マデリン・ペルーMadeleine Peyroux のニュー・アルバム:「THE BLUE ROOM」
頑張ってますね~~~と言いたいアルバム
<JAZZ> MADELEINE PEYROUX 「THE BLUE ROOM」
Universal Music (Pennywell Productions) B001800-02 , 2013
あまり品の良くない言葉で言うと、”いっよ~~、姉御!頑張っているねぇ~~”という感じのマデリン・ペルーの6thアルバムが登場した(彼女は1974年生まれの39歳)。前作「STANDING ON THE ROOFTOP」を取り上げてからもう2年経つのですね(このブログで彼女を語るのも4回目になる。 参照 : http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/madeleine-peyro.html )、彼女としては順調なアルバムのリリースといったところ。
今作の特徴は自己のオリジナル曲集の前作と違って全てカヴアー曲、しかもシンガー・ソングライターでありながら、”I can't stop loving you”で誰もが知るレイ・チャールズRay Charlesの昔(1960年代始めの)のアルバム「モダン・サウンド・イン・カントリー・アンド・ウェスタン」の再評価を試みる(つまり古い曲を唄う)中での誕生したアルバムという。
どうもかねてから彼女の歌にはぞっこん惚れ込むと言うことは無いのだが、しかし何となく気になって聴いて、そしてニュー・アルバムとなれば是非とも聴きたくなると言う不思議な存在。そしてこのアルバムもカヴァーとは言っても、やっぱりマデリン・ペルー節そのものなんですね。
members
Madeleine Peyroux : Vocals , ac.Guitar
Dean Parks : elec.Guitar
Joy Bellerose : drums
Larry Golding : Hammond , piano
David Pilth : bass
TRACK-Listは左にみるとおりで、2.4.7.8.の4曲は、レイ・チャールズのアルバムからだ。とくに”I can't stop loving you”なんて懐かしいそのものです。そして1.のハンク・ウィリアムスから始まって、バディー・ホリー(3.)、ランディ・ニューマン(5.)、レナード・コーエン(6.)、グレン・キャンベル(8.)、ウォーレン・シボン(10.)と、いやはや昔懐かしアメリカの名曲と言えば名曲の世界に、マデリンは首をつっこんでこのアルバムとなっている。
しかし今となってこの世界とは?、やっぱりある程度歌い込んでくるとこうした世界に興味が湧くのであろうか?。
これはプロデューサーのラリー・クラインの企画なのか、マデリンの希望なのかは知らないが、前作とは全く発想が違っている。そういえば、ダイアナ・クラールも最新アルバム「GLAD RAG DOLL」は、同じパターンでアメリカの古きよき時代に迫るものであったことを思い出す。
しかし15歳からフランスはパリ街中でのストリート・ミュージックから出発しての百戦錬磨のマデリン・ペルー、前作の自己のオリジナルものと比較して不思議に印象の変わらないアルバムに仕上げてしまった。つまりそれだけ彼女は自分の個性を持っていると言っていい。そしてそれが不思議と言えば不思議、現在に古さを感じさせないのである。そしてなんと言っても聴いていて疲れないのがいい。
上に挙げたように、バック・ミュージシャンも錚々たるメンバーでこれも又注目度を上げているわけだ。
まあとにかく、彼女のブルース調の加味したジャズにカントリー色を加え、そしてポップなところも忘れないミュージックに、時として浸るのも悪くないのである。
(試聴)Changing All Those Changes -http://www.youtube.com/watch?v=HECibuK36n8
[PHOTO 今日の一枚]
我が家の庭の”山茱萸(さんしゅゆ)”も、老木ですが立派に今年も満開に花を咲かせてくれています。これが春の第一報です。
(OLYMPUS PEN E-P3 , Zeiss Planar 45mm 1: 2 )
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