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2013年5月15日 (水)

アレッサンドロ・ガラティ Alesssandro Galati (2)~日本盤3枚:ソロ、デュオ、トリオ

特に日本に愛されるアレッサンドロ・ガラティ

Ag2jpg  アレッサンドロ・ガラティのピアノ・プレイにおける美学を話題にしているのだが、彼のキャリアは、前回取り上げた最初のトリオ・アルバム「TRACTION AVANT」から既に今日においては20年が経ているわけである。そしてこのアルバムの後を追ってみると、意外と手に入る彼名義のアルバムは少ない。
(参考)
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-d546.html 

 彼のピアノ美学を知ろうとする中で、まずは取っ付きやすいものとして、最初のトリオものから10年後となる2004年の録音ものの2枚のアルバムが目につく。それは、ソロ・アルバム「All Alone」(2005年)と、ベースとのデュオ・アルバム「Imaginerie」(2010年)である。
 そしてその翌年の2005年には、なんと日本においてトリオで録音している。それがアルバム「Cubicq」(2007年)であり注目されるところ。
 これらの3枚のアルバムは、実は日本盤(Japan-only Edition )なんですね。これは想像するに、日本に於いて非常にガラティが好評であると言うことと、それによりリリース元の日本の”BLUE GLEAMレーベル”が頑張った結果と言うことなんでしょうね。
 さて、その3枚ですが・・・・・・・登場順に見てみよう。

<JAZZ> Alessandro Galati 「All Alone」
            
  BLUE GLEAM  BG001  ,   2005
       Recorded July 2004 at Cavo'Studio,Bergamo Italy

Allalone  ガラティの初のピアノ・ソロ・アルバムである。10曲収録され、7曲がオリジナルで、3曲がイタリアにある名曲らしい。
 冒頭の”Broken toy-Lil'Sophia”から、解りやすい優しいメロディーが流れる。2曲目”Leipzig,1862”は、繊細にして華麗、しかも抒情性たっぷりの曲。こんな調子で最後までスロー・タッチの美しいピアノの音で埋め尽くされて流れていく。
 いやはや如何にも日本人ごのみに仕上げられたアルバムである。
 (Track-List)
  1. Broken toy-Lil'Sophia
   2. Leipzig,1862
   3. Rever de te voir
   4. Bukowsky
   5. Averti tra le braccia
   6. Thin fish
   7. Una lunga storia d'amore
   8. Vanish spanish
   9. Slow down Venice hearts
  10. Tu si 'na cosa grande


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<JAZZ> Alssandro Galati Trio 「Cubiq」
            
  BLUE GLEAM  BG003  ,  2007
               Recorded Dec. 24 2005 at Sony Music Studios Tokyo

Cubicq_2 ガラティの1stトリオ作品「TRUCTION AVANT」をリアルタイムに聴いた人には待ちに待ったトリオ・アルバムであったと思う。アルバム・タイトル曲の”Cubicq”からスタートするが、この曲の持ち味の美しいメロディーには圧倒される。いやはや最初からもう彼の世界にのめり込まされる。
 私の場合はこの曲は、前回紹介した2010年のアルパム「UNSTANDARDS」(2008年録音)で初めて接したのであったが、あれはクインテットもので、オーボエ、ギターが旋律を奏でるところがあり、その分だけ1分少々曲が長くなっているが、こうして5年前のこのトリオで聴くと、ベースの語りも重要になっていてトリオの味も捨てがたい。
  Members :  Alessandro Galati (piano), Ares Tavolazzi (bass), Emanuele Maniscalco (drums)

Cubicqlist このアルバムも6曲は彼のオリジナルで、残る4.6.9.10がイタリアの曲である。リズム隊のドラムスは控えめのサポート・タイプの演奏。やはりガラテイのピアノの美しさが印象深いアルバムである。
 私の好みからは、このガラティの演奏は、このようなトリオ・スタイルの方がリズム隊のメリハリが付いて、やはり一番良さそうに思うのだが・・・・・どうだろう?。

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<JAZZ> Alessandro Galati 「Imaginerie」
   BLUE GLEAM  BG004 ,  2010
              Recorded July 6, 2004 at Cavo Studio,Bergamo,Italy


Imaginerie  このアルバムは、Alessandro Galati (piano) とAres Tavolazzi (bass) のDuoアルバムである。ガラティにとってみれば、タヴォラッティは長い付き合いのベーシストで、気心知れての演奏と言うことになる。録音はなんとソロ・アルバム2004年と同じ時。多分これはBLUE BLEAMレーベルが掘り起こしてきたんでしょうね。録音から6年後のリリースである。
 ここでもスタートはあの1994年の名アルバム「TRUCTION AVENT」で最も人気のあった曲”Andre”から始まって、その哀愁あるメロディにファンにとってはたまらないところ。
 ベースとのデュオというところで、ピアノの演奏は手に取るように聴き取れる。そしてガラティの美しさを十二分に感じられるアルバムに仕上がっている。(全曲ガラティのオリジナル)
 (Track-List)
   1. Andre
   2. Mr.Chaplin
   3. Hole ole
   4. Evan-Garde
   5. Trampin'
   6. Le jeu du neuf
   7. Chanson pour Elle
   8. Tenco
   9. Lmaginerie
  10. Yaylor without scissors

 以上、アレッサンドロ・ガラティの日本盤3枚を取り上げた。  私の気に入り度としては、ソロは若干アルバムとしての面白さが他の2枚に負けているように思い、トリオ→デュオ→ソロの順になっている。それはジャズとしてのスリリングな面がもう少し技法や曲展開に欲しいようにも思うところなのである。まあこのあたりはそれぞれの好みの話であり、3枚ともなかなか素晴らしいアルバムである。名盤ゆえに取り敢えず私の記録としてここに記した次第。

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=deyxvAZDgD8
           http://www.youtube.com/watch?v=gk7SXJ6Vkq4

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コメント

風呂井戸さん  あの3作が日本盤とは知りませんでした。ライナーノーツなども入っていないのでてっきり輸入盤だと ・・・。見返してみたら、プロデューサーなど制作スタッフは日本人でした。やはり ・・・。

投稿: 爵士 | 2013年5月15日 (水) 22時46分

風呂井戸さん、こんにちはもなかです。

ガラティが最初に来日した時は、小屋との契約もなく、六本木アークヒルズの寒風吹きすさぶ中での、1時間ミニ・ライブだけでした。
その時録音されたのが2枚目の「qubic」でした。この来日では浅草観光だけでしたが、次の来日ではライブをおこない、日光観光もできました。
「alone」ガラティの魅力に取りつかれていたのですが、ご紹介以外にこんなアルバムもあって、なかなか素晴らしいのでTBさせていただきます。

投稿: monaka | 2013年5月16日 (木) 12時55分

 爵士さんこんにちわ。爵士さんの誘導でこんなところに至ってますが、この3枚は明らかに日本人好みに仕上げてあるように思います。取り敢えず私が持っている他の2枚とは若干アルバムの仕上げが違うように感じているものですから・・・・。しかし私にとってこの日本盤3枚も愛聴盤としてこれから扱っててゆくことには変わりはありません。誘導がなかったら「UNSTANDARDS」で止まっていたんですから、良い世界に誘導してくれました。

投稿: 風呂井戸 | 2013年5月16日 (木) 17時30分

 monakaさんコメントおよびトラックバック有り難うございました。シカゴからお帰り後もお元気にブログを書かれていてタフですね・・・・読ませて頂いています(笑)。
 monakaさんがかって取り上げられた「Force」は興味あるのですが、まだ私は聴いてないんです。多分想像するに日本盤3枚とは作りが若干違うのでは?と思っていますが、いかがですか?。それとガラティのトリオ・アルバムというのがこれだけのキャリアの中でそんなに積極的でないですね。このあたりはどんな事情か知りませんが、「TRACTION AVANT」が素晴らしかっただけに、ちょっと残念に思っています。

投稿: 風呂井戸 | 2013年5月16日 (木) 17時41分

風呂井戸さん  逆に「UNSTANDARDS」はあの3作の後聴いていますが、正直言って、3作との落差に驚きました。おっしゃるとおり、日本人プロデュースによる日本人のためのアルバムだったのでしょう。しかし、素晴らしいことに何の変わりはありませんが ・・・。

投稿: 爵士 | 2013年5月16日 (木) 22時50分

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