ポーランド・プログレ・バンド BELIEVE : 「WORLD IS ROUND」
ポーランドを探っていての一枚。
<ROCK> BELIEVE 「WORLD IS ROUND」
Metal Mind MMP CD 0682 , 2010
もともと私は音楽において、ロック、ジャズ、クラシックと特別ジャンルは問わない(ただしある時期は、なんとなくどれかの分野に没頭する傾向はあるんですが)。いずれにせよ、まぁ自分で聴き惚れれば良いと言うことから、・・・・どうもここで取り上げるのも多種多様、そんなことから今年からバンドなどアーティストの頭にジャンルを記すことにした。
このところ結構病みつきになっているポーランドのミュージック。ロックにも・・・・何か面白い物は?と、諸々を探っていたら、なんとなく行き当たったバンドがこの”BELIEVE”。どちらかというとシンフォニック・プログレの範疇かとも思うが、ハードな面もあって面白い。
6人編成によるポーランドのバンド。
( members )
Karol Wróblewski : vocal
Mirek Gil : Guitars
Prezemas Zawadzki : Bass
Satomi : Violin
Vldi Tafel : Drums
Konrad Wantrych : Keyboads
どうゆう経過かは知らないが、ヴァイオリンが入るが、それがなんと日本人女性が担当している。いずれにせよ、ギターのMirek Gil を中心にしたバンドであるというが・・・・・、彼はかってポーランド・シンフォニック・プログレ・バンドのコラ-ジュCOLLAGEで名作を残した男だ。この世界では重要人物。
このアルバムどちらかというとポーランドそのものというよりは、UKっぽいと言っていいだろう。あまり仰々しくないキーボード、取り敢えず曲をリードしてゆくギターの音が流れ、そこにヴァイオリンが、なんとなく哀愁のムードを盛り上げるタイプ。昔のクリムゾンのデヴィット・クロスのようなスリリングなヴァイオリンという面はない。リズム隊のドラムスはどちらかというとドスン、バタン系の音で重く響く。プログレといってもインスト系でなく、結構ヴォーカルの比重が大きい。
収録曲は左のような10曲。このアルバムは彼等の4作目で2010年にリリースしたもの。1stは2006年の「Hope to See Another Day」だ。どのアルバムもインターナショナルを目指してのことだろうと思うが、英語による作品だ。
このアルバム、冒頭のアルバム・タイトル曲”world is round Part1”からヴォーカルの印象の強い曲としてスタート、このヴォーカリストは3rdより変わったようだ。そしてどちらかというと癖のない唄いっぷり。男性的という太い声でもなく、そうハイトーンでもなく中庸を得たマイルドというのが良い表現だ。
全体に非常に聴きやすい。シンフォニックといっても結構ベースとドラムスの刻むメロディーが強調されていて、キー・ボードがぐんぐん世界を広げていくシンフォでなく、これは紛れもなく比較的原点的ロックの世界、ギターは結構私好みに泣いてみせる。
4曲目の”cut me paste me”あたりはメタリックなヘビー・ロックという面もみせてメリハリが効いている。又最後の”poor king of sun/return”は9分以上の曲で中近東風の異国ムードが感じられ、ヴァイオリンももの悲しく響きピアノも美しい。
取り敢えず評価をしてみると、トータルに上出来のアルバム ★★★★☆。
(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=CEyzr-f8tcY (取り敢えず、BELIEVE のサウンドを聴いてください)
<Today's PHOTO>
(今年から、一枚ずつ私の拙いフォト作品を掲載することにしました。よろしくお付き合い下さい。出来ればアーティクルと関連があれば良いのですが、なかなかそうは行きそうにありません。今回はこのシーズンにマッチしていると言うことでご容赦を)
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コメント
こんばんは。ポーランドといえばコラージュというバンドを思い出します。もう解散していますが、90年代の半ばに「ムーンシャイン」という素晴らしいアルバムを発表しています。
またジョン・レノンの歌を集めた「ナイン・ソングス・オブ・ジョン・レノン」というアルバムも発表しています。
いずれも国内盤が発表されていましたが、今はネットで安く買えます。
実はこのBelieveというバンドのギタリストミレック・ギルは、元コラージュのギタリストです。ですからかなりのベテランでかつ実力派だと思います。コラージュについては私のブログにも載せています。
新しいバンドを紹介してくれてありがとうございました。ニュー・アルバムが出ましたらまた教えて下さい。
投稿: プロフェッサー・ケイ | 2013年1月10日 (木) 20時37分
プロフェッサー・ケイさん今晩わ。コメント有り難うございます。このBELIEVE のギタリストMirek Gilは、元はCOLLGEというバンドにおり、SATELLITEというバンドとこのBELIEVEに分派したというところは解っていましたが、そのCOLLGEは聴いてなくて私は知りませんでしたので、トラック・バックを頂いて参考になりました・・・・・どうもどうもです。
いやはや、世界は広くて楽しいですね。
投稿: 風呂井戸 | 2013年1月10日 (木) 21時35分
こんばんは、このテーマとは関係ないのですが、ポーランドのジャズ・ロック・バンドにピンク・フロイトというどっかで聞いたような名前のバンドがあります。
かなり高度な音楽性とテクニックを持っているようで、近々来日公演を行うようです。私よりも風呂井戸さんの守備範囲だと思われますので、もし機会があれば詳細を教えて下さい。
投稿: プロフェッサー・ケイ | 2013年1月26日 (土) 21時42分
プロフェッサー・ケイさんこんばんわ。
ピンク・フロイトというバンドは確かにあります。既に過去にも来日していますね。
「PINK FREUD」ですね。ジャズ・バンドといっていいのでしょうか?、ちょっとパンクっぽいロックも加味されていて、ちょっと私の世界とは???・・・・と言うところです。ギター、ドラムス、トランペット(サックス)というところにエレクトリック・プログラミング・サウンドを混ぜたりしているようですが、私は詳しくはありません。ちょっと興味とは別物でして・・・・。
投稿: 風呂井戸 | 2013年1月26日 (土) 23時39分