ブログの製本化=「ココログ出版」終了に思う~アンジェイ・ワイダ、ロジャー・ウォーターズ
ブログを書籍として出版の意味は?そしてブログ自身の将来は?
~「灰とダイアモンド」、「月の裏側の世界」に期したものとは~
目下全五冊の「灰とダイアモンドと月の裏側の世界」
(製本化された当ブログ)
この”Niftyのブログ=ココログ”を利用して小生のブログ「灰とダイアモンドと月の裏側の世界」を書き始めたのは2006年12月24日”「灰とダイヤモンドの世界は・・・・」”というもの。既に思い起こすと6年半以上が経過している。
もともとこのブログは映画や音楽、書籍などを通じて”問題意識”というものを大切にして行きたいという発想からであったのだが・・・・。
「灰とダイアモンド」
当初”信念のポーランドの独立運動家としてのアンジェイ・ワイダ”を、彼の監督する映画の抵抗三部作といわれる作品の中の「灰とダイヤモンド」 を取り上げた。
この作品は、ポーランドにおける第二次世界大戦末期のドイツ軍の降伏によって解放されたかと思われた際のロンドン亡命政府系ゲリラと、ソ連を背景に持ったポーランド労働党との内紛の姿を描いた。ワイダの描くところはポーランドの悲願の独立を期すところ・・・・、しかしその後は悲劇のソ連統治下に置かれ、近年の解放される前には、一時彼の消息は全く無く、投獄されているという話もあった。そんなところからもポーランドのアンジェイ・ワイダの意志は語り繋いで行かねばならないと思っていた。
しかしこのブログを始めて後に、驚いたことに「カティンの森」 というアンジェイ・ワイダの作品が登場した(2007年)。これは私にとっては夢にも思わなかった驚きの彼の健在のニュースであった。この映画は、ベルリンの壁崩壊からポーランドもソ連から解放されるに到り、その結果自由が獲得されたことから、彼の人生の究極のあるところを80歳を過ぎて執念で描き完成させたもの。この事は私にとって彼の健在を知ることが出來て感動したところであった。しかもその後逆に日本の東日本大震災においては、彼からの激励のメッセージが日本に届いたことは更に驚きであった。私のブログが始まって以降、全く信じられないほどの展開もあったわけである。(又、彼の目下のところの最後の2009年作品「菖蒲」は、これからDVDとしてリリースされるので観ようと思っている)
そして目下彼は87歳にして最後の作品として、「ワレサ」に意欲を高めている。既に製作に入ったかどうかは不明だが、あの自主管理労働組合「連帯」のリーダーのワレサ(元大統領)を描こうとしているのだ。
一方、「月の裏側の世界」と言うのは私の音楽においてのリアルタイムなロックの歴史でもある~ご存じ”ピンク・フロイドの世界”だ。あの”当初のリーダーのシド・バレットが行ってしまった狂気の世界”。それを必死で次いだロジャー・ウォーターズにより表現された世界("The Dark Side of The Moon"=地球からは見れない月の裏側)。つまり常人では理解不可能な人間の狂気の世界を意味していたのだが・・・・・・。
このことに限らず、”ロックRock”と簡単に言ってしまうが、このロックは多くのミュージシャンにより1960ー70年代に世界が躍動し動いた音楽だ。ここにこそ、”若い者のエネルギー”が、”問題意識”が、”訴えの世界”更に”創造の世界”が存在しているのだという事を書きたかったところであった。つまり私の年代は奇しくもロックの歴史と平行して流れてきたのである。
ロジャー・ォーターズも70歳になろうとして、大規模のものとしては最後のライブと宣言し「THE WALL」ライブを目下4年間にわたって行っている。そこに流れるものは彼の戦争にからんでの不幸な自己の人生を背景として、人間の壁、そして社会の壁を描き、ここに来てイスラエル問題に対峙している。あの築かれたガザ地区の壁の撤廃を求め、イスラエルの人権侵害、国際法への違反を訴えている。
・・・・・・・しかし、時が流れると同時に、このブログに書き込むテーマも私の単なる趣味化してゆくことになり、いつの間にか「私の趣味の世界の備忘録」となってしまった。そんな訳で見たもの聞いたものなどを記録しいるといったところが現状の姿である。
そうしたところから、それならば製本化しておけば、将来多分忘れてしまうこともあろかと思われるので、何か意味でもあるかも知れないと・・・・・・現在までこのブログ「ココログ」の企画されている”ココログ出版”を通して製本化してきたわけである。それがいつの間にやら一冊230-250頁の本が五冊となってしまった。ここまで来るとなんとなく製本も止めてしまうのも面白くないので続けゆきたいと思っていたが、残念なことになんとここに来てこの”ココロク出版”による出版サービスが終了と言うことになった。
なにかちょっと寂しいなような気もする中で、これもインターネット社会の変化の中での一つの現象とも取れる。つまりブログというものも一つの転機が訪れたと言うことを表しているのであろう。かって”インターネットという情報コミュニケーション社会”が形成される以前に、”パソコン通信”というものがあったが、それに私は没頭したした一時期があった。考えてみればそれも歴史の一幕であった。多分この”ブログ社会”も、”ホームページ”のパターンを超えて普及し社会現象化したとはいえ、それも歴史の一幕になって行くのであろう。(既にTwitter社会が広がっている)
私自身もそんな中で、この当ブログをどうゆうものにするか、丁度考えるに良い時を迎えたと思っている。しかし目下のところ、そうは言っても私は多くの人の書かれるブログを拝見することが出來、そして結構楽しませて頂いている現状がまだまだここにはある。その事は、まだまだ大切にして行きたいと思うところでもあり・・・・、慌てず急がず次の時代も見据えて今後に対峙して行こうと思っているところである。
(試視聴)「灰とダイヤモンド」 http://www.youtube.com/watch?v=fdDo-gDkCFo&list=PLF294DA0CB4007180
「カティンの森」 http://www.youtube.com/watch?v=1o6yWgR2at8
「THE WALL-LIVE」 http://www.youtube.com/watch?v=OKxt-fOCB1s
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コメント
ブログ出版をされたのですか。わたしもかってそんなことを考えたこともありますが、そのうちエキサイトブログではそんなサービスもなくなり、一時期プリントアウトしたこともありますが、誰も読まないものを ・・・と思ってこれもやめ。
多少未練もありますが、所詮は1代限りの趣味の駄文、ブログをやめたらそれで終わりと決めています。
投稿: 爵士 | 2013年9月25日 (水) 10時55分
爵士さん、今晩わ。コメントどうも有り難う御座います。
そうですね、約1年少々が一冊になり、ここ何回か製本化して現在5冊になりました。しかし経験的に申し上げますと、やっぱり何らかの形で残しておいた方が良いと思います。この歳になってもやっぱりまだまだ変化し続けていることを思い知らされますと同時に、5年以上前はやはり既に懐かしい世界になります。又明らかに「備忘録」として個人的にも価値はあると思っています。
ましてや爵士さんは日記的ニュアンスも加味されていますので、是非ご家族にとっても価値ありで残すべきものです。私はお勧めします。(自分でしっかりプリント・アウトして製本化でも良いと思いますが~これが一番安上がりかも)
投稿: 風呂井戸 | 2013年9月25日 (水) 20時04分
やむなく断念しましたが、正直ちょっとうらやましさも感じますね。
投稿: 爵士 | 2013年9月25日 (水) 22時06分
お久しぶりです。yahooの方で音記事専用を試みています。
FC2で同じサービスがありましたが、テーマが1本じゃないと、本としての完成度があれなんで私には無理です。
オンラインでも、今やyoutobeから曲を引っ張ってくるようになるなんて、画像をQLD変換して、ishでテキスト化してた頃には、考えもしませんでした。
投稿: nr | 2013年10月11日 (金) 23時16分
nrさん、お早う御座います。
メール有り難う御座います。nrさんのお声を聞くと昔懐かしくなり嬉しい限りです。
そのyahooの音記事はどこを見れば良いのでしょうか?教えてください。
たまたま今日はこれから神戸に行きます。ポートピア・ホテルで会議です。そのあと大阪に泊まることになっています。そして続いて東京都と忙しい生活しています。
又何かの機会にお会いしたいです。
投稿: 風呂井戸 | 2013年10月12日 (土) 09時05分
urlはコメントの名前のところに入れております。
投稿: nr | 2013年10月13日 (日) 09時32分
http://www.lifestory.org/jomsocial/groups/viewdiscussion/183-Christian+Louboutin+Shoes+ralph+lauren.html?groupid=6
投稿: http://www.htmlforall.com/phorum/read.php?10,8672 | 2013年10月19日 (土) 21時27分
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投稿: Duetentinkifs | 2013年10月20日 (日) 18時15分
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投稿: Duetentinkifs | 2013年10月20日 (日) 22時49分