Komeda を更に聴く~NBS Trio : 「plays KOMEDA」
ポーランドのクリシュトフ・コメダの曲から広がるジャズ世界(私にとっては懐かしのスロヴァキア)
ポーランドのレシェック・モジジェルLeszek Moźdźerの2011年のアルバム「Komeda」、そして マルチン・ ヴァシレフスキのSIMPLE ACOUSTIC TRIOのアルバム「Lullby for Rosemary」、更に ミラ・オパリンスカ&ダグラス・ウェイツ Ooaliska & Whatesの素晴らしいアルバム「LUMIÈRE」に登場するコメダの曲”Rosemary's Baby”等々聴くにつけこのブログで取り上げてきたが、しかしなんとなく更にコメダを知りたくなり、そして聴いているアルバムが並んでくる。アメリカにはKOMEDA PROJECT そしてスロヴァキアのNBS Trio、 スペインにもKOMEDA SEXTET などと興味は尽きないのだ。
(参照)
① http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/leszek-moder-06.html
② http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/simple-acoustic.html
③ http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/mira-opalinska-.html
<JAZZ> Nothing But Swing Trio 「Plays KOMEDA」
bcd Records BCD CDN 25 , 2010
ここで取り上げたのは、スロヴァキアのNBS Trio (Nothing But Swing Trio)である。スロヴァキアとくるとどうも情報が無い。ただしご存じのようにあの東欧諸国の共産国から解放された後、1993年にチェコスロヴァキアからスロヴァキアとして分離独立した。実はこれ以前の1979年の共産国の時代に若き私は殆ど日本人は訪れない時に、現在のチェコのプラハそしてスロヴァキア首都のブラチスラヴァに所用で行ったことがある。当時場所によっては写真を撮ることは御法度であったり、乗り物にタクシーはなく、特に関係者の世話によってハイヤーで自由時間を使って観光したのを思い出す(現在と違って治安は非常に良かった)。そんな過去の懐かしい思い出から非常に親近感がある国だ(当時からスロヴァキアはチェコと比べるとどちらかというと工業が盛ん)。周りは現在チェコは勿論、ポーランド、ウクライナ、ハンガリー、オーストリアと多くの国と接し、交流も盛んである。そして今回、ポーランドのコメダの曲を取り上げたこんな素晴らしいピアノ・トリオのアルバムにお目にかかれて喜んでいるわけである。
members
Klaudius Kováč (p)
Róbert Ragan (b)
Peter Solárik (ds)
・・・・という布陣で、私にとっては初物であった。
LISTは左のようになっている。もちろん私の好きな”ローズマリーの赤ちゃん”も当然のごとく8曲目に登場する。この曲はもともとは”Sleep Safe and Warm”というタイトルであるが、最近は”Rosemary's Baby”になっている。もともと映画のイメージをここでも聴きたいところであるが、彼等はむしろこの曲の主旋律を冒頭に聴かせておいて、後半2/3は全く彼等の世界に流れてゆく。コメダの曲はあくまでも彼等にとっては接点ではあるが、それをそのまま流そうとしない。最後に再び登場させて終わらせるところはにくいところである。
オープニングの”kattorna”は、珍しくトリオものとしてはドラムスの連打からスタートしてSimple Acoustic Trio の奥深さを求めたベースとピアノの掛け合い的な切り口とは全く異なっての演奏で、やや攻撃的で意外性があった。こりゃただ者で無いぞと思わせるに十分。
”Kołysanka/Lullaby”などもつい哀愁を期待するが、むしろスリリングなトリオ・メンバーのそれぞれのソロも生かしてのアプローチ。しかし”Ballard for bert”となるとピアノの哀愁感ある美しさが漂ってくる。いやはやなかなか芸達者。
なるほと確かに全体的にはピアノの音も澄んだ硬質さを貫いて、トリオとしてベース、ドラムスの位置も引っ込んでおらず楽しめる。前衛的なタッチを進めるのでなく意外にオーソドッスな基礎にのっている。所謂精悍といった流れでの彼等の個性を魅せた演奏であった。(このアルバムはDOZENADAYさんにその存在を教えてもらったもの)
(試聴)”My Ballad” http://www.youtube.com/watch?v=ZqVilJ_vMZE
[PHOTO 今日の一枚]
「融雪の時 2013.4」
(OLYMPUS PEN E-P3 Carl Zeiss Vario-Sonner 3.5-4.5/24-85mm )
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コメント
風呂井戸さん、こんにちはmonakaです。
久しぶりにこのアルバムの話題です、コメダの作品集ですが、コメダを素材にして個性があり、うまい具合に両立した楽しいアルバムだとおもいました。
TBさせていただきます。
投稿: monaka | 2013年4月11日 (木) 21時06分
monakaさん、コメント有り難うございます。
「トンボの飛翔」ですか?・・・・面白い。
私も、それほどコメダの流れを追っているわけでは無いのですが、なんとなく気になっています。
ニュー・ヨーク発のKomeda project にも遭遇しましたが、こっちは私にとってはちょっと馴染まなかった。このメンバーも元はポーランドのようですが。それでも又ここで取り上げてみようかとも・・・思っています。
TB有り難う御座いました。私もさせて頂きました。
投稿: 風呂井戸 | 2013年4月12日 (金) 17時35分
風呂井戸さん
こんにちは レビュー楽しみにしておりました。
お気に召されたようで良かったです。
コメダ作品発掘しましたらまたお知らせします。
投稿: DOZENADAY | 2013年4月15日 (月) 20時08分
DOZENADAYさん、今晩わ。
コメント有り難うございます。コメダというのはジャズ・ミュージシャンにとっては、一つの登竜門なんでしょうかね。そんな感覚で最近はそれぞれの演奏を楽しんでいます。このNBS trio も、その他の演奏も私は知らないので、もう少し聴いてみたいとも思っているところです。
そうそう、コメダで又面白そうなものがありましたら教えてください。
投稿: 風呂井戸 | 2013年4月15日 (月) 21時25分