夜を唄うホリー・コールHolly Cole : 記念アルバム「NIGHT」
日本デビュー20周年記念アルバムは納得ものであった
今年の春にライブ映像アルバム「STEAL THE NIGHT」で喜んでいたんですが、彼女の日本デビュー20周年記念アルバムとしての「夜NIGHT」も今年リリースされている。そして2013年早々の1月には日本公演も決定しているというところで、貫禄の(1963年生まれ)ホリー・コールの話題も久々に賑わっている。
いずれにしても”夜”が好きという彼女のそのものとも思われるアルバムであり、久々に私にとっても納得ものであったのでここに取り上げてみた。
HOLLY COLE 「NIGHT」
Rumpus Room Records TOCP-71318 , 2012
アルバム・ジャケの彼女の顔は、いやに鋭い目つきで恐ろしそうだが、なんとなんと心配なく優しく”夜”を唄ってくれる。もともとアルバムのタイトルは、後から付けられたらしいが、最終的にその出來が”夜”のイメージに仕上がってのことでタイトル名が決まったようだ。考えてみれば、スタジオ・アルバムとしては4年ぶりになるのだろうか?。
なんと言ってもホリー・コールと言えば”Calling you”ということになるが、独特の節回しは結構日本人に受けて、所謂アメリカン・ジャズ・ヴォーカルと言うのとは一線を画して、ホリー・コール節のJazzyなヴォーカルアルバムと言った方が良いのかも知れない。そして女性にも人気があるところが特徴だ。(日本盤にはボーナス・トラックとして、前映像ライブ・アルバム「STEAL THE NIGHT」のなかより”Calling You”などが納められている)
今回の新録音物の主たるメンバーは
holly cole : voice
Aaron davis : piano
Marc rogers : bass
Davide direnzo : drums
収録リストは左のようなところ。
スタート”You only live twice”は、あの”007は二度死ぬ”のテーマからであるが、これが又ホリー・コール節で別の曲のようだ。
このアルバムで最も気に入ったのは4曲目”You've got a Secret”、これは前ライブ・アルバムにも登場したもので彼女自身のオリジナル曲。"隠しごとがあるんでしょ、何をやらかしたのかしら、その眼差しには悲しみの色がうかんでいる、歌にならないなにかが"と唄う。これぞホリー・コールという夜の心が感じられる落ち着いたいい曲だ。途中から入るクラリネットもムードを盛り上げて歌い上げる。
8.”Love lies”、それに続くトム・ウェイツの9.”Whistlin' past the graveyard”、そして10.”If you go away”と、私好みに夜のムードが続く。そして最後の曲まで秋の夜にはぴったりだ。
いずれにしても、これは彼女のアルバムでも出色の部類に入ると思う。
(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=HTP8Rikg5RU
(参考) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/holly-cole-stea.html
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コメント
ホリー・コール、私も好きですね。どんな歌も彼女なりのドラマに仕立ててしまう。
投稿: 爵士 | 2012年11月24日 (土) 15時11分
爵士さん、コメントどうも有り難うございます。
不思議に、私はロックは女性ヴォーカルはそれほど好きでなく、ジャズ系はヴォーカルは女性がいいですね。
そして自分の世界を作り上げられるヴォーカリストは素晴らしいと思います。
投稿: 風呂井戸 | 2012年11月24日 (土) 19時53分