グレッチェン・パーラトGretchen Parlato 「live in nyc」&「the lost and found」
ニューヨーク発の新時代のヴォーカル?
<Jazz> gretchen parlato 「ive in nyc」
ObliqSound Production / USA / CD+DVD / OSD-CD-114 / 2013
1. Butterfly (Herbie Hancock)*
2. All That I Can Say (Lauryn Hill)
3. Alo Alo (Paulinho Da Viola)*
4. Withing Me (Francis Jacob)
5. Holding Back The Years(Mick Hucknall)
6. Juju (Wayne Shorter)
7. Weak (Brian Alexander Morgan)*
8. On The Other Side (Francis Jacob)
9. Better Than (Parlato)*
(*印 DVD(Live映像))
taylor eigsti, alan hampton, mark guiliana
tracks 1, 3, 4, 6.
taylor eigsti, burniss earl travis II, kendrick scott
tracks 2, 7, 8, 9.
Hancockの”Butterfly”のから始まる8曲のカヴァー曲と自己の一曲の最新ライブ・アルバム。それが控えめというか、囁きというか、熱唱タイプとは全く異なる変幻自在な不思議なヴォーカル。それを誘導するかのドラムス、そして洒落たピアノと、とにかく格好いいコンテンポラリー・ジャズ。・・・・・こんなアルバム(4曲のDVD映像付き)が友人から届いた。このグレッチェン・パラートという女性のヴォーカルは私にとっては初物。さっそく調べてみると、2005年からの彼女のリーダー作のDiscographyは下のようである。これが4枚目。
Live in NYC (Obliqsound, 2013)
The Lost and Found (Obliqsound, 2011)
In a Dream (Obliqsound, 2009)
Gretchen Parlato (self-released, 2005)
・・・・・と言うことで、これはほっとけないと、スタジオ・アルバムの近作(2011年)を早速入手、取り敢えず聴くことにしたのである(↓)。
<Jazz> gretchen parlato 「the lost and found」
ObliqSound / USA / CD / OSD-CD 113 / 2011
Recorded on August 19-21, 2010 at Sear Sound, NYC
Gretchen Parlato (vo,per)
Taylor Eigsti (p,fender rhodes,hammomd B3)
Derrick Hodge (b,el-b)
Kendrick Scott (ds)
Dayna Stephens (ts) #4,14
Alan Hampton (vo,g) #5
Robert Glasper (fender rhodes) #10
彼女のヴォーカル・アルバムではあるが、バックのピアノ・トリオを主とした演奏陣との融合が素晴らしく、ヴォーカルも一つの楽器のようでカルテットと言っても良い世界を構築している。
彼女のウィスパー・ヴォイスといってよい歌唱法は、セクシー・アッピールを目的とした部類で無く、とにかくお洒落というところに尽きる。ボッサを歌い込んできたと言われているところは、洗練されたスピリチュアルな面にも生きている。
Tracklistは下記のごとく15曲。このアルバムでは彼女の自作曲(*印)が面白く出色、なかなかミュージシャンとしての技能も並々ならぬといったところか。それと共にStephensのアルバム・タイトル曲や、彼女の師匠であるWayne Shorterの曲(”Juju”)なども登場させて、アレンジ面も一級品。
1. Holding Back the Years
2. Winter Wind*
3. How We Love*
4. Juju
5. Still
6. Better Than *
7. Alo, Alo
8. Circling*
9. Henya
10. In A Dream ( Remix )
11. All That I Can Say
12. Me and You
13. Blue In Green
14. The Lost and Found
15. Without A Sound
彼女はNYで活躍している。丁度10年前の2004年にThelonious Monk Competition ヴォーカル部門で優勝して名乗りを上げたとか。とにかく囁き系とはいえテクニカルな唄は一級品。そしてこのコンテンポラリーな仕上げは、彼女自身のアレンジが生んだ方向なのか、はたまた今時のコンテンポラリー・ジャズの注目株ドラマーのKendrick Scottのリードによる流れからのものか、いずれにしてもNY発の新時代ジャズだ。
若手とは言えTaylor Eigstiのピアノも彼女のヴォーカルとうまく絡んでお見事。彼女の曲”Better Than ”におけるピアノ・プレイは、私好みで聴きどころ。
又Da Vioraの”Alo Alo”などでは、ちょっとやそっとのヴォーカリストでないところを見せつける。
とにかく新時代を開いて行くジャズ・ヴォーカル・アルバムとして喝采を浴びせたい。いやはやNYもやっぱり一派値なら無いところがある事を知らしめてくれた。
(視聴)
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コメント
さすが「Tierney Sutton」に師事しただけのことはありますね。 間違いなく将来の大物でしょう!
投稿: 爵士 | 2014年2月14日 (金) 21時57分
爵士さんコメントどうも・・・・・。
大雪ですね。私のまわりも40cmは積もっています。こんな休日は音楽がいいですね。
Gretchen Parlato は、Tierney Sutton の流れですか?。こうゆうコンテンポラリー系もなかなか魅力があります。
投稿: 風呂井戸 | 2014年2月15日 (土) 11時13分
風呂井戸さん,こんにちは。
Gretchen Parlatoのヴォーカルは,楽器の一部として機能していると私は評価しています。私はジャズ・ヴォーカルにはうといですが,現在のヴォーカル界で最も私にフィットしているのがこの人であることは,そうした器楽的要素の強さ所以かもしれません。
また,バンドもいいところが揃っているのも魅力ですよね。
ということで,2枚分TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年2月16日 (日) 13時13分
中年音楽狂さん、コメント有り難うございます。しっかりGretchen Parlatoは聴き込んでいたんですね。この世界は結構病みつきになりそうです(笑)。そうそうトラックバックも有り難うございました。
女性ジャズ・ヴォーカルは、それなりに私は好きなんですが、その中でもPatricia Barberのように、やっぱり一筋縄ではゆきそうもないものが好みです。今後もGretchen Parlatoも更に発展を期待しているところです。
投稿: 風呂井戸 | 2014年2月16日 (日) 17時32分
Thank you for the sensible critique. Me & my neighbor were just preparing to do some research about this. We got a grab a book from our area library but I think I learned more clear from this post. I’m very glad to see such wonderful information being shared freely out there.
投稿: Kennedy | 2014年3月 7日 (金) 09時29分