圧巻のライブ映像=メロディ・ガルドーMelody Gardot:「DONOSTI 2012」
アルバム「Absence」の”ハイネッケン・ジャズ2012”のライブ映像
またしてもここで取り上げるのは、ブート映像でのライブ鑑賞である。なにはともあれ、オフィシャル映像がなければ、この手で楽しんでいるというところ。
これは、私の一押しのJAZZシンガーソングライターであるメロディ・ガルドーMelody Gardotのライブだ。つい最近の2012年7月、スペインはDONOSTIにおけるジャズ・フェス「ハイネッケン・ジャズ HEINEKEN JAZZALDIA」の模様である。
<JAZZ> MELODY GARDOT 「DONOSTI 2012」
Bootleg DVD - MegaVision
Live at 47th HEINEKEN JAZZALDIA, DONOSTI, SPAIN July 20, 2012
もともと彼女の場合は、アルバムは殆ど自己のオリジナルの曲で構成されているが、それをライブにおいては諸々のアレンジを凝らしてくれて、明らかにその出來はアルバムを超えて素晴らしい。前作「MY ONE AND ONLY THRILL」も、パリでのライブものが良かったのは記憶に新たなところだ。今回のこのアルバム「Absence」は昨年リリースされた最新作であるので、こうしてライブでの出來はどうかと、実は興味津々であったが、案の定アルバムを遙かにしのぐ曲の仕上げは見事で、もうこのライブものでリリースして欲しいと思うほどである。
これは2012年7月20日 歴史あるジャズ・フェスの第47回ハイネッケン・ジャズ(於スペイン)における彼女のパフォーマンスである。
収録セットリストは左のごとく8曲。昨年のニュー・アルバムの「Absence」からの曲が中心。実は私にとってはこのアルバムは若干期待とは別物であったアルバムで(彼女には、私の期待はどちらかというと”都会の夜派”をイメージしている)少々残念であったというのが偽らざるところだった。しかしなんとこのライブ・ステージの演奏と唄には、アルバムの雰囲気とは一転して、なるほど彼女のステージは、いつも通り、アルバムを遙かに超えての納得の世界描いてくれて、魅せられるのである。
しかもこのDVDの映像はプロショットでサウンドも良好というもの。これもブートとしては良好の部類に入る。
オープニングの”No More My Load”は、彼女のアカペラでエキゾチックなムードでスタート。そしてその後彼女のピアノ弾き語りも披露してくれる(”Goodbye”、”Lisboa”の2曲)。
しかし後半に入って、アルバム「MY ONE AND ONLY THRILL」からの曲No6.”Les Etoiles”のサックス、パーカッションの掛け合いから始まっての展開は、バックのジャズ・センスの良さが十分感じ取れ、この曲の練り上げは見事と言える・・・(試聴:http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=8kPvUIHYENI&NR=1 )。
更にNo7.”so we meet again my heartache”クラリネットとギターが曲の展開を誘導して彼女のヴォーカルへと流れ、この出來は更に更に極上で、ステージのレイアウト、照明も加味されて大人の魅惑の世界へと誘われてしまう。
演奏陣はメロディ・ガルドーの他は総勢8人で、バッキング・ヴォーカルの女性2人の他は、ギター、ベース、チェロ、サックス・フルート、パーカッション、ドラムスという構成。これに彼女のピアノが加わる。
彼女のヴォーカルは、いつものように演奏の中の一つの楽器のように溶け込んでゆく。そしてリズムはボサ・ノヴァ、サンバ、カリプソのパターンを取り入れ、更にタンゴまで登場するが、曲の流れはあくまでもディープにしっとりとしかも浮遊感が漂って流す。このあたりがガルドーの十八番で聴きどころとも言える。
ブラジル、ラテン系のアコースティック・ギターのMitchell Long が、バッキング・ヴォーカルと共に味付けが良く、又サックス、フルートのIrwin Hall が健闘している。
(試聴)
http://www.youtube.com/watch?v=4k-70DpmB1c
今年もこの3月から広く各地で彼女はライブを展開するが、日本にも是非と、期待しているのだが・・・・・・。
このところブート映像ものがシリーズのように続いてしまっいるが、いやはやこうしたものを探すのも楽しみの一つなんです。そんな結果でついついここに書いてしまったという次第、だがまだ獲物はあります又次回。
<Today's PHOTO>
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コメント
このジャケットもブートなんですよね?センス良いなぁ…。
そして中身も気になるのでちょっとYouTubeまで行ってみます。
相変わらずのセンスに脱帽ですが、感謝。
投稿: フレ | 2013年2月18日 (月) 21時56分
フレさん、コメントどうも・・・です。
このメロディ・ガルドーは私のお気に入りなんですが、基盤はジャズといってもロックの味付けも見られたり、あらゆるジャンルへの挑戦もあって、女性ヴォーカルものとしてのセンスは抜群です。ピアノ、Acギターもこなして立派なものです。
このブートのジャケは流出している彼女の画像の流用ですね。それでもこうしたプロショット映像のブートは有り難いです。
投稿: 風呂井戸 | 2013年2月19日 (火) 09時14分