« スコットランドのトラッドの発展形(Folk Rock)を唄う : エディ・リーダー Eddi Reader | トップページ | マシュー・ボーンMatthew Bourne のピアノ・ソロにみる前衛性「MONTAUK VARIATIONS」 »

2013年1月31日 (木)

ケヴ・モ Keb' Mo' のブルース、ロック、フォークの世界

コンテンポラリー・ブルースの世界というところか

 昨年(2012年)、オバマ大統領にホワイト・ハウスに招かれ、B.B.キング、バディ・ガイなどとブルースを演じているケヴ・モの姿を見て(参照:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/red-white-and-b.html)、ふと思い出したアルバムがある。

<Rock , Blues>  Keb' Mo' 「suitcase」
SONY BMG MUSIC  ,  EPIC/ONE HAVEN/RED  82876776212 , 2006


Suitcase

 そもそもディープ・ブルースの申し子的期待が持たれているケヴ・モ、そんなところから手にしたアルバムであった。しかし意外にも、カントリー・ブルースを基礎に持ちながら、ロックやソウルの色づけもあって、まあ所謂”Contemporary Blues”を展開しているアルバムなのだ。
 彼は本名ケヴィン・ムーア(Birth Name : Kevin Roosevelt Moore)で1951年ロサン・ゼルス生まれ(ケヴィン・ムーアと言うと、私の好きな元ドリーム・シアターのキーボード・プレイヤーが出てきてしまう。彼とは勿論別人です)。1980年にR&Bのソロ・アルバムをリリース、その後モンク・ヒギンズのバンドで演奏していて、ブルース界大御所と出会いブルースに傾倒したという。1994年になって”ケヴ・モ Keb' Mo'”という名にてブルース・アルバムをリリース。そして歴史的ブルースの人ロバート・ジョンソンの曲も取り上げたりで、彼はなんと言っても”ブルースの人”として、その存在価値を高めている。オバマ大統領にとっても、多分ブルースは心の友としての世界があるのだろうと推測するところ。
 ’96年の「Just like You」、’98年の「Slow Down」、’04年の「Keep it Simple」で3度グラミーを獲得している。

Suitcaselist 収録曲は左のように12曲。
 ”The Itch”はPercussionなど多彩な楽器が加わって入って、リズムも快調で楽しい。 
 ”I'm A Hero”は彼のElectric Guitarの他にBass、 Drums、 HammondなどにPedal Steelも入って、自己の心を唄って聴かせ感動的。
 そしてアルバム・タイトルの曲”Suitcase”や”Whole 'Nutha Thang”はブルースの味が満ちている。
 更に”Still There For Me”、”I'll Be Your Water”などの曲は、ブルースというよりはAccustic Guitarで聴かせるフォーク調の曲で、なかなか印象深く唄ってくれる。
 
Kebmobio11  私は彼の全アルバムは聴いていないが、このアルバムのように彼の作り上げる曲は、単なるブルースというのでなく、カントリー、ソウル、ロックの味付けで面白く聴けるのであるが、やはりどこか哀愁も感じられるところがケブ・モのケブ・モたる所以とみて良いのだろう。

(試聴) 
http://www.youtube.com/watch?v=fEnqOjSvyvk  

    *       *       *
 

Reflection500
(左)~ 参考までに彼の最新アルバム~

<Rock , Blues> Keb' Mo' 「THE REFLECTION」
Yolabelle Internatio  11117  ,  2011

【収録曲】
1. The Whole Enchilada (Songwriters: Kevin Moore & John Lewis Parker)
2. Inside Outside (Songwriters: Kevin Moore & Skip Ewing)
3. All The Way (Songwriters: Kevin Moore & Maia Sharp)
4. The Reflection (I See Myself In You) (Songwriters: Keb Mo & Phil Romocon)
5. Crush On You featuring India.Arie (Songwriter: Kevin So)
6. One Of These Nights featuring Dave Koz (Songwriters: Glenn Frey & Don Henley)
7. My Baby's Tellin' Lies featuring Vince Gill (Songwriters: Kevin Moore & Vince Gill )
8. My Shadow (Songwriters: Kevin Moore & Leon Ware)
9. We Don't Need It (Songwriters: Kevin Moore & Alan D Rich)
10. Just Looking (Songwriters: Kevin Moore & Alan D Rich)
11. Walk Through Fire (Songwrites: Kevin Moore & Melissa Manchester)
12. Something Within (Songwriters: Kevin Moore & Lucie E. Campbell)

<Today's PHOTO>

Blog
(OLYMPUS PEN EP-3 ,  M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm 1:3.5-5.6)

|

« スコットランドのトラッドの発展形(Folk Rock)を唄う : エディ・リーダー Eddi Reader | トップページ | マシュー・ボーンMatthew Bourne のピアノ・ソロにみる前衛性「MONTAUK VARIATIONS」 »

音楽」カテゴリの記事

ROCK」カテゴリの記事

JAZZ」カテゴリの記事

コメント

先日、某衛星放送局で、彼のAVOセッションが約50分ありました。
 ギターはもちろん巧みでしたが、単なるブルーズだけでなく、幅広い音楽性をもったミュージシャンだと思いました。3大キングとまでは言いませんが、もっと日本でも人気が出てもいいと思うのですが…

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2013年2月 3日 (日) 12時43分

 プロフェッサー・ケイさん、こんばんわ。
 こうゆう人達は、そのルーツを見つめてゆかないと、やはりその味わいが深まらないのでしょうね。迫り方によって、結果は相当違ってくるのではないでしょうか?。そのあたりが一つの壁でしょうかね?。

投稿: 風呂井戸 | 2013年2月 4日 (月) 21時33分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ケヴ・モ Keb' Mo' のブルース、ロック、フォークの世界:

« スコットランドのトラッドの発展形(Folk Rock)を唄う : エディ・リーダー Eddi Reader | トップページ | マシュー・ボーンMatthew Bourne のピアノ・ソロにみる前衛性「MONTAUK VARIATIONS」 »