私の愛する老兵カメラ(2) 「セミイコンタ」 / ジル・エキミアン・トリオGilles Hekimian Trio
スーパーイコンタの弟分~セミイコンタ ZEISS IKON 520 (6×4.5版)
手持ちの独逸製スプリングカメラの最高傑作「スーパーイコンタ」を前回紹介したが、あれは120フィルムの6×9版であるが、丁度その半分の6×4.5版の弟分カメラ・セミイコンタも日本ではなかなかの人気だった。私の手持ちのものは、その特に前期のもので、あのドレー・カイルプリズム方式というピント合わせのないものであるが、これがなかなかブローニー版カメラにして小型そのもので、快適である。(後にピント合わせの付いたものをスーパーセミイコンタと言う=これは日本に於けるカメラ製造の基本思想になるぐらいのもの)
IKONTA (セミイコンタⅠ)
Tessar 1:3.5 f=7cm Carl Zeiss Jena Nr 1565886
COMPUR-RAPID
おそらくこれは1934年製ではないかと思う。まあ私の生まれる前の製品であるから個人的には完動しているところは貴重と思っている。この後1936年からはシャッターレリーズがボディーに付くことになるが、これはまだレンズ側にある。ファインダーは当初枠だけであったようだが、これの機器にはレンズが付いている。ピント距離はfeet表示。これを頭で計算して設定するところが又楽しい。絞りは3.5-22。又当時は120フィルムで6×4.5で撮るという感覚がなかったようで、フィルムにその為の数字が印刷されていない為、6×9版用の数字を使い2つの赤い窓が有り、それによって9cmの1/2を確認するようになっている。
しかしこの蛇腹をたたむとほんとにコンパクトで、120フィルム撮影機とは思えないスモール・サイズを実現している(約11×8×3.5cm)。6×4.5版で日本製もここまでコンパクトにはなかなかまねをしても難しかったようだ。(FUJIFILMがセミイコンタから50年後の1983年にこのセンスでレトロを現代にと開発・発売した「GS645professional」(写真→)は、レンジファインダーで75mmレンズで私は即とびついたが、ボディーは遙かにセミイコンタより大きい)
このセミイコンタを持ち歩いているだけでも楽しい。そしてボタン一つでファインター開き、スプリングによる自動起立で一気にたたまれたジャバラが伸びて、撮影準備状態になるところは快感。まだ健在のこの静かなシャッター音は魅力でもある。後は撮影の出来不出来は撮影者のセンスにまかせての話で、これが大きな楽しみの一つ。
<今日のミュージック>
寺島靖国「Jazz Bar 2002」
DIWRecords TYP-002 / 2002 ・・・・・・・からの一曲。
GILLES HEKIMIAN TRIO ”Inner Swing” (これはアルバム「EQUILIBRES」-Atelier Sawano AS008 2000年リリース。1977年録音、から)
フランスのジル(ギレ)・エキミアン・トリオのこの曲は、ピアノ、ベースが対等にメロディーを奏で合うところの美しさと躍動が、そこには何とも言えない迫力がある。そしてドラムスも中間から後半にかけてソロ・パートがあって、まさにこれぞトリオそのもので感動を誘う。(このトリオ、その後は全く情報なしなんですが・・・?)
members:
Gilles Hekimian : piano
Pierre Yves Sorin : bass
Stephane Gremaud : drums
「EQUILIBRES」-tracklist:
1. Billard Party
2. Pour Cole
3. Nica's Dream
4. Pays Cathare
5. Ballade Pour G
6. Inner Swing
7. Nardis
8. Improvise
この「Jazz Bar 2002」は、その他、Mongef Genoud Trio ”We Will Meet Again”、Simple Acoustic Trio”Sleep Safe And Warm”、Tom Cohen Trio”Passacaglia”等々非常に中身は濃い。
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コメント
スプリングカメラは人前で使うには少々勇気がいりますよね。私も以前はベッサーを持ってましたが、結局あげてしまいました。今持っているのはベス単だけですが、127フィルムを作るのが少々面倒なのもあって出番がありません。127があればベビーローライやプリモJrなどがもっと手軽に楽しめるのに…。
投稿: /ten | 2014年3月16日 (日) 16時55分
/tenさんご無沙汰しています。
スプリングカメラってほんとに写真を撮っているという感じで・・・これが又快感(笑)。後ろの窓を見ながらフィルムを巻き上げ、チッとシャッターをセットしてシャっと撮る。最近面倒なんで絞りはカンで撮る。シャッター・スピードがパーフェクトでないだけ、そのカメラ用のカンでセットというわけです。
デジタル時代になって、左に最新デジタル機、そして右にこんな老兵カメラを持って歩くスタイルがこんなに楽しいなんて思わなかったです。そして何が撮れるかがお楽しみというところで。
そうですね、127フィルム作りからとなると・・・これは私には無理ですね。
投稿: 風呂井戸 | 2014年3月16日 (日) 22時17分
127フィルム作りはそれほど難しいことではありません(面倒ですが)。120フィルムに定規を当てて回転させながら127フィルム幅に全部切り落として127スプールに巻き取り直せばいいだけなんです。暗室がある環境ならより作業がし易いと思います。私も何パターンかカット機を作りましたけど、結局のところこの方法が一番手っ取り早くて簡単でした。ただし現像はパターソンを使うか、ステンレスリールを中央で切断再加工しないといけませんが。
投稿: /ten | 2014年3月16日 (日) 23時35分
コンパクトで写りが良い
いい事ずくめのカメラですね。
中古で結構出てるけど、
程度のほどはどうなんでしょう。
投稿: yuta | 2021年10月17日 (日) 14時57分