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2013年8月 5日 (月)

オーペスOpeth (瑞典プログレ)のアルバム「Heritage」

北欧スウェーデンのプログレ重鎮バンド

 このところまあ私の”本来の姿”と言えばそうなんですが、「プログレッシブ・ロック」にお茶を濁しているわけですが・・・、ご本家現代ブリティッシュ・フログレのエース、ポーキュパイン・ツリーそしてその中心人物スティーヴン・ウィルソンと話が進んでしまうと、彼の関係しているスウェーデンのオーペスOpethを挙げなきゃいかんだろうと、ここに登場するわけです。

<progressive Rock> Opeth 「Heritage」
                 Roadranner Records  RR7705-2 , 2011

 

Heritage

 スティーヴン・ウィルソンSteven Wilsonとオーペスの関わり合いは知られているところだが、さてさてそのきっかけは何なんだったのか?、そのあたりは不明。たぶんプログレ系のバンドとして顔を合わせたことは当然だろうし、ウィルソンがエンジニアとして関係したことも事実。いずれにしてもウィルソンとオーペスのリーダーのミカエル・オーカーフェルトMikael Åkerfeldt で「Storm Corrosion」という作品を残したところは相当に濃密だ。このアルバム「Heritage」にも制作エンジニアとしてウィルソンが携わっている。

 なにせ、このオーペスというバンド、1995年にお目見えしその歴史も長い。既に11枚のアルバムをリリースしている。その作品は所謂ゴシック調の流行の中、デスメタルのパターンをベースにプログレの因子は評価されていたが(いわゆるプログレッシブ・デスメタル)、どうもデス嫌いの私は取っ付くことも無く来た訳である。
 ところが最近何がどうしたのか、メンバーも大きく入れ替わり、キーボードも多用され、70年代プログレの味が強化され、デス因子が無くなってきたというので、このアルバムに初めてとりついたところである。

Opethmembers

MUSICIANS: (*印 現メンバー)
*Mikael Åkerfeldt – All vocals, lead, rhythm and acoustic guitars, mellotron, grand piano
*Fredrik Åkesson – Lead, rhythm guitars, acoustig guitars on ”Pyre”
*Martin Mendez – Bass guitars
*Martin Axenrot – Drums and percussion
  Per Wiberg – Mellotron, grand & electric pianos, hammond B3
*Joakim Svalberg – Grand piano on ”Heritage”
  Alex Acun­a – Percussion on ”Famine”
  Björn J:son Lindh – Flute on ”Famine”

 なかなか切れ味の良い演奏、緩急の取り合わせの妙がいい。作曲はリーダーのミカエル(このバンドのオリジナル・メンバーは彼のみ)を中心に造られていて、彼はヴォーカル、リード・ギターでこのバンドを引っ張っているわけだが、キング・クリムゾンの影響を強く受けている。特に曲の展開に急の部分を入れ、そして荒々しく展開するところには、まさにクリムゾンの流れを感ずるが、やっぱりスウェーデンらしく北欧のメロディーが乗ってくる。
 ヴォーカル部分は、私にとってはそう好むタイプでないのだが比較的占めるところ少なくインスト曲に近い仕上げで納得。

Opeth_10Tracks:
1. Heritage
2. The Devil’s Orchard
3. I Feel The Dark
4. Slither
5. Nepenthe
6. Häxprocess
7. Famine
8. The Lines In My Hand
9. Folklore
10. Marrow Of The Earth


 かなり静かに叙情的に流れる曲の構成も多く取り入れていて、アコースティック・ギターを中心に美しく迫ってくる。そして曲によっては(”Famine”)、結構神秘的・幻想的ムードも描いて私の気持ちをくすぐってくれる。
 やはりアルバムをトータルに構築していくパターンで、オープニングの”Heritage”は抒情的なピアノ、続く”The Devil`s Orchad”は荒々しく、”I Feel the Dark”、”Slither”の重厚なヘビー・サウンドで圧倒し、そして中盤の北欧風な静とヘビーなサウンドの交錯。最後の締めの”Marrow of the Earth”は説得力のあるゆったりしたギターの美を聴かせてくれる。まあアルバム作りの巧さは一等級といってよいものだ。

 これは明らかにデスメタルとは違う。何がそうさせたのか?、スティーヴン・ウィルソン効果?、ミカエル・オーカーフェルトがやりたいことに向かって来た?、かって聴きかじったオーペスとは明らかに違う。これなら私も十分対応出来る現代プログレのパターンである。ならばそろそろこの後の作品も欲しいところ。

(試聴)「Heritage」http://www.youtube.com/watch?v=1t8fl96HPQI

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投稿: 時計 オメガ | 2013年8月28日 (水) 12時24分

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