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2014年2月 1日 (土)

ジューン・テイバーJune Trabor : 「Quercus」

ベテランの初聴きシリーズ第一弾

<Jazz, Trad, Folk> June Taber 「Quercus」
                             ECM records,  ECM 2276,  2013
              Recorded Live March 2006

Quercus

June Tabor (vo)
Iain Ballamy (saxophones)
Huw Warren (piano)

  時々、その手のファンにとってはもう予てからの愛聴盤を積み重ねているような女性ヴォーカル盤に、私は初めてお目にかかるという奥深さの無い体を露呈するわけですが・・・・・。このベテラン歌手ジューン・テイバーJune Tabor(1947-)のアルバムにここに来て初めて私は接したのである。
 彼女は”ブリティッシュ・フォーク・トラッド”界での1970年代からアルバムをリリースしているベテラン女性シンガー。数多い彼女の過去のアルバムは全く知らない私ですが、ECMから昨年リリースされてこうしてジャズ系の流れから巡り巡って我が愛する友人から私にも到達したと言うことになったのです。

1.Lassie Lie Near Me
2.Come Away Death
3.As I Roved Out
4.The Lads In Their Hundreds
5.Teares
6.Near But Far Away
7.Brigg Fair
8.Who Wants The Evening Rose
9.This Is Always
10.A Tale From History (The Shooting)
11.All I Ask Of You

120413junetabor 
 ECM盤ですからおおよその想像はつくのだが、しかしこうしてアルバム全曲じっくりと聴いてみるとなかなか奥深さのある英国の歴史と文化を感じながら静寂に神聖な世界を見せられるような世界に入ってしまう。そして驚きはこれがライブ・アルバムと言うところだ。そして製作にはアイヒャーがどっぷり絡んでいるようで、それはそれ結構と言っておきたい。
 もともとフォークとトラッドとは”民族的な”とか”民謡”といったところからと言えば同じものになろうが、私から見れば若干意味合いを異にして、トラッドはまさに民族的なものの流れを継承したものとして受け入れられるが、フォークとはむしろその後の発展型としてロック時代にロックとは異なった一つのミュージック・スタイルとして評価している(フォーク・ロックなるジャンルもあるが、それはそれとして、アメリカにおけるヒッピー文化とフォークはどうしてもダブるんですね)。そんなところからは彼女はやっぱりトラッド系とみたい。

 さてこのアルバムはトラッド曲からスタートするが、展開はジャズなんですね。ヒュー・ウォーレンHuw Warrenのピアノが美しく、ECMのピアニストというと誰かが言ってましたけどほんとにKetil Bjørnstadが頭をよぎります。そしてIain Ballamyのサックスが又驚きのジェントル・ワールドなんです。そしてそれにジューン・テイバーのトラッド・ヴォーカルが流れて行くというパターン。しかし確かにこうなるとフォーク、トラッドという世界、更にはジャズいう世界をも超えた雲上の世界と言った方が良いのかも知れない。
 ”teares”はHuw Warrenの作のようで、この透明感あるピアノ・ソロが又いいですね。続く”Near But Far Away”は今度はサックスのIain Ballaykの曲で、冬の晴れた日に暖かい部屋の窓から広々とした雪原の美瑛の丘を眺めているような、又は暖かい季節であれば丘の上で寝そべって流れる雲をみているような感覚になる。
 こうして聴いているとこのアルバムは単にジューン・テイバーの唄ものと言うので無く、トリオ作品としてたまたま彼女はヴォーカルで参加していると言っていいのだろう。

 世の中には知らない世界が沢山あって、ふと知ったときの気持ちは何とも言えない快感である。このアルバムは、私の”ベテランものの初聴き”というところであって、知って良かったと思う一枚なのである。

(試聴)

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コメント

ほぉ…今この方はそういう展開の位置で歌っているんですか…、自分なんかはトラッドの歌姫のイメージのままで終わっているので現役活動の報を知った今が新鮮です。これはちょいと楽しみにしますね。

投稿: フレ | 2014年2月 1日 (土) 21時54分

 フレさんお早う御座います。
 トラッドって、私は結構魅力を感じていたんですが・・・、彼女に関しては白紙状態でした。さすがフレさん歌姫と言われる当時からチェックはなされていたんですね。
 彼女の2012年BBCのフォーク・シンガーオブ・ジ・イヤーに記念してのアイヒャーの作戦か?。なにせ録音は2006年とリリース年から7年前のライブものですからね。しかしトラッドにサックス、ピアノという組み合わせに驚きです。

投稿: 風呂井戸 | 2014年2月 2日 (日) 09時58分

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