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2013年7月11日 (木)

ポーランド・プログレ=サテライト SATELLITE 「EVENING GAMES」

叙情的なシンフォニック・ロック・バンドの道を歩み続ける

 ポーランドのプログレッシブ・ロックを探っていると、ポーランドならではの薄暗さの中に叙情的なメロディーが流れてくるのが特徴的だ。その道をしっかり継承して聴かせてくれるのがこのサテライトSATELLITEだ。

<Progressive Rock> SATELLITE 「EVENING GAMES」
            Metal Mind Production   MMP cd 0298 DG  ,  2004

Satelliteeveningg

 このバンドは、2003年に1st「Street Between Sunrise And Sunset」をリリースしているが、実は前回紹介したコラージュCOLLAGEの解散後その中のメンバー(ギター、ドラム、ヴォーカルが中心になって)が結成したバンドなのだ。そしてこのアルバムは2ndアルバムであるが、これまた名作と言われている。
 ところがこのアルバムになると、肝心のギタリストMarek Gil は脱退している(彼はここで既に紹介したBELLIVE を後に結成して今日まで活躍中)。まあ一つのバンドに両雄(Gili とSzadkowski)は難しいのでしょうね。そしてメンバーは下記のようなところ(*印が元コラージュのメンバー)。
    *Robert Amiran : Vocals
     Sarhan Artur Kubeisi : Guitars

    *Krzysiek Palczewski : Keyboards
     Przemek Zawadzki : Bass

    *Wojtek Szadkowski : Drums, ac.guitars

 もともとコラージュでは、ドラマーのザドコフスキSzadkowski が曲作りには貢献していたので、そのままこのバンドにおいては全て彼の曲で埋め尽くされている。従ってコラージュの流れをしっかり繋いでのシンフォニックなロックを展開している。ギタリストが変わっているが、そのKubeisi も流れを彼なりきに旨く繋ぎ、又曲によっては更にギタリストを加えているといった恰好。

Eveningglist
 さてこのアルバムには10曲納められている。
 オープニングが結構凝っていてSE(夕暮れの子供達の遊び声、そして落雷の音)を使って導入する。アルバム・タイトル曲”Evening Games”のタイトルどおり、彼等はあらゆるところで夕暮れの情景を描くところに焦点を持っている。この曲17分にも及ぼうとする長曲。彼等の夜を迎えるわけだがそこに希望はあるのか?・・・彼等の唄はそこから始まるわけだ。曲のシンフォニック・パターンは見事。まさに叙情詩、そしてやや暗い情景だが一筋の光明が見えるような曲展開。これははっきり言って名曲である。
 そして続く”Never Never”は彼等の訴えが響いてくる。このあたりのシンセ、ピアノのキーボードの流れに乗っての各楽器の交錯、そしてヴォーカルの交錯はシンフォニックを代名詞にしているサテライトの真骨頂。そしてドラマーのリードによって造られているこの曲群、複雑なバチ裁きはみごとである。

 さてさてこんな調子で全編貫いている。私の印象としては都会の黄昏から夜にかけての彼等の希望が失われていく社会に於ける存在の不安感が描かれているのではないかと思うのである。実際には、ロシアの暗い不安定な政情から生まれる不安社会を主題にもっているようだ。

 しかしこうしたアンサンブルの妙を集約した演奏のレベルの高さと壮大な叙情詩を展開するアルバムを生んでゆくポーランドの実力には脱帽である。
 さて結論だが、彼等のパターンは、イエス、ジェネシス、マリリオンと言ったところであることを付け加えておく。とにかく途切れなく叩き込んでくるアンサンブルと変調子を交えてのドラムスの交錯には若干疲労感も感じられるほどだ。
  彼等の近作は2009年4thアルバム「Nostalgia」

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=2VkhiCdnWQQ
     

 

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コメント

ココのところのポーランド産にやや刺激を受けつつあります(笑)。ポーランドという国にフォーカスして音を聴いたことがなかったので、なるほど…、言われてみればそういうお国柄なのかも、と曲解した鬱感を想像しています。派生バンドも含めて新鋭アーティスト系はアレコレと面白そうですね。再度深堀りしてみようかな。

投稿: フレ | 2013年7月11日 (木) 22時15分

 フレさんの多角的アプローチは私にはなかなか出来ないのですが・・・・・、音楽そのものに価値観の高いポーランドはなかなか奥深いです。ジャズ分野はかなりインターナショナルな評価を勝ち取りやすいのかポーランドの評価は高いです。
 一方ポーランドに盛んなロックにおいてのプログレ系はどちらかというとその分野はマニヤックになる傾向にあり、ポップのようにインターナショナルに売り上げを上げることはなかなか至難の業のようで、日本においても情報は少ないのですね。しかしあの国の叙情性は、なんと日本人の愛するものにはかなり共通するのだとと思います。情報があればもっともっと日本で愛されて良いように思いますね。

投稿: 風呂井戸 | 2013年7月12日 (金) 09時09分

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