リスボンのジャズ・クラブ~Joanaとの出会い~葡萄牙の旅(3)
三度目の正直で楽しいジャズとの出会い
<João Hasselberg(bass) & Joana Espadinha(vocal) 05. nov. 2013撮影>
ポルトガルの首都リスボンもなかなか楽しい街であった。
このリスボンでは、ご当地版ミュージックのファドは是非とも食事をしながら聴きたいという事で、それは当然実現させたわけであるが・・・・もう一つの狙いはジャズ・ライブを聴くこと。
さてその企みで、もともと狙っていたのは「スピークイージーSpeakeasy」というクラブであったが、残念ながら当日の演奏無し、となれば・・・とホテルで探してもらったのが、「Onda JAZZ」という宣伝では”Live Music ever night”ということでタクシーに探してもらって行ってみた。なかなかよさそうなところで入って聞いてみると、本日はやっぱり演奏の休日、そこでそこの大将に、”"every night"とあるで何とかせいよ”と迫ったら、ペーパーに住所とクラブ名を書いて別のクラブを紹介してくれた。さあそれからタクシーに乗って再びそのクラブ探し、なんと拾ったタクシーの運ちゃんは張り切ってあっちこっちと探し歩き、連れて行ったところはいやはや「ストリップ・クラブ」、大笑いして”おい責任もってちゃんと探せよ”と日本語でタクシーの運ちゃんに迫ると、やーー楽しい運ちゃんで、汗をかきかき仲間に連絡を取りながら探してくれたのであった。このためリスボンのあちらこちらをタクシーで廻って歩いて夜の観光をして居るみたいな気分。それが又タクシー料金が日本に比べると圧倒的に安い。まあこれだけでも笑いこけながらジャズ・クラブ探訪となったのである。
そして三つ目のクラブに開場10分前に到着。それが「HOT CLUB PORTUGAL」というところ。本日はJOÃO HASSLBERG というリーダー(ベーシスト)の演奏。左のCDの内容であった。
「WHATEVER IT IS YOU'RE SEEKING WON'T COME IN THE FROM YOU'RE EXPECTING」
Sintoma Records , 2013
(members)
João Hasselberg : bass
Luis Figueiredo : piano
Diago Duque : tp
Bruno Pedroso : drums
Riccardo Toscano : sax
Afenso Pais : guitar
Joo Firmino : guitar
Joana Espadinha : vocals
Luisa Sobral : vocals
このアルバムのTracklistは左のようで、この演奏を披露。しかしジャズ・タイプはさすが欧州、私好みであったことは是非とも下のYouTube試聴をして欲しい。特に3曲目の”To a god unknown”は、Joanaのヴォーカルが見事で聴き惚れてしまった。彼女の澄んだ声とそのムードはトラッドぽく、又その作り出す世界は一流。そしてもう一人の女性ヴォーカリストはLuisa Sobral、彼女はやや物憂い歌を聴かせた。
又、オール・メンバーの演奏もメリハリがきいて見事であったし、ピアノ・トリオの演奏も、ちょっと心に響いてくるところは快感。実は期待以上で納得のところであったのだ。
そして更に驚きは村上春樹の小説「海辺のカフカ」からアルバム・タイトルは引用しているようだ。(彼等の演奏はここではこの日のみで、この日の演奏がYouTubeにアップされている)
こんなところからもポルトガルと日本の繋がりを感じつつ、しかも更に更に驚きと偶然に楽しめたのは、この美しいヴォーカリストJoanaの父親が彼女の姿と演奏を見に来ていて、我々の横に座っていたことだ。日本人は我々しか居ないため珍しい為か、色々と話が出来たし、更に横には母親、後ろには数学の教師をしているという姉がいて、このCDを一枚5ユーロで買ってきてくれたのである。更にビールもご馳走してくれた。
ポルトガルの観光も素晴らしかったが、こんなジャズを求めてのタクシーの運ちゃんとの楽しかった顛末から、このジャズ・クラブでのポルトガルの人達との楽しい交わりは、最高の土産になったのである。
(試聴)"To a god unknown" http://www.youtube.com/watch?v=uPE-U2iDnTA
"João Hasselberg Band" http://www.youtube.com/watch?v=7tAcVuX-4cs
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