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2013年11月29日 (金)

繊細にしてクール、しかし抒情感も漂う「OWL trio」

さりげなさ風の演奏に、思索の夜のムードが・・・・・

<Jazz>Lage Lund・Will Vinson・Orlando Le Fleming 「OWL Trio」
              Losen Records LOS1232,   2013

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 この世界はなんだか久しぶりの思索と安らぎの世界って感じのアルバム。
  このトリオは・・・・・・

Lage Lund-Guitar
Will Vinson-Saxophone
Orlando Le Fleming-Bass


 このような構成。ドラムスなしの、ギター、サックス、ベースによるトリオで、演奏は物語の始まりといったムードを展開させる。よく解らないが、多分ノルウェー出身のギタリストのラージュ・ルンドによるトリオ構成なのかと想像する。サックスとベースの他の二人はロンドン出身とか。
 さてそのラージュ・ルンド(ラーゲ・ルンドとも言われている)は、1977年生まれと言うから目下36歳というところか。高校卒業後、アメリカのバークリー音楽院に特待生として迎えられ、その後ジュリアード音楽院に学んでいる。とにかく2005年のモンク・コンペティションにてギター部門の優勝者ということで脚光を浴びた。このアルバムの前にカルテット(ピアノ・トリオ+ギター)の2ndアルバム「Unlikeiy Stories」(2010)をリリースしているが、今年のこのアルバムの構成はちょっと意外なトリオで三人の頭文字で”OWL trio”としたところは、今後も続けて行くというところか?。しかし聴いてみると一つの挑戦の姿が見えてくる。ノルウェーからのリリース。

List Tracklist は左のようで、スタートの曲がDuke Ellington、続く曲がJim Hall と、ちょっと懐かしのオールド・ジャズの回顧のムードが感じられ、若い割には古めかしい雰囲気だなぁ~と思いきや、なになに聴いていくと、これはやはり若者の未来感覚の挑戦である事が解ってくる。録音もブルックリンの教会で行われたというし、チェンバー・ジャズの道を探りつつ、彼等の一つの宇宙空間を構成している。それはドラムスがないだけに、非常に繊細にして、計算しつくされた音が迫ってきて、思索への道を開いて行く世界なのである。
 彼等のオリジナル曲は4.7.10の3曲。これははっきりオールト・ナンバーのカヴァーと世界が違う。やっぱり彼等の前衛性のある曲だということが解るが、それが静かに一つ一つの音を大事にしてのデリケートな展開に、若者という感覚から一歩前に進んでいることを知らしめられた。

066806 このアルバムでは、どちらかというと旋律はギターよりサックスによってリードされている。これはアルト・サックスと思うが、ちょっと聴いたところクラリネット風にも聴ける演奏タイプ。つまりうるさくなく語り聴かせる。そのサックスの音の空間を埋めるが如くのギターの音が、実に繊細で音一つも聞き逃すことの出来ない感覚に誘導されてしまう。ベースはどちらかというと静か。

 しかし、いやはやここまで三人でそれぞれの個性を出し語り挙げてゆき、そしてジャズの一つの世界を追求するところは結構楽しめる。
 彼等がオリジナル曲を演奏し続けると、どっか別の宇宙空間に飛んで行きそうな雰囲気があり、こうしたスタンダード曲を多く取り上げたところは、結果的にはそのバランスにおいて成功しているように思う。

 寒い夜に暖房を効かせて静かに自分を見つめるには良いアルバムだ。

(視聴)http://www.youtube.com/watch?v=meI31nyhefM

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2013年11月26日 (火)

ダイアナ・クラールDiana Krall ~「2010 Montreux Jazz Fes.」映像

やっぱり一味違う洗練されたプレイ

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<Jazz> Diana Krall 「SWITZERLAND 2010」(DVD)

2010 これはブートDVDの話です。その成り立ちが不明であるところが面白いブートBootlegですが、それにしては画像が綺麗で、マルチ・カメラのプロショット、音声も悪くない。こうゆうのはテレビ放映が材料なのか、その点は解らないが、いずれにしてもこうしてステージ・プレイが見れるところは嬉しいもの。

 これは2010年の「Montreux Jazz Festival」からの映像盤。彼女の2012年のアルバム「GLAD RAG DOLL」があまり面白くなかった為か、このところ話題が少ないので、次作への繋ぎを探っていて手にしたDVD。そろそろライブ・アルバムでも結構なのでニュー・アルバムを期待しているところであるが、まあこうしたライブDVDでもお茶を濁している私なのである。
 これは約50分ものであるが中身は意外と濃い。登場Listはこんなところ(↓)。

  1. Jockey full of bourbon
  2. Just found out about love
  3. Wide river cross
  4. Simple twist of fate
  5. Cheek to cheek
  6. Walk on by

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 三年前のプレイになるが、このスイスのジャズ・フェスティバルも、もう押しも押されぬ名フェスとなっていて、出演者の錚々たるところを誇っている。この年はHerbie Hancock, Pat Metheny, Buddy Guy そして Katie Meluaなども参加していた。

 ダイアナ・クラールはElvis Costello と共に7月13日に登場。そしてAnthony Wilsonのギター、 Robert Hurstのベース、Karrien Regginsのドラムスなど、既に息の合ったプレイをみせる。映像でも解るが、ピアノ・タッチの軽快さ、ヴォーカルの隙のなさにベテラン・クラスの演奏にはやっぱり彼女なりきの味があって、見ていると楽しさが倍増する。いっやー、いつ見ても彼女のピアノ・プレイと親父声といわれるところのヴォーカルはいいですね。

 さて、ここでちょっと話はかえて、まずブートといってもちょっと気になるのがこのジャケで、写真はここに載せた最初のモノを使ったのでしょうが、タイトルの”Switzerland 2010”とあるべきところが、ご覧のように”z”が抜けていて・・・こりゃ何でしょう?(笑)、このあたりがブートのブートらしい楽しさでもある。
 そしてもう一つはこの50分の映像モノは、YouTubeにて全て見れるもの(こちらも良好映像)。そのあたりが笑ってしまうわけで、どちらがどうしたのかは知りませんが、是非とも参考にしてください。まあ多分この映像は、テレビ放映当たりがその元ではないかと思いますが、そんなブートとYouTubeの映像の出所なども想像しながら鑑賞すると一晩しっかりと潰せますので、どちらかでどうぞ。

(視聴)http://www.youtube.com/watch?v=ttF45s-Ikb8

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2013年11月23日 (土)

ダイアナ・パントンDiana Pantonのニュー・アルバム「RED」

相変わらずのキュートでプリティーなヴォーカルがたっぷり

<Jazz> Diana Panton 「RED」
              Muzak  MZCF-1281, 2013

Red5
 ジャズ界での話題も多いカナダの歌姫、とにかく歳に似合わず(多分)あどけなさのあるシュガー・ヴォイスはどこから出てくるのかと不思議になる彼女のヴォーカル。ここにニュー・アルバム(6th)「RED~ルージュのため息」が登場。なんとそのキュート、プリティーというムードは更にアップして、もはや"こりゃまいった"とうところ。
 既に何回か彼女は取り上げているので詳細は過去のアーティクルに譲るとして(私が最初に聴いたのは2011年 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/diana-panton-06.html )、そのさてさて今回のアルバム、ピアノ、ビブラフォン、ギターに加えてトリングス、サックス、ハープなど多彩な演奏陣が静かに彼女のヴォーカルをバック・アップしている。布陣は下記の通り。

ダイアナ・パントン (vo)
ドン・トンプソン (p, vib)
レグ・シュワガー (g)
フィル・ドワイヤーズ (s)
ジム・ヴィヴィアン (b)
ハリソン・ケネディ (vo on track5)
モッシェ・ハマー (vln)
プレイズ・ラム (vln)
ダイアン・レウン (vla)
コエンリード・ブローメンダル (cello)
エリカ・グッドマン (harp)

Yardbird_article_iii とにかく癒やし系アルバムとしての仕上げは冴えたるモノだ。もともとドン・トンプソンDon Thompsonによって見いだされ、そして作り上げられたと言っても良い彼女だが、不思議にあどけなくセクシーでありながら、意外に嫌らしいところがない。やっぱり不思議と言う言葉を使ってしまうが、こうしたタイプはやっぱり日本には受ける要素があると思う。又香港、台湾で圧倒的な支持を得たという。

Redlist

 tracklistは左のように13曲。スタンダード・カヴァーが中心だが、彼女とトンプソンの共作の曲もある(12)。以前の(4thアルバム「to Brazil with love」 )ボサノヴァ調とは変わって、今回は極めてムーディーな曲の仕上げ。そしてバックの演奏もそれを引き立たせるべく、エレガントというか品のある演奏で一種独特な世界に引っ張り込む。それは極めて落ち着いた安堵を誘う世界だ。

 私にとっては、どの曲がどうと言うのでなく、全編一つになってのラブ・ソング集と感じている。とにかく最後の”amazing”で完全に幸福感に埋没させてくれるのである。取り敢えず相変わらずの合格点といった評価になりますね。

(参考試聴) Moonlight Serebade

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2013年11月18日 (月)

葡萄牙(ポルトガル)~瞬光残像(1)

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「ポルトガル・ナザレNazaréの夕景」
      Olympus OM-D EM-5 ,  OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 12-50mm 3.5-6.3 EZ
                                

   アマリア・ロドリゲスの最もヒットした曲「暗い艀(はしけ)」の登場したフランス映画「過去をもつ愛情」で、世界的に有名になった港町ナザレにてのワン・ショット。私の訪れた11月4日は、既に夏の賑わいはないが、海岸に面した通り(レプブリカ通り)には観光客が暗くなるまで右に左に流れていた。この町の面した大西洋の波は高くサーフィンとしても人気のところとか。 高台のシティオ地区には、17世紀の建物のナザレ教会(Igreja Nossa Senhora da Nazaré)があり、ここにはあのヴァスコ・ダ・ガマも訪れているという。その近くの崖の上からのこの街の展望は素晴らしい(↓)。

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                            (2013.11.4  撮影)

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2013年11月15日 (金)

リスボンのジャズ・クラブ~Joanaとの出会い~葡萄牙の旅(3)

三度目の正直で楽しいジャズとの出会い

Joana3       <João Hasselberg(bass) & Joana Espadinha(vocal) 05. nov. 2013撮影>
 

 ポルトガルの首都リスボンもなかなか楽しい街であった。
 このリスボンでは、ご当地版ミュージックのファドは是非とも食事をしながら聴きたいという事で、それは当然実現させたわけであるが・・・・もう一つの狙いはジャズ・ライブを聴くこと。

 さてその企みで、もともと狙っていたのは「スピークイージーSpeakeasy」というクラブであったが、残念ながら当日の演奏無し、となれば・・・とホテルで探してもらったのが、「Onda JAZZ」という宣伝では”Live Music ever night”ということでタクシーに探してもらって行ってみた。なかなかよさそうなところで入って聞いてみると、本日はやっぱり演奏の休日、そこでそこの大将に、”"every night"とあるで何とかせいよ”と迫ったら、ペーパーに住所とクラブ名を書いて別のクラブを紹介してくれた。さあそれからタクシーに乗って再びそのクラブ探し、なんと拾ったタクシーの運ちゃんは張り切ってあっちこっちと探し歩き、連れて行ったところはいやはや「ストリップ・クラブ」、大笑いして”おい責任もってちゃんと探せよ”と日本語でタクシーの運ちゃんに迫ると、やーー楽しい運ちゃんで、汗をかきかき仲間に連絡を取りながら探してくれたのであった。このためリスボンのあちらこちらをタクシーで廻って歩いて夜の観光をして居るみたいな気分。それが又タクシー料金が日本に比べると圧倒的に安い。まあこれだけでも笑いこけながらジャズ・クラブ探訪となったのである。

Whatever そして三つ目のクラブに開場10分前に到着。それが「HOT CLUB PORTUGAL」というところ。本日はJOÃO HASSLBERG というリーダー(ベーシスト)の演奏。左のCDの内容であった。

「WHATEVER IT IS YOU'RE SEEKING WON'T COME IN THE FROM YOU'RE EXPECTING」
  Sintoma Records , 2013


(members)
João Hasselberg : bass
Luis Figueiredo : piano
Diago Duque : tp
Bruno Pedroso : drums
Riccardo Toscano : sax
Afenso Pais : guitar
Joo Firmino : guitar
Joana Espadinha : vocals
Luisa Sobral : vocals

Whateverlist このアルバムのTracklistは左のようで、この演奏を披露。しかしジャズ・タイプはさすが欧州、私好みであったことは是非とも下のYouTube試聴をして欲しい。特に3曲目の”To a god unknown”は、Joanaのヴォーカルが見事で聴き惚れてしまった。彼女の澄んだ声とそのムードはトラッドぽく、又その作り出す世界は一流。そしてもう一人の女性ヴォーカリストはLuisa Sobral、彼女はやや物憂い歌を聴かせた。

Joaohasselbergtrio2
 又、オール・メンバーの演奏もメリハリがきいて見事であったし、ピアノ・トリオの演奏も、ちょっと心に響いてくるところは快感。実は期待以上で納得のところであったのだ。
 そして更に驚きは村上春樹の小説「海辺のカフカ」からアルバム・タイトルは引用しているようだ。(彼等の演奏はここではこの日のみで、この日の演奏がYouTubeにアップされている)

Band3_2 こんなところからもポルトガルと日本の繋がりを感じつつ、しかも更に更に驚きと偶然に楽しめたのは、この美しいヴォーカリストJoanaの父親が彼女の姿と演奏を見に来ていて、我々の横に座っていたことだ。日本人は我々しか居ないため珍しい為か、色々と話が出来たし、更に横には母親、後ろには数学の教師をしているという姉がいて、このCDを一枚5ユーロで買ってきてくれたのである。更にビールもご馳走してくれた。

 ポルトガルの観光も素晴らしかったが、こんなジャズを求めてのタクシーの運ちゃんとの楽しかった顛末から、このジャズ・クラブでのポルトガルの人達との楽しい交わりは、最高の土産になったのである。

(試聴)"To a god unknown" http://www.youtube.com/watch?v=uPE-U2iDnTA

          "João Hasselberg Band" http://www.youtube.com/watch?v=7tAcVuX-4cs

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2013年11月12日 (火)

葡萄牙(ポルトガル)縦断の旅(2)~大学の街に唄われるコインブラ・ファド

文化的充実度満点の大学都市コインブラ~音楽を愛する街でもある

Photo
          (コインブラ大学学生達の演奏~2013.11.2)

Coimbra ポルトガルといえば、日本に西洋文化を運んだ最初の国、そんな親密感がありますが、しかし考えてみればユーラシア大陸の最も西の国、まさに遠い国ですね。 大西洋に面しているため食事は魚類が豊富で日本に似ている。印象としてはワインとコーヒーの国といった感じだが・・・・・。
 
 

 そのポルトガル第3の都市は文化の中心、丘の上にあるポルトガルの歴史を作ってきた由緒ある大学を中心にして丘陵地に広がる美しい街コインブラCoimbraだ。そしてここにもポルトガルを代表する音楽ファドが育ってきた。リスボンの女性の唄う哀愁のファドと異なって、男性が唄うところから、”コインブラ・ファド”と言われている。メロディーは意外に明るくそして繊細で、この大学を卒業した男性によって歌い継がれている。
 ここの学生は黒いマントを羽織って歩くところがミソで、ファドを唄う時にもそのマントを羽織って唄うのである。

Frederico さて、このコインブラ・ファドもコインブラの街及びリスボンのレストランで聴くことが出来た。

(左)Frederico Vinagre

 彼はなかなか顔に似合わず美声の持ち主、歌のテクニックも素晴らしい。今回のポルトガル旅行で初めて知った”コインブラ・ファド”というもの。こうして世界を歩いてみると、その地の伝統を持った音楽があることに感動もしたというところ。
 しかもこの彼は愛嬌もたっぷりであって、ショーが終わった後、私がこのレストランの別コーナーに彼の座っているテーブルに行き、CDの話をすると、自分のCDを沢山出して積み上げて、さてこれから売ろうとニッコリとして話しかけてくる。私がポーランド語が解る訳はないのだが、なにかその仕草が人なつこく、なんとなく意味は通ずるところが面白い。
Gredericovinagre
 そこで男もののファドCDは買うつもりが無かったのだが・・・・、取り敢えず20ユーロを出したら、嬉しそうにしてくれた。当然買ったと言うことになる。( ←「Coimbra」Metro-som CD 204 P)。
 

・・・と言う調子で、ご機嫌なポルトガルの音楽の一夜を食事と音楽で過ごしたのであるが、私が帰る時になると外に出てきて送ってくれた。そんな帰り際に、こんなスナップ写真を撮ったわけだ(私の顔はボカしてあるがあしからず)。

Fredericofloyd

(参考視聴)① Frederico Vinage  http://www.youtube.com/watch?v=6NLZIhZ7yk4

 

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2013年11月10日 (日)

葡萄牙(ポルトガル)縦断の旅(1)~民族歌謡ファドFado

やはりポルトガルと言えば民族音楽ファドFado

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                         (ポルトガル北の都市ポルトにて・・・2013.11.1撮影)

 ちょっと気晴らしの旅としてポルトガルに行って来たのですが、縦断の旅としては北部の空港のある都市ポルトからスタート。ここは日本としてはポート(port)・ワインの地と言えば解るところ。しかし実はポルトガルという国の発祥の地でもあるのである。なかなか美しい街ですが、ここからリスボンに縦断南下しました。
 そんな観光話は別として、やっぱり音楽話としては、ポルトガル=民謡ファドですね。まあ私はアマリア・ロドリゲスぐらいしか知らなかったのですが・・・と言うことはそれほど興味も無かったと言うことになる。
 ファドとは”Casa do Fado”と言われるぐらいレストランなどで唄われる大衆歌謡なんですね。いまや首都リスボン行くと誰もが楽しく接することが出来る。

 そこでリスボンのファド・レストラン(”O FORCARDO” - restaurante Típico)で聴いたファドの紹介

Fernanda(左)Fernanda Santos

 彼女は体格も良いがその声量には圧倒される。もともと私の場合は、CDその他で女性のファド・ヴォーカルを聴いてきたものとは相当に違っていた。もともとファドとは「運命」という意味で、失われたモノに対する郷愁、悲しみや懐かしさなどの複雑な心を描いた哀愁の曲として受け止めており、このような広い会場に朗々と響く圧倒的な声量での歌声で演じられるのに驚いたのである。

Forasilva(左) Flora Silvia

 なかなかのベテラン歌手ということは、相当な歳です。それでも声量は十分納得させる実力を持っている。YouTubeなどにも多く登場しているので、実力と貫禄の歌手なのであろう。

 さて、その後は私の得意の行状。彼女たちとの別室での3人でのお話しが持てた。全く言葉は解らないが、それでもお互いの雰囲気手振りなどで意味は解る。この店ではFlora SilviaのCDは売っていたので取り敢えず彼女から直接買ったんですが、Fernanda SantosのCDがないので、彼女本人に迫ると、おもむろにバックを開けて、入っていた一枚のみのCDを私にプレゼントしてくれた(歌が気に入った話をした為か、いやはや感謝)。もちろん私の名前も入れてのサインを付けて。
Listmemo


 そして左は彼女らが今夜唄ったリストをそれぞれ自筆で書いてくれたメモである。

Fernandasantos
(左) これらが、彼女らの2枚のCDのジャケ。アマリア・ロドリゲスがフランス映画「過去をもつ愛情」で世界的に有名にしたファドの曲”暗い艀(はしけ)BARCO NEGRO”も唄われている。

 この夜のファドの話はまだ続くのですが・・・・

 とにかく、ファドとはかってポルトガルはブラジル、アフリカ、アジアと世界各地に侵出した。そして植民地から多くの文化が入ったわけだが、特にその中ではこのファドという大衆的音楽は、特にブラジルにおけるアフリカ人奴隷が親しんでいた音楽という説があったりするが、いずれにしてもリスボンの下町でつらい生活の中でひとときの娯楽として広がったというところは事実であったようだ。
Florasilva 楽器は、ポルトガルのギターのギターラ(12弦)と、一般的クラシック・ギター(ヴィオラ)が一般的。

 ポルトガルと言うととにかくまずは民族音楽としてファドを取り上げなければならないところ。又このファドにはリスボンから少々離れたコインブラという大学都市にもコインブラ・ファドというものがあり、これはリスボンのファドは女性の心情を唄うモノであるが、それに対してこのコインブラ・ファドは男子の歌であり、どうもこれは学生が女性に捧げたセレナーデであるようで、こちらはむしろ明るさもある。このあたりは又次回。

(参考視聴)Amalia Rodrrigues "Barco negro" http://www.youtube.com/watch?v=bKmCib5YsYo
                 Flora Silva ""Janelas do rés-do-chão"  http://www.youtube.com/watch?v=Dh0aNLd9Z0I

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