ダイアン・ハブカDiane Hubka のギター・ヴォーカル・アルバム : 「WEST COAST STRINGS」
この秋に出た多彩なギタリストを迎えてのヴォーカル・アルバム
DIANE HUBKA 「WEST COAST STRINGS」
Sinatra Society of JAPAN , XQAM-1524, 2012
冬になったばっかりなのですが、そしてクリスマスというのに・・・・・、もう夏が恋しくなってきた。歳をとると寒さが厳しい今日この頃です(笑)。
そこで今年の暑かった夏を思い起こし、この11月にリリースされたダイアン・ハブカのアルバムを、部屋を思いっきり暖かくして聴いているんです(嫌ですねぇ~~~)。しかし中身は夏物というわけではありませんから、当然今のシーズンでも楽しめます。
このアルバムは2007年にリリースしたアルバム「NUAGESヌアージ」の続編的ものかとも思われるが、あれは東海岸での活躍のギタリスト7人をフューチャーしていたが、今回は彼女が2004年には西海岸に移動したことから、ここで再びじっくりと、多くのギタリストを迎え、それぞれの曲でそれぞれのギタリストの個性を生かしながら彼女が唄って、曲を仕上げた様子が良くわかる。
ダイアン・ハブカの紹介については、このブログでも過去に取り上げているので省略する(参考:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/diane-hubka-533.html)。
さてこのアルバムに登場する多くのギタリストは左のようになる。こんどは西海岸で活躍中のメンバーだ。彼女自身もギタリストですから、このアルバムでは当然自分でも弾いているので、総勢9人と言うことになる。そしてその他のバンド構成は、主としてベース、ドラムスというところだが、曲によってオルガンが入る。演奏も曲の印象は、全体的に派手さを追っていないで、落ち着いた味である。
もともとギタリストの彼女はヴォーカルはギターとの相性はそれなりに研究つくしているのだろうと思う。そんなところでジャズ・ギターをバックにしての彼女のヴォーカルはなかなかいいムードだ。
それはしつこさがなく、又シャウトするところは当然みられず、そして年期のヴォーカルというところで不安感無い。ライナーノーツ担当の後藤誠に言わせると”さわやか”と表現して書いているが、まあそこまでは言わなくとも、確かに嫌み無く、落ち着いた世界に導いてくれるし、気品もあってなかなかいいじゃないかというのは事実である。欲を言えば、もう少しセクシャル・アッピールがあると面白いのかなぁ~~とも思うが、その点はそうではないから良いというということになるのかも知れない。このあたりは難しいところ。
収録はカヴァー曲集というところで13+1の14曲登場するが、私にとっては耳新しい曲もある。
彼女はもともと大学で歴史と会計学という分野を学んで、ギターを弾くようになったというだけあって、そしてその後十数年は経過しているので、何となくヴォーカルも大人っぽい世界を感じさせる。
”Amanhacer”はベテランのジョン・ピサノのギターと、”Never let me go”はラリー・クーンズのギターと、”Slow hot wind” はロン・エシュテのギターと、”a flower is lovesome thing”は女性ギタリストのミミ・フォックスとで、なかなか落ち着いた情感のある味を出している。ダイアナ・クラールでお馴染みのアンソニー・ウィルソンは3曲に登場して、”Someone else is steppin'in”では、ボビー・ピアスのオルガンとリズミカルな展開をソロ演奏も含めて聴かせてくれて、ハブカのヴォーカルがここでは躍動する。
7弦ギターを操るダイアン・ハブカは、歳は明らかにされていないが、キャリヤから想像してみても40歳以上と想像している。そんな味をむしろ武器にてしっかりとしたハブカ世界を持ってジャズを楽しませてくれるヴォーカリストといっていいと思っている。
(試聴)このアルバムの映像は見当たりませんので・・・・・取り敢えず、ダイアン・ハブカのライブものを参考にどうぞ・・・・・・http://www.youtube.com/watch?v=z_2o4T5TvMQ
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