« 2012年12月 | トップページ | 2013年2月 »

2013年1月31日 (木)

ケヴ・モ Keb' Mo' のブルース、ロック、フォークの世界

コンテンポラリー・ブルースの世界というところか

 昨年(2012年)、オバマ大統領にホワイト・ハウスに招かれ、B.B.キング、バディ・ガイなどとブルースを演じているケヴ・モの姿を見て(参照:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/red-white-and-b.html)、ふと思い出したアルバムがある。

<Rock , Blues>  Keb' Mo' 「suitcase」
SONY BMG MUSIC  ,  EPIC/ONE HAVEN/RED  82876776212 , 2006


Suitcase

 そもそもディープ・ブルースの申し子的期待が持たれているケヴ・モ、そんなところから手にしたアルバムであった。しかし意外にも、カントリー・ブルースを基礎に持ちながら、ロックやソウルの色づけもあって、まあ所謂”Contemporary Blues”を展開しているアルバムなのだ。
 彼は本名ケヴィン・ムーア(Birth Name : Kevin Roosevelt Moore)で1951年ロサン・ゼルス生まれ(ケヴィン・ムーアと言うと、私の好きな元ドリーム・シアターのキーボード・プレイヤーが出てきてしまう。彼とは勿論別人です)。1980年にR&Bのソロ・アルバムをリリース、その後モンク・ヒギンズのバンドで演奏していて、ブルース界大御所と出会いブルースに傾倒したという。1994年になって”ケヴ・モ Keb' Mo'”という名にてブルース・アルバムをリリース。そして歴史的ブルースの人ロバート・ジョンソンの曲も取り上げたりで、彼はなんと言っても”ブルースの人”として、その存在価値を高めている。オバマ大統領にとっても、多分ブルースは心の友としての世界があるのだろうと推測するところ。
 ’96年の「Just like You」、’98年の「Slow Down」、’04年の「Keep it Simple」で3度グラミーを獲得している。

Suitcaselist 収録曲は左のように12曲。
 ”The Itch”はPercussionなど多彩な楽器が加わって入って、リズムも快調で楽しい。 
 ”I'm A Hero”は彼のElectric Guitarの他にBass、 Drums、 HammondなどにPedal Steelも入って、自己の心を唄って聴かせ感動的。
 そしてアルバム・タイトルの曲”Suitcase”や”Whole 'Nutha Thang”はブルースの味が満ちている。
 更に”Still There For Me”、”I'll Be Your Water”などの曲は、ブルースというよりはAccustic Guitarで聴かせるフォーク調の曲で、なかなか印象深く唄ってくれる。
 
Kebmobio11  私は彼の全アルバムは聴いていないが、このアルバムのように彼の作り上げる曲は、単なるブルースというのでなく、カントリー、ソウル、ロックの味付けで面白く聴けるのであるが、やはりどこか哀愁も感じられるところがケブ・モのケブ・モたる所以とみて良いのだろう。

(試聴) 
http://www.youtube.com/watch?v=fEnqOjSvyvk  

    *       *       *
 

Reflection500
(左)~ 参考までに彼の最新アルバム~

<Rock , Blues> Keb' Mo' 「THE REFLECTION」
Yolabelle Internatio  11117  ,  2011

【収録曲】
1. The Whole Enchilada (Songwriters: Kevin Moore & John Lewis Parker)
2. Inside Outside (Songwriters: Kevin Moore & Skip Ewing)
3. All The Way (Songwriters: Kevin Moore & Maia Sharp)
4. The Reflection (I See Myself In You) (Songwriters: Keb Mo & Phil Romocon)
5. Crush On You featuring India.Arie (Songwriter: Kevin So)
6. One Of These Nights featuring Dave Koz (Songwriters: Glenn Frey & Don Henley)
7. My Baby's Tellin' Lies featuring Vince Gill (Songwriters: Kevin Moore & Vince Gill )
8. My Shadow (Songwriters: Kevin Moore & Leon Ware)
9. We Don't Need It (Songwriters: Kevin Moore & Alan D Rich)
10. Just Looking (Songwriters: Kevin Moore & Alan D Rich)
11. Walk Through Fire (Songwrites: Kevin Moore & Melissa Manchester)
12. Something Within (Songwriters: Kevin Moore & Lucie E. Campbell)

<Today's PHOTO>

Blog
(OLYMPUS PEN EP-3 ,  M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm 1:3.5-5.6)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年1月26日 (土)

スコットランドのトラッドの発展形(Folk Rock)を唄う : エディ・リーダー Eddi Reader

アコースティックな音をベースに、牧歌的な中の人間的美を唄うところは傑出している

Er1  ここでエディ・リーダーEddi Reader という女性シンガー、ソングライターのアルバムを取り上げる。多分、この世界は私は自ら買って聴くことはないだろうと思うのであるが、昨年友人から頂いていた2枚のCDがあるので聴いてみての感想だ。こうして取り上げると言うことは、聴いてみるとなるほどと、その価値を知ることが出来たからである。

 彼女はイギリスはスコットランド南西部のグラスゴーの出身(1959年生まれ)。1987年にロック・グループ”フェアーグラウンド・アトラクション”のヴォーカルを努めた。このバンドはアコースティックなサウンドで、トラッド臭さにジャズ、ロック、ソウルといったムードを築く異色バンドで人気があったというが、私は聴いてないので解らない。90年には解散している。
 彼女は今年3月には日本に来てのライブ活動も決まっている。結構スコットランドのトラディッショナルな音楽を愛するその筋では、長く人気を維持しているようで日本でもファンは結構居るようだ。

 さてそこでソロとなり、シンガー、ソクグライターとしてトラディショナルではあるが、フォーク・ロックの因子の強い活動を展開。そんな中の2枚のアルバムを取り上げる。

<British Folk Rock> eddi reader 「love is the way」
Victor Entertainment ,  VICP 64749,   2009

Eddi_readerlove_is_the_way
 このアルバムは全曲(15曲)彼女のオリジナル曲、 既にベテランとなつての作品。生まれ故郷のグラスゴーに落ち着いての作品のようだ。

 こうした作品は、華やかさとか時代に乗ってのインパクトのあると言うものでない。しかしなるほど彼女の声は比較的透明感があり、そしてシャウトするといったところは全くなく、穏やかに語るようにそして聴かせるという歌である。こんなところが魅力として受け入れられているのだろう。アコースティックな音をバックに、包み込むような幸福感を導いてくれてたまらないと言うファンの表現があるが、なるほとど思わせる。

Lovelist

 これは比較的最近の作品で、彼女も50歳を過ぎているということになるが、その割には若々しい魅力ヴォイスには驚かされる。

     *           *          *

<British Folk Rock> EDDI READER 「SINGS THE SONGS OF ROBERT BURNS」
Rough Trade ,  RTRADCDX097 ,  2003

Eddisongs_the_songs_of_rb  これは彼女の代表作とも言われるアルバム(このアルバム・ジャケはなかなかいいです)。
 スコットランドの国民的詩人ロバート・バーンズの楽曲をを取り上げ、彼女の編曲が施され歌い上げたもの。このバーンズという男の作品は、私の全く知らない世界だが、Amazonレビューをみるとトラッドの牧歌的世界とはかなり別物で、なかなか田舎ものとしては洒落た乱痴気騒ぎや女性との破廉恥なじゃれ合いなどを描いているらしい。それをこのエディ・リーダーが、トラッドの因子が強いブリティッシュ・フォークの人間的な味のある世界に昇華しての作品として唄い作り上げたところにその味と価値があるとみて良いのだろう。
 とにかく、人の心に響かせるがごとくの包容力あるまろやかな歌の牧歌的世界への変化は一つの芸術であるのかも知れない。いやはや奥は結構深いようです。

 このアルバムにはブリティッシュ・フォークの一流どころが共演しているらしいが、ストリングスもバックに流れ、結構盛り上げに成功している。
 
  1. Jamie come try me
  2. My love is like a red red rose
  3. Willie stewart/Molly Rankin
  4. Ae fond kiss
  5. Brose and butter
  6. Ye jacbites
  7. Wild mountainside
  8. Charlie is my darling
  9. John Anderson my jo
10. winter it is past
11. Auld lang syne

 
このようなアルバムは、イメージとしては優等生過ぎるところが、残念なところ。私的には、良いのであるがのめり込む因子が薄い。もう少し危ないスリリングなところが見え隠れすると納得ものになるというところ・・・・・、こうした世界にそれは求めること自体ナンセンスな話であることは解ってはいるのだが・・・・・。

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=jXH9DVS76yM

<Today's PHOTO>

Monoblog_2
(Hasselblad 503CX , Planar 2.8/80)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年1月21日 (月)

2012年ホワイト・ハウスに招かれた大物アーティスト映像 : 「Red White and Blues」

錚々(ソウソウ)たるメンバーのライブ・パフォーマンス映像
~ミック・ジャガー、ジェフ・ベック、B.B.キング、バディ・ガイ、ケヴ・モ、ウォーレン・ヘインズ、デレク・トラックスら~

Redwhiteblues<Rock, Blues>IN PERFORMANCE AT THE WHITE HOUSE 「Red White and Blues」
DVD-Bootleg, VIDEOSMASH VS-168R ,  2012

 いやはや、ブート映像もここまでくると有り難さと感謝です。あの毎年オバマ大統領が大物アーティストをホワイト・ハウスに招いて行っているスペシャル・イベントが、そっくりプロショット高画質で見れるのですから・・・・。
 これは最新の2012年2月21日の”イン・パフォーマンス・アット・ホワイトハウス2012”の模様。

 日本未放送である毎年注目の非常に親密なムードで行われるホワイト・ハウス・ライブを、ハイヴィジョン高画質TVマスターからの収録でお見事なブートであり、そしてそして招かれたメンバーのB.B.キングを中心にしての共演が見どころだ。
 米国ではこんな企画が行われているんですね。
 
 ホワイト・ハウスの中のこれは何の間かは知らないが適当な広さがあり、おおよそ100人が集まっており、ステージが作られバック・バンド・メンバーがそろっているところに、オバマ大統領が夫人と共に入場して挨拶。

 招かれて演ずるアーテイストは2012年は下記の通りだった。

Whitehouse2  B.B.King
  Mick Jagger
  Jeff Beck
  Buddy Guy
  Trombone Shorty
  Derek Trucks
  Susan Tedeschi
 Shemekia Copeland
  Gary Clark Jr.
  Keb' mo'
  Warren Haynes

 
 そして全員でB.B.キングを囲んで”Let The Good Times Roll”を演じてスタート。内容は次のようなところ。

Redwhiteblueslist_4 
 ”Let me love you baby”はバディ・ガイと、”Commit a crime”ではミック・ジャガーとそれぞれジェフ・ベックが共演してなかなか見どころとなっている。相変わらずバディ・ガィのブルースには痺れるし、ジェフ・ベックのギターもいつ見てもバディとはいいコンビでそれを盛り上げる。ミック・ジャガーは、”I can't turn you loose”では、もう止めてもいいのじゃないかと思うほどの歳に似合わない演技とヴォーカル、しかし会場は盛り上がる。ジェフ・ベックとの共演も考えてみれば貴重な映像である。
 今人気のゲィリー・クラーク・ジュニアGary Clark Jr'や、なんとケブ・モ Keb' Mo'のブルースも登場して、オバマも心酔している様子が良くわかる。やはりベースにはブルースがあるんですね。特にケヴ・モは久々に私は映像で接したが、彼のブルースの根源に迫る哀感の心が伝わってきた。

 しかしこうした映像はしまっておくのはもったいない話。このようにお目にかかれるのは、アメリカのホワイト・ハウスは日本と違ってなかなか開けているところが良くわかるのである。
 取り敢えずこのブートは内容は勿論だが、映像、サウンドも良好で・・・★★★★★と、満点を付けてしまう。

 なお、このブートにはもう一つオマケがあって、前回取り上げたジェフ・ベツクのロックンロール・オーナーに2011年に殿堂入りしたあの記念ステージの映像が付いている。シャイな彼の挨拶と記念ステージ演奏が観れる。取り敢えずのサービス満点というところ。

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=7KV3JaX1nn4

<Today's PHOTO>

Monoblogsig
(Hasselblad 503CX , Planar 2.8/80)

 
 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年1月14日 (月)

ジェフ・ベックJeff Beck は、やっぱりライブ映像で・・・・”Classic Rock Roll of Honour”etc

”ロックは演っているその瞬間が全てだ”と語るジェフ・ベック

Jeffclassicrock2011 <Rock> JEFF BECK 「CLASSIC ROCK ROLL OF HONOUR 2011」
DVDR-471  ,   2012

 何故か私のところには増える一方のジェフ・ベックのブート映像DVD、確かに彼のライブ映像は人気を反映して巷に多い。そして2010年の久々の彼のスタジオ・アルバム「EMOTION & COMMOTION」リリース後の彼の世界を巡るライブ活動も、2011年の最後まで続いた(参考 : http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/jeff-beckemotio.html)。
 そのため昨年(2012年)の一年間、ブートBootlegの市場にて、彼の活動映像が大いに賑わせてくれたのだった。これもそんな中の2011年11月の彼の活動を評価されての受賞と記念ライブの模様の一枚である。

 このDVDはその受賞パーテー”classic rock roll of Honour 2011”が主であるが、その他2010年の各地でのジェフ・ベックの活動のダイジェスト的映像が5種ぐらい登場するところがミソ。

Veronicabellino_2  この”classic rock roll of Honour 2011”では、最も名誉あるこの年の「The Living Legend Award」にジェフ・ベックが選考され受賞した。その受賞パーテーでの彼の演奏がプロショットの優良映像音質で収録されているのだ。(ちなみに「Event Of The Year」には、ロジャー・ウォーターズの”The Wall Live Tour”が受賞した)
 (左)さてここで注目されるのは、ジェフ・ベックの新バンドの登場だ。ベースは、このところの好評のロンダ・スミスRhonda Smithは当然として、なんと新ドラマーに若き女性が登場する。彼女の名はヴェロニカ・ベリノVeronica Bellino、ドラマーでありソングライターでもある。
 こうしてジェフ・ベック・バンドは2人の女性を擁したバンドとなり、この日に堂々たる演奏をする。このメンバーはスタジオ・ニュー・アルバム制作に携わるのだ。そしてこの日、特にレディー・ガガの”Bad Romance”を演じてこれも話題になった。

Jeffjoss1

 又、ゲストとしてアルバムにも登場したジョス・ストーンJoss Stoneが”I Put A Spell On You”を、例のごとく裸足でステージに登り熱唱した(左)。更にあのプリテンダーズのクリッシー・ハインドChrissie Hyndeもフューチャーされ、”I'll Stand By You”を唄うというサービスぶり。こんな記念ステージがしっかりと納められている。
 こうして近年のジェフ・ベックは、ベースの可愛いタル・ウィルケンフェルド、何言っても格好のいいロンダ・スミス、そして今回のヴェロニカ・ベリノと、女性をうまくあしらったバンドとしての歩みも、それなりにうまくいっているのは彼の年期といったところだろうか。

 このDVDには、その他2010年のLos Angelesにおける演奏やジェフのインタビューも収録されているが、そこでのジェフの話がなんとも面白い。特に”ロックは演っているその瞬間が全てだ”という話が興味深い。又ロジャー・ウォーターズのアルバム「死滅遊戯Amused to Death」(1992)の共演については、かなり深刻になって参加した話と、そのアルバムの素晴らしさに言及している。
・・・・・ということで、このブートDVDは、評価は合格点★★★★☆

(試聴 : http://www.youtube.com/watch?v=cVNFCJoy1hU )

<Today's PHOTO>

2monoblogb
(Hasselblad 503CX , Sonnar 4/180)

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013年1月 9日 (水)

ポーランド・プログレ・バンド BELIEVE : 「WORLD IS ROUND」

ポーランドを探っていての一枚。

<ROCK> BELIEVE 「WORLD IS ROUND」
                 Metal Mind     MMP CD 0682 ,  2010

Worldisround  もともと私は音楽において、ロック、ジャズ、クラシックと特別ジャンルは問わない(ただしある時期は、なんとなくどれかの分野に没頭する傾向はあるんですが)。いずれにせよ、まぁ自分で聴き惚れれば良いと言うことから、・・・・どうもここで取り上げるのも多種多様、そんなことから今年からバンドなどアーティストの頭にジャンルを記すことにした。

 このところ結構病みつきになっているポーランドのミュージック。ロックにも・・・・何か面白い物は?と、諸々を探っていたら、なんとなく行き当たったバンドがこの”BELIEVE”。どちらかというとシンフォニック・プログレの範疇かとも思うが、ハードな面もあって面白い。

Believemembers  6人編成によるポーランドのバンド。
 ( members )
  Karol Wróblewski : vocal
  Mirek Gil : Guitars
  Prezemas Zawadzki : Bass
  Satomi : Violin
  Vldi Tafel : Drums
  Konrad Wantrych : Keyboads

 どうゆう経過かは知らないが、ヴァイオリンが入るが、それがなんと日本人女性が担当している。いずれにせよ、ギターのMirek Gil を中心にしたバンドであるというが・・・・・、彼はかってポーランド・シンフォニック・プログレ・バンドのコラ-ジュCOLLAGEで名作を残した男だ。この世界では重要人物。
 このアルバムどちらかというとポーランドそのものというよりは、UKっぽいと言っていいだろう。あまり仰々しくないキーボード、取り敢えず曲をリードしてゆくギターの音が流れ、そこにヴァイオリンが、なんとなく哀愁のムードを盛り上げるタイプ。昔のクリムゾンのデヴィット・クロスのようなスリリングなヴァイオリンという面はない。リズム隊のドラムスはどちらかというとドスン、バタン系の音で重く響く。プログレといってもインスト系でなく、結構ヴォーカルの比重が大きい。

Worldisroundlist  収録曲は左のような10曲。このアルバムは彼等の4作目で2010年にリリースしたもの。1stは2006年の「Hope to See Another Day」だ。どのアルバムもインターナショナルを目指してのことだろうと思うが、英語による作品だ。
 このアルバム、冒頭のアルバム・タイトル曲”world is round Part1”からヴォーカルの印象の強い曲としてスタート、このヴォーカリストは3rdより変わったようだ。そしてどちらかというと癖のない唄いっぷり。男性的という太い声でもなく、そうハイトーンでもなく中庸を得たマイルドというのが良い表現だ。
 全体に非常に聴きやすい。シンフォニックといっても結構ベースとドラムスの刻むメロディーが強調されていて、キー・ボードがぐんぐん世界を広げていくシンフォでなく、これは紛れもなく比較的原点的ロックの世界、ギターは結構私好みに泣いてみせる。
 4曲目の”cut me paste me”あたりはメタリックなヘビー・ロックという面もみせてメリハリが効いている。又最後の”poor king of sun/return”は9分以上の曲で中近東風の異国ムードが感じられ、ヴァイオリンももの悲しく響きピアノも美しい。
 取り敢えず評価をしてみると、トータルに上出来のアルバム ★★★★☆。

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=CEyzr-f8tcY  (取り敢えず、BELIEVE のサウンドを聴いてください)

<Today's PHOTO>
(今年から、一枚ずつ私の拙いフォト作品を掲載することにしました。よろしくお付き合い下さい。出来ればアーティクルと関連があれば良いのですが、なかなかそうは行きそうにありません。今回はこのシーズンにマッチしていると言うことでご容赦を)

Monoblogsig 
(Hasselblad 503CX, planar2.8/80, PL)

| | コメント (4) | トラックバック (2)

2013年1月 4日 (金)

イタリアン・ロックの軌跡(5) : P.F.M. 「幻想物語」、「友よ」

イタリア・プログレの原点的バンド~P.F.M.

 昨年をちょっと振り返ってみたら、そうそうイタリアン・ロックの回顧を始めて中断したままになっていた。それならばと、最も原点的なイタリア・プログレッシブ・ロックを取り上げて再び時々この回顧を続けていこうと思った次第。
 1970年代に、その道で知る人ぞ知るイタリア・プログレ、これが’80年代後半になってCDの登場でにわかに再発ブームによって一大ブームを起こした。
 それにはなんといってもキングレコードの功績が大きい。地方にいた私はなかなか手に入らなかった為に、わざわざLP購入のために上京したものだが、それがCD再発によって地方でもある部分は購入できるようになった。その代表格が、キングの”EUROPEAN ROCK COLLECTION~CRiME シリーズ”だった。

P.F.M.  「幻想物語 STORIA DI UN MINUTO」
KING RECORDS   K32Y 2180  ,   1988  (Original  1971)

1st_2

 P.F.M.(PREMIATA FORNERIA MARCONI)とくれば、これぞイタリア・プログレの代名詞。まずこの彼等の1stアルバム「Storia di un minuto」とは、日本版のタイトルは”幻想物語”になっているが、直訳すれば”1分の物語”だ。このタイトルからしてまさに我々に何かを示唆している。彼等はここに探求したロックという世界を超えた音楽の世界が見え隠れする。そして私が愕然としたのは英国プログレの原点キング・クリムゾンからそれに止まらない発展形とも思えるクラシックをベースにしたイタリア独特の歴史的音楽の世界が出没していたからだ。

 ユーロ・プログレと言うか、イタリア・プログレを語るなら、やっぱりこのP.F.M.を取り上げておかねば・・・と、新年早々の40年前の作品登場である。もともとこのグループの誕生も、あのイタリアの大御所ルチオ・バッティスティLucio Battisti(参照 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/lucio-battisti-.html、既に取り上げたのも、この人がイタリアものではキー・マンなんですね)の功績であった。彼の以前に取り上げたアルバム「AMORE E NON AMORE 8月7日午後」から2つの歴史的バンドが生まれのだ。一つはアルベルト・ラディウス率いるフォルムラ・トレ、そしてもう一方がこのP.F.M.であるからだ。
 P.F.M.(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ)というバンド名も、なんと日本語訳すると”選ばれたマルコーニという名の菓子屋”という意味のようで、北イタリアにあるマルコーニという店のように、まさに選ばれた音楽を目指そうとしたようだ。
 もともとクラシックの技量を持った連中の集まりで、メンバーは
    Flavio Premoli : Key.
         Franz Di Cioccio : Drums
         Giorgio Pizza : Bass
         Franco Mussida : Guitars

   ・・・・の4人による”イ・クエッリ”というバンドに、Mauro Pagani (Violin) が加わっての5人によって、1970年にP.F.M.は結成デビューし、バッティスティの作ったレーベルのヌメロ・ウーノからこのアルバムを1971年リリースした。

1stlist_2 収録曲は左のようで、なんといっても2曲目の”9月の情景 Impressioni Di Settembre”はシングル・カットされ、このアルバムと一緒にヒットした。日本ではそんな世界も知らずに、プログレと言えば、キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエスの御三家が全ての入り口であった時代である。
 アルバムのイントロは極めて静かに叙情的でスタートして、バンドの全合奏、そして”9月の情景”の美しい曲に繋がり、そしてメロトロンによる盛り上がりに圧倒される。
 このアルバムに組み込まれたクラシック的曲の流れに、なんとジャズ的センスまで盛り込まれ、フルート、ヴァイオリンも・・・もうプログレの展開そのもの。リアル・タイムではないが、最初にこれを聴いたときは、恐るべしイタリアと思わせるに十分だった。
 イタリアという音楽の深さを知らされ、そしてこれは彼等のロックへの探求の序章であったのだ。

P.F.M. 「友よ PER UN AMICO」
KING RECORDS  K32Y2156 , 1988 (Original 1972)


2nd

 1stアルバムの好評を得て早速リリースされた2ndアルバム。
 ここにはイタリアならではの美しいメロディー・ライン、そしてキング・クリムゾンのあのロックにおける冒険的探求の流れを私はこのバンドに後に感ずることになる。それはただ荒々しいのでなく、美しさ、叙情をもちながら、これぞ音楽、これぞプログレッシブ・ロックの道なりと感じさせてくれるに十分だった。70年代初めは、こうして英国で起きたロックの流れがユーロ各国でも若い力によって探求が始まっていたのだった。

2ndlist2  ”appena un po' ほんの少しだけ” は、ギターの静かな流れから、フルート、チェンバロ、そしてベース、ドラムスと次第に盛り上げ、静から動へとの展開が見事。そしてヴォーカルが登場し、さらにシンセサイザー、メロトロンの美しい流れは、もうこれだけで堪能するところだ。かってクリムゾンの「宮殿」に感動した心が私には蘇ったのだった。それはなんと遅れること1980年代であった。
 ”generale生誕”のクラシック、ジャズ、そして歴史的民謡の世界を纏め上げたテクニック、”per un amico 友よ”のドラマチックな展開、”il banchetto 晩餐会”、”geranio”の芸術性など天下一品であると、私は今でも太鼓判を押す。

Photos_of_ghosts  あのE.L,P.のピート・シンフィールド(元キング・クリムゾン)がイタリア公演でこのP.F.M.を発見、感動して、彼が英語の詩を書いて、この2ndアルバム「友よ」と1stアルバム「幻想物語」の世界版アルバム「Photos of Ghosts 幻の映像」(VICTOR VICP-60970、 KING RECORDS KICP2701)を制作し、リリースしたわけだ。これが1973年のこと、そしてこれにより世界にイタリア・ロックが開花した言っても過言ではない。当然日本にても、このアルバムからユーロ・ロックが知られるようになったということになる。
 勿論、私も上の1st、2ndは後に聴いたわけであり、この2枚のイタリア・オリジナル盤の素晴らしさを知ることになったのだった。 
 
 今、ユーロ・ロックの原点をこうして新年に聴いてみると、かっての記憶が脳裏に展開し今年もロックからはやっぱり離れられない自分を知るのである。

(試聴) ①http://www.youtube.com/watch?v=2T1oKGynRVs

      ②http://www.youtube.com/watch?v=P5WwrgC1qZk

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013年1月 1日 (火)

謹賀新年  Jan.1.2013 (シゼル・ストームSidsel Storm)

 明けましてお目出度うございます
 今年もよろしくお願いします     
風呂井戸

Pc032058tr1blog
                     (2012.12 Kagamiike,Togakushi)

    *        *

Swedishlullaby SIDSEL STORM 「Swedish Lullaby」
calibrated CAL1106 (Disk UNION DUJ-062) , 2010

 今年は北欧からスタートです。
 とにかくバックがラーシュ・ヤンソンLars Janssonのピアノということ、そしてこのジャケですから・・・・・・昨年手に入れた女性ヴォーカル・ジャズ・アルバム。
 まずはポイントは、スウェーデン・ジャズを堪能できるというところである。このシゼル・ストームSidsel Stormという女性は、コペンハーゲンの大学で心理学を学んだとか。そしてなんと言っても、彼女の声は私にとっては懐かしい声・・・、と言うのは、ふと昔のあの魅力の歌声、ルネッサンスのアニー・ハズラムを思い起こさせたのであった(と言えば、おおよそ想像がつくことでしょう)。

Swedishlist  収録曲は左の10曲。そしてポイントは、やっぱりラーシュ・ヤンソンがトリオ編成で全曲バックでピアノを聴かせてくれる。それに加え曲によりトランペット、ヴァイオリン、チェロ、ハモンド・オルガンなどが加わり、単なるヴォーカルもののバック演奏というのでなく、本格的ジャズを演じていることだ。これに彼女のヴォーカルが乗るのであるが、いやはやなかなかの歌い手だ。

member
Sidsel Storm(voc)
Lars Jansson (p/Rhodes)
Morten Lund (ds)
Jesper Thorn(b)

Guest
Gunnar Halle (tp)
Alexander Kraglund (Vn/Harmonica)
Carl-Oscar Osterlind (Vc)
Peter Otto (Hammond Organ)

 なお参考までに、このジゼル・ストームは、昨年ニュー・アルバム「Nothing In Between」をリリースしている。

(試聴)http://www.youtube.com/watch?v=yO_Ie04y_VM

| | コメント (6) | トラックバック (0)

« 2012年12月 | トップページ | 2013年2月 »