パトリシア・バーバーPatricia Barberの傑作アルバム考(2) : 「café blue」, 「VERSE」
聴けば聴くほど病みつきになるこの世界
前回に続いてパトリシア・バーバーPatricia Barberだ!!。
先ずは彼女のDiscographyを下に紹介する。1stアルバムが1989年ですから、結構彼女は遅咲きでしたね(34歳)。
もともとはピアニストの世界であったのではないかと思われるが・・・・あの特異な低域のヴォーカルでの伝統的ブルース・ジャズとクラシカル・ロックの融合に、オリジナルな発想での曲が生まれ開眼したのではないかと想像するところだ。
<Discography>
1.Split Premonition Records (1989)
2.Distortion of Love Antilles (1992)
3.Cafe Blue (Two versions) Blue Note Premo. Records (1994)
4.Modern Cool (Three versions) Blue Note, Premo. Records (1998)
5.Companion Blue Note, Premonition Records (1999)
6.Nightclub Blue Note, Premonition Records (2000)
7.Verse Blue Note, Premonition Records (2002)
8.Live: A Fortnight In France Blue Note (2004)
9.Live: France 2004 DVD Blue Note (2005)
10.Mythologies (Two versions) Blue Note (2006)
11.The Premonition Years: 1994-2002 Blue Note (2007)
12.The Cole Porter Mix Blue Note (2008)
13.Smash Concord Records (2013)
前回は、私が最初に聴いた1stアルバム「Split」と、何年かの間をおいてここに再会してお気に入りになったアルバム6.「Nightclub」 、そして最新アルバム13.「Smash」の3枚のアルバムを取り上げた。ここでは彼女に惚れ込むであろう素晴らしいアルバムがあるので、順次紹介・推薦することとする。
<JAZZ>patricia barber 「café blue」
Blue Note(Premonition) 90760 , 1994
members
Patricia Barber : vocals,piano
Michael Arnopol : bass
John McLean : guitars
Mark Walker : drums, percussion, body parts
TRACKLIST
-What A Shame - lyrics*
-Mourning Grace*
-The Thrill Is Gone
-Romanesque
-Yellow Car III*
-Wood Is A Pleasant Thing To Think About -lyrics*
-Inch Worm
-Ode To Billy Joe
-Too Rich For My Blood -lyrics*
-A Taste Of Honey
-Nardis
-Manha De Carnaval
(*印は彼女オリジナル)
これは3rdアルバムで、彼女のキャリアーの中でみれば、比較的初期に近い。しかしこのアルバムで彼女は一躍注目を浴びたようだが・・・まさにその通りの素晴らしいアルバムだ。彼女の前衛的なピアノ、そしてそれに呼応するがごときに演ずるJohn McLeanのギター。ヴォーカルは美しさとダークな両面をみせ更に深遠な空間を感じさせて魅力的。異色な世界は間違いないが、そこにはハイセンスな世界が展開しているのだ。はっきり言うと”通”にもてるであろうJazzyな曲であり、しかもロックの心も忘れていない。
”Too Rich for My Blood”の彼女の曲のように、時に高音の響きを歌い上げる不思議な唄であるところもユニークと言われる所以であろう。マイルスの”Nardis”におけるピアノの美しさも出色であり、又即興的展開部も見事。
(試聴)Nardis http://www.youtube.com/watch?v=Zi3i-HqDNFI
<JAZZ>Patricia Barber 「VERSE」
Premonition Records KOC-CD-5736 , 2002
members
Patricia Barber : vocals, piano
Michael Arnopol : bass
Neal Alger : guitars
Dave Douglas : trumpet
Joey Baron & Eric Montzka : drums
このアルバムは2002年の7thアルバム。既に彼女の評価も確立してユニークなジャズは更に一歩前進する。それは今までのピアノ、ギター、ベース、ドラムスのカルテット編成にトランペットが加わって、ジャズを一層深めるのだが、そこにはロック心は相変わらず彼女流の解釈で流れている。
TRACK-LISTは左のような10曲。彼女自身のオリジナル曲で埋められている。彼女のダークな低い声が一役買ってのことであろうが、”悪が強い”という表現もするものがいる。ここでも曲自身が異様な展開がみられるし、それも一つの評価かも知れない。しかし私からみればむしろソコが魅力であるのだ。
”I Could Eat Your Words”は、グルーヴィーなピアノの曲の流れ、彼女のダークなヴォイス、途中から唄うトランペット、これぞジャズという典型的な曲。
”Regular Pleasure”や”The Fire”のムードはピカイチ。
そして最後の”If I Were Blue”での哀愁の世界も印象深い。もともと性的問題も抱えている彼女のようで、この曲では何かそんな世界も見え隠れする感じだが。
(試聴)①Dansons La Gigue http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=wOxp7KiqZcs&NR=1
② If I Were Blue (1)http://www.youtube.com/watch?v=3xxZKbGTcuU
(2) http://www.youtube.com/watch?v=BN5hNMemCWc
どうもまだ紹介しきれない。もう少し続けて彼女のアルバムに焦点をあててゆきたい。
[PHOTO 今日の一枚]
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コメント
こんばんは、お邪魔します。
バトリシア。初めて聞きました。
いいですね。
深いですね。
これは、購入してじっくりききたいねすね。
投稿: jamken | 2013年3月21日 (木) 21時24分
jamkenさん。こんばんわ。よろしくお願いします。
jamkenさんのブログを拝見させて頂きましたが、私と同様にロックがベースで広くミュージックを愛しておられるのですね。歳をとったら(失礼、それは私でした)そんなところが良いですね(笑)。
このパトリシア・バーバーは、はっきり言って奥深いです。そして多分病みつきになる第1候補ですね。ゆっくり深く深くお付き合いして下さい。
投稿: 風呂井戸 | 2013年3月21日 (木) 22時21分