試聴)   ① http://www.youtube.com/watch?v=qNoMtPplJKw
            ② http://www.youtube.com/watch?v=vJY8ix3MH3E

Pa081979monoblog
(ポーランド・ワルシャワにて    2012.10)

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コメント

シャロン・ストーン級の色気…

いつもながら絶景ジャケット感謝です(笑)。

音がイマイチとのことですが、自分のような初見参には全く問題ないかもしれないです、このジャケットなら。
気になってしょうがないんですけどね、今(笑)。

投稿: フレ | 2012年11月 8日 (木) 19時55分

冷静な分析評価、面白く読ませていただきました。おっしゃるとおり、私も含め、あのおやじ声によるクラール節が聴きたいというファンが多いのでは ・・・。もちろん新機軸やマンネリ打破というクラールサイドの思惑は判るのですが ・・。カッサンドラ・ウイルソンのように次々と新しい引き出しを開けて見せてくれるというシンガーもいるのですが ・・・。

投稿: 爵士 | 2012年11月 8日 (木) 22時46分

お早うございます。

フレさん、
 ロック一筋のフレさんも、時にはあっちこっち寄り道して下さい。ジャズはピアノ・トリオと女性ヴォーカルなんかは・・・結構これはいただきってのが多いです。^^)

爵士さん、
 やっぱりね、ダイアナ・クラールはピアノ・プレイを聴かせながら、必ずしもバラード調だけでなくてもいいですから、しっとり唄って欲しいと思うのですが。カッサドラ・ウィルソンの名前が出てきて驚いていますが、あのディーブ・ヴォイスも・・・、いやはやJazzヴォーカルも多彩でいいですね。

投稿: 風呂井戸 | 2012年11月 9日 (金) 09時33分

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