スーザン・トボックマンSusan Tobocman~粋なジャズ・ヴォーカル・・・彼女のことか?「WATERCOLOR DREAM」
久々の手強い女性ヴォーカルに遭遇した
<Jazz> Susan Tobocman 「WATERCOLOR DREAM」
TERASIMA RECORDS TYR-1036 , 2013
いきなりバック演奏無しにスーザン・トボックマンのヴォーカルからスタート。しかも節回しに一癖も二癖もある。"いっや~~なかなかやるわい"というスタイル。しかもこのこのアルバムは、今年寺島レコードからのリリースなのだが・・・もう既に10年以上前のアルバムの再発である(録音:1998年7月、システムⅡスタジオ(NY,ブルックリン))。とにかく寺島レコード(寺島靖国氏)が一押しのアルバムらしい。
私にとっては初物の彼女、興味津々で聴いてみた。ところがなかなか手ごわい相手だ。簡単にはいかんぞ・・・と、思いつつもう何回と聴いてしまった。
先ずは、寺島レコードの宣伝文句を・・・・
女性ヴォーカルに人一倍こだわる寺島プロデューサーもその歌声に参ってしまったニューヨーク在住の現役女性ヴォーカリスト。大ヒットコンピレーション『JAZZ BAR 2012』に別のアルバムから一曲を収録したところ、店頭・お客様からも「オリジナルアルバムはないのか?」という問い合わせが殺到。しかし彼女のアルバムはiTunes等配信でしかリリースされておらず、CD化が待たれながらもなかなか日本では情報が得られない状況が続いていました。
このたび、その絶賛の歌声を世に問うべく、寺島レコードからなんと世界初のCD化となります!!
・・・・・・と、いうところなのだ。
演奏:Susan Tobocman(vo), Peter Mihelich(p,key), Paul Gill(b), Mark Taylor(ds), Dan Converse(g), Jim Rotondi(tp), Steve Davis(tb), Mila Schiavo(perc)
このアルバム、左のような収録曲。おやあまり聴いたことない曲も・・・・と思ったら、4曲は彼女のオリジナル曲(2.8.9.10)。そうかと思えば誰もが知っている”Besame mucho”が登場、それがなんとこんな唄い方は初めて聴くと思うスタイル。なかなか自己主張の強いヴォーカルなのである。それは更に”close to you”を聴くと実感する。とにかく低音はややハスキーであるが、中高音はメリハリの効いた抑揚を付けてのクリアな歌声が展開し、彼女の独特の節回しでごまかしのない旋律をシッカリ歌って聴かせるのだ。
しかしもう一つの注目点は、このバック演奏。なかなか充実しているというか、編曲とインプロビゼーションにセンスを感ずるジャズ演奏で、それぞれの曲によってピアノに加えてその他の楽器の主役が面白く入れ替わり展開するという奥深さを聴かせてくれる。
そんな具合にこのアルバムは取り敢えずは一筋縄には行かないところが、実は究極の魅力に繋がったのである。
左が、参考までに15年前のこのアルバムのジャケ(CAPレコード)、これの一新日本盤がこれなのである。
この中の特に彼女のオリジナル曲”I never meant to dream of you”からのイメージは、百戦錬磨の酸いも甘いも知ったジャズ・ヴォーカリストという世界が感じられるのだ。歌手、作曲家、作詞家、アレンジャーとこなしていているという彼女の実力は本物なのであろう。早い話が玄人受けするという女性ヴォーカル・アルバムと結論づける。
あの寺島靖国が納得のヴォーカリストというのであるから、そりやー相当なモノでしょう。とにかくCDアルバムはこの一枚だけのようで・・・、最新録音盤もほしいところ。
(なお彼女の最新モノとしては、MP3ダウンロードものとして「Live in Detroit ~ with the Cliff Monnear trio」 があり、少々聴いてみるとかなり太めのパンチ力のあるヴォーカルが聴ける)
(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=C2t70mNCkZE
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コメント
納得です!!
投稿: 爵士 | 2013年10月25日 (金) 10時25分