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2014年2月24日 (月)

モジュジェル・ダニエルソン・フレスコ : 異色作「Polska」

レシェック・モジュジェル、ラーシュ・ダニエルソン、ゾハール・フレスコの創造的トリオ版

<Jazz> Możdżer Danielsson Fresco 「Polsca」
              ACT Music  / 9557-2 / 2013

 

Polska

  ポーランドの注目すべきピアニストのレシェック・モジュジェルLeszek Możdżerの昨年リリースされた最新アルバム。今回はあのスウェーデンのラーシュ・ダニエルソンLars Danielsson(アルバム「PASODOBLE」における二人の共演作の素晴らしさは既に取り上げてきた)のベースに、イスラエルのゾハール・フレスコZohar Fresco のパーカッションも加わって、基本的にはモジュジェル主導の印象はあるが、不思議なトリオのアルバムと言ってよいものだ。このトリオはどのような事で出来た関係かは知らないが、何年か前からの既成観念を打ち破る演奏活動がこうして継続されている(「THE TIME」というアルバムがある)。
 そしてなんとアルバム・タイトルが「Polska」となっている。これはまさに”ポーランド”という意味で、モジュジェルの自国の名を付けた曲を持ってきたところにその迫力がある。

 
  Leszek Możdżer (piano, celesta, Vibraphone, synth)
  Lars Danielsson (cello, bass)
  Zohar Fresco (percussion, vocal)


Polskalist_2 Tracklistは左のとおり。
モジュジェルが6曲、フレスコが3曲、そしてダニエルソンが2曲という構成。もともと良く解らないこの取り合わせで、一歩も二歩も異彩を放つ作品がここに登場したわけだ。

 そして更に良く解らないが何故かあのロック・ギタリストのJimi Hendrix の曲”Are You Experienced?”が最後に登場(11曲目、これはジミヘン・バンド=エクスペリエンスの1960年代の最初のアルバムから)、それもオーケストラがこの曲のみにバックに加わる。このアルバムにおいてはますます理解が難しい雰囲気を放っている。つまりこの曲で、このアルバムの創造的試みを聴いてくれたか?と言いたいのだろうか?。このあたりについて解説してくれるものがないだろうか?と・・・・・・探したくなるところ。

Leszek_mozdzer4  まああまり難しく考えずにこのアルバムを聴くことにしましょうよ、・・・と、言うところで先ずは冒頭の”Chai Peimot”、この曲はモジュジェルの澄んだリリカルなピアノの響きからスタート。これはなかなか良いぞと思わせるに充分の曲。そのうち驚きはフレスコのヴォーカルが入ることだ。そしてそれを支えるようなダニエルソンのベースが入ってくる。そのあたりからこれがイスラエルの世界なのだろうか?、アヴィシャイ・コーエンをふと思い出させる異国ムードが出てくる。しかしモジュジェルのピアノが流れるとやっぱりポーランドと思わせるヨーロッパの響きなのである。最初から聴く者を迷わせる感動が襲う。
 モジュジェルのアルバム・タイトル曲”Polska”は、5曲目にお目見え。これが又不思議なメロディー、ポーランドにある曲なのであろうか?、しかしクレジットは彼の曲になっている。これを聴く限りに於いて、ジャズといったところにこだわらない世界を感ずる。
 そしておもむろにダニエルソンの”Africa”が続いて登場するが、彼の美しさが垣間見れる曲。10曲目の”Spirit”になって、あの「PASDOBLE」を思わすメロディーが美しく流れる。

 とにかくこの三者の異なった持ち味をミックスさせた私にとっては不思議な世界。彼等の挑戦的な創造的アプローチを表しているアルバムと言って良いものなのか?。
 

(試聴)”Chai Peimot”

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2014年2月19日 (水)

アーロン・パークスAaron Parks ソロ・ピアノ・アルバム : 「ARBORESCENCE」

樹木の繁る森の中にての・・・・・・ピアノの調べ

<Jazz> AARON PARKS 「ARBORESCENCE」
              ECM Records  / CD / ECM 2338 / 2013
                           
Aaron Parks (p)
Producer : Sun Chung / November 2012, Mechanics Hall, Worcester MA
Rec. Engineer : Rick Kwan / Avatar Studio, NY / Music by Aaron Parks

Arborescence

  ECMからのリリースで、最近結構取り上げている人の多いアーロン・パークスのピアノ・ソロ・アルバム。実は私はこのアルバムで初めての彼のプレイに接したというところで、彼の過去の作品との比較的見解は述べられないのだが、前作はBlue Note 盤の「Invisible cinema」でカルテットというアンサンブルでのピアノ・プレイであったようだが、今回はソロ・アルバムということで様相を異にしている。いずれにしてもこのアルバムはECMということで、それなりの作品であろうことは想像するところだが、結果はそのとおり。
 しかしプロデューサーが、Sun Chungとなっている。ちょっと意外というか彼はManfred Eicherの片腕か?、これが初プロデュースらしいが。
 このアルバムのTracklistは下記の通り11曲。全てアーロン・パークスのオリジナルというか即興が殆どのようだ。

  1. Asleep In The Forest
  2. Toward Awakening
  3. Past Presence
  4. Elsewhere
  5. In Pursuit
  6. Squirrels
  7. Branchings
  8. River Ways
  9. A Curious Bloom
10. Reverie
11. Homestead

Aaron1b_2 アーロン・パークスは、1983年シアトル生まれというから新進気鋭と言って良いだろう。14歳にてなんとワシントン大学に入学、数学、コンピューター、音楽を専攻したと紹介されている。16歳にしてマンハッタン音楽院に入学し既に作品を録音している(「The Promise」)。そして24歳にして前作にてブルー・ノートからのデビューにより脚光を浴びると言うことになった。

 さてこのアルバムに関してだが、彼の言葉によると”収録した音楽は、事前に準備無しで録音したホールで生まれたものがほとんど。私の作品やスタンダードも演奏し録音したが、後で聴きなおしたもので気に入ったのは殆ど即興だった”と言っている。結果的にこのアルバムには彼自身の2曲以外は即興演奏が収録されている。 

その曲群であるが、アルバム・タイトルや曲のタイトルからみても静かな森、樹木の情景を描きつつ、その中に埋もれての内省的とも言える感じで、一つの空想、瞑想といった世界を描いたのであろうか?。聴く者にとっても静かにしてある意味での安堵感に浸れる。そして神秘的な情景が頭に浮かんでくるのである。ピアノの響きもなかなか快感に近いところにあって、即興であるからこそ彼の描くところが何か優しさに満ちているようにも聴こえる。

 5曲目の”In Pursuit”あたりに一つの盛り上がりをみせ、” Squirrels”にて前衛性に近いタッチもみせるが、全体的には気品のあるクラシックにも通ずるピアノ・プレイは、なかなか聴きどころも多い。ECMからこのような作品をリリースしたが、今後このパターンを続けるのか?、逆に攻撃的なアプローチをしてみせるのか?、これからの彼には興味が尽きない。

        Aaron Parks  :  Discography
         The Promse  1999
         First Romance  2000
         The Wizard  2001
         Shadows  2002
         Invisible Cinema  2008  Blue Note
         Alive in Japan   2013
         Arborescence   2013  ECM
 

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2014年2月14日 (金)

グレッチェン・パーラトGretchen Parlato 「live in nyc」&「the lost and found」

ニューヨーク発の新時代のヴォーカル?

<Jazz> gretchen parlato 「ive in nyc」
              ObliqSound Production / USA / CD+DVD / OSD-CD-114 / 2013

Liveinnyc2 <CD>

1. Butterfly (Herbie Hancock)*
2. All That I Can Say (Lauryn Hill)
3. Alo Alo (Paulinho Da Viola)*
4. Withing Me (Francis Jacob)
5. Holding Back The Years(Mick Hucknall)
6. Juju (Wayne Shorter)
7. Weak (Brian Alexander Morgan)*
8. On The Other Side (Francis Jacob)
9. Better Than (Parlato)*

(*印 DVD(Live映像))

taylor eigsti, alan hampton, mark guiliana
tracks 1, 3, 4, 6.

taylor eigsti, burniss earl travis II, kendrick scott
tracks 2, 7, 8, 9.

 Hancockの”Butterfly”のから始まる8曲のカヴァー曲と自己の一曲の最新ライブ・アルバム。それが控えめというか、囁きというか、熱唱タイプとは全く異なる変幻自在な不思議なヴォーカル。それを誘導するかのドラムス、そして洒落たピアノと、とにかく格好いいコンテンポラリー・ジャズ。・・・・・こんなアルバム(4曲のDVD映像付き)が友人から届いた。このグレッチェン・パラートという女性のヴォーカルは私にとっては初物。さっそく調べてみると、2005年からの彼女のリーダー作のDiscographyは下のようである。これが4枚目。

Live in NYC (Obliqsound, 2013)    
The Lost and Found (Obliqsound, 2011)
In a Dream (Obliqsound, 2009)
Gretchen Parlato (self-released, 2005)

・・・・・と言うことで、これはほっとけないと、スタジオ・アルバムの近作(2011年)を早速入手、取り敢えず聴くことにしたのである(↓)。

<Jazz> gretchen parlato 「the lost and found」
              ObliqSound / USA / CD / OSD-CD 113 / 2011
              Recorded on August 19-21, 2010 at Sear Sound, NYC

Thelostandfound

 
Gretchen Parlato (vo,per)
Taylor Eigsti (p,fender rhodes,hammomd B3)
Derrick Hodge (b,el-b)
Kendrick Scott (ds)

Dayna Stephens (ts) #4,14
Alan Hampton (vo,g) #5
Robert Glasper (fender rhodes) #10

  彼女のヴォーカル・アルバムではあるが、バックのピアノ・トリオを主とした演奏陣との融合が素晴らしく、ヴォーカルも一つの楽器のようでカルテットと言っても良い世界を構築している。
 彼女のウィスパー・ヴォイスといってよい歌唱法は、セクシー・アッピールを目的とした部類で無く、とにかくお洒落というところに尽きる。ボッサを歌い込んできたと言われているところは、洗練されたスピリチュアルな面にも生きている。

Gretchenparlato2

  Tracklistは下記のごとく15曲。このアルバムでは彼女の自作曲(*印)が面白く出色、なかなかミュージシャンとしての技能も並々ならぬといったところか。それと共にStephensのアルバム・タイトル曲や、彼女の師匠であるWayne Shorterの曲(”Juju”)なども登場させて、アレンジ面も一級品。

1. Holding Back the Years
2. Winter Wind*
3. How We Love*
4. Juju
5. Still
6. Better Than *
7. Alo, Alo
8. Circling*
9. Henya
10. In A Dream ( Remix )
11. All That I Can Say
12. Me and You
13. Blue In Green
14. The Lost and Found
15. Without A Sound

 彼女はNYで活躍している。丁度10年前の2004年にThelonious Monk Competition ヴォーカル部門で優勝して名乗りを上げたとか。とにかく囁き系とはいえテクニカルな唄は一級品。そしてこのコンテンポラリーな仕上げは、彼女自身のアレンジが生んだ方向なのか、はたまた今時のコンテンポラリー・ジャズの注目株ドラマーのKendrick Scottのリードによる流れからのものか、いずれにしてもNY発の新時代ジャズだ。
 若手とは言えTaylor Eigstiのピアノも彼女のヴォーカルとうまく絡んでお見事。彼女の曲”Better Than ”におけるピアノ・プレイは、私好みで聴きどころ。
 又Da Vioraの”Alo Alo”などでは、ちょっとやそっとのヴォーカリストでないところを見せつける。
 とにかく新時代を開いて行くジャズ・ヴォーカル・アルバムとして喝采を浴びせたい。いやはやNYもやっぱり一派値なら無いところがある事を知らしめてくれた。

(視聴)

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2014年2月 8日 (土)

トルド・グスタフセンの新作 Tord Gustavsen Quartet : 「Extended Circle」

前作のカルテットの延長線にあるアルバム~静寂にして深遠、そして思索的世界に

<Jazz> Tord Gustavsen Quartet 「Extended Circle」
       ECM Records  ECM2358 / 2014
              Recorded june 2013, Rainbow Studio , Oslo

Extendedcircle

 私の期待のノルウェーのジャズ・ピアニストのトルド・グスタフセンの新作の登場である(このジャケもいいですね)。前作は2012年の「The Well」(参照 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/tord-gustavsen-.html)であったが、かってピアノ・トリオ作品からスタートした彼だが、これはテナー・サックスを加えたカルテットであった。そして更にその前の「Restored,Returned」は(参照 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/tord-gustavse-1.html)は、Tord Gustavsen Ensembleと称して、カルテットにヴォーカルまでいれて見せていたので、今回のこの新作はどんな編成のパターンかと実は興味があったんです。そしてこうして手にしてみると、あのカルテットの続編であった。・・・・と、言うことはあのEnsemble以来のメンバーで(ヴォーカルは抜きとなったが)、継続されているということになる。

 メンバー及び収録曲は下記のとおり。

Extendedcirclelist_2

 double Bass は、「Ensemble」以来のMats Eilertsenとなっていて、3作続いたトリオ時代とは変わって現在は彼に固定したようだ。drums は、最初のトリオ以来変わらずのJarle Vespestadである。

 さてこのアルバムはと言うと、スタートの”right there”は静かにそして抒情的なピアノ、ゆったりとしたドラムス。そしてそれに続いてベースが乗ってくる。ああこれはトルド・グスタフセンだとすぐに解る郷愁を感じさせる世界に引っ張り込まれる。2曲目”Eg Veit I Himmerik Ei Borg”は、珍しくテンポが上がりこのアルバムの発展的な展開に入り、しばらくしてサックスが合流する。Noregian traditionalと記されているので、この国で愛されている曲なのであろう。

Members2  このアルバムでは、このカルテッット4人による共作は”Entrance”というインプロヴィゼイションと思われる曲のみで、3曲目と7曲目に登場し、ちょっと異様なフルートっぽい音のサックスがメロディーを流しているが、これが又異国的ムードを持ちながら、深遠にして瞑想的なグスタフセンの曲にマッチングした曲で驚かされる。
 ”Bass Transition”というEilertsenの短いベース・ソロが10曲目に入るが、その他8曲は全てグスタフセンの曲が続くのである。
 とにかく全編メロディーが抒情的で美しく、そして静寂の極致を演ずるピアノの調べとその思索的世界にひたりながら流されていると、いつの間にか終わりに到達する。 
Tord3  そう言えばグスタフセンは心理学を学んできたという哲学的世界があり、それに我々誘導されているのだろうか?。それにしてもこうした作品は一人で静かな部屋で聴くことが最低条件のように感ずる。

 そしてこのアルバムは完全に前作「The Well」の続編と言っていい。とにかく流れるムードは一貫している。”静謐(せいひつ)にしてストイシズム(克己主義)”という表現がされているが、まさにその通り。この世界にぞっこん惚れ込んでいる私のような人間にとっては、又々愛すべき貴重なアルバムが一枚増えたことになるのである。

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2014年2月 4日 (火)

ティアニー・サットンTierney Sutton : 「AFTER BLUE」 & 「DESIRE」

ベテランの初聴きシリーズ第二弾

<Jazz> TIERNEY SUTTON BAND 「DESIRE」
      TELARC / US / CD / CD-83685 / 2009

 

Desire 

 これは、ティアニー・サットンTierney Suttonのジャズ・スタンダートを中心としたアルバム。このところ彼女の最新作の「AFTER BLUE」も含めて取り敢えず数枚聴いてみたが、このアルバムが私にとってはベスト。ちょっとジャケが野暮ったいが、それは彼女の年齢(1963年生まれ)も加味して許すとして中身はなかなか充実している。
 彼女の1990年代からの築き上げられた歴史をみると、なにを今更と言われそうだが、私にとっては、驚きのテクニシャン・ヴォーカルに巡り会ったと最近若干感動しているのである。

Suttn_2
 今回ちょっと興味を持って調べてみると、彼女はロサンゼルスを拠点として活躍しているが、バークリー音楽大学を出ている学歴が有り、南カリフォルニア大学にて教鞭もとっているという。なにせグラミー賞の”ベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバム”に2度ノミネートされたという実力派であったのだ。
 注目すべきは、彼女はもう十数年来のクリスチャン・ジェイコブ・ジャズ・トリオと共に歩んできていて、このアルバムでは”Tierney Sutton Band”と名乗っている。
 メンバーは
  Tierney Sutton : vocals
    Christian Jacob : piano
    Trey Henry : bass
    Kevin Axt : bass
    Ray Brinker : drums   
・・・・・の5人。

Desirelist 馴染んだスタンダード集と甘くかかるとパンチが飛んでくる。とにかく”BAND”と言っているだけあって、演奏陣の果たす役割の多さも収録曲に見えてくる。このクリスチャン・ジェイコブ・トリオがお気に入りで、もともと東海岸の彼女は、彼等の活動する西海岸にて活動するに至ったというだけあって、このトリオのジャズ手法に絶妙な絡みのヴォーカルを披露する。
 このバンドの曲の展開や流れにおいて、ジャズ・アレンジとは?と、ふと考えさせる程の過去の曲のイメージをガラッと変える手法、それにより別世界へのお誘いが展開するのである。それが又たまらなく魅力的。これにはピアニストのクリスチャン・ジェイコブ(彼はフランス人)の力量が大いに働いているらしい。
 彼女の声の質は、あまり癖も無くそう声量があるわけで無いので、逆に技巧をこらしてもあまり嫌みにならない。このアルバムは知れ渡ったスタンダード集であるだけに、特にヴォーカルにこれだけ変化をもたらすと、今時の”Jazzy not jazz”が流行の中では、少々一般向きで無く、これぞ”ジャズ好み”という世界になる。
 しかし”long daddy green”の物語調のお聞かせヴォーカルがあったりする。一方”fever”の変容ぶりは私のお気に入りで、ダブル・ベースとドラムスの展開する夜のジャズ・ムードに彼女の不思議なヴォーカルで、これはご満悦。”then i'll be tired of you”のピアノとのバラードも絶妙。又私の好きな曲”cry me a river”もピアノ・トリオとこうしたドラマチックな変化を歌い上げ、このパターンは刺激的であった。

 とにかく、女性ジャズ・ヴォーカルもなかなか奥深く、この方面にこよなく愛する人のお勧めに耳を傾け、その推薦盤を聴かせていただいて、お気に入りに巡り遇うことに期待しているんです。そんなわけで、私の友人からの紹介が結構多いのですが、今回は爵士さんの熟女シリーズからのティアニー・サットンでした。
 

<Jazz> TIERNEY SUTTON 「AFTER BLUE」
               BFM JAZZ / US / CD / 302062419-2 / 2013


Afterblue これは彼女の最新アルバム。なんと一癖も二癖もあるジョニ・ミッチェルの作品をづらっと並べたカヴァー集。これは異色の挑戦である。今までの彼女のパターンを一つ又変化させたもの。
 このアルバムには12曲収められているが、これが又彼女得意のアレンジの妙を施し、バックの演奏陣も曲によってギター、フルート、オルガンと登場させ一風変わった世界を描く。又ヴァイオリン・ビオラを擁するTurtle island quartetとの共演なども2曲有り、やっぱりこれは異色作の体を成している。私としては、彼女の場合ピアノ・トリオとの共演の方ががいいと思うのだが・・・・、そのことは、彼女の長くのファンはどう評価しているのだろうか?。

このアルバムのtracklistは、このような12曲。

Afterbluelist

<Tierney Sutton - Discography>

1998 - Introducing Tierney Sutton
2000 - Unsung Heroes
2001 - Blue in Green
2002 - Something Cool
2004 - Dancing in the Dark
2005 - I'm with the Band
2007 - On the Other Side
2009 - Desire
2011 - American Road
2011 - Grade 3 featured on the Shine On! Volume One album
2013 - After Blue

(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=c8Tjg53UpCI

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2014年2月 1日 (土)

ジューン・テイバーJune Trabor : 「Quercus」

ベテランの初聴きシリーズ第一弾

<Jazz, Trad, Folk> June Taber 「Quercus」
                             ECM records,  ECM 2276,  2013
              Recorded Live March 2006

Quercus

June Tabor (vo)
Iain Ballamy (saxophones)
Huw Warren (piano)

  時々、その手のファンにとってはもう予てからの愛聴盤を積み重ねているような女性ヴォーカル盤に、私は初めてお目にかかるという奥深さの無い体を露呈するわけですが・・・・・。このベテラン歌手ジューン・テイバーJune Tabor(1947-)のアルバムにここに来て初めて私は接したのである。
 彼女は”ブリティッシュ・フォーク・トラッド”界での1970年代からアルバムをリリースしているベテラン女性シンガー。数多い彼女の過去のアルバムは全く知らない私ですが、ECMから昨年リリースされてこうしてジャズ系の流れから巡り巡って我が愛する友人から私にも到達したと言うことになったのです。

1.Lassie Lie Near Me
2.Come Away Death
3.As I Roved Out
4.The Lads In Their Hundreds
5.Teares
6.Near But Far Away
7.Brigg Fair
8.Who Wants The Evening Rose
9.This Is Always
10.A Tale From History (The Shooting)
11.All I Ask Of You

120413junetabor 
 ECM盤ですからおおよその想像はつくのだが、しかしこうしてアルバム全曲じっくりと聴いてみるとなかなか奥深さのある英国の歴史と文化を感じながら静寂に神聖な世界を見せられるような世界に入ってしまう。そして驚きはこれがライブ・アルバムと言うところだ。そして製作にはアイヒャーがどっぷり絡んでいるようで、それはそれ結構と言っておきたい。
 もともとフォークとトラッドとは”民族的な”とか”民謡”といったところからと言えば同じものになろうが、私から見れば若干意味合いを異にして、トラッドはまさに民族的なものの流れを継承したものとして受け入れられるが、フォークとはむしろその後の発展型としてロック時代にロックとは異なった一つのミュージック・スタイルとして評価している(フォーク・ロックなるジャンルもあるが、それはそれとして、アメリカにおけるヒッピー文化とフォークはどうしてもダブるんですね)。そんなところからは彼女はやっぱりトラッド系とみたい。

 さてこのアルバムはトラッド曲からスタートするが、展開はジャズなんですね。ヒュー・ウォーレンHuw Warrenのピアノが美しく、ECMのピアニストというと誰かが言ってましたけどほんとにKetil Bjørnstadが頭をよぎります。そしてIain Ballamyのサックスが又驚きのジェントル・ワールドなんです。そしてそれにジューン・テイバーのトラッド・ヴォーカルが流れて行くというパターン。しかし確かにこうなるとフォーク、トラッドという世界、更にはジャズいう世界をも超えた雲上の世界と言った方が良いのかも知れない。
 ”teares”はHuw Warrenの作のようで、この透明感あるピアノ・ソロが又いいですね。続く”Near But Far Away”は今度はサックスのIain Ballaykの曲で、冬の晴れた日に暖かい部屋の窓から広々とした雪原の美瑛の丘を眺めているような、又は暖かい季節であれば丘の上で寝そべって流れる雲をみているような感覚になる。
 こうして聴いているとこのアルバムは単にジューン・テイバーの唄ものと言うので無く、トリオ作品としてたまたま彼女はヴォーカルで参加していると言っていいのだろう。

 世の中には知らない世界が沢山あって、ふと知ったときの気持ちは何とも言えない快感である。このアルバムは、私の”ベテランものの初聴き”というところであって、知って良かったと思う一枚なのである。

(試聴)

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